ソフトウェアエンジニアが労働について情報発信するブログ

ブラック労働からホワイト労働まで経験したソフトウェアエンジニアが世の中にとって役立つことを情報発信していく。

「客や発注者の方が偉い」と考えている時点で思考停止!そのような人罪とは距離を置くことを推奨する!

ビジネスの世界ではお客様の要望に応えることが、商品・サービスのシェア獲得に繋がり、売上・利益に繋がると教えられる。これ自体は間違いではないのだが、「客や発注者の方が偉い」という思考停止に陥ることによる弊害について会社で教えられることは少ない。

また最近では、客とベンダーの立場は対等であると教えられることがあっても、行動が伴っていないことが多い。

コンプライアンスがますます重視される世の中の変化するものの、それでも古い価値観を持ち続ける旧態依然の体質の人は少なからずいる。このような人は価値観をアップデートし、倫理観を高めることが求められるのだが、これができていない人と距離を置かないと、自分が理不尽に巻き込まれる等、被害を受けるリスクを抱えることになるということを事例を踏まえてお伝えしたい。

目次


1.「客や発注者の方が偉い」のは日本のみ

日本ではまだまだ客や発注者のほうが立場が上と考えられている。それは、お客様に満足していただかなければ、商品やサービスは競合他社にシェアを奪われ、客離れが起き、ビジネスが成り立たなくなり、いずれは破綻してしまうという考え方が主流だからだ。

お客様にはお金を払っていただいている。だから、お客様の要望に応え、可能な限り尽くし、早く、安く、高品質な商品・サービスを提供する。日本の企業に就職すると、このようなことが徹底的に教え込まれる。

「お金を払っているのだから」とよく言うが、「お金を払って」いればそれは「偉い」と言えるのだろうか?

普通に考えれば、ビジネス・商売というのは、「お金」と「商品」・「サービス」との等価交換であり、関係は対等だ。なのに多くの日本人は「お金を払っているのだから、客のほうが偉い」と思い込んでいる。

日本ではサービス精神が行き過ぎているためか、客からの理不尽な要求にも必死で応えようとするし、要求を受けた側の懸命な尽力にも関わらず、応えられなければ要求を受けた側が叩かれる。おかしな状態を維持しようとするから、労働環境がブラックになる。残業を求めてくる取引先は、閉店後に「店を開けろ」と騒ぐキチガイと同じだが、このようなことが平然とまかり通る。

このような光景は日本のみであり、海外では「客や発注者が偉い」という考え方は全く通用しない。そもそも日本人の接客が過剰であり、異常なのである。海外では、客と店員、客とベンダーは対等だ。どちらも人間である。不快なことがあれば相手か誰であれ、表に出す。これが当たり前だ。店員と客だけでなく、雇用主と労働者の関係も同じだ。

「客や発注者の方が偉い」と考える人は、視野が狭い上に、一度このように上司から教えられたら、おかしいと思ってもそのようなものだと認識し、それ以上考えることをしない。すなわち思考停止だ。このような人罪とは、距離を置かないと、自分自身もこのような人罪に洗脳され、思考停止してしまう。
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距離を置いた方が良い人罪と考えている二つの事例を紹介しよう。二つの事例で紹介する人罪に共通点するは、過去にハラスメント加害者となったことがある人だ。

2.「業務改善のためのシステムを作らせる側が偉い? ふざけるな!」

業務改善のためのシステムやツールを作成するとき、「改善のためシステムやツールを発案して、作らせる人」「改善のためのシステムやツールを、保有する知識・スキルを駆使して作る人」のどちらが偉いかという議論があった。

そこで、旧態依然の価値観を持つある年配のベテラン社員が、「作らせる人が偉い」と言っていたことがある。例えば、「このようなシステムやツールがあれば、このような問題に対応でき、このように改善できる」といった具合に、発案すること自体はとても価値のあることだ。しかし、「作らせる側が偉い」というのは、単なる奢りとともに思考停止である。

実際は、「現状の問題点を捉え、解決・改善のためのシステムやツールを発案」する人がいても、「発案した内容を具現化実するためのシステムやツールを構築できる技術」がなければ実現できない。

それなのに、なぜ「発案して作らせる人が偉い」のか私には理解できない。「現状の問題点を捉え、解決・改善のためのシステムやツールを発案」するには、システム開発における上流工程を司るために高度なスキルが必要だと思い込んでいるのではないだろうか?

システムやツールを構築するにも、専門性の高いスキルが必要であり、決して軽視できるものではなく、多大な有り難みを感じるべきなのだが、旧態依然の価値観の人は、そこを理解できておらず、偏った価値観を持ち続けているようだ。

ひとつの大きなことをやりとげるには、それぞれのスキルを持った人が、それぞれの役割を果たし、それぞれの専門性を活かし、それぞれの人同士の協力関係のもと成り立っているという基本を忘れてはならない。一部の人や組織の犠牲を持って成り立っているのは異常である。だから、どちらが偉いとかあり得ないのである。上述の旧態依然の価値観を持つ年配のベテラン社員は、価値観を改めなければいけないのだ。
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「作らせる側が偉い」という価値観を持っている人は、「管理職が偉い」「発注者側が偉い」「客のほうが偉い」と同じように勘違いしている傾向があり、立場や力関係を背景にしたパワハラ体質である傾向がみられる。理不尽を押し付けられるリスクがあるので、距離を置いた方が良い存在だ。でなければ、せっかく高いスキルを保有していても「作らせる側」の歪んだ価値観により、過小評価され、安く扱われる等勿体ない結果になる。

更に、現実を付け加えておく。よく業務効率化のためのツールを構築できる人は、MS-DOSバッチ処理にせよ、エクセルのVBAにせよ、C言語で生成するファイル操作のプログラムにせよ、ツールによってどのようなことを実現できるかをわかっているため、その人自身が業務上の問題点を捉え、改善のための発案を自らすることがよくある。ボトムアップの発想だ。こういったことをできる人が、口だけ達者な人と比べて職場で重宝されることはよくある話だ。

3.「取引先からパワハラを受けたことについてのクレームに対して、『会社対会社の関係を考えろ』? ふざけるな!」

他社の管理職(パワハラ加害者)からパワハラを受けた被害者が苦痛により、体調を壊した。この件に関し、後日被害者からパワハラ加害者に対してクレームした。その結果、しばらく当人同士でトラブルになったものの、被害者が屈することなく労働問題に対する正論を発信し、パワハラ加害者が最終的に謝罪した。これは組織内どころか、企業間の垣根を超えた社会的優良事例である。
しかし、後に被害者の上司(被害者側組織の管理職)は被害者に対して、

  • 「他社の管理職(パワハラ加害者)の意図を理解していたか?」
  • 「被害者の体調不良は他社には関係なく、当社内部で解決すべき。」
  • 「会社対会社の関係を考えているか?」

などと被害者を責めた挙げ句の果てに、被害者の人事評価を低評価とした。
被害者の上司の行為は、明らかにパワハラ被害者を黙らせることを目的としていることが見えており、セカンドハラスメントにあたる。
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ここで言う「会社対会社の関係」は、他社(顧客)から無理な要求を受けたり、ハラスメントを受けても、波風立てず他社(顧客)との関係を維持したいために、被害者に対して使われている。被害者の上司(セカハラ加害者)の対応は不適切極まりないものであり、大変遺憾である。

この場面において、本来「会社対会社の関係」は、パワハラ加害者に対して使われるべき言葉である。パワハラ加害者は、他社の従業員にパワハラを行っており、被害者よりクレームを受けている。パワハラ加害者こそが「会社対会社の関係」を考えるべきなのである。
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誰が見ても当たり前にわかるようなことなのだが、他社の管理職(パワハラ加害者)、被害者の上司(セカハラ加害者)揃って過ちを犯している。「取引先(発注元)の方が偉い」という思考停止に陥り、偏った価値観をもって、自組織内のパワハラ被害者を潰しているにも関わらず、被害者の上司(セカハラ加害者)ですら、被害者の心情に配慮したまともなパワハラ対応ができないのである。被害者の上司(セカハラ加害者)においては「会社対会社の関係」をキーワードに、被害者側の対応について逐一指導する割には、肝心のパワハラそのものについてはザル対応であり、お門違いも甚だしい。

被害者の上司はコンプライアンス意識欠落を理由に、被害者から社会的に信頼を失ってしまって然りなのである。

4.「客や発注者の方が偉い」と思考停止になることのデメリットについて語る

この記事の冒頭に記載した通り、お金を支払っていただいているお客様が満足する製品・サービスを提供しなければ、競合他社にシェアを奪われ、ビジネスが成り立たなくなるということは、どこの会社でも、誰もが教わることであり、一理ある。

しかし、「客や発注者の方が偉い」と思考停止になることは、以下のようなデメリットの方が多くあり、私が見る限りにおいてもこちらの方が顕在化しつつある。

  • 【従業員・リソース面の観点】顧客の横暴や理不尽な要求を実現するため、自社の労働環境がブラックになり、自社の従業員が心身不調になり、自社の貴重なリソースが潰され、最悪再起不能になる。これにより、組織の生産性、パフォーマンスが下がり、他の従業員に負担がかかる。ただでさえ人手不足の中、従業員の離職か進む一方で、従業員を確保することが難しくなり、顧客の原因においてビジネスが成り立たなくなる。

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  • 【社会面・倫理面の観点】顧客の横暴や理不尽を辛抱することが強いられるなど、人間としての倫理観よりも顧客の要求が優先されることで、社会的な秩序が保てなくなる。また、そのような風潮が社内に広まり、当たり前となることで倫理観が低下し、社会から孤立する。コンプライアンス意識の高い優秀な人財が辞めていくことによるリスクを抱え、最悪の場合、組織の破綻を招く。
  • 【財務面の観点】提供する商品・サービスと対価とのバランスを失い、価値の高い商品・サービスに見合わない安い金額で買いたたかれることで、提供している価値を軽視され、かえって健全なビジネスの継続が困難となる。結果、これを維持するために職場の労働環境がブラックになる。また、顧客要望を重視しすぎるあまり、業界として値下げ競争が行き過ぎることで、業界全体が極めて貧しくなる。 

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  • 【将来性の観点】顧客の要求を満たすことのみが当たり前になると、自分達の労働環境の犠牲の上に成り立つ状況に追いやられる。結果、そのような職種・業種に就きたいと思う若者が減少し、将来的にその産業自体が成り立たなくなる。業界によっては我々の生活面に直接影響を及ぼす。医療機関はその代表例だ。
  • 【法律面・違法性の観点】顧客の要求を満たすことのみが当たり前になると、知らぬ間に違法行為に加担し片棒を担ぐことになってしまうことがある。このような組織からは優秀な人財が離脱する可能性が高い。偽装請負はその代表例だ。他にも、顧客の横暴に付き合わされることで、従業員が心身不調などを訴えると、使用者は職場の安全配慮義務違反が課せられるリスクを負うこととなる。

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「客や発注者の方が偉い」と思考停止になる人は、このようなデメリットに対して無自覚である。口頭ではデメリットだ!、問題だ!と言っていても、実際行動が伴っていないことはざらである。だから、このような人に対しては、素直に従うのではなく、是正を要求するか、距離を置いたほうが良いのである。自分自身が被害を受けないためにも。



