ソフトウェアエンジニアが労働について情報発信するブログ

ブラック労働からホワイト労働まで経験したソフトウェアエンジニアが世の中にとって役立つことを情報発信していく。

ソフトウェアエンジニアに労働の知見が必要である理由10選

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テクニカルスキルを磨き、開発プロセスを学び、真面目に職務に専念し、多くの経験を積む。ソフトウェアエンジニアとしては必要なことだ。

しかし、テクニカルスキルを高めれば絶対に

という保証はない。

私を含め、多くのソフトウェアエンジニアが本当に困っているのは、自身では防ぎようのないとも思える「労働問題」であると考えている。「労働問題」はエンジニアとしてのパフォーマンスを発揮するための、妨げとなっていることが少なくない。

長時間労働パワハラ等、「労働問題」に悩まされている労働者は、エンジニアに限らず多いことは承知のうえだが、この記事では、ソフトウェアエンジニアが巻き込まれるであろう労働問題を中心に、ソフトウェアエンジニアに労働の知見が必要である理由について、発信したいと思う。

労働問題に悩まされているエンジニアにとって、救いになれば幸いだ。また、自分自身が労働問題の発端とならないように、前もってインプットしていただきたい。


前置き

ソフトウェアエンジニアというと、私の周囲もそうであるが、「技術」に興味があり、着目する人が大半だ。「労務」に興味を示す人はそう多くないだろう。というのが私のイメージである。

「技術」を一生懸命習得しようとするエンジニアは多いが、それ以外のことが手薄になりがちであると感じている。

私はこれまでソフトウェアエンジニアとして、一般的なキャリアを歩んできた。各々の開発プロジェクトにおいて、職務に専念し、多くのプロジェクトで成功し、評価をいただけた。若い頃は資格取得にも取り組んできた。情報処理技術者をはじめ10以上の技術系資格を保有している。

キャリアのほとんどは、大手メーカーでソフトウェアを開発している。新卒で入社したIT企業に在籍していた頃は、客先常駐として長年大手メーカーにお世話になり、メーカーの社員と混じって開発業務に携わってきた。そして、また別の大手メーカーへ転職したが、ここでもそれまでのキャリアが活かされている。自分でソフトウェアを設計し、ソースコードを書いて、テストしている。部下や後輩の指導・教育にも多く携わっている。

技術分野ごとの濃淡や得意・不得意はあるが、これまでの実績を見る限り、ある程度技術はあるはずだ。しかし、私はこれまでの業務で「ブラック労働」も、「ホワイト労働」も経験している。ほとんどのプロジェクトがまともで、人間関係も良好である中、稀にあり得ないほど当たりが悪いプロジェクトが存在する。ガチャを引くようなものだ。

その「稀にあり得ないほど当たりが悪いプロジェクト」や「上司のコンプライアンス不祥事による迷惑・被害」に遭遇したときに受ける悪影響が大きすぎる。キャリアを破壊してしまうといっても過言ではない。

製品固有の技術、テクニカルスキルを高めることはもちろん重要だ。もう少し視野を広げてみると、「開発プロセス」が重要だという考え方がある。ソフトウェアの派生開発の考え方と手法を提唱・実践してきたことで知られる清水吉男氏(派生開発推進協議会:AFFORDD元代表)によると

「開発現場が混乱する原因のほとんどは、開発プロセスのミスマッチである。」

と講演でお話されている。また、アジャイル開発を日本に普及させる活動をされている平鍋健児氏(株式会社永和システムマネジメント代表)は、顧客の要求が変化するなかで、小単位の開発を繰り返し、素早くリリースし、振り返りや改善を進めながら開発を進めるスクラムという開発手法を提唱している。以下の書籍を参考にしてほしい。

確かにこれらの内容を知っておくに越したことはない。開発スキルを高め、開発プロセスを改善することは、間違いなく必要なことである。

しかし、業界の悪しき慣習もある。

顧客からの要求が半端なく困難なもので、開発スキルや開発プロセスの改善程度では到底賄えないものであったり、経営上の問題からリソースが十分でない等、労働環境に何らかの問題があれば、そのしわ寄せは明らかに我々に降りかかるだろう。

