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パワハラ事例解説(15) - 進捗遅れに対する公開パワハラ

このシリーズの記事では、パワハラの定義と類型、私の身近に起きたグレーゾーンを含む事例について、定義と類型をもとに解説している。内容によっては考え方や改善策についても述べているので参考にしてほしい。

自分が加害者にならないように注意することをはじめ、被害に遭いそうな場合はいち早く予兆に気付くことが求められる。


【最初に】パワハラの定義と6つの類型

パワハラはご存知の通り「パワーハラスメント」の略であり、権力や地位を利用した嫌がらせという意味である。2001年に株式会社クオレ・シー・キューブによる造語である。ただ、その定義は曖昧で指導との区別が困難である現実を抱えていた。2020年6月にパワハラ防止法が適用され(中小企業は2022年4月より適用)、同時に厚生労働省による定義が明確になった。

パワハラの定義

パワハラパワーハラスメント)とは、職場において行われる

  • ①優越的な関係を背景とした言動であって、
  • ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
  • ③労働者の就業環境が害されるものであり、

①から③までの3つの要素を全て満たすものをいう。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

パワハラの6類型

パワハラは次の6つのパターンに分類され、6類型と呼ばれている。

  • (1)身体的な攻撃
  • (2)精神的な攻撃
  • (3)人間関係からの切り離し
  • (4)過大な要求
  • (5)過小な要求
  • (6)個の侵害

「(1)身体的な攻撃」は暴力の他、モノを叩くことによる威嚇がこれに該当する。「(2)精神的な攻撃」は暴言の他にも、他人を心理的に苦しめる発言が該当し、パワハラ事例の中でも最も多い。特定の人だけ仲間外れにしたり、情報を与えない、無視をするのは「(3)人間関係からの切り離し」に該当する。到底達成できないノルマを与える「(4)過大な要求」、能力に見合わない仕事を与える、もしくは仕事を与えないことで心理的に苦しめる「(5)過小な要求」、プライベートに踏み込みすぎる「(6)個の侵害」、これらを総称してパワハラと呼ばれる。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例

ニュースで取り上げられているものや、裁判になったものは組織内で解決できなかった手遅れ案件である。また、世間の目も段々厳しくなってきており、損害賠償の相場も数百万単位(被害者が死亡の場合は数千万単位)に上がってきているという情報もある。いくら正論であっても、相手が嫌がるやり方であれば、法律に触れることになる。

ただでさえニュースで見ることが多くなってきているのだが、これらは氷山の一角であり、水面下には程度の大小を問わずさらに多くの案件が潜んでいる。上述の定義や類型を基に、私が実際に見たことがある事例を紹介し、定義や類型を元に解説する。程度や被害の大小は様々である。

  • グレーゾーンであるもの、パワハラと断言できないもの
  • 「こんなのがパワハラになるのか?」というもの
  • 出来事が起きた当時はあまり意識しなかったものの今考えると「あのときのあの出来事はもしかするとパワハラにあたるのでは?自分も加害者にならないように気を付けよう。」と思ったもの

いずれにしても、加害者側に問題があり是正が必要であることは間違いなく言えるので、立場関係なく参考にしていただきたい。その上でパワハラの予兆を見極め、未然防止に繋げることが重要てある。

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例一覧については、こちらを参考にしていただきたい。
o08usyu7231.hatenablog.com

【事例15】進捗遅れに対する公開パワハラ

ある下請けを中心としたIT企業における、10名程度のシステム開発プロジェクトで、プロジェクトの進捗会議でのパワハラ事例がある。このプロジェクトは、大手メーカーからシステム開発を子会社に業務委託し、さらにその子会社から当該IT企業へ業務委託している。すなわち、IT企業から見れば孫請け案件である。

このプロジェクトは顧客(大手メーカー、子会社)からの要求により、短納期での作業が求められた。受注したIT企業は、作業者の頭数を揃えるため、作業に不慣れな人達が集められた。今考えればプロジェクトの内容に見合わない短納期であるが故に、過重労働に見舞われた。それでもIT企業で作業するメンバーは皆、毎日夜遅くまで一生懸命業務にあたっており、休日出勤もしていた。このプロジェクトを取りまとめる【プロジェクトリーダー】は作業を行わず、進捗管理のみしている上、他のプロジェクトのリーダーも兼務していた。

10名程度が集まるプロジェクトの進捗会議で、【プロジェクトリーダー】は、プロジェクトメンバーの一人である【担当者】から次のような進捗報告を受けた。

  • 「進捗は○週間程度遅れている。」
  • 「多くの人が作業に不慣れで、時間がかかっている。」
  • 「残業で挽回を試みるも、遅れを回収できない。」

これに対して【プロジェクトリーダー】は、プロジェクトメンバー全員の前で、【担当者】に対して、

  • 「言い訳するな!」

と大声で罵倒し、以降不機嫌な様子であった。また、その翌日に【プロジェクトリーダー】は【担当者】に対して一対一で次のようにコメントした。

  • 「昨日は、少し言い過ぎてごめん。」
  • 「メンバー全員の気を引き締めるために、厳しく言う必要があった。」

【プロジェクトリーダー】にはリーダーとしての責任感と、遅れている進捗を挽回し納期を守り、顧客に迷惑をかけないようにという思いがあったが故に、言葉が厳しくなってしまったようだ。しかし、顧客の立場を重視し、【担当者】を含めたメンバーの立場を軽視したことで、かえって【担当者】からの信頼を低下させてしまった。

また、他のメンバーからも「プロジェクト期間が短すぎる」との批判が出ていた。

この事例においては、①プロジェクトのリーダーが担当者に対する優越的な立場を利用して、②プロジェクトメンバー全員の前で被害者に対してフロア中響き渡る大声で罵倒し、③メンバーの就労環境を低下させている。よってパワハラの定義を満たしている。更にはプロジェクトメンバー全員の目の前で行われる公開パワハラである。6類型では、(2)「精神的な攻撃」、毎日残業まみれでもスケジュールに間に合わない程度の(4)「過大な要求」にあたる。

問題はそれだけではない。
進捗の様子を「報告・説明」した結果、「言い訳するな!」と罵倒している。「報告・説明」と「言い訳」の区別ができておらず、都合の悪い報告を「言い訳」と解釈している。
o08usyu7231.hatenablog.com

また、リーダーがこのような態度では、メンバーは「報告・連絡・相談」をしなくなる。リーダーが「報連相」の本来の意味を理解していない。
o08usyu7231.hatenablog.com

更に、プロジェクトが残業まみれの状況では、スケジュールが短すぎるなど前段に問題があるのだが、ここに対しては無策であり、過重労働に晒されている【担当者】を吊し上げている。また、「メンバー全員の気を引き締めるために、厳しく言う必要があった。」とコメントしていることから、恐怖感をもってメンバーを動かそうとしている。リーダーに必要なのは、メンバーがパフォーマンスを最大限に発揮できるサポートと、労働環境の改善である。顧客にスケジュールの見直しを要請し、無理な要求に対しては毅然とした対応をとるべきである。
o08usyu7231.hatenablog.com

いずれにしても、【プロジェクトリーダー】のマネジメントに問題がある。スケジュールや納期さえ守れば、あとは何でも良いというわけではない。リーダーや管理職は、過重労働を抑止し、労働者の安全に配慮する義務を負っている。納期までに完了させることの責任ばかりを重視し、労働環境の悪化に対する責任が軽視されていることがよくあるから驚きだ。

このプロジェクトは【担当者】を含むメンバーの残業のおかげで、最終的に何とかスケジュールに間に合わせることができたようで、【プロジェクトリーダー】やその上司であるマネージャーは「このプロジェクトは成功で、お客様から信頼を得られた。」としている。しかし、パワハラ加害者となってしまった【プロジェクトリーダー】は【担当者】からの信頼の失墜を招いている。【担当者】にとっては、このプロジェクトは失敗であると認識している。
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【担当者】はこの出来事の数年後に優良企業へ転職した。その更に数年後【プロジェクトリーダー】はリーダーからマネージャーを経て部長へ昇進している。最近では、「実績の有無に関わらずパワハラ気質なベテラン社員を管理職から外すのが正解である」と専門家を中心に言われている。しかし、多くの企業はこれに対応できていない。だから優秀な人材が流出する。この企業も然りである。【担当者】は他の開発現場やプロジェクトで優秀な実績を残している実力者であり、優良企業へ転職して正解だ。

【最後に】パワハラにおける考え方・まとめ

パワハラは加害者および組織の問題、被害者に責任はない

パワハラは加害者が未熟であることによって発生する。パワハラに関して被害者には非はない。被害者に改めるべき部分があると思えば、改めることは素晴らしいことである。しかし、パワハラを受けたことに対する責任まで取る必要はない

一方、パワハラ加害者は重い軽いいずれにしてもそれなりの処分と教育を受け、更正してほしい。パワハラの加害者を絶対に昇格させてはいけない。降格するくらいを当たり前にしてほしい。

パワハラ加害者となる可能性が高いリーダー、管理職には、パワハラの重大さを知ったうえで、チーム・組織で成果を最大化するために必要なことを学んでほしい。私は様々なリーダー、管理職を見てきた。技術や能力が高いベテラン社員はある程度いる。しかし、いくら能力が高くてもパワハラ気質なベテラン社員は、管理職にふさわしくないと判断している。組織のメンバーのパフォーマンスの最大化の妨げとなっているからである。チーム・組織で成果を最大化するためにパワハラはいらない。一方、被害者はパワハラを受けた状況にもかかわらず業務において一定のアウトプットを出しているなら、優秀な人材であると考えて良さそうだ。

パワハラがいけないことであるということは皆知っている。しかし、何がパワハラに当たるか、パワハラが発生したときにどのような影響が出るかを理解していないのではないだろうか。パワハラに関する研修や教育は行われているが、最悪命に関わるということを教えていないのではないだろうか。

パワハラ対策の第一歩は証拠集め

パワハラは加害者および組織の問題としながらも、被害者が対策しなければならない。実に理不尽だ。放置や無策、我慢することはお勧めできない。エスカレートするからだ。その対策の第一歩としては証拠を集めることだ。電子メールやチャットのやりとりでパワハラに繋がりそうなものがあれば残しておく、会話についてはスマホでも良いがICレコーダーで録音しておくことをお勧めする。裁判等で確実な証拠となる。

防犯カメラはこれまでは文字通り、犯罪調査に使用されることがメインでした。最近では、これに加えて職場などにおけるパワハラの証拠収集等、ハラスメント対策においてより重要性が高まっております。小型であり持ち運びしやすいこともあり、いつハラスメントに巻き込まれるか予測できない状況において、自分の身を守るためにも、是非携帯しておくことをお勧めします。


自分を守るための準備も並行して進める必要がある

パワハラは加害者を直接コントロールすることは難しい。被害者の方々には、まず自分を守ることを優先していただきたい。できればパワハラが発生するような環境から離れ、他の環境に移ることができるようにしておくことが望ましい。本来、被害者側に要求しなければならないことは社会的に非常に残念ではあり、理不尽ではあるが、パワハラ被害に遭う前から、転職、起業、フリーランス、副業など準備を進めておくことが、被害者個人でできる対策である。あらゆる手段で自分の人生を守るよう、準備を進めておくことをお勧めする。それくらい日本のハラスメント対策は国際的に見ても遅れている。
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いざというときの退職も安心!