一方、自分が客であっても自分が「偉い」という感覚は全くなく、お金を払っていてもサービスを受けたときは「ありがとうございました。」の一言くらいは当たり前だと思っている。また、客の横暴とは逆に、商品・サービスを提供する側による横暴もあってはいけないことだ。殿様商売という言葉をご存知だろう。お客様、従業員、ベンダー、取引先、協力会社、みな人間である。ビジネスの常識や力関係がまかり通ると、この基本を忘れてしまい、人権を侵害してしまうことが少なからずあるから困ったものだ。心当たりがある人はもちろん、無自覚の人こそ是正してもらいたいものである。

パワハラ加害者が昇進する可能性は高い!そのような企業は働く価値のないブラックの底辺と断言する

これまでの傾向を見ていると、パワハラ気質な人ほど組織内でメジャーな立ち位置にいることが多く、昇進しやすい傾向にあるように思える。

この記事では、このブログで解説しているパワハラ事例で加害者のその後を分析した結果、なぜパワハラ気質な人が昇進しやすいのか?、これからの時代に向けてどのようなスキルをつけておくべきかについて語っていこうと思う。

目次


1.このブログで解説しているパワハラ事例の加害者は約半数のケースが昇進している

世の中で発生した全てのパワハラを調べたわけではないので精度は高くないが、以下に示す事例では約半数のケースにおいて、何らかの形で加害者が昇進している。特に、現場を仕切るリーダーが管理職に昇進するケースが目立っている。

その他、加害者のその後が(パワハラを原因としたものではない、業務上の異動等で)不明となっているケース、パワハラ行為時期が役職定年間際で(パワハラ関係なく)役職定年となった人もいる。

【事例】(案件名)
加害者:(パワハラ加害行為発生当時の役職)→(以降変更後の役職)【昇進該当or否】

【事例1】周りに聞こえるように叱る
加害者:担当→リーダー【昇進該当】
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【事例2】会議で出席者全員の前で否定
加害者:課長クラス→センター長クラス【昇進該当】
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【事例3】PCスキルの低いIT企業の部長からの「逆テクハラ」
加害者:部長クラス→役職定年
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【事例4】頭をコツく
加害者:課長クラス→不明
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【事例5】2時間程度立たせての理不尽な説教
加害者:課長クラス→不明
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【事例6】不具合報告書類認識違い指摘すると大声でキレる
加害者:課長クラス→センター長クラス【昇進該当】
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【事例7】客先常駐で帰社の頻度が多いと文句をつける
加害者:課長クラス→センター長クラス【昇進該当】
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【事例8】新規投入要員服装に不要なクレーム
加害者:課長クラス→センター長クラス【昇進該当】
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【事例9】加害者の叱責で被害者が体調不良で休暇したことを堂々と語る
加害者:課長クラス→センター長クラス【昇進該当】
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【事例10】みんな22時まで頑張っているから22時までやれ
加害者:リーダー→不明
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【事例11】従業員の出身地による差別発言
加害者:部長クラス→役職定年
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【事例12】「常時不機嫌な振る舞い」と「人間関係の切り離し」で優秀な人材に対して悪影響
加害者:協力会社要員→不明
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【事例13】フロア中響く声で叱責
加害者:リーダー→部長クラス【昇進該当】
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【事例14】杜撰なマネジメント・危機的状況軽視・メンバへの冷遇によりメンバのメンタルトラブルが悪化
加害者:部長クラス→役員クラス【昇進該当】
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【事例15】進捗遅れに対する公開パワハラ
加害者:リーダー→部長クラス【昇進該当】
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【事例16】隠蔽体質強要の疑い?
加害者:リーダー→部長クラス【昇進該当】
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【事例17】過重労働未然防止妨害
加害者:取引先担当者→不明
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【事例18】レビュー時に自分の価値観押し付け
加害者:取引先担当者→不明
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【事例19】システム開発における過剰要求未達時のレビューで「詰問」
加害者:取引先担当者→不明
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【事例20】納期逼迫による残業時間増加への圧力
加害者:リーダー→マネージャー→課長クラス【昇進該当】
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【事例21】「お前SEやろ!」余計な一言
加害者:マネージャー→不明
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【事例22】「キャリアカウンセリグ」と称する根性論の刷り込みと洗脳
加害者:グループ企業役員→不明
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【事例23】残業代の上限超過分の請求を禁止する違法行為の強要
加害者:部長クラス→役員クラス【昇進該当】
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2.パワハラ気質な人が昇進しやすいのは特定分野での業務の実績や上層部との関係性

パワハラ気質なベテラン社員は、職場で一定の力や優位性を持っている人が多い。その力(パワー)を背景に行われるからパワハラになる可能性があるのだ。

今でこそ、コンプライアンス意識の高まりが進みつつあるが、私が新卒入社から今現在に至るまではまだまだ「厳しい指導」との区別がつかず、「後輩、部下への厳しい指導も必要だ」という風潮があった。このような中、多くの場合はパワハラ行為そのものよりも、加害者が持つ「能力」、「優位性」、「実績」のほうが目立ち、加害者が所属する職場にとって都合が良い。加害者が持つ「能力」、「優位性」、「実績」といっても、加害者が所属する職場における特定の分野のものにしか過ぎないにも関わらず、これに対して人事権を持つ者が過大評価することで、昇進に至るのである。

その過大評価に至ると考えられる要因が、社内での主要人物との関係性である。パワハラ気質なベテラン社員は、自分よりも立場が下と考えている人に対しては横柄な態度を取り、自分よりも立場が上と考えている人に対しては従順であるケースが多い。よって、パワハラ気質なベテラン社員に対する人事権を持つ人物との関係が良ければ、加害者が高く評価されてしまうのである。

実際、パワハラ気質なベテラン社員に対する人事権を持つ上司に、

「〇〇(パワハラ気質なベテラン社員)さんは、□□のような点を改善すべきです!」

と進言したところで、

「〇〇(パワハラ気質なベテラン社員)は、△△のような考えがあり、◇◇の点において実績を出しているではないか!」

と返されるだけで、パワハラ気質なベテラン社員を庇うケースを見てきている。

物事の正しさや倫理観ベースではなく、力関係ベースであり、これにマッチする人が会社にとっては都合が良いのである。逆に、パワハラ気質なベテラン社員は、力関係がなければ何もできない人である可能性が高いのだ。

正義感の強い真面目な人が、パワハラ気質なベテラン社員や管理職、上層部に対して正論をぶち込んだところで、(話を聞いてくれたとしても)受け入れられることは少なく、組織内の不満分子として悪い意味で目立ってしまうことがある。いくら優秀で強気なパワハラ被害者でも、いくらコンプライアンス的に正しくても、いくら社会的に高い視座を持っていても、そのような人間が昇進するケースを私は見たことが無い。旧態依然の企業に見られる傾向だ。パワハラの被害者が、世の中で活躍するケースとして目に見えるのは、パワハラ専門家として独立して起業するケースだが、私の知らないところではもっといろいろな人が活躍しているはずだ。
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3.人手不足などの理由でやむなくパワハラ気質なベテラン社員を昇進せざるを得ないこともある

前章で述べたのは、パワハラ気質そのものよりも「優位性」「実績」「上層部との関係性」といった観点を挙げたが、逆にパワハラ気質であるところをわかっていながらも、要職から外すことができず、他に昇進させる人がいないため、やむなくパワハラ気質な人を昇進させるケースがある。人手不足の波かも知れない。他に優秀な人材が集まらないくらい、魅力のない企業であるという可能性が大いにある。

私は、昔勤務していた下請け中心のIT企業を退職して数年後、その企業のホームページの中で、「人事異動に関するお知らせ」(管理職以上の人事異動が公開されている)を見た。その結果、

  • 「なぜこの人が昇進しているのか?」
  • 「他にいないのか?」
  • 「この会社を辞めて正解だった!」

と思ったことがある。

この企業の口コミサイトにも

  • 「業界一般よりも給料が低い」
  • 「上司に従順な人が昇進していく」
  • 「優秀な人材が辞めていく」
  • 「技術力のある社員が損をしている」
  • 「客先常駐もあり、転勤も余儀なくされ、キャリアは運次第」

等の書き込みがあり、元社員からの組織へのイメージはあまり良くない。その会社の中でどのような人が昇進しているかというと『会社にとって都合の良い人』という印象を受ける。

人手不足で社員が減っていくと、行き着く先は「人手不足倒産」である。本来必要なリソースよりも少ないリソースで無理して業務を回し、その状態を維持しようとするから労働環境がブラックになることと同様に、社員が少なくなるということはその少ない中から昇進させる人を選定せざるを得ず、やむなくパワハラ気質なベテラン社員を管理職にせざるを得ない状態こそが、既に破綻しているのである。この破綻した状態を維持しようとするから、更にまともな社員が辞めていき、負のスパイラルに陥るのである。
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4.これからの時代に向けて持っておくべき考え方

まず、企業としては従来からスタイルを変えなければならないのは、

パワハラ気質なベテラン社員やパワハラ加害行為を起こした社員を絶対に管理職にしてはいけない」

ということである。

いくら「実績」や「組織内での立ち回り」が良かったとしても人間一人の能力には限界があるし、一人の能力によって生み出せる実績よりも、組織や周囲に与える悪影響の方が大きいということを理解しておくべきである。インターネットやSNSが発達し、パワハラ等企業の不祥事は世の中に公開される時代である。また、一般企業や公務員にかかわらずパワハラはニュースで報道されることにもなる。更には、パワハラ防止法が大企業では2020年6月から、中小企業を含むすべての企業で2022年4月から運用を開始している。企業はパワハラに対する対策を講じる義務がある。ひとたび不祥事が起きると、世間や社会から根がネガティブなイメージで捉えられ、信頼回復に多大な時間を要するのである。

管理職になるにはコンプライアンスの基本くらい当たり前に身に着けておくべきだし、企業としてもそのような人材を昇進させるべきだ。

労働者側としては、企業がこのような考え方や取り組みをしっかり行っているか着目し、今の時代においてパワハラ加害者が昇進するような組織は、コンプライアンスのかけらもない「働く価値のないブラックの底辺」という時代が、すぐ目の前に迫っていることを再認識すべきである。また、パワハラ加害者が昇進し、いつ大きな不祥事が起きるかもしれないリスクを抱えた企業で、本当に自分が昇進するだけの価値があるのか再考してほしい。

そして、転職、副業等が可能なスキルを身に着けることである。所属している企業内でしか通用しないスキルや業務、企業にとって都合は良いが自分にとって都合が悪い業務からは、できるだけ避けるようにしたい。企業のために自分の身を粉にするのではなく、自分の身に着けたいスキルを付け、それが結果的に所属している企業にとって貢献できることがWin-Winであり、同時に転職や副業に備えることができるといった流れが理想的である。
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更に、スキルをつけるだけではなく、実際の今の転職事情(フリーランス含む)や副業事情、世の中の動き等、複数の転職サイトに登録して情報をインプットしておくことで、いざというときの備えとしておくことをお勧めする。







「社畜」と「社畜を都合良く使う上司」の相性の良さは抜群!働く価値のないブラックの底辺と断言する

ブラック企業をはじめ、労働環境の悪い企業の中には、「社畜」という存在がいる。

社畜とは、「会社」と「家畜」を組み合わせて作られた造語で、「勤めている『会社』に『家畜』のように飼いならされたことによって、思考停止し、自らの主体的な意思を持たず、『会社』から言われるがままに、辛い仕事や理不尽な仕事でも、ひたすらこなすようになった会社員」という意味である。

タイトルの通り、「社畜」と「社畜を都合良く使う上司」の相性の良さは抜群であり、まともな人にとっては働く価値のないブラックの底辺と断言できる。

しかし、残念ながら本当に優秀な人材や謙虚さのある人は、「社畜」を

  • 「企業に貢献している人」
  • 「困難の中にも関わらず頑張っている人」
  • 「メンタルがとても強い人」

のように、「優位性」があるように見えてしまう。私も過去にそのような経験があった。しかし、後に「優位性」ではなく「社畜」であることに気づいたのである。

この記事では、「社畜」に見られる傾向を私の経験に基づいてお伝えするとともに、「社畜」がどのように害悪であるかを解説しようと思う。

目次


1.「社畜」は悲惨な状況で頑張っていることを自慢したい

過酷な労働環境の中で、稀にこのようなことを言う人がいる。

  • 「俺、昨日○時間しか寝てないわ!」
  • 「俺、○連勤。記録更新中!」
  • 「血尿が出て一人前!」
  • 「過重労働になるとテンション上がるわ!」
  • 「IT業界でやっていくにはどれだけ自分を犠牲にできるかだ!」

言っている人は自慢しているつもりなのかもしれないが、第三者が聞くと何も良いとは思わない。

「悲惨な状況の中、頑張っている姿に称賛してほしい」とでも思ってほしいのだろうか?