稀に発生する「長時間労働」「パワハラ」であっても「健康被害」「キャリアへの被害」等、悪影響が大きい。最悪の場合、再起不能になる。できれば事前に兆候を見極め、被害を予防するために、「労働のスキル」という言葉があるのかどうかわからないが、これを高めておくことが有効だと感じる。「コンプライアンス」への感度を高めると言っても良い。これをしないことによる弊害が少なからずいくつかある。

前置きがかなり長くなってしまったが、具体的な内容を列挙してみよう。

1.「ブラック労働」を「ブラック労働」だと気付かないことを防止する

よく言われることだが、「ブラック企業」にしかいない人、「ブラック企業」に居続けている人は、自分が置かれている環境を「ブラック」だと気づかないことが多い。私も若いころ、自分の所属している組織が、「ブラック」なのか「ホワイト」なのかわからず、「まあ、こんなものなのかな。。。」くらいにしか思わないのである。

これは感覚がマヒしている証拠である。悪質な企業、上司、先輩、同僚は、

  • 「これが普通だ」もしくは「まだまだ甘い」
  • 「業界では当たり前」
  • 「昔はもっと酷かった」「お前らはまだマシだと思え!」

等と、洗脳してくる。洗脳された人は、もう社畜状態である。さらに酷いのは、「社畜自慢」である。

  • 「俺は、昨日深夜0時過ぎまで作業した。」
  • 「俺は、20連勤だ!」
  • 「終電で帰れるだけ、まだ甘いわ!」

劣悪な労働環境にいながら、そのこと自体を礼賛し、またその状態に耐えている状況を自慢することを「社畜自慢」という。「肉屋を応援する豚」という言葉もある。「社畜自慢」と同じ意味だ。

そして、知らず知らずのうちに、何が「ブラック」なのかわからなくなり、劣悪な労働環境に巻き込まれても、

  • 「辞めることは『逃げ』である」
  • 「途中で諦めることはいけない」
  • 「責任をもって最後までやり遂げる」

というマインドに支配されたり、これが「厳しさ」であると誤認した結果、抜け出せなくなるのである。日本における幼少期からの教育による悪影響だ。

このようなことが無いように、「ブラック」の定義事例要因ソフトウェア開発現場職場一般における「ホワイト」との違いをインプットし、心身を壊す前に「ブラック」の状況にいち早く気付き、その環境から抜け出すなどの対策をとってほしい。

2.「残業が当たり前」という空気による生産性の低下を防止する

「ブラック労働」というと、どこまでが「ブラック労働」なのか、基準は人それぞれである。この項目では「残業」という切り口で捉える。

今では段々と減りつつあるが、

といったマインドが、まだ一部ある。ハードワークでも良いから稼ぎたい、経験を積みたいと考えている人は良いのだが、これを他人に強要することは問題がある。

しかし、このことをわかっていない人は、平気でこのようなことを行い、他のメンバを不快にさせてしまう。特に管理職がこのようなマインドだと、多くのメンバは疲弊し、生産性や効率が落ちてしまう。

そもそも「残業」しないと業務が回らないという状況は、「前段」が破綻していると理解すべきである。それを「残業」で乗り越えることしかソリューションがないと言っているようなものである。「前段」が破綻している状況を「残業」でカバーすることが当たり前になっている状況は、「厳しさ」ではなく「粗悪さ」である。

エンジニアに限らず「残業が当たり前」という空気感は周囲に迷惑や悪影響であることをわかっておくべきである。そして、「残業」に頼らずともやっていける「前段」であってほしい。

3.テクニカルスキルを向上することで長時間労働の抑止を試み、無理が祟ることを防止する

冒頭で述べた通り、エンジニアである以上、テクニカルスキルを高めることは必要である。スキルを高めることで、システム開発業務を円滑に行うことで、品質や効率・生産性が向上し、結果的に長時間労働が減少することは良いことである。

しかし、スキルを高めるだけで長時間労働の是正を行うことは限界があることがわかっている。

私は若い頃

長時間労働の原因は自分のスキル不足である」

と思い込んでいた。しかも、この思い込みは私の新卒から10年強の間、私のキャリアにピッタリ当てはまっていた。

その後、色々なプロジェクトを経験した。過重労働で無理が祟り体調に影響した出来事もあった。私という同じスキルの人間が、長時間労働に巻き込まれることもあれば、健全な生活をしてプロジェクトに成功し楽に高い評価を得ることもあった。「長時間労働の原因は自分のスキル不足ではない」ようだ

