ソフトウェアエンジニアが労働について情報発信するブログ

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立場上の力関係があること自体おかしいことに気付くべき

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企業対企業、部門対部門、なぜ立場の強弱があるのか疑問である。取引で言えば発注側が受注側より強かったりする。

発注側・受注側、どちらもあってこそ成り立つビジネスであり、片側が欠落すればビジネス上な何らかの支障が出るはずなのに、このような力関係が成り立つのが疑問だ。

一般に立場による力関係が発生しやすい例について考えてみる。もちろん、ここに書いてあるものが全てではない。また、ここに書いてあるものでも該当しない場合もある。

パワハラ等の予兆に気づき、いち早く対策を打つことをお勧めしたい。また逆に、自分が加害者側になる可能性もあるので、そのあたりを留意しておく必要がある。


1.上司と部下、先輩と後輩

これは単純に、業務上もしくは組織内における役割の話である。組織にはそれぞれ役割があり、誰が何の役割を担うかの話だけである。

その組織内における経験の有無や在籍年数の違いなどがあるが、立場の強弱が発生して弱い立場の者が萎縮し、パフォーマンスが低下し、組織に悪影響を与えるならば、それは本来あるべき姿ではないことはいうまでもないだろう。

このような体質の職場では、パワハラが発生しやすく、優秀な人材を流出を招く恐れがある。

どの役割が欠落しても、ビジネスは成り立たない。

2.正社員と派遣・構内請負要員

よく正社員の方が立場が上だと言われるが、これは同じ組織内で働く人達における契約形態の違いである。正社員の能力が高く派遣なら能力が低いとは限らない。その逆もある。

私は昔IT企業に勤めていた頃、顧客である大手メーカーの常駐エンジニアとして長年ソフトウェア開発に携わった。常駐先の社員から見れば私は単なる外注要員である。しかし、私は常駐先の社員の指導・教育を行ったり、リーダー的立場の業務、対外対応、問い合わせ窓口等も行っていた。人の感覚や開発現場によっては考えられないことかもしれないが、私は常駐先社員と区別なく普通にやっていた。

よって契約形態による優劣はない。もしあれば、そのような組織はパワハラ体質である可能性が高い。

3.親会社と子会社

親会社が子会社よりも力関係で上だとよく言われる。本来、親会社の特定の部門を子会社化し、業務を分担することで、組織として独立した経営を行い、その企業グループとしてのパフォーマンスを上げることが求められる。

しかし、現実には、開発に限らず親会社が業務を子会社に丸投げして、子会社の社員の業務が増え、疲弊し、ブラックになってしまう例がある。親会社という立場や力関係を利用して子会社がブラックになっているならば、グループとしてのパフォーマンスが上がるわけがない。

子会社が決められた業務を確実にこなしているからこそ、親会社が存続していられるのである。発注元と発注先、元請けと下請けの関係も同じである。

4.営業部門・企画部門と開発部門

営業や企画部門は開発(特にソフトウェア開発)がどれほど困難かを知らないことが多い。そして、営業であれば受注することばかりに意識が強まり、無理な受注もしてしまう。また、企画も開発現場の都合をあまり考えないことが多い。

一方、開発部門はできるだけ要求を実現し、かつ要求されたスケジュールを守ろうとして、長時間労働が常態化し、生活面が犠牲になってしまう。Win-Winの関係とは言えない。いつの間にか、開発部門は営業部門・企画部門に振り回されているといった感じになっている。

開発部門がしっかりした技術を保有・活用し、水面下で頑張っているからこそ、企画部門が考案した製品やサービスの提供が実現でき、営業が出来るのである。このことを忘れてはならない。

5.仕様設計部門とソフトウェア開発部門

これも前項と同じだ。システム開発のV字モデルをイメージしていただければわかるが、要件定義やシステム設計あたりを「上流工程」、ソフトウェア設計やプログラミングあたりを「下流工程」と言われるが、何だかここですでに上下関係のようなものが出来上がってしまっている。

プログラミングは日本では単純作業のように軽視されているイメージがある。しかし、プログラミング言語や使用するデバイス等の専門知識・技術が必要であり、どう考えても軽視できない工程である。日本の製造業はこの工程を下請け企業やオフショアに発注し、海外から遅れを取り、大失敗してきた。

専門技術が必要な工程やそこを担当する人達にもっと敬意をはらうべきだし、V字モデルの下位層と考えるのではなく、V字モデルの土台と考え、高い報酬を得られる仕組みにするべきである。

近年は企業経営にはIT・ソフトウェアが欠かせず、既にソフトウェアが主流の時代となっている。

6.荷主とトラックドライバー

荷主とトラックドライバーでは、荷主の方が立場が上と言われている。そして、トラックドライバーは過酷だと言われている。

長距離運転の割には賃金へ安く、割に合わないという記事を見たことがある。トラックドライバーは指定の配送先に、指定の時刻に到着しなければならないが、遅れるといけないのはもちろんのことだが、早くてもいけないそうである。

ここで、私も業界の人間でないので、なぜ荷主の方が力関係が強いのかわからない。物流を担う人達がいるからこそ、仕入れ、出荷をすることができる。気候、道路など様々な状況のなかで長距離の安全運転によって、我々は恩恵を受けていることを認識すべきだ。

指定の時刻に注文したモノが届くのは誰のおかげなのか考えれば、荷主の方が力関係が強いことがおかしいことがわかるだろう。

7.旅行会社とバス会社

高速バスや長距離夜行バスの事故が時々見受けられる。背景には運転手の過重労働、その裏には旅行会社からの賃金ダウンの要求により、本来運転手を二人体制にすべきところを一人で行っているという事情がある。安全面の配慮をおろそかにしているバス会社が批判的な注目を浴びそうである。

しかし、よく考えるとその前段として力関係を利用し、無理な賃金ダウンを要求している旅行会社の体質に問題がある。旅行会社が委託先のバス会社をブラックにしている典型である。

旅行会社こそ利用者に対して安心・安全を確保すべきで、バス会社と協力関係にならなければいけないのに、こうした力関係を利用したことの弊害が、最終的に我々利用者の安全性を脅かす事態にまで至っている。これでは利用者は高速バスや長距離夜行バスを利用したくなくなるだろう。

【まとめ】力関係があって何か良いことがあるか?何一つ良いことがない!

  • 「目上相手だから」
  • 「相手は○○だから」
  • 「相手の方が立場が上だから」

これまでこのような言葉で正当化されてきた理不尽な要求が、「ハラスメント」と定義された。これによりようやく問題が可視化され、弱い立場の人にも配慮され、拒絶もしやすくなった。

本来協力関係にあって、エンドユーザーにサービスを提供する、プロジェクトを成功に導くことが必要であるのに、一部の人や企業に犠牲を強いて成り立たせるやり方を続けていると、間違いなく全体が破綻することを認識しておかなければならない。
o08usyu7231.hatenablog.com

犠牲を強いられている、労働によって被害を受けている優秀な人材が流出している職場は注意が必要だ。そして、管理職や経営層は全体が破綻する前に予兆を検知し、手をうってほしい。

そして、正しい行いをしているのに、実績を上げているのに、未熟な上司や顧客により立場上の力関係で理不尽な被害や不利益を受けた優秀な方は、優秀さや実績が認められる環境を求めて、行動を始めたほうが良いと断言する。

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