ソフトウェアエンジニアが労働について情報発信するブログ

ブラック労働からホワイト労働まで経験したソフトウェアエンジニアが世の中にとって役立つことを情報発信していく。

ソフトウェア開発における「上流工程」「下流行程」の呼び方に違和感あり!「V字モデル」にも苦言!

システム開発における、ソフトウェア開発は次のような工程から成る。情報処理技術者試験の参考書や、インターネットにも多く見られ、各々の表現は異なるものの概ね下記のようになっている。


(1)要件定義
(2)外部設計
(3)内部設計
(4)コーディング(プログラミング)
(5)単体テスト
(6)結合テスト
(7)システムテスト
(8)運用テスト

「V字モデル」というものがある。

システム開発は上記


(1)→(2)→(3)→(4)→(5)→(6)→(7)→(8)

の順に進んでいく。とれかの工程が一つでも欠けると成り立たない。

また、上記工程を大きく2つにグルーピングすると、


「(1)→(2)→(3)→(4)」と
「(5)→(6)→(7)→(8)」

となる。
前半は設計工程、即ちシステムを作る側の工程である。後半は検証工程、即ち設計したシステムが要求を満たしているかテストする工程である。

そして、工程前半は「(1)→(2)→(3)→(4)」の順に「上流」から「下流」に、「(5)→(6)→(7)→(8)」は「下流」から「上流」にという流れになる。開発工程全体のなかでは、(1)と(8)が最も「上流」、(4)と(5)が最も下流と呼ばれている。

(4)と(5)が最も「下流」となっている部分で折り返し、設計工程と検証工程が互いに対となっていること、即ちVの字を成していることから、「V字モデル」と呼ばれる。

この記事では、「上流工程」「下流行程」の呼び方による両者のイメージや、一般的に「V字モデル」と呼ばれるこの形態についての実態や問題点、あるべき姿について語る。


1.プログラミングを「下流行程」と呼ぶのは失礼だ!

プログラミングには様々な言語があり、それぞれの文法に従って、処理したい内容を記述していく。プログラミングは難しそう、苦手という方もおられるはずである。最近では、プログラミングスクールが増えてきたり、小学校の授業でもプログラミングが取り入れられてきている。プログラミングとは、ある程度学ばなければならないものであり、人によっては挫折してしまうこともあるかも知れないため、何もせずにできるようになるほど簡単ではなく、スキルが必要である。

システム開発においても、その開発するシステムがビジネスにどのように貢献するかという、全体を俯瞰した形で、企画や要件定義、仕様検討が行われる。そして開発したシステムが、元々の要求を満たしているか、描いていたビジネスに貢献できるかという部分をテスト等で検証する。この部分を「上流工程」と呼んでいる。

そして、システムの詳細設計、プログラミング、単体テストを、専門的な知識・技術を活用して実施する。この部分を「下流行程」と呼んでいる。

「上流工程」にも、「下流行程」にもスキルが必要である。しかし、実際は「上流」「下流」などと、あたかも上下関係があるかのように語られるところに違和感がある。「上流工程」の部分を自社社員に携わらせ「下流行程」を下請け企業に丸投げする企業もあれば、「下流行程」でしっかり手を動かす人材を求めている企業もある。

重要なのは「上流工程」も「下流行程」も必要であり、どちらか片方ではシステム開発は成り立たないということである。

「上」「下」の言葉を使って、下流行程」などと呼ぶ方が失礼なくらい、プログラミングを含む「下流行程」は重要であり、システムを開発し作り上げていく職人のような位置づけである。

2.プログラミングはスキルが必要で需要が増している!

プログラミングは高い専門スキルが必要である。プログラミングには様々な言語が存在するが、その言語を勉強し、そして実践し、経験を積まなければ、一流のプログラマーになれない。誰でもできることではないのである。

海外では、プログラミングと言うと高度専門職に位置付けられ、高い専門性を持つ人材が高い給料を貰っている。国によっては、日本の管理職くらいの給料を貰っている人もいるくらいである。

日本はどうか?

日本のプログラマーの給料は安い。

日本のIT企業に昔見られたのが、OJTと称して新人にいきなりブラック労働の現場に放り込ませ、「見て覚える」「体で覚えろ」というくらい扱いが荒い。そんな劣悪な環境で、かつ給料が安くても、日本のビジネスマンは気合と根性で乗り切る。そして、段々とスキルも身につくが、そのような人材が上司世代になった時には、昔の苦労話を若手に対して自慢げに話す。そして、自分が育てられたやり方と同じやり方で部下を育てる。今の時代こんなやり方では通用しない。

いかにも、「上流工程に携わっている人の方が優位性がある」かのような風潮にも見える。

中途採用の求人票においても、

「上流工程に携わることができます」
「企画、設計、開発、テストと各工程を一貫して携わるため幅広いスキルが身につきます」

というアピールを見たことはあるが、

下流行程に携わることができます」

というアピールは見たことがない。

メーカーやシステム開発企業の大半が、エンジニアやプログラマーが不足していると言われる状況の割には、これらの人たちへの敬意が感じられない。だから、ただでさえ労働人口が減少しつつある状況に加えて、若手はこのような職業を敬遠してしまうのである。

不足しているのは企業単位ではなく、国単位でIT技術者が10万人程度不足していると言われている。ITはこれまで我が国のみならず世界の産業を支え続けてきており、これからもますます発展していく分野である。そして、それだけ需要がある分野でもある。最近では、小学校の授業にプログラミングを導入していることからも、その重要性が伺える。

3.そもそも「上流工程」・「下流行程」のような呼び方をなくすべきだ!

「上流工程」・「下流行程」のような区分がおかしいどころか、「上流工程」には不要なスキルでも「下流行程」には必要なスキルがある。また、その逆もある。互いにそれぞれ必要なスキルがある。

冒頭で説明した「V字モデル」だが、設計工程と検証工程が互いに対となっていることを表現するために活用するくらいにとどめておくのが良い。

一方、システム開発は各工程のどれか一つでも欠落すると成り立たないのである。一連の開発フローとして表現するなら、「V字モデル」ではなく、各工程を横一列に書くべきである。個人的なイメージだが、「上」「下」ではなく、漢数字の「一」をイメージした「一字モデル」のような表現方法がより適切と言える。

「上流工程」・「下流行程」のような呼び方をしてしまうと、「上」「下」の関係を連想させ、「下流行程」を扱うエンジニアは低スペックでも良いかのような印象を与えてしまう。「下流行程」には「下流行程」に必要な高いスキルが求められ、その分野の専門家なしではシステム全体が成り立たないくらい重要な位置づけなのである。むしろ、下流行程」の専門的な技術のおかげでシステム全体が成り立っているのである。そのことを忘れてはならない。

「企画」「設計」「実装」「テスト」等各工程の呼び方のほうが、それぞれで果たすべき役割と重要性が感じられるだろう。

他の良好事例を挙げると、例えばWebシステム開発では「フロントエンド」「バックエンド」という、役割すなわちシステムのどの部分を扱うエンジニアなのかに基づいて呼ばれる名称があり、「上」「下」のような関係を感じない。

高い技術力が必要な割には、「下流」などと呼ばれ、低い立ち位置に晒されるような実態が分かっていれば、誰が進んでそのような職に就きたがるだろうか?