そして準備が整った後、いざパワハラ被害を理由に退職する際に、損害賠償など、企業の不祥事によって受けた不利益を取り返すアクションを起こしたいと考えている方は、弁護士が運営する退職代行を、なるべく安い費用で退職代行の活用を考えておられる方は労働組合が運営する退職代行の活用を視野に入れていただきたい。

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収入が少ない若年層の方々にとって、まず低費用、そして、簡単で確実に退職できることが最大のニーズであり、「退職代行ガーディアン」はスムーズな退職実現に向けて支援いたします。



パワハラ事例解説(14) - 杜撰なマネジメント・危機的状況軽視・メンバへの冷遇によりメンバのメンタルトラブルが悪化

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【最初に】パワハラの定義と6つの類型

パワハラはご存知の通り「パワーハラスメント」の略であり、権力や地位を利用した嫌がらせという意味である。2001年に株式会社クオレ・シー・キューブによる造語である。ただ、その定義は曖昧で指導との区別が困難である現実を抱えていた。2020年6月にパワハラ防止法が適用され(中小企業は2022年4月より適用)、同時に厚生労働省による定義が明確になった。

パワハラの定義

パワハラパワーハラスメント)とは、職場において行われる

  • ①優越的な関係を背景とした言動であって、
  • ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
  • ③労働者の就業環境が害されるものであり、

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パワハラの6類型

パワハラは次の6つのパターンに分類され、6類型と呼ばれている。

  • (1)身体的な攻撃
  • (2)精神的な攻撃
  • (3)人間関係からの切り離し
  • (4)過大な要求
  • (5)過小な要求
  • (6)個の侵害

「(1)身体的な攻撃」は暴力の他、モノを叩くことによる威嚇がこれに該当する。「(2)精神的な攻撃」は暴言の他にも、他人を心理的に苦しめる発言が該当し、パワハラ事例の中でも最も多い。特定の人だけ仲間外れにしたり、情報を与えない、無視をするのは「(3)人間関係からの切り離し」に該当する。到底達成できないノルマを与える「(4)過大な要求」、能力に見合わない仕事を与える、もしくは仕事を与えないことで心理的に苦しめる「(5)過小な要求」、プライベートに踏み込みすぎる「(6)個の侵害」、これらを総称してパワハラと呼ばれる。
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このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例

ニュースで取り上げられているものや、裁判になったものは組織内で解決できなかった手遅れ案件である。また、世間の目も段々厳しくなってきており、損害賠償の相場も数百万単位(被害者が死亡の場合は数千万単位)に上がってきているという情報もある。いくら正論であっても、相手が嫌がるやり方であれば、法律に触れることになる。

ただでさえニュースで見ることが多くなってきているのだが、これらは氷山の一角であり、水面下には程度の大小を問わずさらに多くの案件が潜んでいる。上述の定義や類型を基に、私が実際に見たことがある事例を紹介し、定義や類型を元に解説する。程度や被害の大小は様々である。

  • グレーゾーンであるもの、パワハラと断言できないもの
  • 「こんなのがパワハラになるのか?」というもの
  • 出来事が起きた当時はあまり意識しなかったものの今考えると「あのときのあの出来事はもしかするとパワハラにあたるのでは?自分も加害者にならないように気を付けよう。」と思ったもの

いずれにしても、加害者側に問題があり是正が必要であることは間違いなく言えるので、立場関係なく参考にしていただきたい。その上でパワハラの予兆を見極め、未然防止に繋げることが重要てある。

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例一覧については、こちらを参考にしていただきたい。
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【事例14】杜撰なマネジメント・危機的状況軽視・メンバへの冷遇によりメンバのメンタルトラブルが悪化

被害者A氏は加害者B部長からの指示により、過重労働の温床となっているシステム開発プロジェクトへ応援要員として投入されることとなった。投入されて数ヶ月、スキルもつかず面白味のない内容で、過労死基準に達する過重労働であった。リーダー、メンバーとも体調を壊す人が出てきた。

その後、人員リソースが大幅に削減された。加害者Bは当プロジェクトに関する追加業務を受注し、プロジェクトに不慣れな被害者Aをリーダーに指名し、A氏以外は数名の協力会社要員しかいない状況であった。A氏は、手が回らず、頭が回らず、心身疲弊により体調を崩すようになった。

A氏は、次第に夜も眠れなくなり、朝早く目が覚め、寝ても疲れが取れず、夏であったこともありいつも以上に汗をかき、食欲もなくなり、何事にも気力を失った。うつ病にみられる傾向である。被害者Aは加害者Bに体調不良を訴えた。

加害者Bは威圧的な罵倒などなかったものの

「これくらいのことで何故体調を壊すのか全く理解できない。」

といった態度で状況を軽視しており、しばらく何の対応も取らなかった。その後、A氏の体調悪化が進み、B氏はやむなくA氏の業務に別の正社員をアサインさせ、引き継ぎを指示した。A氏はしばらく休養した。

休養中もA氏は頭がまともに回らず、発熱が続いた。A氏は病院に出向いたが内科では解決せず、心療内科神経内科を探し周り、しばらく通院となった。A氏にとっては過去にない大ごとであり、初めてのことである。

A氏の状況をもう少し状況を補足する。A氏は真面目で、信頼があり、責任感が強く、丁寧な仕事ぶりで、慣れるまでに時間はかかるがコツコツと努力するタイプあり、特定顧客のシステム開発プロジェクトで長年優秀な実績を挙げていた。A氏にとっては過去の成功実績からすると落差が大きかった。この落差が大きかった点がA氏と他の社員との大きな違いである。後にA氏とB氏は面談し、状況や経緯の詳細を確認した。A氏は、この時B氏以外に社長、メンタルヘルスアドバイザーと面談をしている。

一方、B氏の状況をもう少し補足する。B氏はA氏が体調悪化で離脱した時点では、A氏の過去の実績、強み、特徴、心理状況、モチベーションに関して無関心であり、A氏をあまり優秀な人材とは見ていなかった。B氏は昔から長時間労働を乗り越えてきた人間であり、技術面では優れた実績を残してきているものの、A氏との価値観の違いをあまり意識せず、B氏の価値観で進めてきた面がある。部長であるという立場もあり現場の状況をよく確認しないまま、売上重視で業務を受注していた。上述の通り、後にA氏とB氏の面談によって、B氏はA氏に対する理解を徐々に深めていった。

これはパワハラと言えるかどうかはグレーゾーンだが、A氏は健康被害(メンタルトラブル)を受けており、B氏におけるマネジメントの未熟さであると言える。パワハラの定義に基づくと、①部長という優越的な立場を背景に、②A氏にとっては過負荷である業務をアサインしながらもその自覚がなく、A氏の体調が悪化するまで状況を軽視し、③結果A氏程の優秀な実績を挙げた人材に、健康被害を負わせ、台無しにしてしまった。パワハラ6類型では、(4)「過大な要求」が該当するほか、「大したことない」「体調を壊す理由が理解できない」などの心無い言葉は(2)「精神的な攻撃」にあたる。その他、安全配慮義務違反も考えられる。

上述したように、罵倒や威圧はなかったものの、

  • 状況軽視
  • 自身の価値観のみでの判断
  • 杜撰なマネジメント
  • A氏に対する冷遇
  • A氏がダウンしたときの体調面よりも業務の引き継ぎを重視する体質
  • A氏の苦労を理解できない想像力の無さ

このような点がB氏の問題だろう。

B氏においては、A氏の体調悪化が進んでからではなく、未然防止の観点が備わっていなかった点が問題である。このようなことが発生する前から、A氏の特徴を掴んでおき、A氏が最高のパフォーマンスを発揮できるようにすることがマネジメントである。B氏は技術では優れている。技術が優れているからといってマネジメントが優れているとは限らないことは、多くの記事で述べられている。

A氏はこの出来事の数年後に優良企業へ転職した。その更に数年後B氏は部長から執行役員へ昇進している。グレーゾーンとはいえ、健康被害(メンタルトラブル)を出し、退職者を出している人が昇進するような組織に優秀な人材が定着するだろうか?

A氏は転職して正解だ。

私は、管理職向けのメンタルヘルスセミナーを受講したことがある。このときの講師の方の説明によると「メンタルトラブルを起こした企業は信頼を無くす」ということである。まさに、本事例だ。

【最後に】パワハラにおける考え方・まとめ

パワハラは加害者および組織の問題、被害者に責任はない

パワハラは加害者が未熟であることによって発生する。パワハラに関して被害者には非はない。被害者に改めるべき部分があると思えば、改めることは素晴らしいことである。しかし、パワハラを受けたことに対する責任まで取る必要はない

一方、パワハラ加害者は重い軽いいずれにしてもそれなりの処分と教育を受け、更正してほしい。パワハラの加害者を絶対に昇格させてはいけない。降格するくらいを当たり前にしてほしい。

パワハラ加害者となる可能性が高いリーダー、管理職には、パワハラの重大さを知ったうえで、チーム・組織で成果を最大化するために必要なことを学んでほしい。私は様々なリーダー、管理職を見てきた。技術や能力が高いベテラン社員はある程度いる。しかし、いくら能力が高くてもパワハラ気質なベテラン社員は、管理職にふさわしくないと判断している。組織のメンバーのパフォーマンスの最大化の妨げとなっているからである。チーム・組織で成果を最大化するためにパワハラはいらない。一方、被害者はパワハラを受けた状況にもかかわらず業務において一定のアウトプットを出しているなら、優秀な人材であると考えて良さそうだ。

パワハラがいけないことであるということは皆知っている。しかし、何がパワハラに当たるか、パワハラが発生したときにどのような影響が出るかを理解していないのではないだろうか。パワハラに関する研修や教育は行われているが、最悪命に関わるということを教えていないのではないだろうか。

パワハラ対策の第一歩は証拠集め

パワハラは加害者および組織の問題としながらも、被害者が対策しなければならない。実に理不尽だ。放置や無策、我慢することはお勧めできない。エスカレートするからだ。その対策の第一歩としては証拠を集めることだ。電子メールやチャットのやりとりでパワハラに繋がりそうなものがあれば残しておく、会話についてはスマホでも良いがICレコーダーで録音しておくことをお勧めする。裁判等で確実な証拠となる。

防犯カメラはこれまでは文字通り、犯罪調査に使用されることがメインでした。最近では、これに加えて職場などにおけるパワハラの証拠収集等、ハラスメント対策においてより重要性が高まっております。小型であり持ち運びしやすいこともあり、いつハラスメントに巻き込まれるか予測できない状況において、自分の身を守るためにも、是非携帯しておくことをお勧めします。


自分を守るための準備も並行して進める必要がある

パワハラは加害者を直接コントロールすることは難しい。被害者の方々には、まず自分を守ることを優先していただきたい。できればパワハラが発生するような環境から離れ、他の環境に移ることができるようにしておくことが望ましい。本来、被害者側に要求しなければならないことは社会的に非常に残念ではあり、理不尽ではあるが、パワハラ被害に遭う前から、転職、起業、フリーランス、副業など準備を進めておくことが、被害者個人でできる対策である。あらゆる手段で自分の人生を守るよう、準備を進めておくことをお勧めする。それくらい日本のハラスメント対策は国際的に見ても遅れている。
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「協調性」と「同調圧力」

「協調性」と「同調圧力」、「周囲と同じように行動する」というニュアンスを感じさせるよく似た言葉というイメージがある。

「協調性」はポジティブな意味で、「同調圧力」はネガティブな意味で使われそうだ。

まずは、それぞれの意味を調べた上で、いままでの経験上どのような場面にこれらの言葉が当てはまるか振り返ることにした。


1.「協調性」「同調圧力」の意味を調べてみた。

Wikipediaによると、「協調性(きょうちょうせい)」とは、

「異なった環境や立場にある複数の者が互いに助け合ったり譲り合ったりしながら同じ目標に向かって任務を遂行する素質」

とある。また、別サイトでは、その文字通り"協力して調和する力"を意味し、様々な価値観や考えを持つ人たちと折り合いをつけ、時に周囲を説得しながら、一つの目標に向かっていく力を指すと説明されている。

「協調性」を大きく分けると、「従順的な協調性」「主体的な協調性」の2パターンがある。「従順的な協調性」とは、周りの意見に従い空気を読んで調和していくことを指し、真面目さや誠実さなどが求められるケースが多い。「主体的な協調性」とは、自ら周りに働きかけ巻き込みながらゴールを目指すこと指し、「主体性」と言っても違和感がないイメージである。

同調圧力(どうちょうあつりょく)」とは、

「地域共同体や職場などある特定のグループにおいて意思決定、合意形成を行う際に、少数意見を有する者に対して、暗黙のうちに多数意見に合わせるように強制・誘導することを指す。」

とある。

少数意見を有する者に対して多数意見を受容するよう迫る手段にはさまざまな方法がある。少数意見を有する者に対して物理的に危害を加える旨を通告するような明確な脅迫から、多数意見に逆らうことに恥の意識を持たせる、少数意見者が一部の変わり者であるとの印象操作をする、「一部の足並みの乱れが全体に迷惑をかける」と主張する、少数意見のデメリットを必要以上に誇張する、同調圧力をかけた集団から社会的排除を行うなどである。どちらかというと、やはり冒頭に述べた通りネガティブな印象だ。

2. 周囲に合わせて長時間労働に付き合うのは「協調性」ではない。「同調圧力」だ。

職場における代表的な事例が、長時間労働だ。効率的に仕事を進めており残業が少ない状況であっても、忙しい状況であってもこのように言う管理職を何人か見たことがある。

  • 「○○は、残業が少ない。もう少し(残業してでも)サポートに回ってほしい。」
  • 「みんな22時まで頑張っているのに、○○は22時まで頑張っていない。」
  • 「他のメンバーの中には休日出勤している人もいる。もう少し、スケジュールに対する意識を持って対応してほしい。」

皆さんは、このような管理職がいかに未熟であるかお分かりいただけるだろうか?

