ソフトウェアエンジニアが労働について情報発信するブログ

ブラック労働からホワイト労働まで経験したソフトウェアエンジニアが世の中にとって役立つことを情報発信していく。

過重労働等による体調の変化に早めに気付くことで悪化が抑えられる

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「体調が悪ければ休む」。

人間として当たり前のことだ。しかし、労働によって心身不調になり、長期休暇、休職、さらにそこから復帰できないことさえある。このようなメンタルトラブルが後を断たず、社会問題にもなっている。

なぜ、このようなことが起きるのか?

長時間労働パワハラ等、企業が抱える労働トラブルはもちろん、日本人の真面目な気質や、頑張りを評価する精神論が助長しているのではないか?

タイトルの通り、体調に異変を感じたなら、早めに対応することで労働トラブルによる被害を抑えることが可能である。本記事にて挙げる事例とともに、このようなマインドをインプットにしていただき、労働トラブルから少しでも救われるケースが増えてほしいと思う。


1.当たり前のことだができないケースがよくある

システム開発・ソフトウェア開発に携わっている人に限らず、少しくらい体調が悪くても頑張ってしまう人が多いことが驚きである。と言いながら私もその一人だった。

少々なら踏ん張れるし、朝少し調子悪くても出社して仕事をしているうちに、気が紛れてあまり気にならなくなったりする(たまに悪化することがある)。勤勉で、責任感が強く、仕事熱心である、日本人によくある典型だ。

しかし、私はある出来事をきっかけに体調面により気にかけるようになり、少しの異変でも警戒するようになった。

今回の記事で語るのは、ただの風邪程度のものではなく、メンタルを壊しかねないレベルのものについてである。

もちろん、ただの風邪程度のものを軽視しているわけではないので勘違いのないようにしていただくと同時に、大事に至らないようにくれぐれもご自愛いただきたい。

また、最近はコロナ禍において、体調不良での出社は感染のリスクがあることからも、以前と比べてかなり警戒するようになった。

新型コロナウィルスに限らず、このようなマインドが当たり前になり、最高のコンディション、最高のパフォーマンスで、最高のアウトプットを出してほしい。

2.長時間労働と苦労の限界による体調の変化

私がシステム開発において、過重労働の温床となっているプロジェクトへ応援要員として投入されたときの話である。

投入されて数ヶ月、スキルもつかず面白味のない内容で、過労死基準に達する過重労働であった。多重下請け構造の末端の部分を担っている。このプロジェクトは、リーダー、メンバーとも体調を壊す人が出てくるほどの異常さであった。

しばらくして、そのプロジェクトでリーダーをやってほしいと私に打診があり、かつ大幅にメンバを減らされるといった状態である。部門長が現場の状況をよく確認しないまま受注したことで、私の苦労など目もくれず、不可抗力となり、健康面に異変が出るという被害に見舞われた。

次第に夜も眠れなくなり、朝早く目が覚め、寝ても疲れが取れず、真夏なのでいつも以上に汗をかき、食欲もなくなり、何事にも気力を失った。うつ病にみられる傾向である。当時の上司である部門長にも体調不良を訴えた。

しかし、部門長は事態をあまり重く捉えず、「あまり大したことはない」と軽視していた。部門長が事態を重く捉えた時には、もう「時既に遅し」であった。

そのプロジェクトでは慣れない業務の中でのリーダーとあって、メンバーのサポートもありながらなんとかやりきった。

しかし、心身に支障をきたし、長期休暇や休職には至らなかったが、ある年の夏休み(一週間程度)をすべて休養のために潰したことがあった。そして、部門長、社長、メンタルヘルスアドバイザーと、それぞれ2時間程度の面談をし、その後も数ヶ月程度に渡り微熱が続くという大ごととなった。

よく、うつ病で休職や退職するケースがある。しかし、私の場合はまだ早めに体調の異変を検知したため救われたケースだろう。それでもこのようなことは、それ以前まで優良プロジェクトに多々携わり、実績を残してきた私としては初めてであり、異例の事態である。

私が体調を壊した過重労働のプロジェクトの後、現場が変わり残業禁止の客先常駐プロジェクトに投入された。この常駐先の企業はホワイトだった。このプロジェクトでは毎日定時で退社する健全な生活を送りながら成功した。結局私の体調不良が完治したのは、このホワイトなプロジェクトの中終盤であった。普通は長期間休職して療養するが、私は休職せず、健全な生活を送ることで回復した。

その過重労働による体調不良から約2年後、管理職向けのメンタルヘルスセミナーがあったので、私はこれに申し込み受講した。そのセミナーの参加者数は、当初予定していた定員の3倍程度であった。会場も調整したらしい。それだけ多くの企業がメンタルヘルスに関心があることを示している。このセミナーで講師の方が言われていたことは、

「メンタルトラブルを起こせばその企業は信頼をなくす」

ということである。ごもっともだ。マネジメント不足や無理なプロジェクト運営により、私を健康被害に至らせた企業も、私からの信頼をなくすということになる。

私の体調不良は、当初自分のメンタルの弱さの問題と考えていた。しかし、後に判明したことは、当時の部門長が予兆を検知できず、部下の苦労が限界にきていることをわかっていない等、管理職としてのマネジメントの未熟さだった。
o08usyu7231.hatenablog.com