プログラミングを好きでやる人は少なからずいるが、求められる技術力と報酬とのバランスがあまりに悪いと、日本の異常な点の1つとして認識され、エンジニア不足を助長する引き金になりかねない。

4.「下流行程」の位置づけに、日本が世界から後れを取った要因であるIT軽視の風潮を感じる!

日本は歴史的背景から製造業が強く、これまでの製品・システム開発は、モノ・ハードウェアが中心で、IT・ソフトウェアは業務効率化のためのおまけのようなものと軽視されてきた。

そして、世界では発展し続けているソフトウェアの部分を、日本では下請けに丸投げし、技術の空洞化を招いてきた。

これこそが、日本の製造業が衰退している原因である。

大手メーカーにみられる、


「上流工程に携わっている人の方が優位性がある」

ような感覚では、競争力を失う。


「この年齢になっても、まだコード書いてるの?」

こんなことを言っていた人がいた。プログラマーやエンジニアを低く見ており、ソフトウェアが生み出す付加価値をわかっていない人だ。「下流工程」をバカにすべきではない。

また、とあるネット上にはこのような説明もある。

上流工程は主にシステム開発プロジェクト全体の内容を決定・管理して、下流工程は実際の開発業務を担当します。 大規模なプロジェクトの場合、上流工程は大手Slerシステムインテグレーター)などの大企業が担当することが多く、下流工程は下請けや関連会社の中小企業が担当するのが基本的なIT業界の構造です。

日本のIT業界の実態としてはその通りなのだが、この構造こそが問題であることが別途指摘されている。海外では、管理職でもソースコードを書くことがあるという話を聞いたことがある。

今やソフトウェアは経営戦略に欠かせない。これをわかっていない企業には、優秀な人は入ってこない。経営陣はそこに対する危機意識を持ってもらいたい。逆にエンジニアを積極採用している企業は、エンジニアの役割が重要であることをわかっており、今後の伸び代があると考えて良い。エンジニアとして転職するなら、この観点が必要だ。

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パワハラ事例解説(33) - 話が長すぎて聞いている側の負担が大きい!

このシリーズの記事では、パワハラの定義と類型、私の身近に起きたグレーゾーンを含む事例について、定義と類型をもとに解説している。内容によっては考え方や改善策についても述べているので参考にしてほしい。

自分が加害者にならないように注意することをはじめ、被害に遭いそうな場合はいち早く予兆に気付くことが求められる。


【最初に】パワハラの定義と6つの類型

パワハラはご存知の通り「パワーハラスメント」の略であり、権力や地位を利用した嫌がらせという意味である。2001年に株式会社クオレ・シー・キューブによる造語である。ただ、その定義は曖昧で指導との区別が困難である現実を抱えていた。2020年6月にパワハラ防止法が適用され(中小企業は2022年4月より適用)、同時に厚生労働省による定義が明確になった。

パワハラの定義

パワハラパワーハラスメント)とは、職場において行われる

  • ①優越的な関係を背景とした言動であって、
  • ②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
  • ③労働者の就業環境が害されるものであり、

①から③までの3つの要素を全て満たすものをいう。なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

パワハラの6類型

パワハラは次の6つのパターンに分類され、6類型と呼ばれている。

  • (1)身体的な攻撃
  • (2)精神的な攻撃
  • (3)人間関係からの切り離し
  • (4)過大な要求
  • (5)過小な要求
  • (6)個の侵害

「(1)身体的な攻撃」は暴力の他、モノを叩くことによる威嚇がこれに該当する。「(2)精神的な攻撃」は暴言の他にも、他人を心理的に苦しめる発言が該当し、パワハラ事例の中でも最も多い。特定の人だけ仲間外れにしたり、情報を与えない、無視をするのは「(3)人間関係からの切り離し」に該当する。到底達成できないノルマを与える「(4)過大な要求」、能力に見合わない仕事を与える、もしくは仕事を与えないことで心理的に苦しめる「(5)過小な要求」、プライベートに踏み込みすぎる「(6)個の侵害」、これらを総称してパワハラと呼ばれる。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例

ニュースで取り上げられているものや、裁判になったものは組織内で解決できなかった手遅れ案件である。また、世間の目も段々厳しくなってきており、損害賠償の相場も数百万単位(被害者が死亡の場合は数千万単位)に上がってきているという情報もある。いくら正論であっても、相手が嫌がるやり方であれば、法律に触れることになる。

ただでさえニュースで見ることが多くなってきているのだが、これらは氷山の一角であり、水面下には程度の大小を問わずさらに多くの案件が潜んでいる。上述の定義や類型を基に、私が実際に見たことがある事例を紹介し、定義や類型を元に解説する。程度や被害の大小は様々である。

  • グレーゾーンであるもの、パワハラと断言できないもの
  • 「こんなのがパワハラになるのか?」というもの
  • 出来事が起きた当時はあまり意識しなかったものの今考えると「あのときのあの出来事はもしかするとパワハラにあたるのでは?自分も加害者にならないように気を付けよう。」と思ったもの

いずれにしても、加害者側に問題があり是正が必要であることは間違いなく言えるので、立場関係なく参考にしていただきたい。その上でパワハラの予兆を見極め、未然防止に繋げることが重要てある。

このシリーズの記事で紹介するパワハラの事例一覧については、こちらを参考にしていただきたい。
o08usyu7231.hatenablog.com

【事例33】話が長すぎて聞いている側の負担が大きい!

