ソフトウェアエンジニアが労働について情報発信するブログ

ブラック労働からホワイト労働まで経験したソフトウェアエンジニアが世の中にとって役立つことを情報発信していく。

「お客様は神様」の勘違いがブラック労働の一因

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「お客様は神様」。多くの日本人がこの言葉の影響を受けている。そして、間違った意味で解釈されていることは有名である。更に、「お客様の方が偉い」「お客様の方が立場が上」などという風潮が広まり、労働者の犠牲の上にビジネスが成り立っている状況が改善されることなく、労働者を苦しめてきた。でも、それは間違っている。ブラック労働の一因となっているからだ。


1.三波春夫氏本人も世間一般の勘違いについて指摘している

この言葉は元々演歌歌手の三波春夫によるフレーズであり、「お客様」とは舞台の観客のことを指す。

英語で言うと「オーディエンス」にあたる。

「歌を歌うときは舞台の観客を神様のように見立てて、邪念を払い澄み切った心で歌うことが絶対である。」とした歌手としてのプロ意識について説明したものである。

詳しくは、三波春夫氏のオフィシャルサイトを確認してほしい。

多くの日本人はこの「お客様」を営業先の「クライアント」のように解釈している。そのような意味ではないと三波春夫氏も明確に述べている。
www.minamiharuo.jp

2.多くの日本人が「客」の方が偉いと勘違いしている

日本のビジネスにおいて、「客」のほうが偉い、「依頼元」のほうが立場が上とされているが、普通に考えればおかしいし、国際的にみても日本が異常である。

お客様が偉いわけがない。「お金を払っているのだから・・・」という点を強調して、行き過ぎたクレームをする「客」がいる。また、このような「客」に同調する企業の上層部、管理職、リーダーも残念ながらいる。

「お金を払っている」からといって何をやってもいわけがないし、お金を払っているとはいえ要求の度合いと、提供する労力が見合わず、高い質のサービスの割には安い賃金であることも少なくない。クレームや同調圧力を受けた末端社員は、違和感を感じながらも、ビジネスにおける立場上・関係上、このような勘違いをストレートに指摘できるほどの強いメンタルを持つ人間はそう多くない。これを悪用して圧力をかけているのが実態だ。

客は提供者に対してお金を払い、商品を購入したりサービスを受ける。単なる等価交換に過ぎない。お金を払ったのに対し、それ相応の商品やサービスでない場合には、客から正当なクレームをすることはあるし、これについては真摯に対応しなければならない。

しかし、客からの行き過ぎた要求に対して、提供者が客にクレームするケースはあまり見られない。提供者が何らかの被害を受けたなら、客にクレームすることも普通にありうる話だと思っている。
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3. ソフトウェアエンジニアの犠牲の上でソフトウェア開発が成り立つ構造も

IT業界やソフトウェア産業等でも、日本特有の多重請負構造がよく見られ、「『発注元』のほうが『発注先』よりも偉い」という関係が連鎖的に伝搬してくる。

『発注元』から『発注先』に無理な納期で、かつ低価格で、過大要求を突きつけ、ここでの『発注先』企業は、さらに下請け企業に対して『発注元』として同じことを繰り返す。

こうした繰り返しが行われるため、多重下請け構造の下位の企業ほどブラックになる。
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結局、ブラックとなった下位企業がシステムを作り上げるため、プロジェクト全体で混乱が起き、下請けのソフトウェアエンジニアにおける長時間労働パワハラ被害といった犠牲によって成り立っているのである。
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システム・ソフトウェア開発プロジェクトにおいて、異なる企業間で行われたパワハラの事例もここに挙げておく。お客様は神様ではない、人間である。勘違いして偉そうにしている人間、立場の優位性を背景に無理な要求を突き付けてくる人間は、組織・社会にとって害悪でしかない。更に、そのような理不尽に同調している企業や組織はブラックであると疑うべきである。
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4.「客と提供者(ベンダー)」以前に「人間対人間」という基本を忘れるべきでない

業界にかかわらず「お客様は神様」の勘違いは、「ブラック労働が廃れない理由」にも、「長時間労働が無くならない理由」にもなる。取引先からのパワハラの一因にもなる。

また、驚くべきなのが「客のほうが偉い」という認識をもっているのが客側のみならず、そのような客を対応しているサービス提供側にもまかり通っている。ここが異常である。

「客と提供者(ベンダー)」以前に「人間対人間」だろう。この前段・土台・根本がわかっていない人がなぜここまで多すぎるのか疑問である。自分たちで自分たちの首を絞め、労働環境をブラックにしているだけではないか?
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もう、こんなおかしな考え方はやめて、「人間対人間」として、言うべきことは言うスタンスに変えていきたいし、徐々に日本もそのように変わりつつある。

無理難題を平気で突きつけてくる顧客ほど、提供者の犠牲によりビジネス・サービスを実現していることに敬意を払わない。「お金を払っているのだから何をやっても良い」わけではないのに、それをわかっていない。

無理難題な要求を受けた側はブラック労働に陥りやすく、実現に見合った報酬には至らず、ハイリスクノーリターンで、百害あって一利なしである。

このような「粗悪さ」を正しく見抜き、労働環境の良い企業を探そう。
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