残業することが当然の職場において、口には出さない、または遠回しに言うけれども、周囲と同じく残業することを強要するような雰囲気がある。このよう周囲と同じ行動を強いる雰囲気や威圧感こそが「同調圧力」である。

そもそも「残業」「休日出勤」は「当たり前」なのではなく「特例」なのだ。また、「残業」「休日出勤」は上司からの指示・命令で行うものである。上記のセリフはいかに「残業」「休日出勤」が当たり前になっており、管理職のマネジメントが未熟であるがゆえにブラックになっていると自ら言っているようなものだ。恥ずかしくないのだろうか?
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本来、「残業が少ないから残業を多くしてほしい。」というスタンスではなく、業務配分を見直したり、負荷の平準化をはかるように調整することが、管理職のやるべきことである。マネジメントの未熟さや、組織として過大な要求を受けているがゆえ、そのしわ寄せが末端のメンバーに押し寄せているという状況を放置しているのは怠慢極まりない

重要なことは、残業が少ない人のことを「協調性が欠けた人」というふうに言ってはいけないことである。「周囲と同じようにする」という、組織における「従順的な協調性」を重視しているように見えるのだが、むしろ「同調圧力」のイメージの方が強く、「早く退社しにくい職場」を暗黙のうちに作り上げてしまうことになる。有給休暇が取りにくい職場も同じだ。「同調圧力」を「協調性」と称して正当化し、職場のメンバーが迷惑を受けている典型的な事例だ。

3. 新型コロナウィルス対策における「ワクチンハラスメント」

「ワクチンハラスメント」、最近時々聞く言葉だ。新型コロナウィルスの感染拡大の対策としてワクチン接種が進捗している。当初は医療関係者や高齢者を優先して進められてきたが、徐々にそれ以外の人にも広まりつつある。「ワクチンハラスメント」とは、新型コロナウィルスのワクチン接種を強要することである。また、接種しない人に対して差別的な発言や行為もハラスメントに該当する。

未知のウィルスに対して開発されたワクチンなので、接種後の発熱、疲労アナフィラキシー症状、接種部位の痛みなど副作用もあり、接種をためらっている人もいる。ニュースでも聞くように、副反応が多くの人に発生している状況、また2回接種完了(一部では3回目の接種を行うところもある)しても感染・発症してしまうケースもある。特に若い人への副反応が多く見られたり、中には悲惨なことに亡くなる方もおられるようだ。そのため、接種に対して慎重になるのも当然である。現時点日本においては接種は必須ではない。接種するかしないかは、各人の判断に任されている。私の職場においてもそのように通達があった。だから、職域接種において、「誰が受けた」「誰が受けていない」という話はしづらいし、そのような話が出ても「接種しないという選択肢もある」と私は理解している。

「ワクチンハラスメント」が起きる企業では、最初は接種をためらっていた人でも周囲に合わせて接種を受けるようになり(「同調圧力」)、接種を受けない人に対しての風当たりが強くなったり、「みんなが受けているのになぜ受けないのか?」といった「協調性欠けた人」として扱われ、次第に業務に影響が出るなど、普通では考えられないことが起きているそうだ。まさに、「同調圧力」と「協調性」をはき違えている事例であり、接種を受けない人へのハラスメントになる。
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4.「協調性」は必要。「同調圧力」から抜け出そう。

「協調性」と「同調圧力」の違いを分かりやすく言うと、「協調性」とは自らの意思で協力し合うことを表すこと、「同調圧力」とは外部からの周囲に合わせることを強いる雰囲気である。

組織の中でやっていくためには、組織の規律を守り、他のメンバーと協力していくことが、社会人の基本と言える。しかし、先程の長時間労働の例にもあるように、組織の中でやっていくために必要な「協調性」というマインドを都合良く悪用した「同調圧力が漂っている職場は注意と見極めが必要だ。

「組織の中で成長する」と言えば聞こえは良いが、それは「その組織レベル相応の成長しかできない」ということでもある。他に「同調圧力」の一例とも思えるのが、何か悪い評判があったときに「みんな言っている!」という一言である。「みんな」ってどの単位のみんななのか、「みんな」という数を持ち出して「同調圧力」をチラつかせ、相手を従えさせたいという言っている人にとって都合の良い手段である。このようなケースに限って、実際に言っている人が一部であったり、「数」のみを重視し「内容」「中身」を軽視していたりと、あまり信用できなかったりするものである。「みんな言っている!」と言われても冷静さを保ちたいものだ。
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同調圧力」は、「長時間労働」や「ブラック労働」が無くならない理由の1つでもある。誰か一人がおかしいと思っていても、なかなか声を挙げにくいものである。

労働トラブルにフォーカスを当てた資格は、私自身これまでにあまり見たことがありません。「労働トラブル相談士」資格は、経営者、管理職、人事担当者、コンプライアンス研修担当者に限らず、全労働者が知っておいた方が良い知識であり、また現在ブラック労働環境に在職している方には必須の内容と言えます。

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冒頭にも記載したが、「主体性」も「協調性」の一部と捉え、「協調性」と称する「同調圧力」に影響されすぎないように冷静な見極めが必要だ。「同調圧力に屈しない」ことを「協調性が欠けている」と称するのは勘違いも甚だしい。あなたの職場やあなたが置かれた環境を冷静に見極め、生き生きと働くことができる職場で活躍してもらいたい。

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パワハラ事例解説(13) - フロア中響く声で叱責

このシリーズの記事では、パワハラの定義と類型、私の身近に起きたグレーゾーンを含む事例について、定義と類型をもとに解説している。内容によっては考え方や改善策についても述べているので参考にしてほしい。

自分が加害者にならないように注意することをはじめ、被害に遭いそうな場合はいち早く予兆に気付くことが求められる。


【最初に】パワハラの定義と6つの類型

パワハラはご存知の通り「パワーハラスメント」の略であり、権力や地位を利用した嫌がらせという意味である。2001年に株式会社クオレ・シー・キューブによる造語である。ただ、その定義は曖昧で指導との区別が困難である現実を抱えていた。2020年6月にパワハラ防止法が適用され(中小企業は2022年4月より適用)、同時に厚生労働省による定義が明確になった。

パワハラの定義

パワハラパワーハラスメント)とは、職場において行われる

  • ①優越的な関係を背景とした言動であって、
  • ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
  • ③労働者の就業環境が害されるものであり、

①から③までの3つの要素を全て満たすものをいう。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

パワハラの6類型

パワハラは次の6つのパターンに分類され、6類型と呼ばれている。

  • (1)身体的な攻撃
  • (2)精神的な攻撃
  • (3)人間関係からの切り離し
  • (4)過大な要求
  • (5)過小な要求
  • (6)個の侵害

「(1)身体的な攻撃」は暴力の他、モノを叩くことによる威嚇がこれに該当する。「(2)精神的な攻撃」は暴言の他にも、他人を心理的に苦しめる発言が該当し、パワハラ事例の中でも最も多い。特定の人だけ仲間外れにしたり、情報を与えない、無視をするのは「(3)人間関係からの切り離し」に該当する。到底達成できないノルマを与える「(4)過大な要求」、能力に見合わない仕事を与える、もしくは仕事を与えないことで心理的に苦しめる「(5)過小な要求」、プライベートに踏み込みすぎる「(6)個の侵害」、これらを総称してパワハラと呼ばれる。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例

ニュースで取り上げられているものや、裁判になったものは組織内で解決できなかった手遅れ案件である。また、世間の目も段々厳しくなってきており、損害賠償の相場も数百万単位(被害者が死亡の場合は数千万単位)に上がってきているという情報もある。いくら正論であっても、相手が嫌がるやり方であれば、法律に触れることになる。

ただでさえニュースで見ることが多くなってきているのだが、これらは氷山の一角であり、水面下には程度の大小を問わずさらに多くの案件が潜んでいる。上述の定義や類型を基に、私が実際に見たことがある事例を紹介し、定義や類型を元に解説する。程度や被害の大小は様々である。

  • グレーゾーンであるもの、パワハラと断言できないもの
  • 「こんなのがパワハラになるのか?」というもの
  • 出来事が起きた当時はあまり意識しなかったものの今考えると「あのときのあの出来事はもしかするとパワハラにあたるのでは?自分も加害者にならないように気を付けよう。」と思ったもの

いずれにしても、加害者側に問題があり是正が必要であることは間違いなく言えるので、立場関係なく参考にしていただきたい。その上でパワハラの予兆を見極め、未然防止に繋げることが重要てある。

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例一覧については、こちらを参考にしていただきたい。
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【事例13】フロア中響く声で叱責

あるIT企業でリーダー(加害者)がソフトウェア設計のあるべき姿を担当者(被害者)に指導していた。

口調が厳しく、感情的で、フロア中響く声で、周囲にいる私から見ても気になる程度であった。なぜそこまで偉そうに言う必要があるのだろうかと思う。

遠くから見ていた私には、話の内容はわからないし、今では記憶にないが、ただ偉そうに言われて聞いているほうは嫌だろうなあと気になったことは覚えている。最近は皆の前で叱責することや、周囲に聞こえるように大声で叱責することはNGとされている

リーダー(加害者)から担当者(被害者)へという優位性を背景に(①)、必要な指導ではあってもフロア中に聞こえるように大声で叱責することは業務に必要・相当の範囲を超えており(②)、周囲の人が気になるくらい不快感を与えるという就労環境の悪化を招く(③)ため、パワハラになりうる。6類型では(2)精神的な攻撃に該当する。

私は被害者と話する機会があったので、加害者の印象について聞いてみた結果、被害者は

「色々と厳しいこと言われましたけど、お陰様で鍛えられましたよ。」

と答えていた。この被害者は、パワハラとは捉えず厳しい指導と捉えているようだ。それとも忖度だろうか?