この事例はパワハラと表現するのはいかがなものだろうかと、私自身も感じるところである。

この記事では加害者A氏、被害者B氏として、職場内の私の座席に比較的近い場所で行われているこの2人の会話について、第三者である私が感じていることがあるため、この記事に挙げることにした。本来この件に関しては、加害者/被害者という表現すら適切ではないという指摘も想定されるが、その点は一旦ご了承いただきたい。

状況としては、被害者B氏が業務上の相談のため、経験が豊富な加害者A氏の座席を訪れ、加害者A氏の座席で、A氏がB氏にアドバイスしているという、どこの職場でも見られる光景である。話し声のトーンは普通で、A氏は淡々と話している様子で、私を含め近くにいる人にしか聞こえない程度であり、明らかにパワハラと分かるような怒号や罵声というものではない。

この加害者A氏、被害者B氏の会話で、私が最も気になっているのは、

「話が長すぎて聞いている側の負担が大きい!」

のではないかということである。

被害者B氏本人に直接聞いたわけではないため、B氏の心境は正確には分からない。しかし、私がB氏の立場なら確実に負担に感じるであろうと考える。

私から見て、この2人の会話でマイナスに感じるポイントをもう少し細かく挙げる。

  • 2人の会話でありながら、ほとんどA氏が話している。
  • A氏は流暢に話すも、B氏にはすんなりと受け入れられている様子ではない
  • A氏の話は自身の経験に基づいて自信を持っている内容でありながらも、B氏にとっては具体的な実現方法や実現性のところに不安を感じている様子である。
  • A氏の話が対象の業務に必要な情報のみならず、仕事の一般論やマインドに関するところにまで踏み込んでいる。聞き手によってはそこまで求めておらず、むしろ余計であり迷惑に感じることさえある。
  • A氏がB氏へ問い詰める場面がある。A氏がB氏に対する明確な人格否定はないものの、問い詰めることによって、B氏は自分のやり方や考え方を否定された気分になる可能性がある。
  • 以上のことから、A氏は自分の考えを流暢に語るも、B氏の心理に寄り添っているとは感じられない。言うのは簡単である。
  • この会話を聞いていると、類似事例や自分が受け手になった時の状況を思い出すことで、第三者である私の生産性が下がる。

「長時間の説教」はパワハラになる可能性がある。この事象が発生した企業でも、そのように教育されている。簡潔に伝えることも伝える側のスキルである。

ただ、この記事でパワハラとは言い難いとしたのは、「業務に必要」と判断されることと、「人格否定」をしていないためである。しかし「業務に必要」で「人格否定」をしなければ何をやっても良いかというとそうではない。経験の豊富さという力関係を背景に、就労環境を悪化させてしまっては本末転倒である。

本来どうすれば良いか?

それは、私がマイナスに感じたポイントとして挙げた内容と逆のことをすれば良いだけである。

しかし、そう簡単にはいかない。なので、このような事例を通して、自分自身にも心当たりがないか考え、少しずつ改善してほしいのである。

「相手から問われていることの回答」になっておらず、「自分が言いたいことを言っただけ」になっている人が時々見受けられるが、相手がどのように感じているかを適切に判断できるコミュニケーション能力を身に付けてもらいたいものである。最近ではよく、「求められていないアドバイスをしない方が良い」と言われている。

この記事の事例を理解していない人が管理職になると、組織の生産性は下がり、法律上はパワハラではなくとも最悪の場合メンタル不調や離職者の発生に至ってしまう。職場にとって良いことはない。そのような状況に至るまでに、未然に防止してもらいたい。

【最後に】パワハラにおける考え方・まとめ

パワハラは加害者および組織の問題、被害者に責任はない

パワハラは加害者が未熟であることによって発生する。パワハラに関して被害者には非はない。被害者に改めるべき部分があると思えば、改めることは素晴らしいことである。しかし、パワハラを受けたことに対する責任まで取る必要はない

一方、パワハラ加害者は重い軽いいずれにしてもそれなりの処分と教育を受け、更正してほしい。パワハラの加害者を絶対に昇格させてはいけない。降格するくらいを当たり前にしてほしい。

パワハラ加害者となる可能性が高いリーダー、管理職には、パワハラの重大さを知ったうえで、チーム・組織で成果を最大化するために必要なことを学んでほしい。私は様々なリーダー、管理職を見てきた。技術や能力が高いベテラン社員はある程度いる。しかし、いくら能力が高くてもパワハラ気質なベテラン社員は、管理職にふさわしくないと判断している。組織のメンバーのパフォーマンスの最大化の妨げとなっているからである。チーム・組織で成果を最大化するためにパワハラはいらない。一方、被害者はパワハラを受けた状況にもかかわらず業務において一定のアウトプットを出しているなら、優秀な人材であると考えて良さそうだ。

パワハラがいけないことであるということは皆知っている。しかし、何がパワハラに当たるか、パワハラが発生したときにどのような影響が出るかを理解していないのではないだろうか。パワハラに関する研修や教育は行われているが、最悪命に関わるということを教えていないのではないだろうか。

パワハラ対策の第一歩は証拠集め

パワハラは加害者および組織の問題としながらも、被害者が対策しなければならない。実に理不尽だ。放置や無策、我慢することはお勧めできない。エスカレートするからだ。その対策の第一歩としては証拠を集めることだ。電子メールやチャットのやりとりでパワハラに繋がりそうなものがあれば残しておく、会話についてはスマホでも良いがICレコーダーで録音しておくことをお勧めする。裁判等で確実な証拠となる。

防犯カメラはこれまでは文字通り、犯罪調査に使用されることがメインでした。最近では、これに加えて職場などにおけるパワハラの証拠収集等、ハラスメント対策においてより重要性が高まっております。小型であり持ち運びしやすいこともあり、いつハラスメントに巻き込まれるか予測できない状況において、自分の身を守るためにも、是非携帯しておくことをお勧めします。


自分を守るための準備も並行して進める必要がある

パワハラは加害者を直接コントロールすることは難しい。被害者の方々には、まず自分を守ることを優先していただきたい。できればパワハラが発生するような環境から離れ、他の環境に移ることができるようにしておくことが望ましい。本来、被害者側に要求しなければならないことは社会的に非常に残念ではあり、理不尽ではあるが、パワハラ被害に遭う前から、転職、起業、フリーランス、副業など準備を進めておくことが、被害者個人でできる対策である。あらゆる手段で自分の人生を守るよう、準備を進めておくことをお勧めする。それくらい日本のハラスメント対策は国際的に見ても遅れている。
o08usyu7231.hatenablog.com
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「どこへ行っても同じ」「他社はもっと酷い」と語る人に洗脳されてはいけない!

