ソフトウェアエンジニアが労働について情報発信するブログ

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話を聞くときのマナーが出来ていない上司世代が時々いる

部下の話に耳を傾けず、他人の話を遮断し、持論や自分の価値観を押し付ける上司世代を時々見かける。上司ー部下だけではない、先輩ー後輩、同僚間、取引先・・・。皆さんの周りにもいないだろうか?

そして、聞き手の理解不足を話し手のせいにする。本当に困った人たちがいるものだ。この記事が、「うまく伝えられないのは話し手である自分のせいかもしれない」と思っている人にとって、本当にそうなのか見極める手助けになってほしいと思う。更に管理職や上司世代には必須の内容であるため、本記事の内容についてしっかりと理解を深めていただきたい。

一方、「話し手の姿勢」や「伝え方のスキル」がどうでも良いと言っているわけではない。こちらも必要なスキルである。

私が問題だと感じているのは、現実の世界において私の感覚では「話し手の姿勢」が重視され、「聞き手の姿勢」が軽視されているように感じる場面が多いことである。「聞き手」が横柄な態度を取るパワハラもある。これでは健全な組織は成り立たない。

目次

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1. 当たり前のことができていない人がいる

話を聞くときのマナーなんて、人間である以上当たり前のことである。しかし、現実にはこれができていない上司世代が時々いる。

力関係で自分の方が優位であると考えているのか、相手の話を止め、自身の価値観や自己主張を押し通そうとすることで、話し手を不快にすることが平気で行われる

一例を挙げると、システムの不具合説明。不具合現象を説明するのは簡単だが、不具合のメカニズムを説明するのは難しい。説明する相手によって対象のシステムをどの程度熟知しているかも異なるし、中身に詳しくない人の方がほとんどだろう。

このようなときよく言われるのが、

  • 「話し手は聞き手が何を知りたいのか理解すべきだ!」
  • 「相手の思いを汲み取りながら話すべきだ!」
  • 「不具合報告は完結に!」
  • 「説明のプレゼンは聞き手が主役だ!」

といった聞き手に都合の良い内容だ。一見正しそうで聞こえは良いが、現実には限界がある。それどころか、内容が正しくても話し手を不快にすれば、本来得られるべき情報が得られず、ビジネスに影響が出てくる。

また、話し手は説明が得意な人ばかりとは限らない。

更に、聞き手が立場が上(実際には立場関係ないが上司や顧客、発注元など立場が上と勘違いしている)で、横柄な態度を取る人間ならば厄介だ。

聞き手は話し手に対して上から目線で重箱の隅をつついたり、「お前、(聞き手が知りたいことを)ちゃんと理解しとんか」と威圧・罵倒したり、聞き手側のマナーの低さを棚に上げ、力関係を背景にあたかも話し手が悪いかのようなストーリーに仕立て上げるというパワハラが起きたケースもある

これでは話し手も説明が上手い下手に関わらず、このような聞き手に対しての説明が面倒だという印象を与えてしまうだろう。

プレゼン嫌いを作ったり、説明の苦手意識を助長させたり、最悪の場合隠蔽体質を作る結果となる。

行き過ぎるとハラスメントにもなりうる。

2. 話し方に関する指導を受ける機会はそれなりにあるが

前述したとおり話し手に対して、話し方に関する教えはあちこちでよく言われるし、学校や職場などで指導を受けることが多く、そのようなセミナーもある。

しかし、聞き手に対する傾聴スキル、傾聴の際の姿勢については教わることはゼロではないが、あまり見たことがないように思える。

上述の不具合報告の例も然りだが、聞き手の振る舞いに不快感を感じた話し手は少なくないのではないだろうか?

話し手が悪ければ、聞き手のマナーはそっちのけで良いのだろうか?

聞き手の力関係が上であれば聞き手のマナーはどうでもよいのだろうか?

マネジメントに関する通信教育の本を読んだことがあるが、似たようなことが書かれている。上司は部下の話を最後まで聞き、本音を喋らせるムードを作ることだ。

3. 管理職向け教育内容の一部を紹介

前述のマネジメント育成のための通信教育の本の一部分の要約を紹介する。私としてもとても共感できる内容だ。紹介する内容は、部下が話し手、上司(管理者)が聞き手の設定であるが、これに限った話ではない。取引先など対外的な関係についても同じことが言える。

良好なコミュニケーションをとるための最大のポイントは、「話を終わりまで聞くこと」と「真剣に話を聞く」 ことである。

(1)話を終わりまで聞く

重要なことは「聞く技術」ではなく「聞く姿勢」である。終わりまで聞き取るにはどうすれば良いかといえば、それは単純なことである。部下が話をしている間は、管理者は口を閉ざしていればよいだけである。ところがこれが意外に難しく並大抵ではない忍耐を要することなのである。部下は話が上手であるとは限らない(管理者も同じである)。むしろ管理者から見れば話し下手であることが多いかもしれない。要点が分かりにくく冗長なこともあれば、論理が飛躍してしまうこともある。それでも終わりまで聞き取らなくてはいけない。我慢しきれなくなって、途中で話の腰を折ったり、割り込んだりするだけでなく、「何を言いたいのかさっぱり分からない」などと叱責すれば、間違いなくその部下はもう話を持ってこなくなる。部下と意思を通じ合うには、管理者が謙虚になって部下の話を聞き取る姿勢を貫き通すことが欠かせないのである。

(2)真剣に話を聞く

形としては部下の話を聞いているが、実は初めから頭の中で自分なりの結論にや着地点を設定しておき、自分にとって都合のよいところだけを受け入れる。結局は用意した答えに誘導しているに過ぎない管理者がいる。
これでは部下からすれば、「本当は何も聞いてくれなかったのか」ということになりコミュニケーションは成り立たない。また「腹を割って話そう」「何でも言ってくれ」と言いながら、管理者に対する批判的な意見や不平不満が出てくると、次第に不機嫌になり、ひどい場合にはその部下を抵抗勢力とみなす管理者もいる。単なる不平不満だと片付けてしまうことは、管理者自らがその職場の革新を妨げることになってしまうのである。

4.「聞き手のマナー」「聞く姿勢」の欠落が人間関係の悪化に繋がることを理解すべき

結局、話し手のスキル、聞き手のマナー、これらは独立している。どれかができていれば他はできていなくてもよいというものではない。

「『聞き手のマナー』が悪く、態度が横柄で、説明しても話の腰を折られ、内容も理解してもらえない」と困っている人に対して、「『聞き手のマナー』ではなく『話し手のスキル』の問題だ」と一蹴する者がいるが、『話し手のスキル』があれば『聞き手のマナー』はどうでも良いかというと、そんなはずはない。

さらにここに力関係が入ってくると、全体が一気に崩れる。その後の人間関係にも影響を及ぼす。聞き手はこのことをしっかり認識しなくてはならない。

ついつい『話し手のスキル』に着目してしまいがちで一生懸命『話し方』について指導しようとするが、話し手を不快にするような振る舞いを聞き手がしていないか、よく確認してほしい。単純なことではあるが、意外に気づいていないことが多い。特に、管理職、上司世代、先輩社員において、「傾聴」は必須のスキルと姿勢だ。

このようなことを無視して力関係で物事を片付けようとする組織で、改善の見込みがない場合は、あなた自身の精神が消耗するだけなので、そこにあなたが居てあげる必要はないのではないだろうか?