ビジネスの世界をはじめ、「自責思考」「他責思考」という言葉をよく聞く。
「自責思考」とは
を指す。
「他責思考」とは
を指す。
以前、「自責思考」と「他責思考」について、それぞれのメリット、デメリットについてまとめ、「自責」「他責」問わず広範囲で俯瞰的に捉え根本を見極めることが成長の条件だと締めくくった。
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同時に、何か理不尽な不利益を受けた被害者は、次の3本立てで考えると良いと述べた。
- 自分自身の行いを振り返る。(「自責思考」)
- 他人・周囲・環境に問題がないか探り、あれば改善を促す。もしくは反面教師とする。(「他責思考」)
- 他人・周囲・環境に問題があっても、自分が回避できないか考える。(「他責思考」であるが、対策するのは自分。)
この記事では事例を紹介する。
「自責思考」を周囲から押し付けられて辛い生き方をしている人は、是非この記事をインプットしていただき、ヒントを得ていただければと考えている。

【事例1】ソフトウェア開発が長時間労働の温床となっている
長時間労働は日本のあらゆる労働者が巻き込まれたこともあるであろう非常に悩ましい問題だ。この事例ではソフトウェアエンジニアの話題に触れているが、ソフトウェアエンジニアに限った話ではない。
「自責思考」によるアプローチ
私は新卒でIT企業に入社し、客先常駐でブラック労働に巻き込まれた。大変ではあったが、当時はまだ若く、自分自身にもスキルや経験がないため、現在ほど状況を問題視していなかった。この客先常駐は長年続いた。序盤は色々苦労したものの、中盤、終盤はスキル・経験が蓄積され、ブラック労働は改善されていった。
この結果を踏まえ、私は長年の間、
と思い込んでいた。
まず、「スキルが不足している」と自分に原因があると考えていた。スキルをつけるために、資格取得にも取り組んだ。「仕事が早くなるには」と自分ごとのように考えていた。
自分の仕事のスピード以外に、無理な要求を受けたり、余計な仕事をしたりという面もあるため、投資対効果を考えるべきだ。
その他、職場環境がブラックだとわかっているのに、そこで働き続けることは、自分がブラック労働の一旦を担っているといえる。ブラック労働から抜け出したいなら、会社を辞めれば良いのだが、それをしない、できない。ブラック労働を強いているのは会社の責任だが、そこから抜け出そうとしないのは、自分の責任と考えて良い。
また、(管理職なら)自身のマネジメントの問題という点もある。自分の裁量にもよるが、裁量の範囲内でやるべきことをやっていないのであれば、自身の責任といえる。
「他責思考」によるアプローチ
今現在の私は、様々なプロジェクト経験し、世間一般の状況や専門家の見解をインプットし、働き方や労働問題に関する知見が昔と比べてアップデートされた状態にある。
まず、長時間労働になるのは、そもそも業務量が多すぎであり、その割には納期が短いことである。不慣れな分野や新規技術の習得に十分な時間をとっていないこと、そもそも人材が不足していることが挙げられる。
また、ソフトウェアというのは目に見えない抽象的で無形のものであり、要求元もソフトウェア開発がどれ程大変なものかを知らず、悪意はなくとも無理な要求をしてしまい、受注側が断れない状況になる。
また、ソフトウェア開発において無理な日程が組まれている場合、納期延期や調整を試みることがあるが、これが受け入れられずソフトウェアエンジニアの犠牲の上に成り立っている状況を放置しているという、管理職におけるマネジメントや、発注元におけるコンプライアンスに問題があると考えられる。
また日本のIT業界では、「多重下請け構造」という問題も抱えている。発注元からシステム開発を1次請け企業への発注に対し、1次請けが2次請け企業へ、2次請け企業が3次請け企業へと、各企業の利益を抜き取ることで、下位の請負企業ほど安い費用で請け負う理不尽な構造である。従い、下位の企業ほどブラックになりやすい。個人では解決できない業界構造の問題だ。
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「他責思考」だが自分で対策を取る場合
まず、企業のトップや管理職がソフトウェアエンジニアに対して求めてくるのは、各個人がスキルをアップさせることである。問題の一つ一つに向き合い、解決していく姿勢が求められる。
私が長年の間持ち続けてきた
という思い込みに従って、スキルをアップさせ、真摯に業務に取り組んでいれば、まともな労働環境の企業や現場においては、一定の成果をアウトプットできるようになる可能性が高い。
しかし、これだけでは長時間労働は解決しない。
長時間労働の対策は、個人で行うのは至難の業である。そこで長時間労働にはどのような原因で発生し、何を対策するかについて、他社事例、世間一般の認識、専門家の見解等、幅広く情報を集め、これらの知見を元に対策を取るのが良い。
私も、このような分野のセミナーに参加したことがある。特に、管理職の方、将来マネジメントに携わる方は、従業員に力技を強いることなくプロジェクトを進め、場合によっては顧客や発注元に理解を求めることも必要である。
改善がなされないなら、不良顧客を切る、ブラックな環境を見捨てて労働環境の良い企業へ転職する等、環境そのものを変えることを検討しなければならない。特に、前章で述べた「多重下請け構造」などは、個人で解決できるものではないので、そのような環境からは「逃げる」ことが最善の策なのだ。
そのためにも、マネジメント、プレーヤーいずれも、普段から個人のスキルを高め、転職サイトに登録して、最新の情報を入手することをお薦めしたい。
本事例のまとめ
冒頭に示したように、「自責」「他責」問わず広範囲で俯瞰的に捉え根本を見極めることが成長、そしてあなたにとって更に良いキャリアとなる。
自力で解決しないと判断すれば、頑張り過ぎず、環境を変えることも視野に入れるべきだ。私の経験上も、我慢し過ぎることが失敗に繋がり、視野を広げたことが成功に繋がっている。
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