職場に何か不満があったり、やっていることがおかしいと感じて、その旨声を挙げたときに

「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」

などと、言い返されることがある。

このように言い返されると、「そうなのかな」と飲み込んでしまったり、「言っても無駄」と諦めたりする人もいるだろう。

ただ、行動を起こすことをやめてしまっては何も解決しない。

行動を起こすことのリスクは十分に想定しなければならないが、上記のように言い返される内容を、なぜ無視して良いのかについて、この記事で語る。


1.「どこへ行っても」と言えるほど全てを見ていない

まず、

「どこへ行っても同じ」

などと言い返す人である。

「どこへ行っても」などと言えるほど、社会なり、組織なり、業界なり、・・・、全てを知り尽くす人など、まずいない。

ましてや、少し上の先輩や、一つの部門を取りまとめる上司くらいなら尚更である。ある特定の分野の専門家が、

「概ねこのようになっている」

と言及するくらいなら受け入れて良いかも知れない。

たいていの人が言う「どこへ行っても」は、話す人が知る範囲内の「どこへ行っても」である。「どこへ行っても」と言う人が、その対象の領域に関する経験が乏しいと、その乏しい範囲内の話でしかないのである。

よくあるのは、中年や年配の上司が「どこへ行っても」と言う割には、転職経験が一度も無いなどということはあるあるである。一つの会社の常識が、まるで社会の常識のように語るのだが、これはその人の知る範囲がその程度でしかないということである。

惑わされずに、冷静に判断してもらいたい。
o08usyu7231.hatenablog.com

 

2.比較する基準がおかしい

続いて、

「他社はもっと酷い」

などと言い返す人である。

自分の組織より、更に酷い組織と比べてどうするのか?

純粋にこのような印象を持つ。

「他社はもっと酷い」というのは、自分達が抱える問題点を問題点でないかのようにマインドコントロールし、加えて

「我々は恵まれているほうだ!」

などと、ポジティブな感覚すら押し付けてくるため、改善する気が全くないと断言できる。押し付けられた方は「恵まれている」などとは全く思っていないのである。

私自身も昔経験があったのは、長時間労働について上司に問題提起したところ、

「ウチは残業代ちゃんと出ているよね!」
「他は残業代が出ないところもあるよ!」

などど、違法状態にある組織と比較するという粗悪さを目の当たりにしたことだ。

「他社はもっと酷い」などという言葉を投げかけてくる人は、比較する基準がおかしいのである。

惑わされずに、冷静に判断してもらいたい。
o08usyu7231.hatenablog.com

3.自組織の問題を隠蔽し都合良くマインドコントロールしているだけ

「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」

この2つの言葉に共通するニュアンスは、

「他と比べてウチが特段悪い状態ではないよ!」

という点である。

ただ、前章に挙げた長時間労働の例も然りだが、問題点を認識し声を挙げた人は、その問題点に関して困っているわけである。

「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」

そんなことを聞いているのではない。

この場面では他社はどうでもいいのである。他社も同じように悪い状態かそれ以下だからといって、声を挙げた人が認識している問題点が解決したわけではないのである。

また、自社と他社が同じような問題を抱えているということは、自社と他社が差別化できていないということであり、問題を抱えている他社と同じレベルにあるということである。問題点の解決や改善には、真摯に取り組まなければならないのである。

「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」

この2つの言葉は、自組織の問題を隠蔽し都合良くマインドコントロールしているだけなのである。改善は期待できない。

4.他社や世間を自分の目で確かめるべし!

問題がある組織や、あなたを都合良くマインドコントロールしてくる人に惑わされないためには、自分の目で他社や世間を見て、特定の組織の外部の人や情報に触れる機会を多く設けることである。
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私も、過去インターネットやYouTubeSNS等で、自分自身が悩んだ分野の情報を収集し、昔と比べて知見が蓄積され、「成長」できたのではないかと感じている。その「成長」が特定の組織にとって都合が良いかどうかは別の話だ

そして今は私自身が、経験やインプットを元にした情報を発信している。

著名人の本を読むのもいい、一般人が発しているSNSでもいい、世間のニュース報道でもいい、転職エージェントに登録して面談にて話を伺うのもいい。自分で調べ行動すれば、しないよりかは良い結果になることは多い。

私の経験では、視野を広げれば成功する、我慢すれば失敗する。私の経験なので、全ての人に当てはまるかどうかはわからない。私が発信する情報は、私自身が知る限りのものでしかない。

私は、

「どこへ行っても同じ」
「他社はもっと酷い」

とは言わない。言うときは、

「私の知る限り・・・」

と言う。

他社や世間、市場の状況を自分の目で確かめるために、転職活動をお勧めする。転職しなくても転職活動をすることは意味がある。自分の市場価値を知り、市場の状況を知り、キャリアの健康診断を行う。まずは、転職サイトに登録するところから始めてみてはいかがだろうか。特定の組織にとって都合の良いマインドに洗脳されないように、行動を起こすべきだ。
o08usyu7231.hatenablog.com

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「グレーゾーン」な人や組織が称する一見正しそうな言葉の建前(表)と実態(裏)について解説する

ブラック企業
「ブラック労働」
「ハラスメント」

このような言葉が世の中にだいぶ浸透し、様々な情報が出回っている。

世間一般の方々も、コンプライアンスに関する関心が高まり、「ブラック」な実態を排除していこうという動きが高まっていることは、歓迎されるべきことだ。

そして、明らかな法律違反、暴言、暴行等、

「ブラックだ!」
「ハラスメントだ!」

と、声をあげやすくなってきている

それでも、組織によっては世間の感覚から逸脱し、まかり通ってしまうことがある。

一方で、

「表の言葉だけを切り取れば正しいため、反論できない」

ケースがある。

一見正しそうに聞こえるが、、、、

受け手にとっては不利益・・・、
迷惑や被害を受けているにも関わらず声をあげにくい・・・、
声をあげても相手の都合のいいように言いくるめられる・・・、
受け手が受ける被害や迷惑を理解してもらえない・・・、

など、「ブラック」とまでは言いづらい場面でも、大いに悩まされることが残念ながらある。私自身もこのような言葉に悩まされてきた。

「グレーゾーン」という言葉は聞いたことがあるという人は多くおられるだろう。

しかも、「グレー」という言葉が「ブラック」よりも更に曖昧だというふうにも感じる。人によっては「それ『グレー』ではなく、完全な『ブラック』だ!」という人もいるし、そのように言いきれる内容もある。

この記事では、一見正しそうに聞こえ、かつ表面上は正しい内容ではあるが、背景状況によっては裏がある言葉について、その建前(表)と本音(裏)を対比させ、解説する。


1.「ステークホルダーとの関係性」→「コンプライアンスは二の次」

ビジネスにおいてステークホルダー(利害関係者)は重要である。

(様々な部門の)社員、関連会社、取引先、お客様、エンドユーザ、株主、・・・、これらを無視してビジネスはできないし、何よりも信頼関係は大切である。信頼関係を失えばビジネスに影響が出る。誰も異論はないだろう。

しかし、ステークホルダーからのどのような要望にも応えなければならないのかというと、それは違う。

それは、関係者にとっては都合が良くても、社会的には正しいと言えないことである。即ち、コンプライアンスを土台としてビジネスが成り立っていることを常日頃から意識しておかなければならない。