長時間労働の原因は、一般IT業界ソフトウェア開発等、切り口にもよるが調べれば色々出てくる。

そして様々な分析により、

長時間労働の原因は自分のスキル不足である」

という思い込みは根底から覆った。

4.自責思考が行き過ぎることによる事態の悪化を防止する

人とのやりとりが多いので、コミュニケーションが必要な場面は多々ある。その中で行き詰まる可能性がある。行き詰まった時によほどの他責思考でなければ、

「自分に原因があるのではないか」

と考えるのではないだろうか。これ自体は問題ない。

ただ自責思考が行き過ぎて、「自分に原因がない」のに「自分に原因がある」と思い込み続けたことで、事態が全く解決に向かわないどころか、都合よく相手の言い分に漬け込まれ、自分が不利益を受けたりするリスクがある。

最悪の場合、根本的に問題が解決しないまま、自分の精神を壊しかねない。

他責思考ばかりは良くないが、自責思考が行き過ぎることは更に良くない。また、「自責思考」を他人に押し付ける人ほど「他責思考」であると言っても過言ではない。冷静に人や企業を見極める力は重要だ。

また、他人の問題、企業の問題、業界の問題、社会の問題等、個人の力ではどうしようもないことがある。このような場合でも、自分/自分以外関わらず、問題点を的確に捉えて根本を正しく見抜くことは必要である。多重下請け構造の問題はその典型だ。

自責思考が行き過ぎて、自分を犠牲にして開発全体を成り立たせるなどというのは組織として健全でないし、このような状態で良い開発はできない。そのために事例を通して、社内外から広く情報を収集し、自組織にテーラリングする必要がある。

5.「パワハラ」を「パワハラ」だと気付かないことを防止する

これはエンジニアに限らず、労働者として知っておいてほしいことである。これも前項と関連するが、自責思考が行き過ぎるまじめな人は、

「『パワハラ』を受けた原因が自分にある」

と思い込む、または第三者が被害者に責任を追及する(セカンドハラスメント)割には、加害者は何の是正もしないといった最悪な事態になる。

パワハラの定義や事例をインプットし、これらの特徴や兆候を掴んで、防止に役立ててほしい。また、ソフトウェアエンジニアへのパワハラが起きやすい企業体質や兆候を知っておくと、早期に発見し、被害の拡大を防止しやすい。

6.劣悪な労働環境による、製品・サービスの品質・デリバリーの悪化を防止する

経営上の理由、組織の体質・文化、顧客からの過大要求を背景に、短納期でのシステム開発となる。そして、無理な納期に対しても納期厳守のため長時間労働で賄う。このため劣悪な労働環境になることがある。本来おかしなことである。

人間は朝起きて13時間以上経過すると、作業効率が著しく落ちることが医学的に証明されている。判断力は鈍り、ミスと多発する可能性がある。ソフトウェアの品質やデリバリーにも影響するのは当たり前だ。

誰でもわかることなのだが、なぜか現場ではこれを防ごうとしない。人事・総務部門は労務管理の大切さを訴えるが、開発現場の担当者が労務管理の話に触れると「甘えるな」とか、「頑張りが足りない」とか言う人がいる。ここまであからさまでなくとも、「自分達でできることをやるべきだ!」程度で終わる。全面否定はしないが、それほど単純な話ではない。

逆に、労働環境を良くすれば、ある程度製品・サービス・ソフトウェアの品質・デリバリーは確保できることも経験上分かっている。それでも品質・デリバリーの面で問題を抱えるならば、そこは別途対策ということになるが、労働環境以外の内容に絞られるだろう。

是非、労働環境を意識して取り組み、根性論や力技でカバーすることを止めてほしい。

7.自分のスキルより低い処遇とされていることの見落としを防止する

日本のソフトウェアエンジニアは賃金が安い。原因の一つに多重下請け構造の問題があるだろう。自分の所属する企業が、元請けなのか、下請けなのか、孫請けなのか、プロジェクトのステークホルダを見極め、自分がどの位置にいるのか意識してほしい。

