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「テクハラ」「逆テクハラ」とその類似ハラスメントを理解していない組織は本当にヤバい

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職場などにおいて、自分の得意分野における専門用語を多用したり、わざと難しく説明したり、自慢したり、やたらとマウントを取ってくる人に戸惑ってしまうと言った経験をされた方も少なからずおられるのではないだろうか?

逆に、あなたがある分野のことは何でも知っている前提で、「あなたなら、これくらい簡単にできるでしょう! なぜそんなに時間がかかるのだ!」などと、あなたに頼るかのように、実は圧力をかけられて迷惑を受けているといった方もおられるのではないだろうか?

「テクハラ」「逆テクハラ」という言葉がある。

聞き覚えのある人も、聞き慣れない人も、類似事例も含めてこの記事を読んでいただければ、

  • 「そういえば、あるあるだな!」
  • 「自分自身も被害を受けていた!」
  • 「迷惑だけど、どう対処したら良いかわからなくて困った!」
  • 「無意識のうちに自分がやってしまっていたのではないか?」

ということに気付くのではないだろうか?

このようなハラスメントがあるということを意識しなければならない。最悪の場合、「セクハラ」「パワハラ」と同様に、裁判に発展することもある。あなたが不当に潰される前にインプットしていただき、企業・組織・人の見極め、職場環境の改善に役立てていただければと思う。


1.「テクハラ」の定義:ITリテラシーの高い人が低い人に対して不快な思いをさせる嫌がらせ

「テクハラ」という言葉がある。「テクハラ」とは、「テクノロジーハラスメント」もしくは「テクニカルハラスメント」の略である。

IT関連に疎く、PC(パソコン)やスマートフォンなどにあまり馴染みがなく、扱いが苦手な人への嫌がらせのことを指す。ITに関する知識が豊富でスキルの高い人が、そうではない人に対し、わざと難解な専門用語で指示を出して相手を戸惑わせたり、相手が対応できないと侮辱的な言葉で叱責したりする行為が該当する。

上司から部下へというケースもあるが、同僚間でも起こりうる。IT機器の扱いに詳しい若手から、馴染みの無い年配の人に対しても起こりうる。IT機器の扱いに詳しい新入社員でも加害者になることがあるので注意が必要である。

最後に、PCスキルは無いよりはある方が良い。しかし、職場に在籍する全員がWindowsの細かい設定を知っているとは限らない。一部の領域で、自分の方が優位性があるからといってマウントを取り、相手や周囲を不快にさせるような人罪のほうが害悪である。その部分だけを見て人の価値を決める(低く見る)ことで、別の場面では能力を発揮する人でもパフォーマンスを下げ、組織のパフォーマンスも下がる。人手不足で優秀な人の確保が難しい状況にありながら、まともな人から会社を辞め、残った人にしわ寄せが来て、それでも業務を回そうとするから、組織がブラック化する。裁判への発展もありうる。「テクハラ」加害者が及ぼす影響は、想像以上に大きい。

2.「逆テクハラ」の定義:ITリテラシーが低い人がITを軽視する姿勢から不快感を与える嫌がらせ

「逆テクハラ」とは文字通り「テクハラ」の逆で、ITに詳しくない人からITに詳しい人への嫌がらせである。

何か特定の分野における技術(例えば、ネットワーク関連、データベース関連、組み込み系)に詳しいからと言って、IT系全てに詳しいとは限らない。むしろ、そうでないことの方が多い。プログラミングの経験があるからといって、Windowsの様々な設定とかマイクロソフトOfficeの様々な設定とかに詳しいとは限らない。

しかし、そもそもそのようなことをそわからない人は、技術分野の細分化した内容や、それらの違いもわからない。一言で技術といっても、実に奥深いのである。それゆえ、それなりにソフトウェア開発をしたり、プログラムコードを書いたり等の経験がある人なら、

「技術があり、IT系はなんでも知ってる」

と思ってる人がいる。

そこで、ITに関する何かを聞かれて

「この分野・領域については、私ではわかりかねます。」

と答えると、

「お前、何でも詳しそうに見えるのに、何で教えてくれないんだよ。」

と心ない一言を放ってしまうのである。聞かれた側の人が調べて回答しようとしても、

「お前、いつまでかかってんだよ。」

とかいってしまうケースである。

逆テクハラの加害者は、「お前がそれ言える立場か?」という印象を持たれてしまう。

聞く側(逆テクハラ加害者)は無知で優越的な立場に、聞かれる側(逆テクハラ被害者)は有識者で立場が弱いといったケースが多く、スキルの有無よりも特定の組織内における立場上の力関係が背景となるため、「パワハラ」を兼ねていると言える。

3.「テクハラ」の類似ハラスメント:得意分野を持つ人が同分野を苦手とする人に対してマウントを取り、不快感を与える行為

「テクハラ」はITに詳しい人からITに馴染みが薄い人に対するものと説明した。ここでは、「テクハラ」から「テクハラと同等・類似のハラスメント」ともう少し範囲を広げて考えてみる。

