ソフトウェアエンジニアが労働について情報発信するブログ

ブラック労働からホワイト労働まで経験したソフトウェアエンジニアが世の中にとって役立つことを情報発信していく。

「医療崩壊の懸念」と類似のことがソフトウェア産業にも

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

医療崩壊」という言葉を聞く。非常に恐ろしいことである。医療従事者はただでさえ大変な状況にある。医療機関は我々(自分も含めて)いつお世話になるか予想がつかない。必要な時に必要な医療が受けられないことは我々一般人にとって重大なリスクだ。

IT(情報技術)は我々の暮らしに身近になり、生活を支えている。その技術者における労働環境が劣悪で、技術者不足を招くと、我々の暮らしに直結するという面では、「医療崩壊」と似たことが起きるのではないかと懸念している。

この記事では、医療機関とIT業界が共通して崩壊するリスクがあることと、職業や立場関係なく人間としての理解や、一人一人の心掛けが必要であることの重要性について語りたいと思う。


1.ソフトウェア産業は労働環境の悪さと技術者不足で危機的状況

日本ではIT人材・ソフトウェア技術者の人数が全体的に不足している。ただでさえ日本の人口は2008年あたりから減少傾向にあるのに、このような状態はなおさら深刻である。

背景には7K

  • 「きつい」
  • 「帰れない」
  • 「給料が安い」
  • 「規則が厳しい」
  • 「休暇がとれない」
  • 「化粧がのらない」
  • 「結婚できない」

と言われる劣悪な労働環境があるからであろう。

このような状態では、優秀な技術者は辞めていくし、新たにソフトウェアエンジニアになりたい人は少なくなり、将来ITやソフトウェア開発を担う人が居なくなればどうなるだろうかと心配である。海外のエンジニアに丸投げすることになるのだろうか?

まさに後述する「医療崩壊」のような状況を表す「ソフトウェア崩壊」という言葉があるのかどうかは知らないが、いずれにしても危機的状況である。

2.新型コロナウィルス対応でますます過酷さが増す医療機関

一方、新型コロナウィルス感染拡大により、「医療崩壊」が懸念されている。感染者が増え続け病床数が確保できなくなっている。医療体制をしっかり整えるといえども感染者が病床数を上回っており、もう限界に来ている。「医療壊滅」という言葉も出ており「医療崩壊」よりもさらに深刻な事態を表す。

東京女子医科大学病院で2020年夏のボーナスカットにより400人規模の看護師が退職の意向を示したことは記憶に新しい。働き手にしてみれば、成果や働きに見合わない結果となるため、退職して然りである。しかし、医療を受ける側からすると大変困る事態である。

そもそも医療業界は新型コロナウィルス関係なくハードワークで、長時間労働、不規則勤務、パワハラ、セクハラを理由に退職していく人もいる。そのことが更に医療業界を苦しめている。

医師や看護師の大変さはニュースの記事やテレビなどで時々見る。医療従事者が減り医療が十分に行き渡らなくなると、医療を受ける我々に支障が出てしまう。無関心では済まされないことだ。

3.過酷な状況を発信することが大切である!周囲もちゃんと理解しろ!

ここで一つ気付きがある。前述したように医療現場の大変さは色々な記事を通して世間に訴えられている。医療以外にも、介護・福祉施設のスタッフはストレスが多い、保育園の保育士の労働環境の問題、トラックドライバーは過酷だ・・・など、記事を通して世間に訴えられているから我々一般人もその実態を知ることになるのである。

実態を発信することは大切だ。

IT業界もソフトウェア開発も大変だということをもっと多くの人が理解していなければならない。そのためには発信しなければならない。

長時間労働にならないようリソースを増加したり、長時間労働にならなくて済むスケジュールにしたり、理不尽な要求を断るなど、これらのことが当たり前になるべきである。

価値観の古い人はこのような過酷さを表に出さず、我慢・根性・頑張りで乗り越えなければならないと後世に教える人もいる。しかし、そのようなやり方はもう時代遅れでもあり、はっきりいって間違っているのである。時代の変化や人口構造の変化で、歪みを受けている労働者に対して、更に鞭を叩く行為など正気の沙汰ではない。
o08usyu7231.hatenablog.com
o08usyu7231.hatenablog.com
o08usyu7231.hatenablog.com

4.職業や立場に関係なく、人間として理解ある行動を!

結局はこれである。

医療従事者だろうが、トラックドライバーであろうが、介護・福祉施設のスタッフだろうが、保育士だろうが、ソフトウェアエンジニアだろうが、これらの利用者だろうが、みな人間である。ここの部分を忘れて、利用しているサービス提供側の労働環境悪化の一端を担っている人間は、自分にできることが無いか徹底的に考えるべきだ。

新型コロナウィルス対策であれば、「医療崩壊」の危機にあることを我々一人一人が自覚し、出来る限りの対策を行い、医療機関に負担をかけないという配慮が必要である。医療を提供する側も受ける側も一体にならなければいけない。

トラックドライバーより荷主の方が立場が上とか言われているが、私はこれが理解出来ない。トラックドライバーに荷物を運んでもらっていることに感謝すべきである。

ソフトウェアエンジニアも同じである。発注者と受注者が対等な関係で、一体となって進めていかなければならないが、発注者が無理を要求し、受注者の犠牲の上にビジネスが成り立つ時点で、そもそも破綻しているのと同じだ!

おかしな関係や状態が続くと本当に破綻する。優秀な人材も居なくなる。危機感を持つべきだ。立場関係なく人間として。