この話のポイントはいくつかある。

一つ目は、被害者は厳しい指導と捉えておりパワハラとは捉えていなかったようだが、受け手によっては不快感を示すこともあるし、受け手以外に周囲の人達の中にも不快感を受け、就労意欲の低下に、繋がるリスクを考えなければいけない。また、加害者も被害者もパワハラだと気付かないケースもある。それでも、そのような事態を組織が容認していると見られることもある。

二つ目は、この被害者がこれくらいはパワハラでないと捉えて、この被害者が将来リーダーや上位者となったとき、この加害者と同じ感覚で同じような指導の仕方をしないように注意しなければならない。先程も述べたように、受け手によってと捉え方は変わるし、周囲の人達に不快感を与えてしまう可能性が高いからである。

三つ目は、加害者が(例えパワハラではなかったとしても)厳しく、しかもフロア中響く声でなければ指導できないのかといった点である。普通の人間であればそこまでしなくても十分指導できるはずである。指導内容が正しくても、指導方法一つ間違えるとパワハラになりうるので、指導する立場にある人は是非この事例も含めてパワハラに関する理解を深めてもらいたい。

【最後に】パワハラにおける考え方・まとめ

パワハラは加害者および組織の問題、被害者に責任はない

パワハラは加害者が未熟であることによって発生する。パワハラに関して被害者には非はない。被害者に改めるべき部分があると思えば、改めることは素晴らしいことである。しかし、パワハラを受けたことに対する責任まで取る必要はない

一方、パワハラ加害者は重い軽いいずれにしてもそれなりの処分と教育を受け、更正してほしい。パワハラの加害者を絶対に昇格させてはいけない。降格するくらいを当たり前にしてほしい。

パワハラ加害者となる可能性が高いリーダー、管理職には、パワハラの重大さを知ったうえで、チーム・組織で成果を最大化するために必要なことを学んでほしい。私は様々なリーダー、管理職を見てきた。技術や能力が高いベテラン社員はある程度いる。しかし、いくら能力が高くてもパワハラ気質なベテラン社員は、管理職にふさわしくないと判断している。組織のメンバーのパフォーマンスの最大化の妨げとなっているからである。チーム・組織で成果を最大化するためにパワハラはいらない。一方、被害者はパワハラを受けた状況にもかかわらず業務において一定のアウトプットを出しているなら、優秀な人材であると考えて良さそうだ。

パワハラがいけないことであるということは皆知っている。しかし、何がパワハラに当たるか、パワハラが発生したときにどのような影響が出るかを理解していないのではないだろうか。パワハラに関する研修や教育は行われているが、最悪命に関わるということを教えていないのではないだろうか。

パワハラ対策の第一歩は証拠集め

パワハラは加害者および組織の問題としながらも、被害者が対策しなければならない。実に理不尽だ。放置や無策、我慢することはお勧めできない。エスカレートするからだ。その対策の第一歩としては証拠を集めることだ。電子メールやチャットのやりとりでパワハラに繋がりそうなものがあれば残しておく、会話についてはスマホでも良いがICレコーダーで録音しておくことをお勧めする。裁判等で確実な証拠となる。

防犯カメラはこれまでは文字通り、犯罪調査に使用されることがメインでした。最近では、これに加えて職場などにおけるパワハラの証拠収集等、ハラスメント対策においてより重要性が高まっております。小型であり持ち運びしやすいこともあり、いつハラスメントに巻き込まれるか予測できない状況において、自分の身を守るためにも、是非携帯しておくことをお勧めします。


自分を守るための準備も並行して進める必要がある

パワハラは加害者を直接コントロールすることは難しい。被害者の方々には、まず自分を守ることを優先していただきたい。できればパワハラが発生するような環境から離れ、他の環境に移ることができるようにしておくことが望ましい。本来、被害者側に要求しなければならないことは社会的に非常に残念ではあり、理不尽ではあるが、パワハラ被害に遭う前から、転職、起業、フリーランス、副業など準備を進めておくことが、被害者個人でできる対策である。あらゆる手段で自分の人生を守るよう、準備を進めておくことをお勧めする。それくらい日本のハラスメント対策は国際的に見ても遅れている。
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「ブラック」「ハラスメント」!言葉の出現で気付きを得た!

昔は「ブラック」という言葉はなかった。「セクハラ」「パワハラ」「モラハラ」をはじめとする「ハラスメント」を表す言葉もなかったでのはないだろうか。

高い倫理観より、組織内の力関係に従うことが良しとされていたのかもしれないが、今はもうそんな時代ではない。

企業等で理不尽な思いをしている人にとって、このような言葉の出現により、声を挙げやすくなったのではないだろうか。そして、企業、組織、各個人には高い倫理観が求められる。


1.コンプライアンスに対して世間の目が厳しくなった

労働問題が絶えず多く発生している。件数自体の問題というよりかは、より声を挙げやすくなったという世間の変化ではないだろうかと思っている。長時間のブラック労働やハラスメントといった企業の不祥事は、今の時代すぐにニュースになり、SNSの発達によって個人が世間に情報を発信しやすくなっている。

どこの企業でもコンプライアンスに関する研修や教育をするようになったが、それでもこのような問題が無くなることはない。世間の目は厳しさが増すばかりである。

特に私が印象的なのは、次の言葉が頻繁に使われるようになってきたことである。

  • 「ブラック」という言葉
  • 「ハラスメント」を表す言葉(「〇〇ハラ」、「△△ハラ」、「××ハラ」)

仕事上、色々と理不尽な目に遭わされたり、主張した内容が正しくても立場や力関係をもって受け入れられなかったり、おかしいと思うことが少なからずあったが、このような言葉が出現し、不快な状況を言語化することで、どのような不快感が我々を取り巻くのか、といったことの気付きを得るようになった。

2.「ブラック」という言葉が出現

昭和の高度成長期の頃は製造業が中心であり、モノを作れば作るほど売れていたので、たくさんモノを作り、残業しまくり、長時間労働を厭わず、会社に従順な人が出世していった。また、会社からの業務命令は「絶対服従」であり、理不尽にも耐え、いかなる場合でも組織を優先してきた。今の基準では「ブラック」と思えるが、当時は頑張れば頑張った分だけ報われ、若い頃は安い給料で使い潰されていたが年齢を重ねることによって段々と給料も上がっていく年功序列であった。更に、終身雇用制が当たり前で定年まで雇用が保証される時代であった。よって、当時は「ブラック」という概念は無かった。

しかし今現在はどうだろうか?

モノを作っただけでは売れず、アイデアを出し、付加価値を付けないと厳しい時代になった。終身雇用制は崩壊し、頑張っても頑張っても報われなくなった。しかし、過去の製造業における成功体験だけが根強く残り、そこから抜け出せず、昭和の高度成長期と比べると、悪い部分だけが残った印象である。

「ブラック」という言葉は、2000年代半ばにIT労働者が自分たちの労働環境の悪さを自虐的に表現するために使い始めたという説がある。「SE35歳定年説」というふうに言われ、体がボロボロになって辞めていかざるを得ず、長期雇用ができない状態の正社員が存在するような状況は「ブラック」ではないかと言い始めるようになったそうである。

「ブラック」とは法律で定義された言葉ではない。人によってとらえ方が色々ある。「ブラック」の定義については別記事を参照いただきたい。いずれにしても「ブラック」は劣悪な労働環境を表す言葉であり、世間からの目が厳しくなったことを象徴している。
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2013年に「ブラック企業」という言葉が、流行語トップテンに選ばれた。実際に社会問題化しており、国を挙げて対策に乗り出している。それだけ問題であるという意識が世の中に浸透しつつあることを実感している。

3.様々な「ハラスメント」を表す言葉が出現

近年色々な「ハラスメント」を表す言葉が出現している。「〇〇ハラ」という言葉が現在では、少なくとも40種類以上あると言われている。「セクハラ」「パワハラ」から始まり、「こんな細かい、マイナーなものまで・・・」と感じるものもあるが、「ハラスメント」は相手を不快にすること全般を指している。業務におけるパフォーマンスを低下させ、場合によっては取引先、世間からの信頼低下を招き、業績に影響を与えかねない。新たな「ハラスメント」の言葉が出てくると、テレビの情報番組やネット記事上で、専門家が解説することもある。

人によっては、次々と新しい言葉が出てきてややこしいと感じる人もいるだろうが、私は前向きにとらえている。なぜなら、これまでは、理不尽な要求をされても、相手の立場もあり内容がある程度正しければ、反論することは困難であり、モヤモヤした状態が続いていた。

「言っていることの一部は正しいが、言っていることを実現するための前段が出来ておらず、また相手の立場や置かれている状況を考えないよね」

と思っていても言えないことが多々あるのだ。

しかし、「〇〇ハラ」という言葉の出現によって、「何によって不快感を感じているのか」に気付くようになった。

一例を挙げると「納期を守れ!」の一言。

「怠慢な人への言動」と、「長時間のブラック労働を強いられている中で必死に頑張って疲弊している人への言動」は、同じ言葉でもイメージが全く異なるだろう。前者は「叱責」と捉えられるが、後者は「ハラスメント」と捉えられる。当たり前のことだ。私の周りでは、前者のような実現可能なのに明らかにサボっている人というのは皆無と言っていいほど見たことがない。ほとんどは後者のパターンで、皆とても一生涯頑張っているが何らかの阻害要因に苦しんでいる人達だ。

特に後者は「この状況で何を言っている!」と反感を買う可能性のほうが断然高い。これのみならず、頑張っている人をさらに追い詰め、心身ともにボロボロになり、うつ病を発するまでの事態になり、最悪の場合過労死・自殺に至り、損害賠償の請求・裁判・企業名の公表といった事態になる。

「納期を守れ!」自体は紛れもなく正しい内容だ。しかし、問題は二つあり、

  • 「納期を守れる前段になっていないこと」
  • 「言われた人の立場や置かれている状況を考慮していないこと」

である。

このようなハラスメントは「ロジハラ」(「ロジカルハラスメント」)と言われる。正論を振りかざして相手を追いつめるハラスメントのことである。ある一面だけ正しいことを主張し、相手の置かれた状況を考慮しないことである。

「納期を守れ!」の例では、納期を守ることを不可能とする阻害要因を洗い出し、一つ一つ解決し、作業する人が快適に作業できるように環境を整えるか、無理な納期なら延期を要請するか断る等、しかるべき対応をとるのが普通である。マネジメントが未熟な人ほど、「担当者の気を引き締めなければならない」と、担当者を責めるのである。逆効果でしかない。
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昔はこれが指導だとして理不尽なことに耐えてきた。これを後世にも自分たちがやってきたのと同じように押し付ける。パワハラの一種である。

しかし今は、前述したように色々なハラスメントに関する言葉が出てきたお陰で、「ハラスメントだ」「いけないことなのだ」という認識が広まり、私も「以前のあの出来事のときには何も言えなかったけど、あれはこういうハラスメントだったのだ」と思えるようになった。

4.「ブラック」「ハラスメント」!便利な言葉が提供され恩恵を受けているが、悪用には注意が必要

これまで

  • 「これを乗り越えればお客様からの信頼が得られる」
  • 「今苦労しとけば将来報われる」
  • 長時間労働している人が成長している」

といった言葉で正当化されてきた理不尽な過重労働などが「ブラック労働」と認識され、世間からの批判が強まり、健康面や生活面に配慮されやすくなった。

また、これまで

  • 「男/女なら当たり前」
  • 「目上相手だから」
  • 「みんな我慢してる」

といった言葉で正当化されてきた理不尽な要求や同調圧力などが「ハラスメント」と定義されたことでようやく問題が可視化され、弱い立場の人にも配慮されやすく、拒絶もしやすくなった。

このような労働上の悪事を示す便利な言葉が定義されてきたお陰で、世間の認知も高まり、難しい説明なく一言で表現できることは、私も含め理不尽な迷惑や被害を受けてきた人にとってありがたいと思う。

一方で、これらの言葉の出現には、「ハラスメント」の種類が増えてワケわからなくなる以外に、これらの言葉を悪用するモンスター社員の出現といった懸念もある。私の周りではまだ見たことがないが、一部の企業ではこうした社員の扱いに困るという話も出ている。便利な言葉ではあるが、使い過ぎには要注意だ。

とはいえ、このような言葉で説明がつく理不尽な被害に遭った多くの人達は救われてほしいし、頑張った人が報われ、優秀な人材が良い企業へシフトでき、それぞれ人が活き活きと働ける社会になることを願っている。

