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企業から人材が流出する状況を「人材の流動性の高まり」と称するのは危機感が薄いと断言する!

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終身雇用が崩壊し、転職が当たり前になって久しい。

近年ますますその流れが進んできていると共に、働き方が多様化してきていることは、皆認識していることである。

この記事では、企業から人材が流出していく現状に対して、「流動性の高まり」の一言で片付けるのは、危機感が薄いのではないかということについて語りたいと思う。


1.企業の役員や管理職における人材の流出に対する向き合い方の現実

ある企業では、一定年齢以上の社員を対象に、希望対象者を募り、数百人規模の社員が退職した。

「希望退職」と言えば聞こえは悪くないが、他にも様々な表現方法がある。

  • 早期退職
  • (業績悪化に伴う)大量リストラ
  • セカンドキャリア支援
  • 特別転身制度

このようなことは大企業であればあるほど、ニュース等で報じられる。

問題は、上記に加えて、若手やベテラン社員が、自ら離職していくケースが増えていることだ。前述の希望退職を実施した企業も然りである。企業の将来性に不安を感じて、あるいは自身のキャリア、家庭の事情等から離職していくのだろう。

前述の企業は、退職者が増えていく現実を従業員から問題視されており、従業員と役員が交流する場で、従業員が役員に対して、この状況をどのように捉えているのかという質問をした。

また、同一企業のある組織では、管理職が組織内のメンバーに対して、人材の流出に対してメッセージを出している。

前者の役員から従業員に対する回答と、後者の管理職からメンバーへのメッセージは、共通する内容であり、次のようなものだった。

  • 「人材の流動性の高まり」は時流。
  • (人材が)出ていくのは構わない。
  • (人材が)入ってこないのが問題だ。

この例は一例に過ぎない。他にも、このような企業はあるのではないだろうか?

2.人材の流出原因は、「人材の流動性の高まり」なのか?

前章で述べた役員や管理職が発した内容を、私は全否定するつもりはない。

冒頭に述べた通り、終身雇用が崩壊し人材の流動性が高まっていることは事実だ。転職が当たり前になり、転職をサポートする人材会社やエージェントも存在してきており、他社が中途採用を募集する動きがあるのは珍しいことではない。これにより、転職に伴う自社従業員の離職も当然ある。また、流動性が高まっていることで、自社への中途入社も発生しうるが、欲しい人材が入ってこないことに関しては何か原因があるのかもしれない。

ただ、これらの言い分には、現実から目を背けているように感じるのである。

自社従業員の離職は、企業(組織)としての期待と、従業員が描いているキャリアプランのミスマッチ等もあることから、100%とは言えないが、高い確率で企業や上司、経営側に問題がある。ましてや、次々に離職が相次ぎ、社内で問題視されるような事態であれば尚更だ。

企業側は具体的な問題点について、向き合うべきなのである。

人材が次々に流出していく状況には、何か原因がある。

これをひとくくりにして

「人材の流動性の高まり」

などとと称してはいけない。

いかにも、

「当社には問題がありません!」

と言っているようなものである。

これは、企業が儲からない理由を「不景気のせい」にしているのと同じだ。確かに「不景気のせい」というのは、経済状況によっては間違いではなく、事実かも知れない。しかし、「不景気」でも儲かっている企業はある。同じように、「人材の流動性の高まり」が進んでいる時代でも、離職率が少なく、逆に優秀な人材が集まる企業もある。

人材が次々に流出していく企業が、「人材の流動性の高まり」と称しているのは、人材が次々に流出する本当の原因に向き合っておらず、企業が抱える問題を放置した、危機感の薄い企業であると断言できるのである。

3.「人材の流動性の高まり」が進むからこそ、企業は自社の強み/弱みに真に意向き合うべきだ!

「人材の流動性の高まり」に本当に正しく向き合う場合、どのような思考が求められるかについて考えてみたい。

前出の企業は、人材が流出していく状況を「人材の流動性の高まり」と、いかにも自社に問題が無いような論調で都合良く語っている印象だ。一方、人材が入っていないことについては問題と感じているようである。

「人材の流動性の高まり」とは全く関係のない、元々企業が抱えていた問題があり、これが「人材の流動性の高まり」によって、人材が流出するという形で表面化しただけであり、元々の問題を抱えていなければ、「人材の流動性の高まり」が進む時代を迎えた今でも、次々に人材が流出することはないと考えられる。

