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すぐに転職を考えていなくても、転職サイトに登録すべき理由を語る

転職が当たり前の時代になり、様々な転職サイトが出現し、転職をサポートするエージェント(キャリアコンサルタント)という職業すら珍しくなくなってきた。

今の時代、新卒で社会人になり、定年を迎えるまで、1社で過ごすことが悪いとは言わないが、こちらの方が珍しくなってきた感覚もある。しかし、まだまだ世界の中における日本では、終身雇用の感覚が根強く残っており、人材の流動性が低いという見方もある。

人生100年時代と言われる現代において、自分のキャリアを考えるにあたって、転職するつもりがなくとも転職サイトに登録し、情報収集することの有効性について語りたいと思う。

目次


1.現在の自分の「市場価値」をエージェントに見てもらう

まず、1社の社内にずっと居続けている限り、これは実現できない。エージェントは多くの転職案件を扱ってきておられる。転職者も多く見てこられ、企業側も多く見てこられている。

これまでの自分のキャリア・実績を棚卸し職務経歴書に簡潔にまとめた上で、エージェントに見ていただくだけでも、「市場価値」がわかるだろう。

ここで重要なのは、可能ならば複数の転職サイトに登録し、複数のエージェントに職務経歴書や面談を通して見ていただくことである。転職サイトによって、エージェントによって強み/弱み、得意分野/苦手分野がある。

あなた自身が自分で自己分析するのも良いが、時間が足りないし、視点がどうしても偏ってしまいがちである。あなたが強みだと思っていなくても市場から見れば強みかも知れないし、あなたが強みだと思っていても市場から見れば強みではないかもしれない。自分ではわからない強みを引き出してくれる可能性もあるため、是非とも複数のエージェントを活用していただきたいと思う。

あと、

「社内における上司からの評価」と「市場価値」はイコールではない

と考えた方が良い。「社内における上司からの評価」は一概に軽視しても良いとは言わないが、上司との相性、上司の主観によって決まるケースが多く、「社内」という空間に限られた話であり、「社内」から一歩外へ出れば1ミリも関係ないのである。あなたが、これまでどのような考え方で、どのような実績を出してきたかを説明できることが重要だ。

私が過去にあったのは、職務経歴書をエージェントに見ていただいた結果、

「この実績で、この忙しさで、この収入は、正直低いですね!」

と言われたことがある。それまで何となくモヤモヤしていたのだが、

「自分の感覚は間違っていなかった!」

という安心感があり、これだけでも転職サイトに登録した甲斐があったのではないかと感じている。社内に閉じこもっていれば絶対に気づかないことだ。

2.どのような求人があるか市場動向を知る

これは、企業名をネットで検索すれば公開求人を見ることができるのだが、エージェントに登録すると非公開求人が見られるので有効だ。一転注意したいのは、「非公開求人」=「良い案件」とは限らない。個人個人に向き/不向きがあるので、各々で見極めていただきたいのだが、条件が良く人気のある求人はすぐに充足して、応募が締め切られる可能性が高い。

仮に、自分が転職したいような企業が見つからなくとも、だいたいどれくらいの年収で提示しているかなどの肌感覚もわかるだろう。逆にこれを掴んでおかないと、業界や同一職種・同一業種に対する自社の水準に無頓着になり、気付けば

「業務内容の割には、世間一般と比べても、都合よく安く使われていた」

などということになる可能性も十分にある。

また、どのような企業がどのような業務内容か、どのようなレベルの人を求めているかを知ることができるので、自分がどのようなキャリアへ進むべきか、考えるきっかけになる。

エージェントに色々と尋ね、お話を伺うことで、業界の動向や地域ごとの動向についても知ることができる。業界や企業の動向、求人票からではわからないことでも、エージェントから情報を入手することができるので、情報収集にエージェントを活用しない手はないのである。

転職希望者が転職サイトに登録するのは、基本的に無料である。一部有料のものもある。エージェントが報酬を得る仕組みは、転職希望者と企業側がマッチ(中途採用で企業へ入社)したときに、エージェントが企業側から報酬を得ることで成り立っている。なので、転職希望者は積極的に活用したいところだ。


3.今後のキャリアを考える手段の一つとする

ある程度情報収集できれば(情報収集しながらでも構わないが)、今後のキャリアを社内外で考えることができる。

必ずしも転職しなければいけないわけではなく、現在の企業に留まることも選択肢の一つである。

現在の企業より総合的に条件が良いと感じたら、転職すれば良いのだ。

ここで重要なのは、在職中であるため心理的に余裕を持って、今後のキャリアを考えることができる点である。

  • 「すぐに今の会社を辞めたい」
  • 「急いで転職先を見つけないといけない」

このような心理状態で転職活動を行うと、焦りがあるゆえ、少しくらい条件が悪くても妥協してしまい、入社後にミスマッチとなりやすいリスクを抱えてしまう。なので、転職先に贅沢な条件を求めるほど、余裕を持って、最悪現職に留まるくらいのマインドで行ったほうが、良い活動ができるのではないかと思う。

転職が絶対ではなく、キャリアを考える手段の一つに、転職サイトに登録し、情報を集めるのである。

転職以外に、副業やフリーランスについて調べるのも同じである。それらを目指す前から、事前に調べておき、選択肢を増やしておくことで、心理的余裕を保ち続けることができるのである。

4.いつでも転職できる状態にしておく

「いつでも転職できる状態にしておく」ことは、今後どのビジネスパーソンにおいても重要になる。

昔、私の職場でも「いつでも転職できる状態にしておく」ことの重要性を、公の場で堂々と語る管理職がいた。素晴らしいと思う。ただ、裏の意味では「いつでも転職できる状態にしておく」くらいのスキルを身に付けて、会社に貢献してほしいという意味合いが強いものと思われる。優秀な人材が転職により流出してしまうと、会社にとって困るからである。

私が言う「いつでも転職できる状態にしておく」は、これとは意味合いが違う。エンジニアに限らず、「いつでも転職できる状態にしておく」だけのスキルを付けておくことは必要なことであるが、スキルを付けておくだけでは不十分である。

転職市場を知り、市場価値を知り、転職するかしないか選べるようにし、転職したいときにできるように準備をする。本当に「いつでも転職できる状態にしておく」のである。

企業に限った話ではないが、自分がコントロールできない範囲で、自分が不利益や被害を受けることがある。世間一般でよくある企業の不祥事や、経営悪化による人員削減、ハラスメント被害諸々である。理不尽ではあるが、被害者側でもある程度対策は可能だ。その第一歩として、転職サイトに登録することだ。

転職に限った話ではない。副業、フリーランスも同様だ。あるパワハラの専門家も被害者側ができる対策として、推奨している。