製品開発のためのコストを下げるために労働者を安く働かせたり、納期を早めるために長時間労働を強いるやり方は、「努力」ではなく「犠牲」である。労働者の「犠牲」の上にビジネスを成り立たせるのは「人権侵害」である。

このようなことを、コンプライアンス教育で周知している企業でさえ、いざ関連部門のしわ寄せを受けて長時間労働に至った問題について是正が必要である旨、声を挙げた社員に対して、社会的優良事例に値するにも関わらず、その社員の上司が不正な低評価をした事例が実際にある。「ステークホルダーとの関係性」を重視し、「コンプライアンスは二の次」となったケースだ。

世間では段々と、コンプライアンスが欠落しているステークホルダーとは、ビジネスを控えるべきという風潮になってきている。特定の企業や組織が、どれだけ儲かろうが、コンプライアンスを無視できない時代になっていることは既にお分かりだろう。

ステークホルダーとの関係性」を「コンプライアンスは二の次」とすることでしか実現できない組織は、そもそも成り立たないのである。
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2.「顧客に迷惑をかけない」→「社員は我慢」

これも前章の、「ステークホルダーとの関係性」や「コンプライアンスは二の次」の内容と重複する部分がある。

「顧客に迷惑をかけない」ことは、ビジネスの鉄則であり、どの企業も新入社員に対して教えられる。ここだけを切り取れば、誰も異論がないくらい正しい。

しかし、「顧客に迷惑をかけない」ために、長時間労働に代表されるように、社員の我慢の上にビジネスが成り立っているケースが少なくない。

「顧客に迷惑をかけない」部分だけが強調され、「社員に迷惑をかけている」ところはスルーしているケースがある。だから、社員が見切りをつけて離職していくのである。社員に我慢させる状態がいつまでも続いては、ビジネスは成り立たない。結局片手落ちである。

長時間労働以外には、「カスタマーハラスメント」という問題も着目されてきている。

「お客様に失礼の無いように!」という部分は強調されるが、「カスタマーハラスメント」の対策が進んでいない職場では、依然として「社員は我慢」で成り立っている。このような状態を放置して良いわけがない。

「顧客に迷惑をかけない」ことを、「社員は我慢」することでしか実現できない組織は、そもそも成り立たないのである。
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3.「協調性は大事」→「同調圧力の強要」

「協調性は大事」というのはビジネスに必要なマインドである。

ただ、これを発信する人が「協調性」と「同調圧力」の違いを分かっているかどうかが見どころである。

「協調性」は、「異なった環境や立場にある複数の者が互いに助け合ったり譲り合ったりしながら同じ目標に向かって任務を遂行する素質」である。

同調圧力」は、「特定のグループにおいて意思決定、合意形成を行う際に、少数意見を有する者に対して、暗黙のうちに多数意見に合わせるように強制・誘導すること」である。

同調圧力」のことを「協調性」と称する組織は、破綻への扉を開いていると言っても過言ではない。
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4.「無理な要求をしているつもりはない」→「要求する側が無自覚」

「無理な要求をしているつもりはない」というのは要求する側が言う言葉で、一見要求相手に配慮しているように感じられる。

ビジネスにおいても、プライベートにおいても、相手への配慮は大事である。

しかし、要求する側が「無理な要求をしているつもりはない」としながらも、受け手には「無理な要求」と感じることがある。

そもそも「無理な要求」かどうかは受け手が決めることであり、要求する側がどう思っているかは関係ないのである。

要求する側が「無理な要求かどうか」について言及すること自体は悪くないが、最終的には受け手の判断に委ねるべきである。これをせずに一方的に要求する側の感覚を押し通すことで、受け手に迷惑をかけたり、最悪の場合要求側の責任において受け手のメンタルトラブルを招く事態にまで発展する。

要求する側が、配慮しているつもりではあっても、無自覚であるという可能性が少なくない。
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5.「成長のために負荷をかける」→「長時間労働

何事においても「成長」するためには一定の時間がかかる。

そして、自ら「成長」できる人材はその限りではないのだが、「成長」のためのきっかけを与えてやる必要のある人、「成長」するために多少の「負荷」をかけなければならないケースも存在する。

しかし、「長時間労働」はまた別次元の話であり、「長時間労働」でなくても「成長」できる場合はある。業務の中身なども然りである。

長時間労働」の原因は、大抵の場合「長時間労働」に巻き込まれる社員とは別のところに原因がある。

法律や罰則の甘さに代表される労働行政・司法の問題
誰でも出世のチャンスがある代わりに重い責任を背負わされる組織風土の問題
無理な要求をする顧客の問題
マネジメントの問題
・・・

私自身元々

長時間労働の原因は自分のスキル不足である」

と思い込んでいたが、多くのプロジェクトを経験し、これはウソであることがわかっている。

長時間労働の原因は、自身の経験、世間一般の認識、専門家の見解を踏まえると、大抵は

「業務量とリソースのミスマッチ」
「自分・自部門の利益を最優先し、コンプライアンスが二の次」
「マネジメント不足」

という「前段の粗悪さ」に集約される。

この「前段の粗悪さ」を揉み消すために、「成長」という言葉を引き出して正当化し、

「『長時間労働』が『問題』である」

という認識から少しでも反らし、業務を押し付ける側にとって都合の良いように洗脳していくという手口を、自覚の有無にかかわらずやっているのである。

「業務の遂行」や「社員の成長」を、「長時間労働」でしか実現できない組織は、そもそも成り立たないのである。
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6.「ストレス耐性」→「社畜の量産」

「ストレス耐性」は、文字通り「(業務などで発生する)ストレスに対して耐えることのできる強さ」であり、ビジネスにおいてある程度必要とされている。

実際、「ストレス耐性」が必要な業務もある。特に顕著なのは、警察、消防、医療機関自衛隊等、人命をはじめとする人々の安全を守ることを主な業務とする職業である。過酷な状況でも、業務に邁進しなければならず、最悪の場合は職務中に命を落とすケースもある。これによって支えられている我々としては、素直に敬意を表するしかない。ストレスを多く抱える分、このような職業にはパワハラ等が発生しやすく、たびたびニュース報道でも目にする。この部分は改善が必要である。

そもそも、私は「ストレス耐性」という言葉が嫌いである。

本来、労働者に「ストレス耐性」、すなわち耐えることを求めるのではなく、「ストレス」の元を除去するための取り組みが求められるからだ。組織や管理職が、これを怠ることで一般労働者がしわ寄せを受け、これに我慢することを「ストレス耐性」と称する構造は、「ストレス耐性」を組織にとって都合よく使っているだけなのである。