ITに限らず何かしらの分野において詳しい知識・高い能力を持ち、得意としている人から、その分野にあまり詳しくない人、苦手としている人に対して、同様のハラスメントが行われれば、組織への影響は「テクハラ」と同じであることを理解しておくべきだろう。コンプライアンスが徹底されていない企業・組織と見なされることになる。

例えば、

  • 開発する製品の仕様や納品先の顧客状況に精通している人から、そうでない人へ
  • システム開発に使用する技術や開発環境に精通している人から、そうでない人へ
  • システム開発に使用するマイコン、OS、デバイスに精通している人から、そうでない人へ
  • 特定の組織に長年所属し、その組織の内部事情や文化を奥深く知る人から、そうでない人へ

行われるものがある。

優越的な立場を背景としたものであるなど、厚生労働省が公開している「パワハラの定義」に当てはまれば「パワハラ」である。

慣れない分野の技術に対する理解が、なかなか進まない中、「お前、SEやろ!」の一言を放ち、あたかも特定の分野に詳しくない人に対して、「しっかりせえよ!」という論調を込め、問題を抱えた社員扱いにする未熟な管理職が実際に存在する。「テクハラ」の類似事例だ。
o08usyu7231.hatenablog.com

「テクハラ」と同等・類似のハラスメントが発生しやすい体質の人や企業は、その場の環境に慣れていない人や、必要とされる特定の分野の知識が薄い人を「スキル不足」と判断し、マウントを取り、上から目線で接する。

ハラスメントを受けた側は、過去の実績においては実に優秀でも、まじめな人であればあるほど謙虚さが行き過ぎて

  • 「自分には努力が足りない」
  • 「自分には能力が足りない」

と思い込み、その人の本来の能力が発揮されることなく、被害者が去っていく。そして、加害者および周囲はそれでも被害者を

  • 「能力があまり高くない人」
  • 「重要な業務を任せられない人」
  • 「組織に馴染めない人」
  • 「ここではやっていくのは難しい人」

と叩く。

このような事例は、優秀な人材が最大限のパフォーマンスを発揮しないまま、優秀な人材を潰し、潰されてしまった被害者に責任をなすりつける企業側の愚行である。

しかし、このような状況でも被害者が、より上位の企業へ転職することで、このような劣悪な環境から解放され、問題が解決することがある。

それぞれの人に強み、弱みがある。ある分野では劣勢でも、また違う分野では優位性がある。強みが発揮できる環境で強みを発揮し、弱みをカバーしあい、それぞれの強み・弱み・経験分野・未経験分野を知り、トータルで最大のアウトプットを出すのが「組織」である。これができてこそ管理職である。

「テクハラ」のように一部の分野だけ突出していることでマウントを取るような人間は未熟であることを、加害者側も被害者側も理解すべきである。それを許容する「組織」も未熟なのである。

ハラスメントによってパフォーマンスをダウンさせられている被害者が健全な「組織」に入れば、それぞれの人の強みを発揮できる可能性は高い。

4.「逆テクハラ」の類似ハラスメント:本来スキルが必要な業務を簡単と軽視し、相手に過重な労働を強要する行為

こちらは、ある特定の分野に関して詳しくない人から、詳しい人へのハラスメントが類似事例と考えられる。ITに、限らなくても当てはまる。

例えば、

・「○○さんは□□に詳しいから、簡単だよね?」
 ⇒ 依頼者が思うほど簡単ではない。

・「あなたなら、△△でできるでしょ。」
 ⇒ △△は短すぎる期間。

・「□□は、若いやつがやれ!」
 ⇒ 依頼する人が□□をできないだけ。

といった感じである。

このようになる原因は次に示す2つ(もしくはその両方)が起因すると考えられる。

  1. 「力関係」を背景としている。
  2. 対象の作業を「軽視」している。

一つは「逆テクハラ」の加害者が、力関係を背景としていることである。相手に依頼している業務、作業の難度がどうであるかは、加害者には関係ないか、興味がないか、難度がわからないかのいずれかと思われる。力関係のみで業務、作業を押し付けている。力関係を背景としているのは、「パワハラ」と共通する要素がある。被害者にとって業務に必要な範囲を超えており、就労環境を悪化するのであれば、「パワハラ」だろう。また、「パワハラ」6類型の「過大な要求」にも当てはまる可能性がある。

もう一つは「逆テクハラ」の加害者が、対象の作業を軽視していることである。力関係とも関係あるが、依頼している作業の難度には関心がなく、依頼を受けた人なら出来て当たり前という感覚なのである。もし、依頼している作業が滞ったときにどのような影響が出るかを考えることもなく、有り難みを感じない人によく見られるパターンである。なくてはならない作業をしてもらった時、「ありがとう」の一言が出ないのはいかがなものか、「立場」重視で「能力・実績」軽視なのかと思ってしまう。