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「ソフトウェア・ファースト」を労働の観点から考える

「ソフトウェア・ファースト」という言葉や考え方が広まりつつある。海外では当たり前なのだが、日本ではようやくといった感じである。

歴史的背景から製造業が強い日本は、モノやハードウェア中心の考え方がこれまで主流とされてきた。しかし、今後はソフトウェアが主流となる。製品の価値を生み出すのはソフトウェアである。

この記事では「ソフトウェア・ファースト」と、ソフトウェアエンジニアの労働環境について述べる。


1.「ソフトウェア・ファースト」とは

「ソフトウェア・ファースト」とは、「ソフトウェア活用をベースに事業を構築」することである。及川卓也氏が書籍を出版している。

トヨタが公表している「ソフトウェア・ファースト」の考え方も、下記リンクに示しておく。
monoist.atmarkit.co.jp
monoist.atmarkit.co.jp

「フルモデルチェンジはハードウェアが大きく変わるタイミングに、マイナーチェンジはソフトウェアの更新によってそのままのハードウェアで新しい機能や価値を提供する機会になっていく」

今後はこの考え方がスタンダードになっていくだろう。

ソフトウェアにより機能や価値を提供していくことを、企業として発信している点が特徴である。ソフトウェアエンジニアが死ぬ気で頑張ったからといって実現するものではない。ソフトウェアエンジニア以外の人たちも含め、全員が同じ方向へ向かって進む必要がある。

2.「ソフトウェア・ファースト」ができていない状態はブラックに近い

「ソフトウェア・ファースト」ができていない状態がどのような状態かというと、私は長時間のブラック労働にまみれた状態をイメージしてしまう。「ソフトウェア・ファースト」の書籍にもあるように、「ソフトウェア」は価値を生み出し、あらゆる産業をリードしてきている重要なポテンシャルを持つものだと考えている。しかし、日本企業はIT軽視の傾向がある。

歴史的な背景から製造業が強いがゆえ、多くの企業が完成品を作り上げることに価値を感じて、ITを単なる業務効率化ツールだと考えている。それゆえ、ITシステムの開発に自社のリソースを割くことなど考えもせず、システムインテグレーターSIer)やITベンダーに任せきりである。

その結果として、自社にIT活用のノウハウが蓄積されない「SIer丸投げ文化」が形成されてしまった。そして競争力を失い、国際的に遅れをとっていく。そのような企業がITを活用するといっても、長時間・低賃金でソフトウェアエンジニアを酷使するブラック労働か、オフショアを活用しなければやっていけない状態でしかなく、いずれにしてもロクなことがない。

「ソフトウェアによって製品・サービスの価値を創出する」のは、要求元・要求先の共通認識だろう。まともな要求元ならその通りである。しかし、ソフトウェアの難しさや重要性を理解せず、ソフトウェアを軽視・過小評価している要求元からの開発依頼を受けると、「見えないもの=難しさがわからない=簡単・開発期間中の追加・変更はタダ」となり、さらにここに要求元・要求先の力関係が加わり、ソフトウェア開発現場はあっというまにブラック労働となる。

  • 「無理な要求」
  • 「変更はタダ」
  • 「仕様確定が遅れているが最終納期は変更なし」

このような企業間でパワハラともいえる状況がおかしいとも思わず、ソフトウェアエンジニアの犠牲の上で製品開発が成り立つことが当たり前になっているようでは、競争力は弱まり、価値の高い製品・サービスを提供することは不可能である。

このようなやり方でブラック労働が蔓延しているソフトウェア開発現場からは、優秀なソフトウェアエンジニアが離脱していく。そして残りのソフトウェアエンジニアの負担が増える。悪循環でしかない。

優秀なソフトウェアエンジニアを集め、ソフトウェアを中心としたビジネスに世界全体がなりつつあるなかで、日本の企業は本来やるべきことと全く逆のことをやっている。高い価値を生み出すべき部分に、劣悪な労働環境しか提供できない企業は、恥だと言わざるを得ない

3.ソフトウェア開発の理想像

「ソフトウェア・ファースト」という言葉の有無に関わらず、製品・サービスにおける「ソフトウェア」のポテンシャルは高いと認識すべきだと考えている。イメージとしては「ソフトウェア」は人間でいう「頭脳」、「ハードウェア」は人間でいう「手足」といった感じだろう。「頭脳」がいくら指令を出しても「手足」が動かなければ生活面において不自由だし、「手足」が正常でも「頭脳」が異常ならば何もできない。「ソフトウェア」というのはそれだけ重要な位置付けにある。ソフトウェアエンジニアも、それ以外の人も次のように認識を改めなければいけない。

×:ソフトウェアはハードウェアのおまけ程度のもの。
○:製品の価値を生み出すのはソフトウェア。

×:ソフトウェアは業務効率化のためのツール程度。
○:ソフトウェアを中心とした事業展開を行う時代。

×:ソフトウェア開発を担うのは多重下請け構造の末端。
○:ソフトウェアだからこそできることがある。

×:ブラック労働を乗り越えてこそ、ソフトウェア開発のプロフェッショナル。
○:ソフトウェア開発が破綻すれば全てが廃れる。

長時間のブラック労働で良いソフトウェア開発はできない。長時間労働は健康面にも良くないし、疲労が蓄積されればパフォーマンスも下がる。特に優秀な人材のパフォーマンスが下がると全体にマイナスである。

誰でもわかっていることなのだが、できていない企業が少なくない。目の前のスケジュール、目の前の課題しか見えておらず、企業、社会、従業員の人権・生活・人生といった全体を俯瞰的に捉えられていないのだろう。

私が最も重視しているのは、「価値を創出するソフトウェアを無理なく開発する」こと。「当たり前品質」や「魅力的品質」という言葉があるが、ソフトウェアが魅力的であるためには、この両方が必要である。ブラック労働が常態化している開発現場では、「魅力的品質」を生まないどころか「当たり前品質」すら満たせない。

「ソフトウェア」によって付加価値をつけようという話がよくある。何をもって付加価値というのかが曖昧である。顧客から提示されたシステムの仕様を「ソフトウェア」によって実現するだけなら、あまり付加価値はない。しかし実際、これだけを達成するのもかなり難度が高い。

何が付加価値なのか?

「顧客からの全ての要求を受け入れる。プラスαの内容も対応する。これらを決められたスケジュールで完結する。」

これでは発注元にとっては聞こえは良いが、発注先の末端にしわ寄せが来る典型的なブラックな構造だ。理想的なのは、

「全ての要求を受け入れるとは限らない。代替手段や代替機能を提案し、スケジュールを調整しながら、無理なく価値を提供する。」

くらいだろう。

「高付加価値の創出」と「ソフトウェア開発の難度の高さ」は全く別物であることも少なくない。付加価値とは根性と力業で提供するものではない。ニーズを汲み取り、アイデアを出し、最適なプロセスを設計し、最大限の能力を発揮することが必要であり、根性とか、気合いとか、パワハラ耐性はいらない。

ソフトウェアの付加価値提案パターンはいくつかあるので、参考までに示しておこう。ここでいう付加価値は、新機能の追加でも、コストダウンでも良い。また、顧客にとっての価値でも、開発側にとっての価値でも良い。

1)要求に対して代替手段で実現する
要求自体は実現(背景となっている問題点を明確にし、この問題点が解決できている状態)するが、より投資対効果が高い別手段を選択する。

2)要求機能自体を別機能に代替
まず、無理な要求を断る。今対応せず次期リリースバージョン以降に対応する可能性のある案件としてストックする。この要求自体の実現を保留する代わりに、別の機能アップ等により製品としての価値を高める。

3)プラスαの内容追加
仕様統一化、ソフトウェア設計統一化、リファクタリングなど、今後の開発を効率的に行うための仕掛けを行う。

限られた開発期間で、無理な要求を一気に押し込まず、どのような機能・価値を段階的に提供していくかを、市場動向を踏まえながら考えていく必要がある。アジャイル開発のスクラムの考え方を参考にするとよい。

4.労働環境の改善は必須

「ソフトウェア・ファースト」といっても、ソフトウェアエンジニアにとっては、普段からやっている当たり前のことであると感じている人もいるのではないだろうか。「ソフトウェア・ファースト」という言葉自体を知らなくても、今の時代はソフトウェアが製品の中心的位置付けであることを理解しており、ソフトウェアで何かしらの価値を提供できていれば良いだろう。

逆に、ブラック労働が常態化している開発現場では、「ソフトウェア・ファースト」など、かすりもしない内容ではないだろうか?

劣悪な労働環境で心身疲弊しており、目の前の業務をこなすだけで限界であり、価値創出まで思考が行き届かないのではないだろうか?

私は、ブラック労働もホワイト労働も経験があるのでよくわかる。せめて、企業にとって足元ともいえる労働環境か正常にならないと、「ソフトウェア・ファースト」など遠い先の話にしか見えない。「ソフトウェア・ファースト」と声高らかにいいこと言っても、それどころではないブラックな労働環境、すなわち「前段が破綻」しているようでは実現は不可能だし、実現できるだけの優秀な人材は集まらない。

「ソフトウェア・ファースト」の実現までの道のりが程遠いにしても、どのような考え方かを理解し、「ソフトウェア・ファースト」を目指すと同時に労働環境改善に取り組み、そのような企業に優秀な人材がシフトすればソフトウェア開発を取り巻くおかしな状況は少しずつ解消していくのではないかと思う。職場の労働環境改善、ソフトウェアエンジニアのキャリア形成を含めた、地道な取り組みか大切だ。

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「自分は『優秀な人材』だ」と思い込んで救われた

タイトルを見て「この人は何か勘違いしているのではないか?」と違和感を感じる人が多いのではないだろうか?

優秀な人は謙虚であるとよく言われる。これまで貢献した実績が明確で、自分の強みをわかっており、今の時代に合っていて、何も特別感がなく普通に自信を持って進むのであれば良いのではないかと思う。

この記事では、「ブラック労働」から「ホワイト労働」まで、「優良企業」から「粗悪な企業」まで経験してきたソフトウェアエンジニアが、これまでのキャリアの中で「自分は『優秀な人材』だ」と自覚したことで、労働環境の劣悪さ等問題の根本原因を見抜き、苦難を乗り越え、メンタルの面でも救われたという内容について紹介したい。

他責思考ばかりは良くないが自責思考が行き過ぎて自信を失っている人、長時間労働パワハラ労務トラブルに巻き込まれて困っている人、自分の価値と今いる職場が本当にマッチしているのか疑問に感じている人は是非読んで何かしらの参考にしていただき、必要に応じて劣悪な環境から良好な環境へ移るきっかけとなれば幸いである。


1. 「自己評価が低い人が優秀」なのか?

まずは世間一般でありそうな反応について考えてみよう。「自分は『優秀な人材』だ」とか言うと、一般の人たちからは次のような声が挙がりそうだ。

  • 「自己評価が低い人が優秀だ!」
  • 「優秀な人は謙虚である!」
  • 「自分を優秀だと思っている人に、まともな人はいない!」
  • 「優秀とは他人からされる評価だ!」
  • 「優秀だと思い込んでいるだけでは?」
  • 「天狗になっている者はやばい。」
  • 「奢り高ぶるものはいつかは滅びる。」
  • 「過去の成功体験の過信はいけない!」

ごもっともだ。上記に当てはまるケース、またそのような人は少なからずいるだろう。そのことを分かっていながら言っている。

優秀な人材は、能力、人格、これまでの実績を加味して、周囲の人が判断するのが一般的だろう。周囲の仲間に感謝し、謙虚さを示すことは当然のことながら必要なことだ。今の自分があるのは、自身の努力があるうえで、間違いなく多くの人の協力や理解があるからだ。

では、なぜ「自分は『優秀な人材』だ」と思う必要があるのだろうか?