グレーゾーン、違法行為、長時間労働、ハラスメントがまかり通り、それを自覚しながらも正そうとしないにも関わらず、組織に合わせることを労働者に要求する体質であるとともに、これに染まっていく社畜が量産されていくというケースも十分にありうるので、「ストレス耐性」は、使い方、使う場面によっては最大の警戒が必要な言葉と言える。
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7.「全体最適」→「特定の人や組織の犠牲」

全体最適」は、文字通り「全体を最適にする」ことを指しており、ビジネスにおいて必要な概念である。別の言葉ではWin-Winと言い換えても良い。反対の言葉として「部分最適」がある。経営者や管理職には「部分最適」ではなく、「全体最適」が求められる。

一方、「全体最適」というと、組織のために、社会のために、全体を最適にするために、自分が我慢しなければいけない可能ような心理に陥るが、決してそうではない。特定の人や組織の犠牲の上に全体が成り立つ組織構造、個人が我慢を強いられる組織体質は、極めて不健全である。

また、我慢した組織や個人から歪みが肥大化に耐えきれず破綻するケースもある。具体的には、パフォーマンスの低下、モチベーションの低下、メンタルトラブル、離職といった感じである。これでは結局「全体最適」にはならない。
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8.「他責思考はダメ!」→「被害者を黙らせるためのキラーワード」

「他責思考はダメ!」なのは、ビジネスにおいて正しい場面もある。何か問題が発生したときに自分事として捉え、自分がコントロールできる範囲のことに全力で取り組むことは、ビジネスにおいて必要なことである。

そして、「自責思考」を是とし、「他責思考」を悪とする風潮がある。しかし、「自責思考」「他責思考」ともにメリット・デメリットがあることをあまり知られていない。

一方、「他責思考」はダメであり「自責思考」であるべきだというマインドを他人に都合良く押し付ける悪用の懸念がある。他人に「自責思考」を押し付ける時点で押し付ける側は十分「他責思考」である。

一番あってはいけないのが被害者のせいにすることだ。ハラスメントであれば、被害者に原因があるとして責任を押し付けることで、「セカンドハラスメント」として二重に被害を受けることになる。絶対にあってはいけない深刻な事態だ。

「他責思考はダメ!」というマインドを悪用すると、被害者が声をあげることができなくなり、根本問題が解決されないままである。被害者を黙らせるキラーワードだ。
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【最後に】事例をインプットして、常に自分の頭で考える習慣をつける

この記事で扱った内容は、一見正しく聞こえる言葉で、実際ビジネスにおいて必要なマインドである一方で、使う側が自分(達)に都合良く悪用しやすい言葉でもある。

表面的な言葉に惑わされず、背景を加味し、裏側を読み取り、常に自分の頭で考える習慣を身に付けなければいけない。そのためにも、事例を含めた情報収集は重要だ。
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最近よく目にする一例をあげると、ブラック企業の求人広告である。

「アットホームな会社」→「他にアピールする内容がない」
「少数精鋭」→「大量に人が離職した後」
「20代の若いメンバーが多数」→「マネジメントが未熟」
「圧倒的成長」→「ストレスフル」
「幹部候補生急募」→「薄給激務」
・・・

これらの言葉には裏側があることが、インターネット等様々なメディアで解説されているため、だいぶ世の中に浸透してきた。

しかし、この記事で扱った内容は、より労働者の身近に迫りやすいものだ。特定の組織に洗脳されることなく、広く世の中を知り、あなたが能力を最大限発揮することで貢献し、それに見合った十分なリターンを得られる環境へ移る努力をしていただきたい。転職活動、副業、フリーランス、人によって選択肢は様々だ。

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「エンジニアあるある」の解決に取り組んでいる企業は素晴らしい!今後増えるべき模範だ!

ITエンジニアを募集している、ある企業の求人を見たことがある。その求人を一通り見てみると明らかに「これまでと違う!」と感じた。

「エンジニアあるある」の解決に取り組んでいる企業である。

「あるある」というと、言葉通り「よくあること」の意味なのだが、あまり良くない意味で使われることが多い。例えば「長時間労働」「パワハラ」といった感じである。しかも、理不尽な状況に対して、

「これは『あるある』だよ!」

などと上司や先輩エンジニアが、若手エンジニアに教え込んで、いかにも理不尽な状況が当たり前であるかのように、受け手側をマインドコントロールして、受け入れさせようとする企業の方が大半ではないだろうか?

そのような中で、「エンジニアあるある」の解決に取り組んでいる企業は、他と何が違うのか、求人票によく現れている。

この求人票の企業の社長は、SES企業で多くの悩みに直面し、案件、給与、休日、福利厚生、ハラスメント…嫌な業界あるあるの撲滅に対して本気である。あらゆる角度で社員を支え、定着率が90%と高い。

求人票から一部分のみの抜粋でしか紹介できないが、求人票から読み取れる良好な取り組みを紹介していきたい。


1.とにかくエンジニアと向き合う!

応募資格(抜粋)
<エンジニアが抱える課題を解決!>
エンジニアごとに営業を配置し、何でも気軽に相談できる環境です。「残業が多く、休みも少ない」「給与体系がわかりにくい」「似たような案件ばかりで、スキルアップ・キャリアアップができない」といった“エンジニアあるある”も、当社にはありません!
<以下のような方は、ぜひご応募ください>
★成長できる環境でエンジニアとしてキャリアアップしたい方
★正当な評価でスキルに見合った収入を得たい方
★残業が少なく、プライベートを充実させたい方
★働く場所にとらわれずに、リモートワークで活躍したい方

昔は「顧客第一」などと言われてきた。企業を健全に存続させる上で、顧客(ステークホルダ)を大切にすべきことは以前から分かっている。しかし、これによって発生する問題は、「顧客第一」という一方の側面が絶対的なものになり、社員の健康面、生活面、経済面、キャリア面等における犠牲の上にビジネスを成り立たせることであり、真面目で勤勉な性格が多い日本人では、こちらの方が問題として目立っているのである。

その点、「顧客」も大切にしつつ、徹底的にエンジニアと向き合い、エンジニアの定着率をアップさせることで、業績拡大に繋げている。「会社都合」を第一に考えている旧態依然の企業とは大きな違いである。

しかも、

「成長できる環境」
「正当な評価」
「プライベートを充実」
「リモートワーク」

等、中には面接で発言すると、旧態依然の企業からは

「考えが甘い」
「やる気がない」

などと思われそうな内容でも、既に求人票に記載されている。その時点で、エンジニアが抱える問題を企業側が良く理解されているという印象を受けるし、「会社の利益のために、組織を優先する」ことも必要としながらも、この部分を徹底的に教え込む旧態依然の企業とは真逆である。

「エンジニアあるある」を理解し、とにかく徹底的にエンジニアと向き合う姿は、今後ますます重要性を増す。

2.社員の実際の労働時間を公開して残業が少ないことに対する信用を得る!