こういう人達は、「社畜自慢」と呼ばれる。また、別の呼び方では「肉屋を応援する豚」とも呼ばれる。自分達は犠牲になっていくのに、それによって恩恵を受ける人や組織を称えるなど、世間一般の人達には理解できない。

こういう人達は大体、「悲惨な状況でも頑張ってる自分は偉い」という論調でアピールする人ばかりで、ブラックな環境に洗脳され、実際に「その状況から抜け出そう」、「その状況を改善しよう」とする人間は本当に少なく感じる。
 
結局、自ら搾取されに劣悪な環境に向かって進んでいるようなものであり、「厳しさ」と「粗悪さ」の区別ができず、「厳しさの中、よく耐えている」と思考停止しており、自分の頭で考えることを放棄した末路であるといえる。

本来、これとは逆のことを自慢してほしいものである。

  • 「俺、昨日○時間しか寝てないわ!」
  • 「俺、○連勤。記録更新中!」
  • 「残業禁止の職場で、健全な生活をしながら、余裕で納期に間に合い、高い成果を出し、高く評価された。」

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  • 「血尿が出て一人前!」
  • 体調の異変に早く気付き大事に至らなくて良かった。自分はまともな企業で優秀な実績を挙げた経験があり、そのような人材ですら仕事で健康面に支障が出るということは、自身の問題ではなく「前段」が破綻しており、その程度の企業であるという「粗悪さ」を正しく見抜くことができた。その意味でも優秀。

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  • 「過重労働になるとテンション上がるわ!」
  • 「まともな企業ほどテンション上がるわ!」
  • 「IT業界でやっていくにはどれだけ自分を犠牲にできるかだ!」
  • 「IT業界でやっていくにはどれだけ自分を犠牲にせずにできるかだ!」

2.「社畜」はまともな環境を「甘い」と称して自分に優位性があると勘違いする

上述したように「社畜」は、「悲惨な状況でも頑張ってる自分は偉い」と自慢したがるのだが、これだけではない。

更にタチが悪いのは、まともな労働環境でやってきた人や、労働環境の異常さを訴える人に対して、「甘い」などと批判し、マウントを取るケースである。劣悪な労働環境に対して「異常である」と、正常な判断力をもった人に対して足を引っ張ることは、最悪で迷惑極まりないのである。

  • 「今月は残業40時間/月超えてしまった!」
  • 「甘いな!俺は50時間/月を超えたぞ!」
  • 「甘いな!俺は100時間/月を超えたぞ!」
  • 「甘いな!俺は150時間/月を超えたぞ!」

このような状況は、足の引っ張り合いだ。「社畜」は、自分自身で「悲惨な状況でも頑張ってる自分は偉い」と思うのはその人の勝手だが、他人に自慢したり、さらには他人を悪い方向へ巻き込むという害悪でしかない。

本来、労働環境が悪い企業は、経営陣や管理職が率先して労働環境改善に取り組まなければならず、これを行わなければ労働者や世間から批判の的となるのが普通だが、「社畜」が労働者に混じっていると、批判の的となるのは「まともな感覚をもった労働者」だ。おかしな話である。

本来、労働時間が正常な範囲で、業務が滞りなく回っていることを自慢してもらいたいものである。

  • 「今月は残業40時間/月超えてしまった!」
  • 「甘いな!俺は20時間/月で抑えたぞ!」
  • 「甘いな!俺は10時間/月で抑えたぞ!」
  • 「甘いな!俺は0時間/月だ!」

このような感じに!

3.「社畜」は文句を言いながら頑張り続け、改善のための行動を起こさない

上述したように「社畜」は、「悲惨な状況でも頑張ってる自分は偉い」と自慢したがるのだが、「悲惨な状況」に対して「改善」もしくは「脱出」するための行動を起こさない。「耐える」「頑張る」ことに価値があると感じているのだろうか?

確かに、苦しい状況でも「踏ん張り時だ!」というマインドを、私も持っていたことがある。しかし、(人によって異なるが)一定限度以上の我慢は、心身を壊し、最悪再起不能となるリスクを抱えており、大変危険である。また、私の記憶では、我慢を続けた末、状況が良くなったということは一度もない。

労働環境に関して、他社事例や世間一般、専門家の見解をインプットに、「ここは異常だ!」と気付き、「改善」もしくは「脱出」する行動を起こすことが重要ではないだろうか?

劣悪な労働環境を理由に、会社を辞めると「社畜」は、

  • 「組織についていけず、脱落した!」
  • 「あいつはメンタルが弱いのか!」
  • 「みんな頑張っているのに、意気地無しだ!」
  • 「会社を辞めるなど『逃げ』である!」

などと、辞めた人に対して批判し、「耐える」ことを続けている自分達に優位性があると勘違いする。

逆に、上述のような労働環境の会社なら、辞める人のほうがまともであり、「思考力」「判断力」「決断力」「行動力」全て上なのである。「社畜」はこのことに気付かない。

まともな人が辞めていき、劣悪な会社に残る「社畜」の割合が多くなり、残った本人は「社畜」である自覚がなく、思考停止になる。そして、ますます「改善」のための行動を起こさなくなる。会社を辞めることは『逃げ』ではない。労働環境の悪い会社に居続ける方が、個人にも組織にも社会にも害悪だ。

4.上位者は都合の良い「従順な社畜」のことを「優秀な人材」として重宝する

社畜」は上述したように、まともな感覚を持った人にとっては迷惑でしかないのだが、会社にとって都合が良いので、管理職等の上位者に重宝される。上位者も「社畜」を都合良く使うので、まともな感覚を持った人から見ると会社自体もブラックから抜け出せない。

実際に過去に私が関与した労働環境が悪いプロジェクトでは、その現場の管理職は、他のまともな開発現場で優秀な実績を残してきた私よりも、私より若く体力がありメンタルがタフな「社畜」のほうを好み、重宝しているという事実もあった。この現場での「優秀な人材」は「従順な社畜」のことを指すということに、後になって気付いた。前述の管理職は、この「社畜」を絶対に手放さないといった感じてある。実際に私はこの現場を抜け出し、労働環境の良いところへ移って、私としても居心地が良くなり、周りからも高く評価されるようになったのである。

社畜」と「社畜を都合良く使う上司」の相性の良さは抜群であり、一般の人にとっては働く価値のないブラックの底辺と断言できる。

逆に、まともな会社の中には

  • 「会社が今後どのようになるか先のことはわからないので、他へ行っても通用するスキルを身に付けるべきだ!」
  • 「いつでも転職できるようにする(くらいのスキルを付けておく)べきだ!」
  • 「他所で通用しない人間ほど、会社にしがみつく。あり得ないぞ!」

と公言する管理職もいる。全くその通りである。「社畜」とその悪影響を正しく見極めるとともに、普段からの準備と行動が大切だ!






「無理を強いているつもりはない」と高難度・短納期・低賃金で業務を押し付けてくる職場は働く価値のないブラックの底辺と断言する

システム開発、ソフトウェア開発に限らず、どの職場においても、膨大で大変な作業や(慣れない人にとっては)難度の高い業務を、それに見合わない短納期・低賃金で押し付け、

  • 「無理を強いているつもりはない」
  • 「大した作業ではない」
  • 「これくらいは出来て当然だ」

という感覚をもって、無理を強いてくる顧客や上司がたまにいる。

特に、過重労働が常態化している職場の内部の人間は、世間と比べて感覚が麻痺しており、自分達の感覚が普通だと思い込んでいるケースがある。

顧客や上司(依頼者)がこのような感覚をもって、業務を押し込んでくることで、業務の受け手(作業者)は懸命に対応するも、作業者自身でコントロールできないまま過重労働に巻き込まれ、作業者にとって不可抗力となることがある。それどころか周囲をも過重労働に巻き込んでしまう害悪にまでなりうる。

システム・ソフトウェア開発においても、例えば派生開発の場合は、ベース製品の設計内容については深く理解しておく必要があり、かつソースコードは分かりにくく、膨大な設計ドキュメントが整備されていないケースが多い。開発に携わるメンバにおいても、優秀な人材ではあっても、対象業務が未経験という場合は工数を要するのが現実である。このようなことを理解せず、発注者側は自覚の無いまま短納期を要求して無理を押し込み、受注者側は自覚の無いまま無理を受け入れ、開発メンバにしわ寄せが来て、労務問題が発生し破綻する、または開発メンバの犠牲の上にプロジェクトが成り立ってしまい、以降それが当たり前となる。

そのような職場は、働く価値のないブラックの底辺と断言できる理由、および考え方について語る。

目次


1.無理や負担の程度を判断できるのは受け手側である

まず、業務の依頼内容や納期を含めたスケジュールに無理があるかどうかや、負担の程度を判断できるのは受け手(作業者)側である。これが大原則である。

なぜなら依頼した業務を行うのは受け手(作業者)であり、無理が祟る、負担が大きすぎて心身不調のリスクを抱えるのは受け手(作業者)だからである。

業務の依頼内容や納期を含めたスケジュールに無理があるかどうかを、顧客や上司が決める場合があるが、上司や顧客自身が作業をするわけではない。このような場合は、依頼者は作業者が業務を完了できそうにないケースを想定し、サポートに入る、他の業務を調整する、作業に必要な情報提供をより丁寧に行う等の策を考え、実行しなければならない。また、「作業者のアウトプットに対して、依頼者が責任を持つ」としなければ、単なる作業の丸投げである。依頼者側としては、システム開発の丸投げはダメだ!