それは「自己肯定感」に関連するのだが、そのようなマインドで救われたことがあるからだ。

「自己肯定感」とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉である。「自尊心」、「自己存在感」、「自己効力感」、「自尊感情」などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる。研究者によって色々な表現がされているようだ。

  • 自分自身のあり方を肯定する気持ちであり、自分のことを好きである気持ち。
  • 自己に対して前向き/肯定的で、好ましく思うような態度や感情。
  • 「自分自身のことが好き(自己受容)」、「自分自身を大切にしている(自己尊重)」、「生まれてきてよかった(自分の命に対する受容)」
  • 自分自身のあり方を概して肯定する気持ち。
  • 自己に対する評価を行う際に、自分のよさを肯定的に認める感情。
  • 「自分は大切な人間だ」、「自分は生きている価値がある」、「自分は必要な人間だ」という気持ち。

2. 「自己肯定感」が低いことによる弊害、及び「自己肯定感」の重要性

「自己肯定感の低い人はブラック企業に入りやすい」という専門家による調査結果がある。学生時代に頑張ってきたことが無い人、打ち込めるものが無く無意識に過ごしてきた人が、選考基準の高い優良企業や一般企業に入れず「自分はダメかもしれない」という自信の喪失によって自己肯定感を下げてしまう。その状況で、選考基準の低いブラック企業から内定を得た時に「こんな自分を採用してくれた」「ありがたい」と考え、少々理不尽なことがあっても辛抱して働き続け、気付いたら精神を崩壊してしまっているというものである。これは(ブラック企業に人が入り頑張ってしまうことで)ブラック企業が衰退しない理由の一つである。

また、一度会社に入社したものの実績を挙げることができず、このままだと転職して他の会社へ移ってもまた同じことになるかもしれないとネガティブに考え、今の会社にしがみつくしかないという人も時々いるという話を聞く。特に、ブラック企業から抜け出せない一定割合の人たちが、このパターンにはまってしまい、(前述同様)ブラック企業の存続に寄与してしまうこととなり、社会的にも問題がある。「きつい」とか「やってられない」とか、文句を言いながら働き続け、なかなか会社を辞めない人もいるだろう。これが、悪循環を生み出してしまっている。

ブラック企業に限った話ではない。パワハラを受け続けている人はどうだろうか? パワハラは加害者がすることである。パワハラの定義は別記事に記載しているのでそちらを読んでいただきたいが、指導・教育と違って、未熟な加害者が行う幼稚な行為である。本来、被害者が『優秀』とか『無能』とか関係ないのである。あるパワハラ専門家は、「『パワハラを受けやすい人』というのは存在しないが、『パワハラを受け続けやすい人』というのは存在する。それは『耐える人』である。」と説明している。

  • 「自分にも至らないところがある」
  • 「自分はパワハラを受けても仕方がない」
  • 「これをパワハラだと思う自分の方が間違っているかもしれない」

このように自己肯定感が低い状態になると、パワハラ解決から遠ざかる一方である。自分に至らないところが無くても、パワハラを受け続けていると、自己肯定感が下がってくる。自己肯定感が下がらないように工夫するか、パワハラ被害が小さいうちに解決に向けた行動をとる必要がある。

逆にブラック労働やパワハラ被害に対して

  • 「こんなはずではない。」
  • 「どう考えてもおかしい。」
  • 「他社ではこのようなことは発生していない。」

と思った人は、改善・解決に向けて行動を起こすはずである。

ブラック労働に巻き込まれたなら、転職するなり、起業・独立するなり、フリーランスの道を歩むなり、実際にできなくてもこのようなことを検討するはずである。長時間労働が蔓延し、仕事以外の時間が取れず転職準備ができないというケースでも、まずは「おかしい」と思い続けることが大切である。

パワハラ被害にしても同じである。パワハラの被害者に何かしらの改善点はあっても、被害者がパワハラそのものに対する責任を負う必要はない。パワハラが起きること自体が異常で、そのような状況が改善しないなら、上位者・相談窓口・外部機関に相談や転職の準備など、小さな行動の積み重ねが必要である。

そうするためには、まず「おかしい」と気づくことである。そして、正しいことを行ない自信を持ってほしい。過去の成功体験の過信はいけないが、成功体験は何らかのヒントになる。「自分は『優秀な人材』だ」とまではいかなくても、

  • 「自分らしくない」
  • 「本来このようなことにはなりえない」
  • 「自分がこのような状況にあるのはおかしい」

ことに気づくことができると、解決への第一歩を踏み出せるのではないかと思う。

その意味でも「自己肯定感」は大切であり、高めておくことは重要だ。

3. 困難に直面しても徹底分析、「自分は『優秀な人材』だ」という思いが自分を救う

私自身これまで何度かつまづいたことがあったが、そのたびに「自分は『優秀な人材』だ」と思い込み、苦しいときでも良い感じに救われたことのほうが多いイメージだ。まさに「自己肯定感」が高いことと密接に関連している。

新卒で下請け中心のIT企業に入社し、顧客である大手メーカーへ常駐エンジニアとして投入され、過重労働に巻き込まれた。まだ若かったし、当時は体力で何とかなったが、多くの苦労があった一方で不満もあった。過重労働に対する不満はありつつも、このときは社会人経験もシステム開発経験もほとんどゼロに等しいため、「自分のスキル不足」なのか「元々の業務内容とスケジュールのバランスがおかしい」のか区別がつかなかった

一方、学生の頃に学業に一生懸命取り組み、一流大学で良い成績を残した実績を基に「自分は『優秀な人材』だ」と思い込んでいた。新卒で新しい分野に入り、学生と社会人は違うとはいえども、能力も人それぞれ。周囲の人達も皆が必ずしも学業が優秀だったわけではないし、それなりにやってきているのだから自分も慣れれば何とかなるだろうと考えていた。周囲の人達からは怒られそうだが、ここが最初に私が救われた点だ。人によっては「自分は能力か低い。ダメだ。やっていけない。」とネガティブに考え、自分を責めすぎて精神を壊すケースもある。自分はこれに該当しなかった。そして何とかやり過ごすことができた。そのうち、徐々に労働環境が改善され、何年もかけてスキルがつき、大手メーカーへ常駐エンジニアとして実績を積むことができた。これも成功体験である。

この大手メーカーで過重労働が原因で体調に異変をきたし離脱した人もいた。その人は別の開発現場で経験を積んでおり、その現場と比較してこの大手メーカーが異常だとわかったのだろう。その人にとってはそれが正解だった。かつ、その人は当時社会人経験が浅かった私にとって参考になった人だ。精神を崩壊する前に、粗悪さに巻き込まれ続けないための行動を起こすことが大切だ。

私はこの大手メーカーで10年以上常駐を続け、常駐先の社員と区別がつかない程の実績を残し、評価を得た上で次のプロジェクトへ移った。また、この期間の間に、プロジェクト表彰を受けたり、IT関連の資格取得も多数実現した。

次のプロジェクトは自社開発のプロジェクトだ。下請け中心のIT企業なのか大手メーカーと勝手が違うのか、慣れない現場で戸惑うことが多かった。それでも実績には自信があったため

  • 「慣れるまでは辛抱だ」
  • 「最初は苦労するが、慣れればパフォーマンスが発揮できる」
  • 「不慣れな環境にも馴染めるよう、環境適応能力の向上が必要だ」

と考えていた。

しかし、劣悪な労働環境の中で業務を続けていると、無理がたたり体調を壊した。夜も眠れない、疲れが取れない、発熱が続き、普段以上に喉が渇き、汗をかく。「自分は『優秀な人材』」のはずが、大手メーカーに10年以上の常駐で大手メーカー社員と変わらない実績を残した人材が、考えられないほど衰弱し、まともに頭が回らない。うつ病のような症状で、「メランコリー型」と言われる、真面目で、仕事熱心で、責任感が強く、完璧主義の人が陥る典型だ。このときほど「会社に行きたくない」と思ったときは今までにない。心療内科神経内科など複数の病院を当たり、通院した。幸い異変への気付きが早かったため、休職とか長期休職は避けたものの、ある年の夏休みを全て休養に費やした。その後も、部長、社長、心理カウンセラーとそれぞれ2時間以上ずつ面談した。『優秀な人材』としては異常事態である。

さずがに自分の実績からして今さら「スキル不足」はあり得ない。「慣れるのに時間がかかる環境適応能力の不足」という要因が考えられた。劣悪な労働環境にて体調不良者は私以外にもいた。体調不良にならなかった人もいるのに、なぜ私は体調不良になり、このプロジェクトに嫌気かさしたのかを考えてみた。その結果、「自分は『優秀な人材』だ」と思い込みと、過去の実績に対する自信から、当該プロジェクトにおいて「落差」を感じたからである。

これだけを見ると、慢心、自信過剰のように思える。詳しくは後述するが、長期的に見ると「自分は『優秀な人材』だ」と思い込みと、過去の実績に対する自信によって、救われることになる。一方、「自分は『優秀な人材』だ」と思い込まず、「自分の実力は、まぁこんなもんだろう。」と考えると、今回のプロジェクトにおいても「落差」を感じず、体調不良にならなかった可能性もある。失礼かもしれないが、この開発現場はそのような人が多かったのかもしれない。

なぜ、自分は「大手メーカーで10年以上の常駐」が成功し、「下請け中心の自社開発プロジェクト」が(個人として)うまくいかなかったのか、この後両者の差異を徹底的に分析することになる。

そして、様々な開発現場、様々なプロジェクトを経験し、「ブラック労働」から「ホワイト労働」まで、「優良企業」から「粗悪な企業」まで経験する中で段々と傾向が見えてきた。それは

「優良企業ほど、私を高く評価する」

である。

なぜ、このようなことになるのか?

もし、自分の能力不足であればこれとは全く逆のことが起きるはずである。優良企業は『優秀な人材』が集まるから、自分が能力不足であれば、優秀な人達についていけず、優良企業ではやっていけないはずである。ところが現実は全く逆だった。

私が「優良企業」だと思った開発現場は、業務に必要な内容や情報は提供されるし、不慣れな人への扱いが丁寧である。親切な人、謙虚な人が多い。同時に、他人が持っている能力・経験・ノウハウを引き出して活用しようとする。互いにプラスになれる協力関係であり、組織としてパフォーマンスを最大化するように向かっていく。このような環境の中で私が楽に高く評価されたこともあり、心身共に健全だ。

一方「粗悪な企業」では、不慣れな人に対しても「任せる!」と称した丸投げが当たり前で、協力を得られにくく、自分の持っている能力・経験・ノウハウ関係なく、その現場のやり方に従わせようとする。作業者が何に困っているかを正しく理解せず、上司やリーダーは一般論や抽象論を言うだけでアドバイスした気分になり、作業者の困りごとが何も解決しない。特定の領域に不慣れであることを、「スキルが低い」「能力が低い」と勘違いをして、マウントを取りたがる人がいる。いかに担当者のせいにして責任逃れをし、二流、三流が幅を利かせ、ずる賢くやってきた人間が過大評価され、人間として未熟なまま主要なポジションに昇進している。だから、マネジメントも未熟で、本当に真面目にやってきた人が最も嫌気がさす。真面目な人ほど、精神も崩壊に向かい、危険信号である。そして、『優秀な人材』がここにいるのは勿体ないと判断して辞めていく。

「優良企業」と「粗悪な企業」はここまで違うのだ。

このように開発現場の雰囲気も異なり、モチベーションの高低、パフォーマンスを発揮するための前段、現場における人材活用など、あらゆる面で大きく異なることがわかった。このような傾向を掴むと、過重労働に巻き込まれても「そもそも前段の粗悪さによるしわ寄せを受けている」ことを正しく見抜くことができ、自分のスキル不足でないという結論に至るため安心できる。それゆえ、必要以上に自分を責めすぎることはなく、体力的な疲労はあっても精神を壊すことはなかった。「自分は能力が低い。ダメだ。こんなこともできないのか。」と行き過ぎた自責思考に支配されていると前段の粗悪さすら見えなくなる。あらゆることを自分で抱え込んでしまい、精神を壊す。このような結果を回避できたことは、ホワイト労働の現場における成功体験を積み、評価もされ、「自分は『優秀な人材』だ」と思い込むことによる救いだった。

