職場に何か不満があったり、やっていることがおかしいと感じて、その旨声を挙げたときに
「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」
などと、言い返されることがある。
このように言い返されると、「そうなのかな」と飲み込んでしまったり、「言っても無駄」と諦めたりする人もいるだろう。
ただ、行動を起こすことをやめてしまっては何も解決しない。
行動を起こすことのリスクは十分に想定しなければならないが、上記のように言い返される内容を、なぜ無視して良いのかについて、この記事で語る。
1.「どこへ行っても」と言えるほど全てを見ていない
まず、
「どこへ行っても同じ」
などと言い返す人である。
「どこへ行っても」などと言えるほど、社会なり、組織なり、業界なり、・・・、全てを知り尽くす人など、まずいない。
ましてや、少し上の先輩や、一つの部門を取りまとめる上司くらいなら尚更である。ある特定の分野の専門家が、
「概ねこのようになっている」
と言及するくらいなら受け入れて良いかも知れない。
たいていの人が言う「どこへ行っても」は、話す人が知る範囲内の「どこへ行っても」である。「どこへ行っても」と言う人が、その対象の領域に関する経験が乏しいと、その乏しい範囲内の話でしかないのである。
よくあるのは、中年や年配の上司が「どこへ行っても」と言う割には、転職経験が一度も無いなどということはあるあるである。一つの会社の常識が、まるで社会の常識のように語るのだが、これはその人の知る範囲がその程度でしかないということである。
惑わされずに、冷静に判断してもらいたい。
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2.比較する基準がおかしい
続いて、
「他社はもっと酷い」
などと言い返す人である。
自分の組織より、更に酷い組織と比べてどうするのか?
純粋にこのような印象を持つ。
「他社はもっと酷い」というのは、自分達が抱える問題点を問題点でないかのようにマインドコントロールし、加えて
「我々は恵まれているほうだ!」
などと、ポジティブな感覚すら押し付けてくるため、改善する気が全くないと断言できる。押し付けられた方は「恵まれている」などとは全く思っていないのである。
私自身も昔経験があったのは、長時間労働について上司に問題提起したところ、
「ウチは残業代ちゃんと出ているよね!」
「他は残業代が出ないところもあるよ!」
などど、違法状態にある組織と比較するという粗悪さを目の当たりにしたことだ。
「他社はもっと酷い」などという言葉を投げかけてくる人は、比較する基準がおかしいのである。
惑わされずに、冷静に判断してもらいたい。
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3.自組織の問題を隠蔽し都合良くマインドコントロールしているだけ
「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」
この2つの言葉に共通するニュアンスは、
「他と比べてウチが特段悪い状態ではないよ!」
という点である。
ただ、前章に挙げた長時間労働の例も然りだが、問題点を認識し声を挙げた人は、その問題点に関して困っているわけである。
「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」
そんなことを聞いているのではない。
この場面では他社はどうでもいいのである。他社も同じように悪い状態かそれ以下だからといって、声を挙げた人が認識している問題点が解決したわけではないのである。
また、自社と他社が同じような問題を抱えているということは、自社と他社が差別化できていないということであり、問題を抱えている他社と同じレベルにあるということである。問題点の解決や改善には、真摯に取り組まなければならないのである。
「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」
この2つの言葉は、自組織の問題を隠蔽し都合良くマインドコントロールしているだけなのである。改善は期待できない。
4.他社や世間を自分の目で確かめるべし!
問題がある組織や、あなたを都合良くマインドコントロールしてくる人に惑わされないためには、自分の目で他社や世間を見て、特定の組織の外部の人や情報に触れる機会を多く設けることである。
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私も、過去インターネットやYouTube、SNS等で、自分自身が悩んだ分野の情報を収集し、昔と比べて知見が蓄積され、「成長」できたのではないかと感じている。その「成長」が特定の組織にとって都合が良いかどうかは別の話だ。
そして今は私自身が、経験やインプットを元にした情報を発信している。
著名人の本を読むのもいい、一般人が発しているSNSでもいい、世間のニュース報道でもいい、転職エージェントに登録して面談にて話を伺うのもいい。自分で調べ行動すれば、しないよりかは良い結果になることは多い。
私の経験では、視野を広げれば成功する、我慢すれば失敗する。私の経験なので、全ての人に当てはまるかどうかはわからない。私が発信する情報は、私自身が知る限りのものでしかない。
私は、
「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」
とは言わない。言うときは、
「私の知る限り・・・」
と言う。
他社や世間、市場の状況を自分の目で確かめるために、転職活動をお勧めする。転職しなくても転職活動をすることは意味がある。自分の市場価値を知り、市場の状況を知り、キャリアの健康診断を行う。まずは、転職サイトに登録するところから始めてみてはいかがだろうか。特定の組織にとって都合の良いマインドに洗脳されないように、行動を起こすべきだ。
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