このようなことを依頼者側が理解せず、依頼する対象の業務を安易に考え、作業者がしわ寄せを受け、作業者に無理が祟ることによる被害を受けることになれば、これは依頼者及び管理者の責任である。

しかも、更に悪質なのは、作業者に無理が祟り破綻した場合でも、依頼者や管理者は作業者に責任を押し付けるケースがある。

このような職場に居続けると、作業者の責任でないにも関わらず、作業者の健康面やキャリア面が蝕まれ、作業者が被害を受けることになる。よってこのような職場は居続ける価値はないブラックの底辺であるので、作業者は心身を消耗する前に、依頼者側の粗悪さを正しく見極め、まともな職場に移ることを視野に入れるべきである。

2.依頼者側が受け手の立場で考えることができない未熟者が要職にいる

依頼者が

  • 「無理を強いているつもりはない」
  • 「大した作業ではない」
  • 「これくらいは出来て当然だ」

と思って業務を依頼しても、実際に行うのは受け手(作業者)である。受け手(作業者)にとっては大変な作業だということは少なからずある。

依頼者は受け手(作業者)の立場に立って考えることは基本中の基本であり、当たり前のことである。

だから私は、人に作業を依頼するとき、自分なら簡単に出来ても、慣れていない人が作業する場合は、予期せぬトラブルが起きるし、時間がかかることを想定している。ブラック企業からホワイト企業まで経験してきた私に言わせれば、トラブルの多い企業ほどトラブルを想定していない

「相手の立場に立って考える」ということは、幼稚園や小学校で教わるレベルのことなのだが、これが出来ない人は、顧客だろうが管理職だろうがビジネス上の立場や地位に関係なく未熟者であると断言てきる。

更に、このようなレベルの依頼者は、受け手(作業者)に理不尽を押し付けておきながら、「これがビジネスとしての厳しさ」と称して正当化する。「顧客目線」を強調するが、「労働者目線」は無視。このような依頼者に対して「相手目線」と称して感覚を合わせるのは、自分から搾取されにいくようなものであるし、このような依頼者が要職に就いて幅を利かせているような組織は、作業者にとって明らかに害悪でしかないブラックの底辺であるため、作業者は心身を消耗する前に、依頼者側の粗悪さを正しく見極め、まともな職場に移ることを視野に入れるべきである。

3.依頼者に「無理な依頼をしている」という自覚がないから以降も改善されることがない

そもそも、依頼者が

  • 「無理を強いているつもりはない」
  • 「大した作業ではない」
  • 「これくらいは出来て当然だ」

と思って業務を依頼し、受け手(作業者)に無理が祟ったとしても、依頼者に自覚がない以上は、以降も改善されることがないのである。

奇跡的に無理難題な業務を成し遂げたとしても適切に評価されず次から当たり前になるし、成し遂げることができなければ、受け手(作業者)に対して、揚げ足を取り、詰問し、指導・叱責と称して批判し、被害や迷惑を受けて困っている人に対して更に行き場を失くす行為に出る。

逆に理解のある依頼者なら

  • 「色々と負担をかけてしまうことになり申し訳ありませんが、お願いできますでしょうか」
  • 「私は○○時間でできましたが、□□の分野に馴染みが薄い人にとっては、慣れるまでに時間を要すると思われます」
  • 「普段から協力いただいている地道な作業で我々の業務は成り立っています」

くらいのマインドが当たり前である。実際私が依頼側であっても心掛けているし、これまで私自身が在籍していた職場の中でも、まともな職場ならば、私の負担を気にかけてくれていた。

よって、「無理な依頼をしている」という自覚がない人が仕切る業務やプロジェクトでまともな現場を見たことがないし、以降も改善されることがなく、受け手(作業者)にとって明らかに害悪でしかないブラックの底辺であるため、心身を消耗する前に、依頼者側の粗悪さを正しく見極め、まともな職場に移ることを視野に入れるべきである。

4.そもそも「過大要求」は「パワハラ」であり、受け手にとってはハイリスク・ノーリターンでしかない

結局、依頼者に理解がなく、力関係を背景に、「無理を強いているつもりはない」と高難度・短納期・低賃金で業務を押し付けてくる職場は、依頼者側にとって都合が良いだけであり、受け手(作業者)は、自身が消耗し潰れるリスクを抱えながら都合良く使われているだけである。

このような時に、真面目で責任感が強い受け手(作業者)であるほど、

「依頼者が『無理を強いているつもりはない』という認識なのだから、自分も依頼者に応えられるくらいのスキルレベルになっておく必要がある。自分の成長のために頑張ってやりきるべきだ。」

と、(無理を強いている)依頼者の感覚を合わせ、「無理」を「無理」と思わないレベルになろうとする。これは全ての場合に当てはまるわけではないが、場合によっては大変危険だ。メンタルトラブルの被害に遭った人ならわかるはずだ。一方、依頼者と受け手の間において、完成レベルのイメージが合ってないなら、合わせておく必要がある。

それでも、「無理」だと思うようであれば、自分の感覚を信用すべきだ。「無理」な要求を断り、過重労働を未然に防止するのは大切なことなのだが、これを妨害し、尚且つ

  • 「無理を強いているつもりはない」
  • 「大した作業ではない」
  • 「これくらいは出来て当然だ」

と「無理」を正当化し、洗脳してくるような依頼者は、ブラックの底辺と見抜くべきだ。

パワハラ」の定義や類型については別記事を参照いただきたいが、「過大要求」は「パワハラ」の6類型の一つである。程度によって「パワハラ」かかどうかの議論が分かれるところだ。しかし、本質的な部分に触れると、組織というのは個人個人が最大限のパフォーマンスを発揮し成果を出すことが求められているにも関わらず、個人を疲弊させることによって生産性を下げることで、これが出来ていないわけであるから、「パワハラ」に当たらなかったとしても十分問題なのである。
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結局、依頼者が「無理を強いているつもりはない」とは言いつつも、受け手(作業者)に無理が祟り、メンタルトラブルにより心身を壊し、再起不能になれば、依頼側やマネジメント側の責任なのだが、被害を受けるのは受け手(作業者)である。

受け手(作業者)にとっては、ハイリスク・ノーリターンでしかなく、その職場に居てあげる価値がないため、断るなり、やめるなりして、まともな職場を探すべきである。間違っても、「自分の成長のため」と考えて耐え続けてはいけない。「自分の成長のため」の努力は必要だが、それ以前に「自分を犠牲にしないため」に、「粗悪さ」を正しく見抜くことだ。「粗悪さ」を正しく見抜くことも「セルフマネジメント」の一つだ。その能力を高める必要がある。
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いざというとき、転職、副業等出来るよう、普段からの準備も大切だ。ブラック企業を淘汰させるためにも。



企業は長時間労働是正の取り組みを対外的に堂々とアピールし、労働者はそのような企業を選ぶべきだ!

企業に就職するとき、新卒でも転職でも、就職先企業がどれくらい残業があるのか、気になる人は多いのではないだろうか?

また、長時間労働が常態化していること自体異常なのだが、これを改善しようとしているのか、改善にむけてどのような取り組みをしているのかも気になるところだろう。

この記事では、企業が長時間労働是正の取り組みを対外的に堂々とアピールすべきであり、労働者や求職者もこうした企業を選ぶべきであることをお伝えしたい。これが出来ればブラック企業は自然と消滅するからだ。

目次


1.転職サイトによる求人情報で残業0への取り組みをアピールする

下記の内容は、ある転職サイトによる求人情報の抜粋である。

  • 残業全社平均0を目指す残業文化のない組織です
  • 量産ではなく先行的な要素技術開発/上流工程メイン
  • 残業文化のない組織 以下、求人詳細です。
  • 企業名:(非公開)
  • 職種名:ソフトウェア開発
  • 想定年収:(非公開)
  • 残業手当:有
  • 標準的な勤務時間帯:9:00~18:00
  • 休憩時間:60分
  • 時間外労働:有
  • 平均残業時間:30~40h/月(※全社として残業時間0時間に向けて活動中のため今後残業時間は減る可能性有

月平均残業時間が30~40hといえば、ブラック企業の日常や過労死基準と比較すると少ないのだが、まともな企業にしてはやや多いイメージがある。特に、仕事とプライベートのバランスを重視する傾向にある若者世代では、残業が少ない企業を選びたいと思うだろう。

この求人が良心的なのは、今現在は30~40h/月という実態を明示した上で、これから残業0に向けて取り組んでいくことを明言している点である。普通ならば、都合が悪いことは隠蔽したり、ポジティブな表現に置き換えたりするケースが少なくないのだが、この求人は都合の悪い現状とこれから改善していく意向を示しており、誠実さを感じる。

ただ、そうはいっても正直月平均残業時間が30~40hというと応募するには少し躊躇するだろう。

応募するならば、下記の点について応募者が面接で質問するなどして確認すればよいだろう。

  • 「なぜ、ここまで残業が常態化しているのか」
  • 「残業を0にするための具体的な取り組みはどのようなものか」

企業が求人でアピールしている内容について、応募者が興味を持つと、企業側としてもうれしい限りであろう。

上記のような前向きな求人、更に優良なと巡り合うためにも、転職サイトに複数登録し、求人をウォッチしておくことをお勧めする。









2.「働き方改革」関連セミナーでのアピールする

働き方改革」関連のセミナーが、全国様々な箇所で行われている。コロナ禍になってからは、WEBで行うようにもなった。

このようなセミナーで、長時間労働の是正や働き方改革の取り組みをしている企業が「モデルケース」「取り組み事例」として登壇し、講演している企業も狙い目である。

セミナー等で自社の取り組みを対外的に公表し、他社の事例をインプットし、互いに刺激を受けて良い影響を及ぼすのは良いことだ。

IT業界の働き方については、下記のサイトがあり、情報発信、セミナー(資料もアップされている)が行われている。
www.mhlw.go.jp

完全に残業が0にならなくても、取り組みの過程を社外に公表している時点で、世間からも注目を浴び、良い方向へ向かっていると考えて良い。

私は上記のセミナーで取り組み事例を拝聴した企業に、セミナーから数年後のある技術展でお目にかかり、

「御社は○○年の○○で実施された働き方改革セミナーで登壇され、貴重なご講演を拝聴させていただきました。」

等と伝えたことがある。技術展では名刺交換のみに終わり、それ以上取引等進展することは無かったが、その企業にとしても対外的な情報発信がプラスに作用したと感じたことであろう。

3.ホームページ等のメディアでアピールする

夕方に行う朝礼「夕礼」をきっかけに、その副産物として産業をしなくなったという例がある。
president.jp

この内容の話は、ホームページのみならず私はニュースでも見たことがある。

長時間労働是正の取り組みが、このようなメディアで紹介されるのは、企業にとっても良いアピールになるし、労働者側にとっても他社の優良事例や世間の流れをインプットでき自社の改善に繋げられるという意味で、双方にとって効果が大きい。

「夕礼」は私自身もプロジェクトの進捗管理に取り入れたことがある。残業は減らないが、それ以外のメリットもあり、継続して取り組んでいく。
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また、ニュースや公的なメディアの身に限らず、企業のホームページで長時間労働を是正する取り組みをアピールしている例もある。

株式会社アクシアがその例である。ここまで「残業0」をアピールしている、そして実践しているIT企業は、少数派ではないだろうか。
axia.co.jp
axia.co.jp
axia.co.jp

4.長時間労働是正のアピールをしない企業は人手不足の時代の中、ますます勝ち目がない!