4. 「自分は『優秀な人材』だ」と自覚することが良いキャリアアップの後押しに

私は下請け中心のIT企業から、大手メーカーに転職した。職種はいずれもソフトウェアエンジニアだが、目に見えるキャリアアップである。「自分は『優秀な人材』だ」と思い込んでいなければ、私は下請け中心のIT企業で都合良く使われ続け、高確率でブラック労働に巻き込まれ、人生を狂わされていたかもしれない。ブラック労働に巻き込まれたとき、パワハラ被害を受けたとき、「おかしい」「あり得ない」と思えることは、「自己肯定感」が高い証拠だ。

この記事の冒頭にも書いたが、「自分は『優秀な人材』だ」とか、他人から見たら本当に偉そうで生意気なことを言っていると思う。その自覚はある。当たり前のことだが、実力や成功体験を過信することなく、常に学び続け、常にアップデートし続けるという謙虚さは必要だ。

一方、謙虚さ、真面目さ、使命感、人の良さが行き過ぎて、ここを相手に都合よく漬け込まれ、ブラック労働やパワハラ被害、成果に見合わない評価等、見抜くべき悪事や粗悪さを見落とし、自分が被害や不利益を受けてしまっては元も子もない。私の場合は、こちらの方をかなり気をつけるようにする必要があると思っている。

私はここ数年、長時間労働、ブラック労働、パワハラが発生する理由を調べている。自分がいた開発現場か否かに関係なく他社事例、世間一般の認識、専門家の見解などインプットしている。その結果、被害者が「優秀」か「無能」かはほとんど関係ないため、自分に非がないとわかり安心できた。

『優秀な人材』がブラック労働等の被害を受けにくくするためにも、(こんな言葉があるのかわからないが)「労働のスキル」を高める必要があるだろう。

私が得た知見や、経験したことは、このシリーズのブログで情報発信しているし、これからもしていく。謙虚さを保ちつつ「自分は『優秀な人材』だ」と自己肯定感を高め、更なるキャリアアップに繋げたい。

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昇進する人材を見てわかる組織の体質と内情

誰が昇進したとか、誰が出世したとか、気になる人は少なくないのではないだろうか。

昇進する人たちってどのような人なのか?

また、昇進する人によってその組織や企業がどのような体質・文化なのかがわかるというケースがよくある。

本記事では、昇進する人について私が見た限りの印象や、なかなか昇進できない場合の考え方について書こうと思う。


1. 昇進するかどうかは「組織」と「求める要素」に依存する

身近な人が昇進すると、次のようにと感じることがある。

  • 「すごいなー」
  • 「頑張ったなー」
  • 「実績を出したんだなー」
  • 「期待されているんだなー」

確かに、組織の中で一定レベルの実績を出すとそのようになる。これはその通りである。

しかし、冷静に見極めると、どんな人が昇進するかで、その会社がどんな会社なのかがよくわかる。昇進するには、その組織がそのポジションに求める要素を有することが大前提である。

しかし、「組織」と「求める要素」に依存するため、ここが必ずしもポジティブなものとは限らないし、社会的に正解でない可能性も視野に入れるべきである。

優良企業で昇進しようと思えば、各々の職場で必要な能力、リーダーシップ、人格、組織力、・・・、色々と思い当たることがあるだろう。

極端な話だが、これがブラック企業でそのまま通用するだろうか?

そんなことはありえない。ブラック企業なら、長時間労働に耐え、家庭を顧みず、上意下達、滅私奉公、どのような困難でも乗り切る気合と根性が求められるのではないだろうか。

優良企業、ブラック企業以外にも、上司に従順、素直、イエスマン、アピール上手、・・・、このような人が昇進するケースもあるだろう。

どのような人が昇進しているか?

昇進した人がどのような振る舞いをしているかよく観察すると良い。

2. あなたの職場ではどのような人が昇進しているか見てみよう

あなたの職場ではどのような人が昇進しているだろうか?

以下のような人が昇進していないだろうか?

  • 一部の領域で一定の実績を残した人
  • 会社にとって都合が良い人材
  • 上司に逆らわず従順な人材(≠優秀な人材)
  • 上司と仲が良い人材
  • 口が達者な人
  • 成果の横取りをした人
  • 部下や後輩に厳しい人
  • パワハラ加害者
  • 声が大きくパワフルな人
  • 偉そうな人(≠偉い人)
  • 長時間労働に耐えた人
  • 何らかの優位性を感じさせる人。これを目的にマウントを取ろうとする。
  • あるポジションに就いている人が退職し、そのポジションが空いた
  • 特定のポジションに対して他に適切な人がいない
  • その職場に長期間在籍しているだけ
  • 体力があり、自分の時間のほとんどを仕事に費やしている独身男性
  • 会社目線の人

以下のような人は昇進しているだろうか?

  • 部下や後輩への面倒見が良い人
  • ハラスメント被害経験者で被害者の気持ちがわかる人。または、コンプライアンス意識が強い人。
  • ハラスメント加害者に是正要求した人、またはパワハラ相談窓口に相談した人
  • 長時間労働による体調不良者。休職や長期休暇者を含む。
  • 純粋に能力が高い
  • 真面目に業務に取り組み実績を残している
  • 仕事と生活面のバランスを重視している
  • 時短勤務者
  • 介護など何らかの家庭の事情を抱えている
  • 社会目線の人

私は、色々と思い当たることがある。若いうちは単純に真面目に業務に取り組んでいれば昇進していた。そして中堅になれば、実績を認められ昇進したこともある。一部の領域で一定の実績を残しているが、全ての技術に精通しているわけではない。

私の上司であるリーダーが退職し、私がリーダーになったこともあった。ある程度の実績はあったものの、上司が退職するといった周囲の環境との巡り合わせによるところも少なくないのではと感じるのが正直なところである。

上司との相性もある。そもそも会社によっては評価制度があいまいで、何を基準に評価されているのかよくわからないこともあった。不公平感を感じることもある。

世間に目を向けてみよう。
www-asahi-com.cdn.ampproject.org

パワハラ加害者が昇進する組織もある。職員の4割以上がパワハラを受けた経験があると回答した厚生労働省自体もその一つのようだ。「なぜあの人が昇進したのかわからない。」との声もある。本当に昇進するに値する適切な人が昇進しているのだろうかと疑問に思う。
o08usyu7231.hatenablog.com

3. 客先常駐エンジニアより社内開発エンジニアの方が昇進しやすい現実

私は、新卒で下請けを中心としたIT企業に入社し勤務していたが、そのほとんどの期間が客先常駐である。顧客企業である大手メーカーでの構内請負、同じく派遣、一方で社内一括請負、一人プロジェクトもあった(※厳密には「プロジェクト」とは目的を達成するために複数人が集まって行う業務のことを指す)。

特に、新卒入社後初めての業務が顧客企業である大手メーカーへの客先常駐が長期間に渡っていた。私のキャリアのベースはここで構築されたといって良い。最初は苦労し、スキルアップもしたし、資格取得にも励んだ。長年かけて信頼関係を構築し、気づいたら常駐先社員と同化しているも同然で、製品開発における品質向上・業務効率改善に貢献し、常駐先社員の指導・教育も行い、この現場での実績には自信を持っていた。

その後、社内での一括請負プロジェクトに移った。このIT企業の私が所属していた部門では、社員の半分くらいが社内作業で、半分くらいが客先常駐だった。協力会社の技術者も受け入れていた。これまで常駐先の大手メーカーでの自分の実績には自信を持っていたが、社内プロジェクトは勝手が違い、慣れていない業務においても丸投げが当たり前で長時間労働の発生率の高いブラックな状態だった。長時間労働で体調を崩したこともある。元々社内にいるメンバーはこれが慣れているのであろう。

一見社内にいるメンバーは優秀であるかのように感じるし、社内に馴染んでいる人のほうが昇格の面では有利になっている傾向が伺えた。私は、このIT企業で大手メーカーへの客先常駐の期間中はある所まで順調に昇格していった。しかし、社内プロジェクトに移ってから以降は一度も昇格していない。周りからも社内に馴染んでいない私と比べて、社内に馴染んでいるメンバーのほうが優秀に見えるのだろう。

私は社内プロジェクトに馴染むよう努力はしたものの馴染めなかった。その後も客先常駐、社内作業の経験を積んでいくうちに、ある傾向を掴んだ。
「優良企業ほど私を高く評価している」
ということである。

ここで冷静に考える必要がある。「社内作業メンバー」が「メジャー」な位置付け、「客先常駐作業メンバー」は「マイナー」な位置付けに見える。スキルは関係ない。業務に必要な技術の分野など様々である。「社内作業メンバー」「客先常駐作業メンバー」それぞれそれなりに実績を出していることには変わりない。実績を出した場所が違うだけだ。つまり、配属と運次第。システム開発の世界では「案件ガチャ」、一般の職場でも「職場ガチャ」「上司ガチャ」と呼ばれることがある。

私は、元々昇進することばかり考えていたが、「転職」を視野に入れ始めた。視野を広げることは重要だ。社内には馴染んでいないが、実績には自信があった。優秀な人材がこの会社に残るのは勿体ないと感じた。「昇進」することを諦めたのではなく、この会社で「昇進」すること自体に魅力を感じなくなっていることに気付いた
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実際、このIT企業は一定の割合で辞める人がおり、なかには優秀な人材が辞めている。よって、私がこの会社を辞めるハードルは低かった。そして転職へ。転職したときの年齢はもう若くはなかったが、大手メーカーで、給与は転職前より微増で、労働環境や通勤面の条件が転職前より大幅アップした。転職後のほうが転職前よりも私の周りに優秀な人材が多い。

そしてここが大事。転職前のIT企業の部長以上の人事異動がその企業のホームページで公開されるのだが、私が転職後これを閲覧して本当に辞めて正解だと思った。

このIT企業の口コミサイトには

  • 「上司に従順な人が昇進する」
  • 「優秀な人は退職する」
  • 「昇進は運次第」
  • 「給料が異常に安い」

といった旨の記載があった。同感だ。

4. 昇進が困難なら昇進以外にも視野を広げてみる

昇進する際には上司から評価されていることが必要だ。ただ、評価するのは上司であり、100%自分でコントロールできない。自分が頑張ればそれなりに実績を出すことはできる。場合によっては、長時間労働問題、ハラスメント問題により、実績を出し成長するための前段が破綻しているケースもある。

特に、私の経験上、要職の上司が退職するなど、職場における背景事情や人事的な巡り合わせによって大きく左右される。昇進すること自体はこれまでの実績が認められたからなのかも知れないが、重要なのは「昇進してから組織にどのような影響を与えたか」である。

個人のプレイヤーとしては一定の力量があるものの、マネジメントが未熟、周囲に厳しくパワハラ体質等の理由から、優秀な人材がモチベーションを落としたり、退職したりすれば、その人は管理職を外すべきなのだが、意外にもこのことに気づかない企業が多い。

昇進したことで傲慢になり、パワハラ加害者となるケースも少なくない。このような場合、昇進が適切に行われたとは言い難いだろう。そのような組織に優秀な人材が居るだけの価値があるだろうか?

昇進したからといって人間として偉いわけではない。役割が変わっただけだ。一般的によく言われることである。

残念ながら、いくら優秀でも、いくら良い実績を出したところで昇進できない人もいる。それを正しく見抜く人や正しく評価できる人がいなければ意味がない。
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スポーツの世界でも、優秀な選手が居るだけでは強いチームにはならない。監督やコーチが選手の特性や強みを見抜き、パフォーマンスが最大限発揮される最適な配置をしなければ意味がない。ビジネスも同じだ。人はみな違う。多様性を持っている。多様性を受け入れられない企業は、同じ性質の人間ばかりが集まりイノベーションは生まれない。

一方で、正しく評価されず理不尽にも昇進できない優秀な人は、昇進以外に目を向けてみてはどうだろうか?