また、人材が流出するということは、他社と比べて何か見劣りする要素があるためである。

業績なのか、
成長性なのか、
労働環境なのか、
給与なのか、
・・・、

各々の人が何を重視するかにもよるが、概ね何か共通の要素にグルーピングできると考えて良い。例えば、教員であれば、「長時間労働」と「安い給料」といった具合にである。

終身雇用が当たり前であった昔であれば、従業員は皆同じ方向を向き、企業内で理不尽なことがあっても、和を大切にする風潮により、従業員個人個人が我慢することで成り立っていた。でも、それは終身雇用という「企業が定年まで従業員の面倒を見る」前提があったからだ。

これが「人材の流動性の高まり」によって、従業員が企業に忠誠心を誓い我慢するしかなかったという状況は薄れつつあり、従業員にとって選択肢が増えつつある。ましてや、企業が力関係で従業員をコントロールしたり、コンプライアンスで問題を起こすと、従業員からの信頼は一気になくなり、従業員から簡単に見切りをつけられ、優秀な人材が流出し、事業継続が危ぶまれる事態になる。「人材の流動性の高まり」のような一言では済まされない恐ろしい事態だ。

「人材の流動性の高まり」をポジティブに活用するならば、転職による中途採用の獲得を狙うことをイメージするだろう。もし、これが本当にうまくいっている企業なら、離職者は少なく、中途採用による社員数が増加する人気企業となるはずである。人材が入ってこないことを問題と考えるのは結構なことだが、人材の流出も問題なのである。言い方は厳しいが、中途採用の獲得ばかりに力を入れても、人材が流出する状況が続くならば、その程度の魅力しかない企業であり、そのような企業に新たに優秀な人材が集まるとは思えないのだ。

「人材の流動性の高まり」が進んでいるからこそ、「人材の流動性の高まり」などと流さず、企業は企業が抱える根本的な問題に向き合い、コンプライアンス意識を高め、良好な労働環境と十分な報酬を用意し、離職者を可能な限り減らす努力が求められるのだ。これを「できない」「難しい」「厳しい」などとと一点張りの企業は、優秀な人材から辞められていくのである。

ある別の急成長企業では人材を大量に採用しつつも、

「優秀な人材を高い給与で採用しつつ、退職者を出さないようにしていきたい」

とトップが語っている。今後はこのような姿勢が求められるし、対応できなければ脱落するしかない。

4.労働者は組織に依存しないスキルを身につけ、ますます「人材の流動性の高まり」を進めるべきだ!

前章までは企業に焦点を当てて語ってきた。この章では労働者側に焦点を当てて語る。

「人材の流動性の高まり」は、第二新卒中途採用枠という形で、企業側が受け皿を増やしたことで、労働者にとっては「転職」という選択肢が増えたことになる。更には、フリーランスという働き方、政府による副業の推進により、働き方やキャリア形成が多様化されてきている。

ただ、これは全ての労働者に当てはまることではない。組織に依存しないスキルを身につけた人や、過去数々の現場において実績を残してきた人ほど、選択肢が増えるのである。逆に、特定の企業でしか通用しないスキルしか持たない人は、その企業にしがみつくしかなく、企業にとって都合よく使われるだけである。

ブラック企業」問題のなかでよく語られることだが、従業員が企業にしがみつくことは、世の中の「ブラック企業」に養分を与え、生き永らえさせるという行為に当たり、社会的害悪と言っても過言ではない。

よって、これからの時代労働者に求められるのは、特定の企業でしか通用しないスキルではなく、汎用的なスキルを身につけ、ますます「人材の流動性の高まり」を進めてほしいのである。

これによって、ますます企業に「人材の流動性の高まり」が進んでいることを感じてもらい、従業員の離職に対して企業が打ち手を講じなければならない状況にすることが効果的だ。危機感の薄い企業は滅びるしかないのである。

時代にマッチしたスキルや、いつの時代でも必要とされるスキルの向上は個人個人にとって欠かせない。過度な愛社精神は、それによる副作用の方がはるかに大きいと言える。労働者は企業に雇って貰っているという受け身の考え方ではなく、「人材の流動性の高まり」が、企業にとって良い緊張感を持つきっかけとなるよう、主体性を持ってスキルを向上させること、そのための行動を起こすこと、その先にはスキルを活かして社会に貢献することを期待する。企業が力関係を背景にいい加減なことをすれば、簡単に労働者が流出するような世の中であってほしい。

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