3.パワハラ被害による体調の変化

前項で述べた体調不良から数年後、また別会社の開発現場においてソフトウェアの品質問題対応に追われた。品質問題を発生させたこと自体は、自部門の責任だ。自分がチームのメンバーに状況を丁寧に説明し、原因究明を率先して行い、メンバーからも多大な協力が得られ、重圧に耐えながら過去にないくらい迅速な対応ができた。

残念なのは、他社の管理者から不具合現象に至るメカニズムの説明を求められたため、その説明をしているときに、その管理者からパワハラを受けたことである。最高の対応をしたにも関わらず、最低の対応をされた。これにより体調面の異変が見受けられた。

数年前と同様に夜も眠れず、翌朝に発熱があった。そのため今度は無理をして頑張らず即休むと決めた。ソフトウェアの品質対応であろうと関係ない。調子が悪い状態ではパフォーマンスは上がらない。普段は責任感が強く、頑張ってしまうのだが、こんな時くらいは自分をいたわることも必要だ。健康が最優先である。この決断が良かった。結局、休んだ日は1日だけだった。

体調の異変への対応が遅れていたら、数日から数週間休むことになっていただろう。月単位で見れば長期間労働とまでは言い難いが、短期間において集中的に心身に負荷がかかり、その上パワハラ(※)まで受けた状況であるからだ。

(※)
パワハラ」と表現しているが、当時はパワハラとはっきり言うのは躊躇していた。パワハラの可能性があるという程度だった。2020年6月よりも前の出来事であり、この頃はパワハラの定義が曖昧だった。2020年6月のパワハラ防止法運用開始(中小企業では2022年4月~)とともに厚生労働省パワハラを明確に定義したことで、本項目で述べている出来事は、今でははっきりとパワハラと言える。

この頃は労働問題やパワハラに関する事例や知見をある程度保有していたため、自分自身非常に心の支えになった。体調の回復は早かったが、食欲が回復するのは、数週間かかった。自分自身を責めることはなかった。

品質問題を発生させてしまったことは問題であり、これについては真摯に対応しなければならなかったし、実際最大限可能なことをやりきった。

しかし、品質問題以上の迷惑をかけていないし、品質問題を理由にパワハラが許されるわけではない。この事例における体調不良の原因はパワハラであり、パワハラ加害者が未熟であることによって被害を受けたと言い切れる。
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4.自分の感覚を大切にし、異変の早期発見を!

紹介した二つの事例には、共通点がある。

第一に、体調の異変に早く気付いて救われたことである。一回目(長時間労働)の経験を踏まえ、二回目(パワハラ)は特に気付きが早かった。ついつい頑張ってしまいがちだが「休む」勇気が必要だ。

第二に、生産性やパフォーマンスが落ちていることが自分でもわかるということである。過去に優良プロジェクトを多く経験しており実績には自信があったため、通常と比べて明らかに落差があると感じていた。これも異変への気付きを早くした理由と言える。
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そして第三に重要なこと。未熟なマネジメントや加害者の存在という異常さゆえ、自分が迷惑や被害を受けたということである。

よくある過ちは、「自分のメンタルの弱さに問題があり、自分が失敗し、自分が体調を崩し、周囲に迷惑をかけている」と勘違いしてしまうことである。そして、自分を責め、その挽回のために無理をして頑張ろうとしてしまうのである。

長時間労働パワハラによるメンタル問題が社会的問題であることは、いうまでもなく色々なところで語られているし、世間一般では数ヶ月単位で休職している例もある。

世界で輝かしい成績を残しているアスリートでさえ、パワハラを受けて体調不良を訴えている。よって、被害者のメンタルの弱さではなく、加害者が諸悪の根元である。その結果、迷惑や被害を受けているだけなのである。

長時間労働パワハラによる健康被害は、個人、組織にとって多大な悪影響だ。生産性の低下や、企業イメージの低下のみならず、加害者に対する損害賠償のリスク、被害者のキャリアや人生を変えてしまうことさえある。

優秀な人材だからといって、絶対に労務トラブルに巻き込まれないという保証はない。

普段から労務トラブルやニュースに感心を持ち、アンテナを張り、予兆を見抜き、異変を感じたら無理をしないなど、被害者側である程度対策できることはある。そして、体調に異変を感じたら、遠慮なく声を挙げてほしい。加害者を特定できるなら特定してほしい。

被害者側にできることには限界がある。根本的には加害者を含めた企業側の問題だ。

前述のセミナーで講師の方が言われていた「メンタルトラブルを起こせばその企業は信頼をなくす」ということがまさに当てはまる。

過重労働にせよパワハラにせよ業務に起因して体調不良の従業員を出すことは、組織の生産性を落とす加害者側、企業側の「恥」であることを忘れないでいただきたい。

被害者側は、行き過ぎた「我慢」をせず、転職等も視野に入れておく必要がある。

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