ご存知の通り、「長時間労働は美徳」という昭和の頃の価値観は通用しなくなった。これだけでなく、改善したい意向はあっても改善が進んでいない企業、「顧客第一」としながら従業員に無理を強いている企業には、今後応募者は減っていくだろうし、労働人口が減少している人手不足の時代においてこの傾向は加速していくだろう。

改善が進んでいない企業ほど、

  • 「他社と比べられると困る」
  • 「ウチはウチ、ヨソはヨソ」
  • 「ウチは特殊だ!」
  • 「ヨソは知らんが、ウチではこうだ!」

と言い訳をして、なかなか是正に取り組まないものだ。

長時間労働是正に向けた取り組みを対外的に行っている企業は、世間からも着目され認知されることで、改善を継続的に進めていくことになるし、他社も先行企業の後を追う形となり、労働者がそのような企業へ移り、ブラック企業が無くなることを願っている。

そのためにもより多くの企業が長時間労働是正に取り組み、その状況を対外的に発信し、世間一般の人達がこれらの情報をキャッチしていかなければならない。

最後に、労働者側が長時間労働をはじめとするブラックな状況を見抜くために有効な記事を紹介するので、こちらもお読みいただきたい。

まず、本記事で述べている内容と逆のケースがこれだと考えている。
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あと、都合の悪いことは隠蔽したり、ブラック企業の求人広告に見られるようなネガティブな実態をポジティブに言い換えているケースがあるので、注意が必要だ。
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パワハラ事例解説(23) - 残業代の上限超過分の請求を禁止する違法行為の強要

このシリーズの記事では、パワハラの定義と類型、私の身近に起きたグレーゾーンを含む事例について、定義と類型をもとに解説している。内容によっては考え方や改善策についても述べているので参考にしてほしい。

自分が加害者にならないように注意することをはじめ、被害に遭いそうな場合はいち早く予兆に気付くことが求められる。

目次


【最初に】パワハラの定義と6つの類型

パワハラはご存知の通り「パワーハラスメント」の略であり、権力や地位を利用した嫌がらせという意味である。2001年に株式会社クオレ・シー・キューブによる造語である。ただ、その定義は曖昧で指導との区別が困難である現実を抱えていた。2020年6月にパワハラ防止法が適用され(中小企業は2022年4月より適用)、同時に厚生労働省による定義が明確になった。

パワハラの定義とは、

職場において行われる

  • ①優越的な関係を背景とした言動であって、
  • ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
  • ③労働者の就業環境が害されるものであり、

①から③までの3つの要素を全て満たすものをいう。
なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。

詳しくはこちらを見てほしい。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

続いて、パワハラの6類型(パターン)を項目だけ紹介しておく。

  • (1)身体的な攻撃
  • (2)精神的な攻撃
  • (3)人間関係からの切り離し
  • (4)過大な要求
  • (5)過小な要求
  • (6)個の侵害

詳しくはこちらを見てほしい。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

ニュースで取り上げられているものや、裁判になったものは組織内で解決できなかった手遅れ案件である。また、世間の目も段々厳しくなってきており、損害賠償の相場も数百万単位(被害者が死亡の場合は数千万単位)に上がってきているという情報もある。いくら正論であっても、相手が嫌がるやり方であれば、法律に触れることになる。

ただでさえニュースで見ることが多くなってきているのだが、これらは氷山の一角であり、水面下には程度の大小を問わずさらに多くの案件が潜んでいる。上述の定義や類型を基に、私が実際に見たことがある事例を紹介し、定義や類型を元に解説する。程度や被害の大小は様々である。

  • グレーゾーンであるもの、パワハラと断言できないもの
  • 「こんなのがパワハラになるのか?」というもの
  • 出来事が起きた当時はあまり意識しなかったものの今考えると「あのときのあの出来事はもしかするとパワハラにあたるのでは?自分も加害者にならないように気を付けよう。」と思ったもの

いずれにしても、加害者側に問題があり是正が必要であることは間違いなく言えるので、立場関係なく参考にしていただきたい。その上でパワハラの予兆を見極め、未然防止に繋げることが重要てある。

★関連リンク
o08usyu7231.hatenablog.com
o08usyu7231.hatenablog.com
★事例一覧はこちら↓
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【事例23】残業代の上限超過分の請求を禁止する違法行為の強要

残業時間が月45時間というのは、36協定上の時間であったり、この時間を超えると健康面でのリスクが増加傾向にあると言われることが多い。

私が若い頃、下請けIT企業において、月残業が50時間まで達した月があった。この企業では月に一回、勤怠実績を記入した月報を、各々の社員が組織の所属長に提出することとなっている。

私は、その月の勤怠実績として月50時間分の残業をそのまま月報に入力し、所属長に提出した。すると、所属長から、

「残業は月45時間まで。36協定で決まっている。」

と、月報の修正を求められた。

当時、私は「そんなものか」と思い、月残業を45時間までの計上とし、指示通りに月報を修正し、所属長に再提出した。45時間を超えた分は実質残業代が支払われない。泣き寝入りである。

しかし、既にご存知の通り、残業時間の過小計上は、削減した分の残業代未払いとなり、労働基準法違反である。

所属長としての立場、若手社員(当時の私)に対しての力関係を背景とし(①)、そもそも業務に必要相当な範囲を超えた言動どころか、労働基準法違反という違法行為を強要により(②)、45時間を超えた分の残業代未払いを放置し、若手社員に泣き寝入りをさせることで就労環境を悪化させている(③)ことから、パワハラの定義を満たしている。6類型での分類は困難だが、法令遵守の面で相手に不信感を与えつつ、所属長に従わなければならないという暗に示していることから(2)「精神的な攻撃」に分類されると考えられる。

45時間以上残業をしようが、45時間以上は計上させないという労働基準法違反と、36協定上馴染みのある数字とを絡ませて、分かりにくくしているところが、「ブラック」であるといえる。

また、所属長の言葉による表現と、実際意図しているところが紙一重である。

「残業は月45時間まで。36協定で決まっている。」

この言葉でもって、月残業50時間を記載した月報の修正を求めるということは、

「残業代の請求は月45時間分まで。それ以上は支払いできないし、支払いしてしまうと36協定で決まった時間を超えて残業したことが後からバレてしまうからヤバい。」

ということが言いたかったのだ。社会人経験の浅い若者を騙すためのブラックな手口である。

残業時間には従業員の健康面を考慮して法律や36協定により上限を設けているが、残業代に上限を設けているのは単なる「これ以上支払うと、企業内の財政が・・・」という会社都合である。

この事例では、「残業代の上限を超える分の請求を禁止」する違法の強要であるが、「残業代は出ないが、今日中に残業してでもやれ!」という類いと同じだ。立場や力関係を利用した違法行為の強要はパワハラである。

尚、この企業はある年からは改善され、月残業時間計上の上限は既に撤廃されている。しかし、まだまだ違法状態の企業は少なからずあるため、本例をインプットに少しでも未然防止ができれば幸いだ。

また、本件にかかわらず、企業の不正やネガティブな兆候を見抜くことができるよう、下記記事を参考にインプットしていただきたい。不正や違法行為を行う企業は淘汰され、正しく誠実な人たちが報われる社会になってほしいとと願っている。
o08usyu7231.hatenablog.com
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【最後に】パワハラにおける考え方・まとめ

パワハラは加害者が未熟であることによって発生する。パワハラに関して被害者には非はない。被害者に改めるべき部分があると思えば、改めることは素晴らしいことである。しかし、パワハラを受けたことに対する責任まで取る必要はない

一方、パワハラ加害者は重い軽いいずれにしてもそれなりの処分と教育を受け、更正してほしい。パワハラの加害者を絶対に昇格させてはいけない。降格するくらいを当たり前にしてほしい。

パワハラ加害者となる可能性が高いリーダー、管理職には、パワハラの重大さを知ったうえで、チーム・組織で成果を最大化するために必要なことを学んでほしい。私は様々なリーダー、管理職を見てきた。技術や能力が高いベテラン社員はある程度いる。しかし、いくら能力が高くてもパワハラ気質なベテラン社員は、管理職にふさわしくないと判断している。組織のメンバーのパフォーマンスの最大化の妨げとなっているからである。チーム・組織で成果を最大化するためにパワハラはいらない。



そして被害者はパワハラを受けた状況にもかかわらず業務において一定のアウトプットを出しているなら、優秀な人材であると考えて良さそうだ。

パワハラがいけないことであるということは皆知っている。しかし、何がパワハラに当たるか、パワハラが発生したときにどのような影響が出るかを理解していないのではないだろうか。パワハラに関する研修や教育は行われているが、最悪命に関わるということを教えていないのではないだろうか。

本来被害者側に要求しなければならないことは社会的に非常に残念ではあり、理不尽ではあるが、パワハラ被害に遭う前から、転職、起業、フリーランス、副業など準備を進めておくことが、被害者個人でできる対策だろう。それくらい日本のハラスメント対策は国際的に見ても遅れている。









「セルフマネジメント」は企業が都合良く悪用可能な言葉!搾取することもされることも避けるべきだ!

「セルフマネジメント」という言葉を聞いたことのあるビジネスパーソンは多いだろう。

「セルフマネジメント」とは、「目標達成や自己実現のために、自分自身を律し管理すること」と説明されている。その本質は、限られたリソースの最大限の活用、自身の能力を最大限発揮しパフォーマンスを上げることにある。管理の対象は、仕事のタスクや時間、感情、精神的・肉体的な健康の維持など、多岐に渡る。

しかし、この「セルフマネジメント」という言葉は企業側にとって都合良く悪用できてしまうので、不当に搾取されることの無いようにしたいところである。

この記事では、ソフトウェア開発において仕事の忙しさ故、どうしてもミスが発生し、ソフトウェア品質を確保できない場面において、「セルフマネジメント」の大切さを発信したい管理職の意向と、ソフトウェア品質を例にその「セルフマネジメント」が都合良く悪用できてしまう懸念について述べたいと思う。

ソフトウェア開発に限らず、あらゆる仕事に言えることであるため、謙虚さを持ちつつも悪用や搾取による労働トラブルの被害を回避する観点で読んでいただきたい。

目次

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1.仕事の忙しさに伴ってミスが増えるのは当然のこと

ソフトウェアエンジニアに限らず、人間誰でもミスをするものである。しかも、コンディションが悪いときや、半端なく忙しいし状態になり、過重労働となってしまうとミスが増えてくるのは当たり前のことである。

ソフトウェアエンジニアであれば、過重労働に巻き込まれ、心身が疲弊し、精神が消耗し、不本意にもソフトウェア不具合を流出させてしまった人もいるだろう。ソフトウェア不具合はご存知の通り、市場に対して多大な迷惑を掛けることになる。だから、ソフトウェア不具合を出した当事者としてもとても辛い。

一方、当事者がしっかりしていれば、ソフトウェア不具合に至ることはなかったということは少なからずある。ソフトウェア不具合を出した当事者は、自身の至らなさを気にかけるも、自らの心を守るために「忙しかったから」という言い訳をする。実際、「忙しかった」のは事実だろう。過重労働やデスマーチが当たり前の状況で、まともなソフトウェア開発などできるわけない。

ソフトウェア開発は知的業務である。頭が疲れるとミスが起きやすくなり、その結果ソフトウェア品質の低下に直結する。人間は朝起きて13時間以上経過すれば、酒酔い運転と同等程度の作業効率の低下に至ることが医学的に証明されている。劣悪な労働環境がソフトウェア品質低下を招くのは、紛れもない事実である。

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2.多くの管理職は「言い訳」を批判し「セルフマネジメント」の重要性を訴える

しかし、上述のようなことをわかっていたとしても、多くの管理職はソフトウェア不具合を発生・流出させた当事者の「言い訳」に対して批判的である。

  • 「忙しかったから」を言い訳にしてはいけない。
  • 言い訳をしている人は成長しない。
  • 忙しくない状態であれば、誰でも丁寧に仕事ができる。
  • 忙しくならないように「セルフマネジメント」を行うべきだ。
  • 仕事する上ではどうしても自らがコントロールできない部分がある。
  • 忙しい状況になることは想定しておかなければいけない。
  • 忙しい時ほど、丁寧に仕事をしなければならない。
  • 心に余裕がない時ほど、その人の本質が出てくるのだ。
  • 常日頃からスキルアップに励むべきだ。