勤務時間
9:00~18:00(実働8時間)
※残業は月平均8時間です(採用面談時に全社員の労働時間一覧を公開いたします)。
※高稼働な状況が続くプロジェクトは、稼働是正の調整に動きます。調整後も稼働改善がない場合は、撤退も視野に入れて対応するため、無理なく働ける環境を実現できています。

求人票に平均残業時間を記載する企業が多い。というよりかは、概ねどれくらいの残業があるのかは、企業側が公開しなければならない。

私自身様々な求人票を見てきたが、だいたい月平均20時間程度が多い印象である。実際はもっと多いだろうし、平均月20時間であれば人や部署によってはもっと多いのかもしれない。また、平均残業時間が募集企業の全社平均なのか、募集対象部門(案件)の平均なのかという点も確認しておきたい。

上記の求人票(抜粋)のように、残業月平均8時間であれば、かなり少なく抑えている印象である。厳密には、人によって基準も異なり、厳しい人は「0か0でないか」という基準を持った人もいるだろう。しかも、この企業のすごいところは、「(採用面談時に全社員の労働時間一覧を公開いたします)」というところである。「平均」というぼんやりした値ではなく、本当に「社員一人一人がこのような感じで働いていますよ!」といった実態を公開しているところに信頼感がある。

また、高稼働な状況が続くプロジェクトは、是正のための調整に動き、それでも改善が見られない場合は撤退も視野に入れる点が、エンジニア思いである。エンジニア思いの会社に優秀なエンジニアが集まり、会社が潤う。多くの企業が会社都合で、組織の利益を優先し、エンジニア個人に無理を強いることが多い中、労働時間と真に向き合う姿勢が素晴らしい。

3.「長時間労働」「ハラスメント」の解決実績を公開する!

こんな課題解決をしてきました!
【case1】200時間近い長時間労働が発生したエンジニア
すぐに顧客へ稼働調整を行ない、是正いただけるように交渉。しかし是正が難しい状況だったため、顧客調整を行なって撤退。稼働の安定した現場へ、エンジニアを再アサイン。現在はワークライフバランスを大切にできるプロジェクトで活躍中。
【case2】威圧的な言動などハラスメント被害にあったエンジニア
エンジニアからの報告を受けて、顧客へ事実調査を依頼。結果、ハラスメント行為が事実と判明し、すぐに接点をなくすように調整。当月中の撤退を顧客と調整し、ハラスメントによる被害を未然に防ぎました。

【case1】に見られる長時間労働に対する是正の取り組みは、前章で述べた通りだ。それにしても、ここまでサラッと調整し、撤退し、ワークライフバランスを大切にできるプロジェクトにエンジニアを再アサインするところは、なかなか見られないと感じている。私自身も過重労働で体調を壊したことがあり、その後ホワイトな職場に客先常駐としてアサインされたことがあるが、私のケースでは「体調を壊した後」、本ケースの事例では「すぐに顧客に稼働調整を行った」とあるため、文面からは読み取りづらいが、おそらくエンジニアの体調不良という被害を未然に防止したものと思われる。

【case2】のハラスメントの事例も、エンジニアとしてのパフォーマンス発揮を妨げる深刻な問題である。しかし、本ケースはハラスメント加害者との接点をすぐになくすことで、被害を未然に防ぐという事例は優良中の優良だ。多くの企業は、会社対会社の関係を重視し、被害者に我慢させる、「解決は難しい」などと濁す、被害者側を改めるようマインドコントロールするなど、ハラスメント対応としては愚策であろう。エンジニア特有のハラスメントもあるため、いち早く兆候を見抜き、このケースの企業のようにいち早く手を打つべきである。
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【case1】【case2】いずれにしても、このような対応実績は素晴らしいと感じることに加えて、このような優良事例を求人票に掲載している点で、今のご時世大変厳しい人材獲得競争に、アドバンテージの状態にあると言える。多くの企業は求人票の中でも、企業の業績面を中心とした実績、求める人材像について手厚く記載されているイメージだが、本ケースに挙げた求人票はこれまでと違い、いかに安心してエンジニアに働いてもらうかを軸に、その先に成果や貢献を求めるといった構成である印象を受けている。

4.すべての企業が「エンジニアあるある」の解決に取り組み、周囲のもそのように仕向けるべきだ!

冒頭に記載の通り、「エンジニアの『あるある』」を『あるある』としてエンジニア個人に飲み込ませる企業が多い中で、この『あるある』の解決に取り組み、エンジニアが生き生きと働ける環境こそが、今後の同業の企業に求められる。このような企業が今後増えるべきであるし、そのようにするためには、業界や企業としての取り組みが必要であることに加えて、我々エンジニア側もスキルの向上に加え、労働に関する知見を深め、世間一般を知り、「エンジニアあるある」を飲み込ませる企業から解決する企業へ、エンジニアが移っていく流れを作る必要がある。そのために私自身もこのような記事を執筆している。
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労働トラブルにフォーカスを当てた資格は、私自身これまでにあまり見たことがありません。「労働トラブル相談士」資格は、経営者、管理職、人事担当者、コンプライアンス研修担当者に限らず、全労働者が知っておいた方が良い知識であり、また現在ブラック労働環境に在職している方には必須の内容と言えます。

この資格を取得するためには、認定講座を受講していただく必要があります。受講後の試験に合格した方が資格を取得できます。講座は全てオンラインで受講できます。資格の内容は、人事や労働に関する知識です。就職、労働条件、退職、残業、休職、解雇などの法律や決まり、トラブルに関する知識を得ることができます。

ブラック企業対策のノウハウを知りたい」

このような方は是非、「労働トラブル相談士」資格取得をご検討されてみてはいかがでしょうか?