自分の価値と今の待遇がミスマッチでないか、「評価が高い」のか「都合良く使われているのか」、自分でよく考えて見極めてほしい。そのためには、やはり情報を集める必要がある。業界標準、過去に経験したプロジェクトや所属組織との比較、企業の口コミサイトも参考になるだろう。

例えば、「給料が安い」という理由で離職者が多く発生している企業は要注意だ。「給料が安い」職業は世の中少なからずあるが、それよりも「スキル」や「業務内容」に見合わないという問題が大きいと捉えるべきだろう。

スキルを高めることは必要だが、これ一筋となると自分の価値と今の待遇がミスマッチであっても気付かない可能性がある。自分の市場価値を意識し、「業務」と「報酬」がミスマッチであれば、転職等の準備をはじめ、少しずつその所属組織から距離を取る必要があるだろう。社内の人事評価に納得いかなければ納得しなくて良いのだが、そこから行動を起こさないことが問題であり、是非次に向けて行動を起こしてほしいものだ。実際、社内の人事評価に納得いかず、ハイクラス転職サイトに登録したら、「この実績で、この忙しさで、この現年収は安いですね!」とエージェントから指摘を受けた事例もある。特定の会社に洗脳されていては、おそらく気付かないことだ。

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8.コンプライアンス意識を高め、社会的視点の欠落を防止する

業界をはじめ、労務面もしくはコンプライアンスに関して社会的に問題となっていることを知っておくことは重要だ。ソフトウェアエンジニアに限った話ではない。労働環境の改善等、何かを説得したいときに、世間の動向と共に伝えると、まともな企業や上司からは共感を得られやすいだろう。

上意下達が当たり前で、会社にとって都合の悪いことの隠蔽、力関係を背景とした人権の侵害等、おかしなことをおかしいと気付かない体質、言えない体質の企業では、いつ不祥事が起きてもおかしくない。

労務トラブル発生時におて、法律上は問題なくとも、正しい危機管理でなければ炎上する「ハラスメント」がダメなことはわかっていても、その定義、対象範囲、影響の大きさがわかってなければ取り返しがつかなくなる。歴史的な背景に依存するより「ソフトウェア・ファースト」のような時代の変化にも適応しなければならない。「会社目線」ではなく「社会目線」で

9.自分のパフォーマンスが発揮されず勿体ない結果となることを防止する

パフォーマンスが十分に発揮されないことは、実に勿体ない話である。私も経験があるからよくわかる。このような時は、なぜパフォーマンスが十分に発揮されなかったのか、自責他責問わず分析することだ。自責他責問わずというところが重要だ。自責のみに絞り込むと「自責思考でアプローチせよ!」などと豪語して他人に責任を押し付ける側にとって都合が良いだけだ。

自分がパフォーマンスを発揮して解決する問題であれば良いが、それ以前のところに問題があり、それが自身ではどうにもできない領域となるとお手上げ状態である。

実際私が過去に携わったシステム開発プロジェクト現場においても、私という同じスキルの人間において、下記の双方が見受けられた。

  • 優良組織では、元々私が参画することで改善できる組織上の問題(リソース面・スキル面)を抱えており、私がプロジェクトに参画することで改善され、プロジェクトが円滑に進み、周囲に感謝され、信頼され、高く評価された。
  • 粗悪な組織では、元々私が参画することで改善できる組織上の問題以前の問題(無理な納期、顧客との力関係、ブラック体質)を抱えており、私がプロジェクトに参画しても改善されず、スキル不足と勘違いされ、マウント取り、揚げ足取り、パワハラ、過重労働等の被害や迷惑を受けた。

「問題点だと思っている部分、もしくは議論されている部分の更に『前段』が本来の問題点である」というケースが少なからずある。これを、正しく見極めないと解決が遠ざかるだけでなく、無駄な努力や消耗をすることになってしまう。

パフォーマンスを発揮できずに終わってしまうのは、優秀な人材にとって勿体ない。また、パフォーマンスを発揮してもそれが理解されず、リターンが見合わず、気力・体力の消耗だけに終わってしまうのは勿体ない。繰り返すが、自責他責問わず分析し、正しく見極めることだ。

