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見抜くべき!企業のネガティブ要素・兆候~実在した4選

ブラック企業でも、ブラック企業でなくても、普通の会社と比べてちょっと違うなと感じると、それはネガティブな兆候かも知れない。一方、逆にそのような会社に居続けるとそれが当たり前のようになり、感覚が麻痺してしまう懸念がある。

この記事でそのような情報を少しでも提供することで、健全な企業人生を送っていただきたいと思っている。

この記事で述べるのはネガティブ要素・兆候であるため、この要素・兆候によって実際に弊害が顕在化するかどうかは、別次元の話であることをご了承いただきたい。

目次


1.従業員持株会への入会が昇格要件

自社の株を従業員が購入・保有できる制度が従業員持株制度である。この制度を運営する常設機関を持株会という。持株会は従業員の福利厚生の一環として位置づけられ、従業員が経営に関わり、業績に貢献して、株価を上げ、配当を得るという仕組みである。

持株会制度を適用している企業は少なからずあり、これ自体は普通である。企業は従業員に対して持株会入会の案内や募集を行うことがあるが、入会するか否かは従業員の意思次第である。

しかし、企業のなかには従業員に対して持株会への入会を強制したり、一般職から主任クラスへの昇格要件としているケースがある。

福利厚生の位置付けとしながらも、持ち株を持つということは経営に参画すること、経営者としての自覚を持つために必要だという大義名分の上で、従業員を企業に縛り付けることをしなければいけない時点で、財務面を中心にネガティブな兆候であると捉えるべきだろう。

2.資格手当が賞与扱いで課税対象

例えばIT企業であれば情報処理技術者(国家資格)という感じで、業務に関係する資格を取得すると、報償金(資格手当)を貰える会社は少なからずあるだろう。資格の難度によって報償金の額は変動する。

ある企業では、このような報償金(資格手当)を非課税で貰うことができ、給与とは別に「経費」が振り込まれる口座に振り込まれる仕組みであった。

しかし、ある時期からこれが変更され、報償金(資格手当)が課税対象となり、給与口座に振り込まれ、「賞与」という位置付けになった。

これは、従業員にとっては税金が引かれてしまうことで手取り金額か減ってしまう不利益である。

一方、会社は「賞与」の一部という建前で従業員に多く賃金を支払っていて、財務体質上健全であるかのように対外的に見せかけているのである。これこそ、財務体質に何かしらの問題がある兆候であると同時に、それを隠蔽するための虚構である可能性が伺える。

3.残業時間の計上方法が従業員の労働力搾取

ある企業では長年に渡り、残業代算出のための残業時間を次の方法で計上している。

  • 定時後、最初の30分は休憩時間扱い。
  • その後1時間経過時点で初めて1時間分が計上される。
  • 以降、30分単位で計上される。
  • 最初の1時間未満、以降の30分未満は切り捨て。

例えば18時が終業なら、19時30分まで残業して初めて1時間分計上される。それ未満は計上されない。

この企業において厳密なケースを考えると、18時終業で、19時29分まで残業した場合でも、残業代はゼロ。1時間29分の残業代が支払われないこととなる。1ヶ月の稼働日を20日とすると、1社員1ヶ月当たり29時間40分相当の残業代が支払われないことになる。

この企業のある管理職は適正な運用であることを次のように謳っている。

「残業代を払わない会社が多くある中で、ウチはちゃんと全額払ってるよ!」

そもそも残業代を払わないこと自体は違法である。しかし、この企業の例のように一見合法に見えるが、上記のような残業代が支払われない抜け穴があり、違法である。合法であるかのように見せかけて、じわじわと労働力を搾取する姑息な方法である。

労働基準法第24条に次の条文がある。

「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」

法律上は、原則として1分単位で残業代を支払わなければならない。つまり、1分単位で残業時間が計上されなければならない。

ただ、割増賃金を1ヶ月単位で計算する際、時間外労働、休日労働、深夜労働のそれぞれの時間の合計に1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数は切り捨てすることは、可能とされている。ただしこれは、給与事務の簡便化のための例外的な措置であり、原則的には1分単位の計算が望ましいとされている。

尚、定時勤務終了から時間外勤務開始まで休憩があること自体は合法である。しかし、この企業のように休憩時間があまりにも長すぎると、かえって不自然であり、残業代を得るよりも早く仕事を終わらせて退社したい従業員が休憩時間に仕事をすることで、この分の残業代の支払いを免れるという、会社側の意向があるようにも見受けられる。

o08usyu7231.hatenablog.com
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4.半休は午前のみ、月2回が上限

従業員には有給休暇というものが存在し、代表的なものでは1日単位で休暇が取得できる他、半日休暇である午前半休、午後半休というものがある。更に、企業によっては時間休暇(例、1時間単位)というものがある。

私が実際に遭遇したことがあるのは、「午後半休が存在しない」という会社である。しかも、「半休は午前のみで、月2回まで」という上限まで定められている規則である。

一般の人の感覚だと、

  • 「なぜ午後半休を取得することはできないのだろうか?」
  • 「半休が月2回と上限を設ける意図は何だろうか?」

と疑問に持つだろう。

この会社の就業時間は、

  • 午前9:00~12:00
  • 昼休み12:00~13:00
  • 午後13:00~18:00

である。即ち、午前3時間と、午後5時間で構成されている。

もうここでお分かりだろう。同じ半休であれば午後半休で5時間休まれる方が会社にとって都合が悪いからである。実際私がこの会社で本当に午後に私用があり午後半休する場合、体調不良で午後すぐに早退する場合も、勤怠上は1日有給休暇となってしまう。

半休の上限が月2回までに関しても同じで、同一月の3回目以降は1日有給休暇となってしまう。

これのせいで有給休暇日数が不足するといったことまでは、私の場合は発生しなかったが、いかに従業員の労働力を極限まで搾り取ることしか考えていないマインドが読み取れる。

近年では従業員の価値観の多様化に対する対応や、育児・介護等で働き方の柔軟性が求められる中で、働きにくい環境は労働者から敬遠される傾向がある。

まとめ

企業のネガティブ要素・兆候を見抜く手立てとして、事例を紹介した。

これらに共通するのは、従業員にとっては不利益であり、労働力を極限まで搾取したり、会社からの賃金の支払いを極限まで抑えようとするものである。

従業員側も感覚が麻痺したり、知識が無かったりすると、根拠もなく

  • 「他社も似たようなものなのかな」
  • 「どこもこんなもんだろう」
  • 「多少の不利益なら組織にいる以上辛抱すべきだ」

と、疑問を抱くことがなく見過ごしてしまったりする。私も昔はそうだった。

更に、上述で挙げた事例の一部には、

  • 「経営の一環を担っている」
  • 「賃金を多く支払っている」
  • 「残業代を払っていることには変わりない」

といった具合で、建前上や対外的には良いように見せかけており、問題の兆候を見抜きにくくしているのである。

よって、このような兆候を見抜くには広く情報収集することが必要だ。その手段の一つとして転職サイトに登録し、他社情報を入手し比較することが有効である。ぜひ、皆様においても実践いただきたい。