最近は働き方の多様性が増している。スペシャリスト、転職、起業、副業、フリーランス、・・・、それ以外にもどのようにパフォーマンスを発揮し、何を自分の強みとするかを考える。自分のキャリアプランを複線化することで、理不尽な理由で昇進できなかったとしてもダメージが少なくて済むよう準備しておくのも良いだろう。

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パワハラ事例解説(12) - 「常時不機嫌な振る舞い」と「人間関係の切り離し」で優秀な人材に対して悪影響

このシリーズの記事では、パワハラの定義と類型、私の身近に起きたグレーゾーンを含む事例について、定義と類型をもとに解説している。内容によっては考え方や改善策についても述べているので参考にしてほしい。

自分が加害者にならないように注意することをはじめ、被害に遭いそうな場合はいち早く予兆に気付くことが求められる。


【最初に】パワハラの定義と6つの類型

パワハラはご存知の通り「パワーハラスメント」の略であり、権力や地位を利用した嫌がらせという意味である。2001年に株式会社クオレ・シー・キューブによる造語である。ただ、その定義は曖昧で指導との区別が困難である現実を抱えていた。2020年6月にパワハラ防止法が適用され(中小企業は2022年4月より適用)、同時に厚生労働省による定義が明確になった。

パワハラの定義

パワハラパワーハラスメント)とは、職場において行われる

  • ①優越的な関係を背景とした言動であって、
  • ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
  • ③労働者の就業環境が害されるものであり、

①から③までの3つの要素を全て満たすものをいう。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

パワハラの6類型

パワハラは次の6つのパターンに分類され、6類型と呼ばれている。

  • (1)身体的な攻撃
  • (2)精神的な攻撃
  • (3)人間関係からの切り離し
  • (4)過大な要求
  • (5)過小な要求
  • (6)個の侵害

「(1)身体的な攻撃」は暴力の他、モノを叩くことによる威嚇がこれに該当する。「(2)精神的な攻撃」は暴言の他にも、他人を心理的に苦しめる発言が該当し、パワハラ事例の中でも最も多い。特定の人だけ仲間外れにしたり、情報を与えない、無視をするのは「(3)人間関係からの切り離し」に該当する。到底達成できないノルマを与える「(4)過大な要求」、能力に見合わない仕事を与える、もしくは仕事を与えないことで心理的に苦しめる「(5)過小な要求」、プライベートに踏み込みすぎる「(6)個の侵害」、これらを総称してパワハラと呼ばれる。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例

ニュースで取り上げられているものや、裁判になったものは組織内で解決できなかった手遅れ案件である。また、世間の目も段々厳しくなってきており、損害賠償の相場も数百万単位(被害者が死亡の場合は数千万単位)に上がってきているという情報もある。いくら正論であっても、相手が嫌がるやり方であれば、法律に触れることになる。

ただでさえニュースで見ることが多くなってきているのだが、これらは氷山の一角であり、水面下には程度の大小を問わずさらに多くの案件が潜んでいる。上述の定義や類型を基に、私が実際に見たことがある事例を紹介し、定義や類型を元に解説する。程度や被害の大小は様々である。

  • グレーゾーンであるもの、パワハラと断言できないもの
  • 「こんなのがパワハラになるのか?」というもの
  • 出来事が起きた当時はあまり意識しなかったものの今考えると「あのときのあの出来事はもしかするとパワハラにあたるのでは?自分も加害者にならないように気を付けよう。」と思ったもの

いずれにしても、加害者側に問題があり是正が必要であることは間違いなく言えるので、立場関係なく参考にしていただきたい。その上でパワハラの予兆を見極め、未然防止に繋げることが重要てある。

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例一覧については、こちらを参考にしていただきたい。
o08usyu7231.hatenablog.com

【事例12】「常時不機嫌な振る舞い」と「人間関係の切り離し」で優秀な人材に対して悪影響

あるIT企業で長年作業している協力会社要員(以降【加害者】と記載する)の扱いに困った話である。この【加害者】は50歳前後というベテランであり、お局的なイメージである。周囲の人達は、この人に対して「仕事がてきる人」というイメージを持っている。【加害者】が携わっているプロジェクトにおいては顧客とも十分面識がある。

一方、この【加害者】と同じプロジェクトに異動してきた同IT企業の正社員(以降【被害者】と記載する)は、他の開発現場で長年実績を挙げてきた優秀な人材である。しかし、異動してきたプロジェクトではこれまでと勝手が違い不慣れな様子であった。

【加害者】は【被害者】を

  • 見下していたのか?
  • 「プロジェクトに慣れていない」ことを「仕事ができない」と勘違いしていたのだろうか?
  • 現プロジェクトでは不慣れたが過去の実績があり中途半端で扱いにくいのか?

常に不機嫌そうな様子である。

また、【加害者】は【被害者】に対して、【被害者】が期待しない細かなことに口を出しマウントを取ることもあれば、【被害者】と積極的にコミュニケーションを取ろうとしない。

一方、【被害者】はこれまでの実績には自信を持っており、【加害者】を特段「仕事ができる人」ではなく、「今居る現場や現顧客向けのプロジェクトに慣れている」という印象を持っていた。

プロジェクトに不慣れな【被害者】が、【加害者】に業務上のことを問い合わせをしても、【加害者】の回答を【被害者】は理解できず、そのうち【加害者】は不機嫌になり、「【被害者】が知りたいこと」ではなく「【加害者】が言いたいこと」を言い、【被害者】は更に戸惑う一方である。

このことから、【被害者】は【加害者】のコミュニケーション力に問題があり、これ程までにマイペースな人はいないと考えていた。【被害者】は別の要員とは普通にコミュニケーションが取れているから、【被害者】のコミュニケーション力には問題は無いようだ。【被害者】は【加害者】の扱いに困っており、【加害者】も【被害者】の扱いに困っているようだ。

【加害者】が【被害者】に対して常に無愛想に接するのも問題だが、【加害者】はある時顧客からの依頼を勝手に受けて対応したことがある。現プロジェクトの顧客窓口は【被害者】である。【加害者】は顧客とは昔から接点があったので、直接業務上のやり取りができないわけではない。しかし、顧客窓口である【被害者】に対して、顧客からの依頼と対応した旨を報告することが、社会人として当然だ。ここをスルーし、直接【被害者】の上司に報告した。【被害者】は「【加害者】の報告経路に問題があり、ビジネスの基本が出来ていない。」と判断した。【加害者】は「【被害者】に報告しても、内容が理解できないだろう。だから、【被害者】の上司に直接報告しよう。」と考えていたのかも知れない。

これをパワハラの定義に当てはめてみる。このケースは協力会社要員(【加害者】)から正社員(【被害者】)であるが、協力会社要員か正社員かは関係なく、現プロジェクトのことを「よく知る人」から「不慣れな人」へという立場上の優位性を背景に(①)、不機嫌な態度を常に見せることや、【被害者】に対してマウントすること、業務の報告について顧客窓口である【被害者】を通さないことなど、業務に必要相当な範囲を超え(②)、本来優秀であるはずの【被害者】のパフォーマンスが十分に発揮されないという就労環境を悪化(③)させている。パワハラの6類型では、常に不機嫌そうな態度を見せることによる(2)精神的な攻撃、業務の報告に関して【被害者】を通さないなどコミュニケーションを避けるという(3)人間関係の切り離しに該当する。また、不機嫌な態度を取って威圧するような場合は「フキハラ(不機嫌ハラスメント)」と判断されることもあり得る。

【加害者】は業務報告のやり方を改めなければいけない。例えば、【被害者】がプロジェクトに不慣れで報告内容が理解されにくいと感じたら、【被害者】と【被害者】の上司にメール送信する。複数の人に同じ内容を送信すれば、【被害者】の上司も【被害者】をフォローできるし、【被害者】が人間関係の切り離しに遭うこともない。

【被害者】も【加害者】が何を考えているかわからないけれども、【加害者】がプロジェクトに慣れているという優位性があるため強気に出れないのであれば、上司に相談するなどの行動が必要だったかもしれない。

現実にはこの【加害者】のように、あまりにマイペースで何を考えているのかわからない人間も少ないとは言え一定割合はいる。取るべきコミュニケーションやしかるべき相談・フォローを行った上で、どうしても上手くいかないなら諦めて配置転換等も検討すべきだろう。

この【加害者】のようなタイプは「仕事ができる」とはいわない。周囲に良い影響を与え、全体の生産性を高め、成果を出すビジネスパーソンこそが「仕事ができる優秀な人材」なのである。更に、パワハラを受けながらも一定の成果を出す【被害者】のほうこそ「優秀な人材」なのである。このことを認識すべきである。
o08usyu7231.hatenablog.com

【最後に】パワハラにおける考え方・まとめ

パワハラは加害者および組織の問題、被害者に責任はない

パワハラは加害者が未熟であることによって発生する。パワハラに関して被害者には非はない。被害者に改めるべき部分があると思えば、改めることは素晴らしいことである。しかし、パワハラを受けたことに対する責任まで取る必要はない

一方、パワハラ加害者は重い軽いいずれにしてもそれなりの処分と教育を受け、更正してほしい。パワハラの加害者を絶対に昇格させてはいけない。降格するくらいを当たり前にしてほしい。

パワハラ加害者となる可能性が高いリーダー、管理職には、パワハラの重大さを知ったうえで、チーム・組織で成果を最大化するために必要なことを学んでほしい。私は様々なリーダー、管理職を見てきた。技術や能力が高いベテラン社員はある程度いる。しかし、いくら能力が高くてもパワハラ気質なベテラン社員は、管理職にふさわしくないと判断している。組織のメンバーのパフォーマンスの最大化の妨げとなっているからである。チーム・組織で成果を最大化するためにパワハラはいらない。一方、被害者はパワハラを受けた状況にもかかわらず業務において一定のアウトプットを出しているなら、優秀な人材であると考えて良さそうだ。

パワハラがいけないことであるということは皆知っている。しかし、何がパワハラに当たるか、パワハラが発生したときにどのような影響が出るかを理解していないのではないだろうか。パワハラに関する研修や教育は行われているが、最悪命に関わるということを教えていないのではないだろうか。

パワハラ対策の第一歩は証拠集め

パワハラは加害者および組織の問題としながらも、被害者が対策しなければならない。実に理不尽だ。放置や無策、我慢することはお勧めできない。エスカレートするからだ。その対策の第一歩としては証拠を集めることだ。電子メールやチャットのやりとりでパワハラに繋がりそうなものがあれば残しておく、会話についてはスマホでも良いがICレコーダーで録音しておくことをお勧めする。裁判等で確実な証拠となる。

防犯カメラはこれまでは文字通り、犯罪調査に使用されることがメインでした。最近では、これに加えて職場などにおけるパワハラの証拠収集等、ハラスメント対策においてより重要性が高まっております。小型であり持ち運びしやすいこともあり、いつハラスメントに巻き込まれるか予測できない状況において、自分の身を守るためにも、是非携帯しておくことをお勧めします。


自分を守るための準備も並行して進める必要がある

パワハラは加害者を直接コントロールすることは難しい。被害者の方々には、まず自分を守ることを優先していただきたい。できればパワハラが発生するような環境から離れ、他の環境に移ることができるようにしておくことが望ましい。本来、被害者側に要求しなければならないことは社会的に非常に残念ではあり、理不尽ではあるが、パワハラ被害に遭う前から、転職、起業、フリーランス、副業など準備を進めておくことが、被害者個人でできる対策である。あらゆる手段で自分の人生を守るよう、準備を進めておくことをお勧めする。それくらい日本のハラスメント対策は国際的に見ても遅れている。
o08usyu7231.hatenablog.com
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