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「言い訳」と非難する人がいるが、本当に「言い訳」なのか見極める必要がある

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「言い訳」というとネガティブに聞こえる。

しかし、それが重要な問題点を指摘していることは少なくない。このような場合、指摘された側は真摯に受け止め、改善に繋げるべきである。

また、「理由」を説明しただけで「言い訳」と言われることがある。そして、その組織の風通しが悪くなる。これでは本末転倒だ。

「言い訳をするな!」とよく言う人、言われる人にこの記事を読んでいただき、何かしらのヒントにしていただければ幸いである。

もしかすると、「言い訳」と非難し、組織にとって都合の悪いことを黙らせようとしている組織は「ブラック」かもしれない。


1.「言い訳」の意味を調べてみた

「言い訳」の意味を調べてみると、次のように説明されている。

  • 「そうせざるを得なかった事情を説明して、了解を求めること。弁解。弁明。」
  • 「失敗に対して、それにはやむを得ぬ理由があるというような意で、自己を正当化するために説明すること。」

一般的には「責任逃れ」する人に対して使われ、あまりよくない意味で捉えられることが多い。

また、「理由」と似ているが異なるという説明もある。

「理由」の意味は

  • 「物事がそうなった道筋」
  • 「そうなった事情」
  • 「そうなった経緯の説明」

などがある。

「理由」には「失敗を認めたうえで、そのようになった経緯を説明する」と、「言い訳」との違いを説明しているものもある。

2.「理由」と「言い訳」の混同事例

  • 「理由」を「言い訳」として捉え、担当者を責める上位者はいないだろうか? 
  • 都合の悪い理由を説明すると「言い訳」として担当者の話を遮り、黙らせようとする上位者はいないだろうか?

そのような人は要注意である。相手を不快にし、職場の生産性を下げるだけである。また、そのような上位者に対しては「報告・連絡・相談」を避けられ、コミュニケーション不全や隠蔽体質が加速するだけである。良いことは何一つない。

実際、過去に過重労働となったあるシステム開発プロジェクトにおいて、プロジェクトリーダーから進捗遅れの理由をメンバーに聞いた際に、メンバーからは

  • 「作業の説明資料の記載がわかりづらい」
  • 「作業への不慣れなメンバーが多く集まっている」
  • 「そもそも投入リソースが少ない」
  • 「毎日深夜まで残業しても追いつかないほど元々の計画が過密すぎる」

などの回答があった。都合が悪いからという理由なのか、この回答に対してプロジェクトリーダーは「言い訳するな!」などと一蹴し、メンバーからの信用を失ったケースがあった。
o08usyu7231.hatenablog.com


冒頭の定義に戻ると、「言い訳」は「自分の失敗に対してあたかもやむを得ない理由があるかのように取り繕い、自己を正当化すること。」である。

このケースはプロジェクトメンバが失敗しているわけではなく、プロジェクトにおける前段が破綻していることが、プロジェクトメンバーに対して悪影響を与えており、プロジェクトメンバーは長時間労働という犠牲を強いられている状態である。

ここでいう「プロジェクトにおける前段」とは、

  • 「顧客からの無理な要求」
  • 「即ち業務量とスケジュールのバランスが崩れ極端な短納期となること」
  • 「マネジメント不足」
  • 「受注側の楽観視」
  • 「リスク想定不足」

等である。

プロジェクトメンバーは失敗どころか、前段の破綻をカバーする程のパフォーマンスを発揮している。そもそも「言い訳」云々以前に、前段の破綻をプロジェクトメンバーにカバーしてもらっている時点で、リーダー、マネージャー、営業、発注元のいずれかに問題があるといって間違いないのである。

3.「言い訳」を前向きにとらえる取り組み

次のような取り組み事例もある。あるセミナーで、あるテーマについてそれを達成出来ない「言い訳」を出来るだけ多く出すという取り組みがあった。個別個別の「言い訳」を付箋に書いて模造紙に貼り付ける。その中からグルーピングして主にどのような阻害要因があるのかを絞り出す。問題解決の重要な手掛かりが含まれていることがある。

これは「言い訳」すると、「叩かれる」「非難される」のではなく、困っている人の本音を集め、根本問題を発見し、問題解決や改善に活かそうというものである。とても素晴らしい取り組みであると感じた。

これ以外にも、システム開発、ソフトウェア開発プロジェクトによくある「長時間労働」問題においても、専門家を中心に研究が進んでおり、日本の労働環境の悪さが明確になりつつあるし、ブラック労働に対する世間からの批判が厳しくなりつつあることから、労働環境を改善している企業もある。

リーダーや管理者側からすれば、

  • 「担当者のスキルが不足している」
  • 「努力が足りない」
  • 「頑張りが足りない」

と言いたくなるだろう。

  • 「プロジェクトが大規模すぎる」
  • 「新規の技術採用に対して体制が十分でない」
  • 「プロジェクト期間が短すぎる」
  • 「業務量が多すぎる」
  • 「仕様があいまい」
  • 多重下請け構造の弊害」
  • ・・・

このような内容を担当者の口から発したならば、これはまさに「言い訳」と言いたくなるだろう。しかし、これらの内容は実際に専門家が発信している内容である。こういった実情を開発現場から吸い上げなければ、根本問題はいつまで経っても解決しない。それどころか、優秀な人材が流出する原因にもなる。

4.「言い訳」かどうか正しく認識し、根本的な問題発見へつなげるべき

「言い訳だ!」
「言い訳するな!」

このようなことを言われたとき、もしくは言う前に、それが本当に「言い訳」なのか考えてみてほしい。

失敗したにもかかわらず失敗を認めず、あたかもやむを得ない理由があったかのうように取り繕い、自己を正当化しているならば「言い訳」である。

失敗を認め、反省し、そのうえでその失敗に至る経緯に触れているならば、それは「言い訳」でなく、「理由」の説明にすぎない。

もう一つ重要なこと、失敗ではなく不可抗力であるなど本当にやむを得ない理由があるならば、それは「言い訳」ではない。

これを「言い訳」と言ってしまうと、それはただの責任転嫁である。そのような人は信用を無くすだろう。

実際、ブラック企業でなくてもブラック労働の温床となっている職場の管理者やリーダーが、力関係をもってこのような方法を取るケースがあり、信用を無くしてきた人を見てきた。力関係をもって都合の悪いことを黙らせるのは、まさにパワハラである。

また、「言い訳」の中から根本的な問題が見つかる場合は少なからずある。「言い訳」と言わずに「問題点」といったほうが良い場合は多い。だから、私自身「言い訳」という言葉自体を他人に対してはあまり使わないようにしている。これが正しいかどうかは別として。

根本的な問題(「長時間労働」「ハラスメント」その他成長に繋がらない要因)を発見し、それが組織内で自己解決できないものなら、転職を検討することも必要である。「言い訳をするな!」と都合の悪いことを力関係で黙らせる人が仕切っている企業に未来は無いからである。

考え方によっては、「言い訳」は「改善のヒント」である。「言い訳」の中に「根本原因」があると捉えるべきだ。
o08usyu7231.hatenablog.com
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