一見正しそうに見える。「忙しさの程度」によっては正しいのだろう。

管理職としては各々のソフトウェアエンジニアに成長してほしいという意図が込められている。また、自分自身がそのようにあるべきと、自分を律する意味でこのようなマインドを持っている人もいるだろう。

ここで、「セルフマネジメント」という言葉が出現している。「セルフマネジメント」の意味は、この記事の冒頭に記載している。まさに、忙しい中でも自分自身を律し、目標実現に向けて自分で自分を管理し、成長へ繋げてほしいという意図を、管理職はソフトウェアエンジニアに対して持ち続けているのである。

ここまでは、管理職が「言い訳」を批判し「セルフマネジメント」の重要性を訴える一般的で表向きの話だ。

3.劣悪な労働環境を放置し「セルフマネジメント」と称して労働者個人に負担を強いる現実

しかし、「セルフマネジメント」の重要性の訴えは、建前である場合や、管理職や企業にとって都合の良い場合がある。

  • 「忙しいときこそ、丁寧に仕事をせよ!」
  • 「心に余裕を持て!」
  • 「忙しさに揉まれることは、ある意味チャレンジだ!」
  • 「他責思考ではなく、自責思考だ!」
  • 「しっかりと自分と向き合え!」

言うだけなら簡単だ。従業員を酷使するだけのブラック企業の管理職でもできる。

実行するのは難しい。また、これができるか否かは、前述したように「忙しさの程度」によるものだ。

現実には、「忙しい」どころではなく、労働者個人の犠牲の上に業務が成り立っているケースが少なくない。劣悪な労働環境にある組織が、組織として何も是正しなければ、労働者個人個人がそのしわ寄せを受けることとなる。そして、しわ寄せを受けた労働者が過負荷な業務をこなせなければ、その結果のみを吊るし上げ、「セルフマネジメント」ができていないと見なされる。これは、「セルフマネジメント」が重要だ!と称して、劣悪な労働環境に対する是正措置を怠る組織・管理者側の「粗悪さ」である。更に、労働者がこのような現実を訴えれば、怠慢な組織の上層部はこれを「言い訳」「他責思考」などと叩く。

ソフトウェア開発においても同じだ。エンジニアの待遇に見合わないハイレベルなアウトプットを求め、過重労働が当たり前となり、そのような劣悪な環境のしわ寄せをエンジニア個人に押し付け、業務遂行不可能なことでも単に「忙しい」程度の表現に矮小化し、それでも品質や納期に問題出れば、徹底的にエンジニアを叩く。エンジニアに対して「もっと『セルフマネジメント』をしっかりすべきだ!」と、口には出さずともそのようなマインドを持っているなど、「セルフマネジメント」と称して都合よくエンジニアに責任をなすりつける現実がある。

企業や人にもよるが、日本の企業の管理職の中には、自分たちのマネジメント力の無さや無計画さを労働者になすりつけて、それをこなせないことを「甘え」などと批判したりする傾向が見受けられる。過重労働が常態化し、労働者個人個人の疲労が溜まり、効率を落としたりミスを増やしたりして余計な時間がかかり、労働者がパワーダウンさせられている状態は、間違い無く企業側の問題だ。

劣悪な労働環境によるしわ寄せを労働者になすりつけることを「セルフマネジメント」と言うべきではない。経営陣や管理職は、このことをしっかり認識しておくべきだ。

このように「セルフマネジメント」を企業にとって都合良く悪用し、労働者を搾取していないかという観点は、労働者にとって、経営陣や管理職の質を見極めるチェックポイントなのだ。
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4.労働者にとっては労働トラブルから身を守ることも「セルフマネジメント」だ

劣悪な労働環境を、労働者個人で解決することは難しい。組織で解決すべきだ。しかし、それすらもまともにできていない組織は少なくない。だから、日本の企業から過重労働がなくならないし、ブラック企業もなくならない。

ブラック企業の管理職が労働者に対して「セルフマネジメント」を押し付けてくるのは、

  • 「忙しい中でも、丁寧に仕事をこなしてほしい。」
  • 「忙しい中でも、会社のために貢献できる人材になってほしい。」
  • 「ネガティブな出来事に対して忙しいことを理由にしないでほしい。」

といった感じで、押し付ける側の人間や企業にとって都合の良いことばかりである。

「セルフマネジメント」を労働者に押し付けるならば、労働者側の解釈を変えればよい。

労働者にとっては労働トラブルから身を守ることも「セルフマネジメント」だ。具体的には労働者が、自分自身の心身の健康状態を管理し、劣悪な労働環境を「自分の甘え」ではなく、自身でコントロールできない領域の問題、即ち「前段の粗悪さ」を正しく見抜き、心身を消耗し壊す前にまともな労働環境に移ること、及び普段からその準備をしておくことだ。








「セルフマネジメント」という言葉を使って、搾取される労働者が悪いとは言わない。搾取する企業が悪いのは確かだ。しかし、労働者側でも対策は可能だ。

日本からブラック企業がなくならない原因の1つに、「(そのブラック企業で)働き続ける従業員が居るから」ということを、専門家が指摘している。従業員がブラック企業を辞めれば、ブラック企業であっても存続することができない。労働者が会社を辞めることは最強の武器なのである。でも、この武器を使えない労働者が少なくない。武器を使うには準備が必要だ。その準備を含めて真の「セルフマネジメント」が求められる。優秀な人材が、劣悪な企業に見切りをつけて辞めていくのは、「セルフマネジメント」ができている証拠だ。更に私自身、真の「セルフマネジメント」の結果、下請けを中心としたIT企業から大手メーカーへ転職した経験のある人間だ。
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冒頭で「セルフマネジメント」とは、「目標達成や自己実現のために、自分自身を律し管理すること」と説明した。転職・独立・環境改善が「目標達成や自己実現」であるならば、それに向けて必要な知見を習得し、自分自身をしっかり管理することだ。会社目線の「セルフマネジメント」ではなく、社会目線の「セルフマネジメント」を心掛けていこう。
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「会社を辞める権利」は労働者が持つ最強の武器である

一昔前は、「会社を辞める」というとネガティブなことのように聞こえていた。上司や会社についていけずレールから脱落する、そのような姿をイメージする人が多かったのではないだろうか?

会社に忠誠を誓い、理不尽に耐え、上司を選べず、・・・、窮屈な思いをしながらもついていけば見返りがあった。大勢の人がそのようにしていた。

しかし、時代は変わり、今はそのようなことはなくなってしまった。

転職が当たり前となり、副業・フリーランス等、働き方の多様化が進んでいる。「会社を辞める」ことをポジティブに捉えたのが、この記事のタイトルだ。

この記事では「会社を辞める」ことをポジティブに捉えた考え方と、周到な準備が必要であることをお伝えしようと思う。

目次

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1.労働者は上司を選べない

私は昔、下請けを中心としたIT企業に勤めていたころ、説教好きな管理職から

「上司は選べないからね!」

と言われたことがある。

もう、今から10年以上前の話だ。

当時は「だから何?」と思った。今も変わらない。

この管理職は何が言いたかったのだろうか?

続きを色々推測してみる。

  • 「上司の言うことには従え!」
  • 「会社でうまくやっていくためには、上司とうまくやっていくことだ!」
  • 「そのためには、多少の理不尽にも耐えるべきだ!」
  • 「自分がどうしたいかではなく、会社・上司の方針のもと何ができるかだ!」
  • 「与えられた環境でうまくやっていくのが美徳だ!」
  • 「会社・組織とはそういうものだ!」
  • (特にそれ以上深い意味は無い。)

未だにわからない。

忠誠心を求めたかったのだろうか?

洗脳したかっただけなのだろうか?

昭和の高度成長期は、それで良かったのかもしれない。決められたレールの上をひたすら走り、脱落せずに耐え抜いたものに見返りがあるのであれば、全面的にとはいかないが、ある程度当てはまっていたのだろう。

残念ながら会社には理不尽なことが少なからずある。未熟な上司、時代遅れの上司も実際にいる。でも、会社にいる限りこれに従わなければならないと言われている。

はっきり言って、正しいか否かよりも、力関係による影響を受ける。「優秀かどうか」よりも「会社にとって都合が良いか」どうかが会社生活においては鍵となる。

「労働者が上司を選べない」ことは今も変わりないのだが、ご存知の通り労働事情は大きく変わった。

2.労働者は会社を選べる

上述の管理職から言われた言葉に対して、私は思った。

「でも、会社は選べる!」

その通り、新卒でも中途でも、労働者は会社を選べる。

上司は選べないが、上司を変えたければ、会社を変えれば良い。

しかし、「簡単に言うな!」と言われることが目に見えている。

現実には会社勤めをしたことのない新卒には、会社の内情などわからない。就職活動だけでは、会社の全容などわからない。

中途採用にしても、転職するにはかなりの勇気がいる。若いうちは良いが、日本の場合(諸説あるが)年齢を重ねるほど不利になると言われている。

私自身も含めて、言うのは簡単だが、行動には勇気がいる。

でも、上司・上層部・会社に人生の全てを尽くす必要はない。終身雇用はもうとっくに終わっている。

3.労働者は会社を辞めることができる

一度選んだ会社に入っても、労働者は辞めることがてきる。

法律上の話では、大前提として、期間の定めのない雇用の解約、つまり正社員が会社を退職することは自由にできる。

民法第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

会社には組織として活動していくため、就業規則をはじめとする「ルール」があるが、「会社を辞めてはいけない」というルールはない

ただ、業務の引き継ぎ等を考慮して、「退職1ヶ月前までには申し出ること」と就業規則で定めているところが多いので、基本はこれに従うのが良いだろう。

会社にいれば組織である以上、色々と従わなければならないことがある。しかし、個人の不利益が大きすぎる理不尽、社会(コンプライアンス)的に不適切なことまで従うことは、傾いていく会社と一緒に自分も傾いていくということである。

どんなに会社内で力関係が弱くても、いくらブラック労働に巻き込まれても、理不尽な出来事を受け入れてなければならなくても、いくら会社内で偉くなっても、その会社内の話でしかない。会社を辞めればそのようなことは一切関係ない。

近年は転職が当たり前になり人材の流動性が高まってきた、副業・フリーランス等働き方が多様になってきた、人手不足で会社としても人材獲得が困難になってきた、組織よりも個人を重視するようになってきた、コンプライアンスを重要視され組織に対する世間の目がますます厳しくなった。

労働者が会社を辞めることができるのは、労働者にとって最強の武器である。会社内のあらゆる制約・関係性から解放され、リセットすることができるのである。ほかの会社に移っても、また同じような結果になるという意見もあるが、未来のことはわからない。現時点、自分が会社を辞めたいと思っている原因が会社にあるならば、自分自身が消耗し、潰れる前に辞めた方が良いのではないか。

会社が引き留めようとも、辞めることができる。これまで散々組織内の力関係を元にして労働者に強気に接していた上司でも、力関係が逆転することさえある。ブラック企業でさえ、労働者がいなくなれば事業継続できない。人手不足の時代、人材流出は企業にとっては大きなダメージだ。

私は新卒で入社したとき、まだまだ「会社を辞める」ことや「転職」をリスクと考え、できれば一社に居続けようとしていた。そのうち長年が経過し、様々な理由から、会社に居続けることの方が多大なリスクとなった。私は下請け中心のIT企業を辞め、大手メーカーに転職し、状況が大幅に改善した経験がある。
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また、「会社を辞める」ということは、「他のことに注力する」「他の仕事に興味を持つ」「現在の状況をより改善する」ということでもあることを考えれば、冒頭に述べたネガティブなイメージから、ポジティブなイメージへ転換できるだろう。
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4.現実的に労働者が会社を辞めるには周到な準備が必要