10.マネジメントが未熟なままで管理職になり、メンバーに迷惑をかけることを防止する

これはリーダー・管理職になる人にとっては必須の内容であるにも関わらず、出来ていない人が多い。プレーヤーとしての実績があっても、管理職になると求められる能力は全く別だ。テクニカルスキルが高くても、労務トラブルを発生させてしまうような管理職、コンプライアンス意識が低い管理職、「正論だけではやっていけない」としながら「正論」と向き合わない管理職、「正しいこと」よりも「自分にとって都合のいこと」を高く評価する管理職は、そもそも管理職に向いていない。

特に、過重労働・パワハラ等で部下の体調不良を発生させてしまうような管理職は、「マネジメントに問題があり恥ずかしいこと」と心得なければならない。しかし、「部下のメンタルが弱い」と甚だしくあり得ない勘違いをすることがある。

そうでなくても、進捗が悪いとプロジェクトメンバー全員の前で特定のメンバーを問い詰めるリーダーソフトウェア不具合報告を元に過剰な検証や嫌がらせのような追加作業を求める依頼者ソフトウェア不具合のような悪い報告を受ける際の振る舞いに問題がある管理職プロジェクトメンバーに残業増加を迫るリーダー余計な一言で圧力をかけて奮い立たせようとする管理職・・・。

このような人たちと一緒に仕事をしているメンバは悲惨であるし、そのような中で人間関係にも気を使い、むしろ彼らの方が迷惑を受けているのではないだろうかと感じる。

組織が不祥事を起こしたり、地位の高い人に対して周囲が指摘できないまま問題が大きくなったり、地位の高い人・影響力の大きい人が不適切な発言をして炎上したり、ソフトウェア開発業務に限らず、このような事例をインプットし、リーダー・管理職としてどうあるべきかを考えてもらいたい。

最後に

ソフトウェアは近年色々な製品(自動車、FA、家電、金融系、物流、インフラ、その他)に搭載され、サービスを実現し、様々な技術分野(ネットワーク、セキュリティ、データベース、エンベデッド)にて密接に関係がある。テクニカルスキルを突き詰めるソフトウェアエンジニアは少なくないし、ある意味それはエンジニアとして必要なことである。

そして、いずれの分野のソフトウェアエンジニアもテクニカルスキル以外に、業界における労働事情、世の中における労働事情を知り、知見をストックしておくことは必要だ。ニュースでも、ネット記事でも、動画でも良い。その理由を本記事で紹介したのでおわかりいただけただろう。知らぬうちに自分が都合よく使われ被害を受けることもあれば、テクニカルスキル以外が未熟であることにより周囲のメンバに迷惑をかけることもある。

逆に専門家レベルではなくても、ある程度知見があれば、必要以上に自分を責めることなく、ブラック労働を見抜き、転職の準備をし、実際に転職をして、キャリアや生活面が改善されたというケースもあるだろう。指導が行き過ぎてパワハラを受けることがあれば、それをはっきり「パワハラ」と言えるようになり、被害が大きくなる前に解決に向けて動き出すことができるだろう。また、逆に自分が加害者にもなりうる可能性を認識し、普段から十分注意した行動を取るだろう。ソフトウェア業界特有の問題を知ることで、「自分の価値」と「現在置かれている環境」を冷静に見極めることができるだろう。私自身も、労働の知見を多少なりとも保有していて良かったと思うことがあった。ソフトウェアエンジニアとして、労働者として、より良い働き方を実現してほしい。

労働トラブルにフォーカスを当てた資格は、私自身これまでにあまり見たことがありません。「労働トラブル相談士」資格は、経営者、管理職、人事担当者、コンプライアンス研修担当者に限らず、全労働者が知っておいた方が良い知識であり、また現在ブラック労働環境に在職している方には必須の内容と言えます。

この資格を取得するためには、認定講座を受講していただく必要があります。受講後の試験に合格した方が資格を取得できます。講座は全てオンラインで受講できます。資格の内容は、人事や労働に関する知識です。就職、労働条件、退職、残業、休職、解雇などの法律や決まり、トラブルに関する知識を得ることができます。

ブラック企業対策のノウハウを知りたい」

このような方は是非、「労働トラブル相談士」資格取得をご検討されてみてはいかがでしょうか?