その事例は、こちらの記事である。
o08usyu7231.hatenablog.com

ソフトウェアエンジニアは、この「力関係」「軽視」に遭遇することが少なからずある。システム開発の依頼者は、ソフトウェアがどういうものか目に見えずわからないどころか、ハードウェアの変更を伴わなければ、単なるプログラムコードの変更程度、即ちソフトウェア開発を簡単と思い込む。しかし、現実にはソフトウェア変更は影響範囲の検証も含めると、常にリスクと隣り合わせといっても過言ではない。ソフトウェアエンジニア以外の人が想像できるほど簡単ではないのだ。
o08usyu7231.hatenablog.com

ソフトウェアの移植(他の製品のソフトウェア設計を流用すること)により製品開発が行われる場合でも、ソフトウェアの内容に熟知していない人からの依頼であれば、

「移植だけ!持ってくるだけ!」

などと、いかにも簡単にできる作業であるかのように謳い、短納期で完成させる約束を迫るという詐欺商法と同じ手口の行為が行われることがある。実際には、移植特有の注意点があったり、単純に移植するだけでは不十分だったりすることがある。そして、計画より工数が増え、過重労働となる。
o08usyu7231.hatenablog.com

ソフトウェア変更の難しさは、熟練した人ほどわかっており、未熟な人ほどわかっていないといっても過言ではない。「力関係」と「軽視」により、ありがたみがわからないのは問題だ。

「下請けを使っている」と胸を張って言っている人の中には、「下請けに頼っている」のが実情であるケースが少なくない。「下請けのおかげでやっていけている」と言うべきだ。

自分の未知の領域の作業を、他人に依頼するときは、是非このようなことを意識することを心がけてほしい。何事にも相手の立場に立つことだ。一例として、IT・ソフトウェアを知らない人でも、その難しさくらいは知っておくべきだろう。ソフトウェアエンジニアの犠牲的労働を「軽視」するなどもってのほかである。
o08usyu7231.hatenablog.com

ソフトウェア開発に限らず、業務の遂行においては誠実に行い、最大限のアウトプットを出すことが義務付けられているところまではごもっともだ。問題は、そのアウトプットが正しく評価されなければいけない。これを「軽視」すると「過小評価」に繋がり、

  • 「成果に見合った評価がされない」
  • 「都合よく使い潰されている」
  • 「ブラックだ!」

という印象を持たれ、優秀な人材が流出していく。

5.結局どれも「パワハラ」と同じだ!

「テクハラ」およびその類似ハラスメントは、特定の領域における能力の優位性を利用した嫌がらせ、「逆テクハラ」およびその類似ハラスメントは、立場を利用し相手の能力や技術を軽視することで起きる嫌がらせと言えるだろう。いずれにしても「立場や優位性を利用」しているのである。これに加え、「業務に必要・相当な範囲を超える言動」「就労環境の悪化」を伴うと、厚生労働省が提示する「パワハラ」の定義に当てはまる。

「テクハラ」「逆テクハラ」、およびその類似ハラスメントで、苦しめられている人はまだまだ多くおられると考えている。我々の業務、我々の生活は実に多くの人のおかげで成り立っている。当たり前のことに有り難みを感じることが改めて重要であると考えている。このことを企業のコンプライアンス研修等に取り入れ、従業員に周知し、良好な職場環境を作り上げていただきたい。

人の能力や強み・弱みはそれぞれで、一部の分野の優位性を背景にマウントを取ろうとする人は、未熟者であると疑った方が良い。「偉そう」にしている人で「偉い」人は見たことがない。優良企業は、個人個人の強みを引き出し、組織の貢献にどう繋げるかを模索している。

これらの情報をもとに、「テクハラ」「逆テクハラ」、およびその類似ハラスメントが発生している企業や組織で苦しめられている方は、自分の能力アップ以外に、正常な環境を見極め、自分が貢献できる、自分を高く評価される環境へ移ることを検討するなど、視野を広げると心理的にも楽になるのではないかと考えている。

私も下請けを中心とするIT企業から、大手メーカーへ転職し、ソフトウェアエンジニアとしてキャリアアップした人間だ。

「テクハラ」「逆テクハラ」でうんざりしている方、そのような組織への依存度を下げ、エンジニアの仕事で副業を検討している方、フリーランスで独立したいと考えている方には、スキルアップの他、転職、案件獲得をサポートしてくれる、プログラミングスクールを活用するのも一手である。

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そして「テクハラ」「逆テクハラ」が原因で退職する場合は、弁護士法人が運営する退職代行を活用すれば、面倒な退職手続きを代行してもらえるため、ストレスなく退職が可能となる。更に、ハラスメントで受けた被害に対して、損害賠償を請求できる可能性があるため、合わせて相談されると良い。

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