しかし、現実には辞めることができない労働者が多い。最強の武器でありながら、その武器を使えない労働者がまだまだ多いし、その武器を使うにはハードルが高すぎる。その理由はいくつか考えられる。

  • 会社を辞めることよりも、会社を辞めた先の生活に不安がある。
  • 他の会社に移っても、また同じことが起きるであろうと想像してしまう。
  • 少しくらいのことなら我慢しようとする。
  • 「一度やると決めたら、途中で諦めたり、やめたりすることはいけないことだ!」という幼少期からの教育の賜物。
  • 「せっかく苦労して会社に入ったのだから、簡単に辞めるべきではない!」という旧態依然の日本的風潮。

このような我慢の先には、更に悪化するケースが少なくなく、会社に居続け、会社に酷使され、心身の健康面を損ない、再起不能になり、最悪の場合過労死や過労自殺まで起きている。

過労死は英語で表現しても"KAROSHI"である。これは日本にしかない概念であり、外国人から見ればあり得ないことの象徴である。第3者から見れば「過労死や過労自殺するぐらいなら、会社を辞めればいいのに!」と思うだろうが、当事者からすればそれすらも実行できないほど判断力が低下してしまっているのかも知れない。なので、心身が正常なうちから準備をしておき、異変に早く気付くことの重要性を、全ての労働者に申し上げたい。

また、労働者個人でなく社会的な観点から見ると、労働者が会社を辞めないことでブラック企業が生き永らえたり、ブラックとまではいかなくても会社に内在する問題・悪い体質が放置され、従業員が辞めないことに漬け込んで、ますます体質が悪化することがまかり通る等、生産性が低下し、社会的な害悪にもなり、国力を奪う結果にまでなる。

労働者最大の武器を活かすには、計画的で周到な準備が必要だ。転職、フリーランス、副業、起業、手段はいくつかある。スキルや実績は必要だが、まずは転職サイト等に登録するところと、世間の労働事情、各個人が自身の興味がある業界に関する情報収集からはじめようではないか。それぞれの人の行動が、未来を変える。








「ソフトウェア・ファースト」はソフトウェアを中心とした事業活動のこと!正しく使うべきだ!

「ソフトウェア・ファースト」という言葉や考え方が広まりつつある。海外では当たり前なのだが、日本ではようやくといった感じである。歴史的背景から製造業が強い日本は、モノやハードウェア中心の考え方がこれまで主流とされてきた。しかし、今後はソフトウェアが主流となる。製品の価値を生み出すのはソフトウェアである。

ただ、現実には「ソフトウェア・ファースト」という言葉だけが独り歩きし、正しい使い方がされていないのではないかと見受けられる場面があった。正しく使うべきだという意図を込めて、その実態を書こうと思う。

目次


1.企業の競争力を左右するのはソフトウェアだ!

「ソフトウェア・ファースト」とは、「ソフトウェア活用をベースに事業を構築」することである。及川卓也氏が書籍を出版している。

トヨタが公表している「ソフトウェア・ファースト」の考え方も、下記リンクに示しておく。
monoist.atmarkit.co.jp
monoist.atmarkit.co.jp

ポイントはここ。
「フルモデルチェンジはハードウェアが大きく変わるタイミングに、マイナーチェンジはソフトウェアの更新によってそのままのハードウェアで新しい機能や価値を提供する機会になっていく」

ソフトウェアにより機能や価値を提供していくことを、企業として発信している点が特徴である。ソフトウェアエンジニアが死ぬ気で頑張ったからといって実現するものではない。ソフトウェアエンジニア以外の人たちも含め、全員が同じ方向へ向かって進む必要がある。

ソフトウェアは事業やプロダクト開発を進めていく一つの手段でありながら、既存の産業構造や製品・サービスのあり方を根底から覆すような破壊力を持っているのだ。ソフトウェアが企業の競争力を左右するといっても過言ではない。ソフトウェア・ファーストにおいては、ソフトウェアの特徴や可能性、限界を理解して、ソフトウェアをプロダクト開発や事業開発に活用していく姿勢が重要だ。また、ソフトウェア技術を理解して事業に活用できる人材と、そうした人材が活躍できる組織体制づくりも欠かせない。
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2.ソフトウェアエンジニアには高いスキルが必要だが、労働環境は劣悪であることが多い

ソフトウェアは抽象的で目に見えないものであり、馴染みのない人にとってはなかなか理解されにくい。一方、システム・製品の頭脳のような位置づけであり、サービスの可能性を大きく広げるものである。ソフトウェアエンジニアは、プログラミング言語の専門知識、設計技術・開発プロセスに関する知識、顧客との折衝・要求獲得等、広い分野にわたり高いスキルが求められる。これについては、おそらくどの企業でも入社すれば叩き込まれるマインドだろう。

また、日本のIT業界、ソフトウェア開発においては、下記のような外的要因や企業風土により、ソフトウェアエンジニアの犠牲の上に成り立っていることが多いのである。

  • 発注元との力関係を背景とした無理な納期の要請
  • 競争が背景にあることから開発途中の機能追加
  • 納期厳守という過重な圧力
  • 発注側の無知

この犠牲が表面化すると、スケジュール遅延、品質問題のみならず、長時間労働パワハラといった労働問題にまで至り、最悪の場合被害を受けたエンジニアが再起不能となり、開発リソースが削られる。
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更に業界構造の問題もある。多重下請け構造はその典型である他、大手メーカーでの製品開発においても、

「企画部門」・「品質保証部門」>「製品開発部門」>「電子系機器開発部門」>「ソフトウェア開発部門」

のような力関係が出来上がり、「ソフトウェア開発部門」がしわ寄せを受けるケースがある。
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しかも、ソフトウェアエンジニア自身やソフトウェアエンジニアを抱える企業の経営陣・管理職が、ソフトウェアエンジニアを取り巻く労働問題を理解していないことが多く、会社内で教えられることはない。

ソフトウェアエンジニアが疲弊している状況に対して弱音を吐くと、昭和体質の上層部はこれを「甘え」「やる気がない」と捉えて黙らせる傾向がある。

更に、ソフトウェアエンジニア自身も昭和体質の根性論を叩き込まれ、洗脳され、正論を言えない企業体質へと化し、「業界では当たり前」「社会人なら当たり前」と間違ったマインドを持ち続けるケースがある。また、「内容は正しいのだが、現実は・・・」などと、事実上受け入れてしまっているケースもある。

いずれにしても、まともな人間が退職していき、企業に都合の良い「会社目線」の人間だけが残る。そして、おかしなことがまかり通り、それを維持するために「ブラック」になる。

歴史的な背景としては、日本は高度成長期に製造業が強く、経済を発展させてきた。この成功体験から抜け出すことができず、近年でもモノ、ハードウェア中心の製品開発であり、IT・ソフトウェアはそのためのツール・おまけ程度のものとして軽視されてきた。ここが日本と海外の大きな違いであり、専門家を中心に指摘されているところである。日本においてソフトウェアエンジニアの地位が低く、求められる能力の割に待遇やリターンが見合ってない原因がここにあるのではないかと感じている。

ソフトウエアエンジニアを取り巻く労働環境の劣悪度合いは、企業によって大小はあるものの、一般的に日本はこのような傾向にあることが多い。

3.「ソフトウェア・ファースト」と称してソフトウェアエンジニアにさらに追い打ちをかける現実

冒頭で説明した「ソフトウェア・ファースト」だが、ソフトウェアエンジニアを取り巻く労働環境が上述の通りであるなか、「ソフトウェア・ファースト」の言葉だけが独り歩きして、間違った使い方がされているのではないかと感じた一面がある。

それは、「ソフトウェア・ファースト」の言葉が飛び交い始めた企業内のソフトウェア開発部門における方針で表れている。

  • 各々の技術者のスキルアップによる成長
  • ソフトウェア開発部門のメンバーによる積極的な前行程への参画
  • ソフトウェア設計・プログラミングのみならず、システム・仕様提案へのシフト
  • ステークホルダーとの繋がり強化と、ソフトウェア開発部門が中心・主役となる製品開発へ
  • 業務効率化の更なる推進

前述したようにソフトウェアエンジニアには高いスキルが必要であり、上述の方針の内容自体は、何一つ間違っていない。しかし、これを実現できるだけの良好な労働環境や、求めるレベルに見合う十分な報酬が必要なのだが、ここが見落とされることが多く、「前段」が考慮されないまま、期待や要求が先行する。

また、ここで意識しなければならないのは、これらの取り組み自体が「ソフトウェア・ファースト」ではない。従来から行っている、ソフトウェアエンジニア個人、あるいはソフトウェア開発部門が、長年継続して行っている取り組みに加え、ソフトウェアエンジニアに対するハードルを上げているだけに過ぎない。

後述するが、「ソフトウェア・ファースト」は、ソフトウェアエンジニアのハードルを上げることではない。

ソフトウェアエンジニアが、要件定義、システムの仕様構築、システム・仕様提案等、上流行程へ参画し、設計工程以降の負担を軽減する考え方は、「フロントローディング」である。

フロントローディング」とは、製品開発プロセスの初期工程にリソースを投じ、今まで後工程で行われていた作業を前倒して進めることである。設計部門に負荷をかけるという意味ではないので、注意が必要だ。

時々、ソフトウェアエンジニアがシステム仕様の提案や検討を行い、上流工程を積極的に進めることを「『ソフトウェア・ファースト』ですね!」などと言う人を見かけるが、これは「ソフトウェア・ファースト」ではない。「フロントローディング」である。

フロントローディング」を否定しているわけではない。「フロントローディング」自体は、これはこれでソフトウェアエンジニアが円滑なシステム・ソフトウェア開発を進めていくために、必須で取り組むべきのものである。

日本の製造業が海外と比べて遅れを取っている背景を踏まえ、「ソフトウェア・ファースト」の言葉だけが独り歩きし、ソフトウェアエンジニアを取り巻く労働環境が改善されない中、ソフトウェアエンジニアに対して更に広範囲で高いレベルのスキルを求め続けるとなると、ソフトウェアエンジニアに追い討ちをかけ、苦しめる結果となり、この先ソフトウェアエンジニアのキャリアに希望が持てず、ソフトウェアエンジニアを目指す人が減っていくのではないだろうかと危惧している。ただでさえ、日本の労働人口は減少し、「ソフトウェア」が企業の競争力と言われている時代なのに。

4.「ソフトウェア・ファースト」に対する周囲の理解を加速させる必要がある

「ソフトウェア・ファースト」とはどういうことか、冒頭で述べた通りなのだが、これを実現するには企業ぐるみで取り組んでいかなければならないことである。ソフトウェアエンジニアのスキルアップをはじめ、ソフトウェア開発部門でやるべきことはあるのだが、そこに終始してはいけない。

日本の場合ただでさえ、ソフトウェアエンジニアの労働環境は悪いケースが多い。製品開発上後工程になり、企画、仕様検討等前行程の遅れによるしわ寄せを受けやすく、「顧客のほうが偉い」「要求元の方が立場が上」等といった間違った常識がまかり通り、同調圧力によって「和」を尊重する風潮が、労働環境の悪化に繋がりやすい。

モノ、ハードウェア中心の製品開発は過去のものであり、現在においてソフトウェア軽視の体質では、まともな開発はできないし、競争に勝てない。

ソフトウェアエンジニアよりも、ソフトウェアエンジニア以外の人が、こうしたソフトウェアエンジニアの実態と、「ソフトウェア・ファースト」の重要性を理解しなければならない。経営陣や管理職は尚更である。

「ソフトウェア・ファースト」の言葉が独り歩きして、ソフトウェアエンジニアに負担を強いるのではなく、企業全体で「ソフトウェア・ファースト」とは何かを共有し、企業全体で取り組んでいかなければならない。「ソフトウェア・ファースト」を意識した各企業は、ソフトウェアエンジニアの採用に積極的である。

「ソフトウェアはハードウェアのおまけ程度のもの」ではなく、「ソフトウェアが製品・サービスの価値を提供する」。このマインドがあれば「ソフトウェアは安く下請け」「ソフトウェアエンジニアはもっと頑張れ!」などと、破綻した考え方は消滅すると思っている。

ソフトウェアエンジニアが高いパフォーマンスを発揮するには、ハードルを上げるだけでなく、

  • 良好な労働環境
  • 充分な報酬
  • 周囲の理解

はセットで必要だ。
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そのためにできることは、まずこのような情報を広く発信し、一般の人達が知ることである。医師をはじめとする医療機関のスタッフの懸命な対応によって我々が救われてる一方、スタッフが激務によって疲弊している状況も、ニュースや特集等で報道されるから、我々一般人が実態を知ることになるのである。
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ソフトウェアエンジニアも同じだ。ソフトウェアの重要性を知り、ソフトウェアエンジニアの苦労を知る。経営陣、管理職をはじめ、ソフトウェアエンジニア以外の人がこれに取り組まなければならない。企画・開発の前行程のしわ寄せを、ソフトウェアエンジニアに押し付けるのはもってのほかであることを理解しておくべきなのである。
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ここまでを見れば、ソフトウェアエンジニアを重視する内容ばかりが書かれていると、お思いになるだろう。ソフトウェアエンジニア以外にも、企画、製品開発、ハードウェア開発、システム評価、検査部門、製造部門、品質保証部門他、皆それぞれに苦労しているよと言いたくなるだろう。まさにその思いは重々理解しており、苦労していることや、組織・業界構造上の問題あるならば、同じように情報発信すべきである。IT業界でいうところの多重下請け構造等は、まさに構造の問題なので、他の業界でもこのような問題は発信され、広く知られるべきである。解決できるかどうか以前に、まず知ることだ。

ソフトウェアエンジニアの苦労や、業界構造や体質上の問題など講演する場があれば、是非ともしたいものだ。それ以前に、このブログでも広めていく。

最後に、転職するなら「ソフトウェア・ファースト」を正しく理解し、企業全体で取り組んでいる企業を選ぶべきだ。









残業時間・残業代に関する違法・グレー状態からの改善と、見抜くべきポイント

私はソフトウェアエンジニアとして、新卒で【下請けIT企業】に就職し、その後【大手メーカー】へ転職している。その中で残業時間や残業代に関して、遭遇してきたことを書いていこうと思う。

違法性の有無を含め、あなたの勤務している会社が怪しいと思ったら、この記事を参考にしていただき、今後どのようにアクションするか検討していただきたい。

昔、私が勤務していた【下請けIT企業】は、違法もしくはグレー状態から、改善した部分もあれば、グレー状態が残ったままの部分もある一方、私自身も知識が無く、違和感を持っても

  • 「会社に指摘するのは申し訳ない」
  • 「周りの社員も同じなので足並みを揃えなければいけない」

という思いであった。

また、【大手メーカー】に転職してからわかったこともあり、私の知識もアップデートしているので、そのことも含めこれまでを振り返りながら書いていこうと思う。

目次

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1.【下請けIT企業】残業時間の計上が30分単位(アウト)

この企業では長年に渡り、残業代算出のための残業時間を次の方法で計上している。

  • 定時後、最初の30分は休憩時間扱い。
  • その後1時間経過時点で初めて1時間分が計上される。
  • 以降、30分単位で計上される。
  • 最初の1時間未満、以降の30分未満は切り捨て。

例えば18時が終業なら、19時30分まで残業して初めて1時間分計上される。それ未満は計上されない。

この企業において厳密なケースを考えると、18時終業で、19時29分まで残業した場合でも、残業代はゼロ。1時間29分の残業代が支払われないこととなる。1ヶ月の稼働日を20日とすると、1社員1ヶ月当たり29時間40分相当の残業代が支払われないことになる。

この企業のある管理職は適正な運用であることを次のように謳っている。

「残業代を払わない会社が多くある中で、ウチはちゃんと全額払ってるよ!」

そもそも残業代を払わないこと自体は違法である。しかし、この企業の例のように一見合法に見えるが、上記のような残業代が支払われない抜け穴があり、違法である。合法であるかのように見せかけて、じわじわと労働力を搾取する姑息な方法である。

労働基準法第24条に次の条文がある。

「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」

法律上は、原則として1分単位で残業代を支払わなければならない。つまり、1分単位で残業時間が計上されなければならない。

ただ、割増賃金を1ヶ月単位で計算する際、時間外労働、休日労働、深夜労働のそれぞれの時間の合計に1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数は切り捨てすることは、可能とされている。ただしこれは、給与事務の簡便化のための例外的な措置であり、原則的には1分単位の計算が望ましいとされている。

尚、定時勤務終了から時間外勤務開始まで休憩があること自体は合法である。しかし、この企業のように休憩時間があまりにも長すぎると、かえって不自然であり、残業代を得るよりも早く仕事を終わらせて退社したい従業員が休憩時間に仕事をすることで、この分の残業代の支払いを免れるという、会社側の意向があるようにも見受けられる。

昔の私は、一応残業代は貰えるので、そこまで深く疑わなかったが、企業によっては「15分単位」で計上するところもあると知り、「30分単位」はやや荒いイメージがあった。それでも「30分単位」や「15分単位」は企業によりけりと思っていた。また、この【下請けIT企業】における残業時間の計上方法は、就業規則にも明記されていたので、そのように取り決めているのなら問題ないものと思い込んでいた。

しかし、今は違う。このようなざっくりした時間単位で区切るのは、細かいながらも明らかな労働力搾取だ。

2.【下請けIT企業】残業代は月最大45時間分まで(アウト→改善済み)

残業時間が月45時間というのは、36協定上の時間であったり、この時間を超えると健康面でのリスクが増加傾向にあると言われることが多い。

私が若い頃のある時、月残業が50時間だったので、そのまま勤怠に入力すると、当時の管理職から、

「残業(の計上)は、月45時間まで。36協定で決まっている。それ以上は(計上)できない。」

と言われ、当時は「そんなものか」と思っていた。45時間を超えた分は泣き寝入りである。

45時間以上残業をしようが、45時間以上は計上させないという労働基準法違反と、36協定上馴染みのある数字とを絡ませて、分かりにくくしているのだが、はっきりいって違法である。当時は、「ブラック」という言葉が現在ほど流通していなかったが、明らかに「ブラック」である。また、違法行為を強要されるのはパワハラである。

残業時間には従業員の健康面を考慮して法律や36協定により上限を設けているが、残業代に上限を設けているのは単なる「これ以上支払うと、企業内の財政が・・・」という会社都合である。

尚、この企業はある年からは改善され、月残業時間計上の上限は撤廃されている。

3.【下請けIT企業】主任以上は残業代が出ない名ばかり管理職(アウト→改善済み)

一時、与えられる裁量や権限は一般社員とさほど変わらないのに、残業代の支払いを免れる目的から管理職という名目で働かせる「名ばかり管理職」が問題となった。

昔、この企業においては、入社して10年も経過しないうちに(早ければ7年程度)「主任」に昇格し、業務遂行における責任が「管理職」に準ずる「監督職」という位置付けになり、「監督職手当」が支払われる代わりに、「残業代」が一切支払われなくなる。

責任は重くなる割には、給料はあまり増えないという、会社側からすると目に見えた搾取である。

当時、私の先輩社員達の中には、「主任」に昇格する前は長時間労働により残業代で多くの給料を稼いでいた人が少なくなかった。そして、「主任」に昇格した後でも長時間労働が続くのだが、「主任」となることで新たに給与に上乗せされる「監督職手当」が、「主任」となる前の「残業代」を下回るということが起きる。「主任」になると「残業代」は支払われなくなるので、このような社員の給与総額は「主任」となる前よりも下がってしまうこととなる。

一方、「主任」になる前に残業をほとんどしていない社員は、「主任」に昇格することで、残業をしなくても「監督職手当」が給与に上乗せされるので、得をした気分になる、もしくはこれが普通なのだが、現実このような社員は少なかった。

「主任」に昇格することにより、(元々長時間労働せざるを得なかった社員は)責任は重くなるものの給与総額は下がるという、粗悪さに気付いた社員が、次々と退職していったのである。流石に会社側もこの状況を看過できず、給与体系の見直しが行われた。

具体的には、管理職にも「監督職手当」(=みなし残業代〇〇時間分)を超えた分の金額は、「残業代」として支払うというものだった。しかも、この給与体系の見直しに関する説明が、

  • 「主任」クラスにも残業代を支払うことにより、『過労』を抑えることが目的。社員の『健康』を重視する。
  • 「主任」クラスにも残業代を支払うこととなったため、『労務管理』がこれまで以上に厳しくなり、各人しっかりと管理していかなければならない。

といったものであった。このような内容を表向きにすることで、「名ばかり管理職」問題や「主任」クラスへの「残業代未払い」問題といった、これまでの違法行為に関する反省と是正といった内容に関しては表に出さず隠蔽するという姿勢が見えてしまっており、ここには疑問を感じる次第である。素直に、

  • 「主任」クラスに対して、これまでの「残業代未払い」という違法性や、「名ばかり管理職」問題を根本から是正します。

という、ストレートな説明の方が、誠実で分かりやすいのである。

4.【大手メーカー】残業時間の計上が1分単位(合法)

私がこの【大手メーカー】に転職して、「素晴らしい」と感じた一つが、「残業時間を1分単位で計上すること」である。転職前に居た【下請けIT企業】では、「30分単位」や「15分単位」は企業によって異なるものと考えていたが、「1分単位」に遭遇したのはここが初めてである。

一般社員はもちろんのこと、チームのリーダー(プレイングマネージャ)となっても「手当」と「残業代」それぞれ給与に上乗せされる。

裏を返せば、自分自身知識が乏しかっただけである。企業としては、上述した労働基準法第24条

「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」

に従っているだけである。これが普通であり、違法状態を放置するほうがブラックなのである。

5.【まとめ】残業時間・残業代に関する誤りやすいポイントをお伝えする

ここまでお伝えしてきたような違法状態もしくはグレーゾーンの放置は、優秀な人材が流出するリスクがある。

その中の一つである、残業時間・残業代に関しては、企業側も従業員側も知らないという状況で行われていることが多く、特に従業員側は組織の一員として、会社側に従う傾向が強い。

ここで、残業時間・残業代に関して企業側が誤りやすく、かつ従業員も知らないケースご多いポイントを3点お伝えする。

  1. 残業時間は1分毎に計上しなければならない。
  2. 見なし残業代に相当する残業時間を超えて残業した場合、超過分は追加で残業代を支払わなければならない
  3. 36協定等により残業時間には上限があるが、残業代に上限を設けるのは単なる会社都合

企業側、労働者側ともに正しい知識を有していただき、健全な企業運営を期待している。その方が、優秀な人材が集まりやすい。また、コンプライアンスへの関心の高まり、人手不足の時代の中、必須の内容であると考えている。