そしてエンジニアとしっかり向き合ってくれる企業に、エンジニアが出会うためには、エンジニアが転職エージェントに複数登録し、転職活動を行うことが入り口である。エンジニアの犠牲の上にビジネスが成り立つような粗悪な企業が立ち行かなくなるように、企業、人材会社、エンジニア、社会全体で進めなければならない。

IT・Web系を専門とする『レバテックキャリア』は、2021年1月時点でサービス利用者数20万人突破し、年収アップ率7割を超える実績を持つ、「ITエンジニアが利用したい転職エージェント」として知られるエージェントです。高い専門性を持つアドバイザーがキャリアの選択肢を洗い出し、5000件以上のハイクラス求人の中からご登録者様のパーソナリティや志向性に沿い、まだ出会えていない理想の求人のご提案が受けられます。取り扱い企業も、大手IT企業からWeb系企業、スタートアップまでを幅広く網羅しております。IT/Web系エンジニアの経験者の方にとっては、是非登録しておきたいエージェントです。



複業/副業/転職/独立のキャリアコーチング【RYOMEI】は、30~40代に特化した、キャリア版ライザップのようなパーソナルトレーニングサービスです。今後のキャリアの展望が描けなくなっている30代・40代に向けて、自分が最も価値を発揮できる仕事(天職)に出会い、生きがい・働きがいのあるキャリアを一緒に描いていくサポートを行います。

30代後半〜40代前半は、キャリアチェンジも容易ではなく、かつ家庭がある方が多く、自由度が低い、リスクが取りにくい、といったキャリアを築く上では、あまりに大きな課題を抱えています。RYOMEIのトレーナーも同じ世代であり、自身も子育てと仕事の両立に試行錯誤していたり、順風満帆にキャリアを築いているわけではないからこそ、受講者の痛みに共感しながら、一緒に考えていくことができます。

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アフターコロナにおけるコロナ感染とテレワーク

2020年春に新型コロナウィルス感染拡大により、国は緊急事態宣言を出した。この頃の新型コロナウィルスは感染症の分類上、結核SARSと同類の「2類」としている。しかし、2023年5月からは、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられる。

街中や観光地では、徐々にマスクが外され、夏になると熱中症の懸念もあり、より一層マスクをしない人が増えつつある。時代としては「アフターコロナ」に突入したと言ってて良い。

そのような中、2023年7月~8月にかけて、再び全国的に感染者が増加しつつある。筆者もこれまで対策してきたにもかかわらず、コロナ陽性反応が出てしまい、しばらく休養した。その後しばらくテレワークを継続した。

この記事では、アフターコロナにおける筆者自身のコロナ感染経験、そしてその後の職場の様子、テレワークへの切り替えの重要性について語りたいと思う。


1.発熱とコロナ陽性反応を筆者自身が体験

新型コロナウィルスは季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられているので、マスクを外す人が増えるのは自然なことだ。しかし、当然のことながら「5類」に引き下げられたからといって、ウィルスの毒性そのものが弱まるわけではない。とはいえ、ウィルスは次々と変異しているし、ワクチンを打った人が増えてくると、コロナ禍が始まった頃ほど、人々に恐れられるようなものでもなくなったことも否めない。

2023年夏場にかけて、再び全国的に感染者が増加しつつあるのだが、筆者の周囲でも、時々発熱したり、コロナ陽性反応が出たりという話を聞くようになった。職場の同僚や、仕事関係の人が多い気がする。私は基本職場ではマスクをしているものの、職場でも周囲の人はマスクを外す人が増えている。特に夏場は熱中症の懸念もあるため、一概にマスクを強要することが難しい。

そのような中、私の身近にまた一人コロナ陽性者が発生した。その陽性者は一週間休暇した。その間に、筆者が発熱した。夜に急に37度台になり、喉に違和感を感じる。喉に違和感を感じるだけなら、普段の風邪と変わらない。筆者は数カ月前も、喉に違和感を感じながらも発熱しており、その時は新型コロナウィルス、インフルエンザとも陰性であった。しかし、今回はその後夜中に38度を超える発熱があり、翌日は休暇。即座に病院へ行き、検査すると、新型コロナウィルス:陽性、インフルエンザ:陰性であった。呼吸器系への異常は無く、発熱も38度台であったため、コロナの中では「軽症」に属するとの診断結果であった。その他、鼻水、吐き気、味覚障害等はなし。食欲は普段よりやや劣る程度だった。高熱時は悪寒がした。職場に連絡をして、数日休暇する旨、その後はテレワークをする旨を関係者に伝えた。

これまで、コロナ禍が始まってから、マスクをし、テレワークを多く行い、除菌などの対策をし、旅行などを徹底的に控え、自身・家族とも一度も感染せず、今日に至ったが、ついにここで筆者自身が感染してしまった。おそらく職場が原因だろう。対策は十分してきたのだが、今となっては致し方ない。

2.熱中症と併発することの恐ろしさ

恐ろしいのは熱中症と併発することである。そのメカニズムは以下のようなものである。

コロナ等の要因により、高熱状態になると、悪寒がすることである。悪寒はコロナに限らず、インフルエンザ発症初めにも見られる現象である。体が高熱を出しているため、同じ温度の空間でも、周囲の正常な人間と比べて、自分自身は寒く感じるのである。自律神経の乱れなのか、夏であれば冷房の効いた部屋が寒く感じられ、冷房の効かない蒸し暑い空間が自分自身にとって心地良いのである。しかも、暑い空間にいても全く汗をかかないのである。汗をかかないのは危険である

高齢者の方々が熱中症で倒れてしまうケースが、よくニュースになるが、確かこのケースも「冷房をしていない」のである。電気代を節約しているつもりなのか、環境への配慮なのか、色々と想像するのだが、それ以外にもっと恐ろしいのは「暑さを感じない」「暑いという自覚がない」ことであると認識した。

自覚がないのは恐ろしい。自分自身が身をもって体感した。そして、一時はフラフラとして自宅で気を失っていたことがある。コロナによる発熱と、熱中症を併発した可能性が高い。高熱により、暑さを感じない中での熱中症の対策は、夏でも長袖長ズボンを着用するなど、少し厚着をして冷房の部屋に居ることが有効だと認識した。暑い空間で一人で居るのは、その場は心地よいかもしれないが、周囲の人がいないこともあり危険だ。家族とは部屋を隔離して過ごしていたが、「絶対に冷房をせよ!」と頻繁に言われていた。妥当である。

幸い、病院で処方された薬を服用し、熱がだんだんと下がり始めると、徐々に汗をかくようになった。ここからは徐々に好転である。汗をかくことは良いことだ。身体が段々と正常に戻りつつあるし、発熱開始時のような悪寒が無く、冷房の部屋が段々と心地よくなってきたのである。高熱の発生も早かったが、今回は解熱も早かった。しかし、喉の違和感は完治せず、真夏の暑さのせいか何をするにもやる気が起きない状態であった。ただ、熱中症対策を怠ってはいけない。

3.職場でもクラスターが発生し即座にテレワークに切り替え

解熱して、仕事ができる状態になった初日はテレワークを行うことにした。この日はまだ、職場の規定上においても、出社してはいけない。周囲の関係者もそのことはわかっていた。職場の状況をメール等でチェックすると、なんと私の周囲の人たちも、次々に発熱や陽性反応など、体調不良者が続出しており、私の職場としては前代未聞のことである。クラスターといっても良い。学校であれば、学級閉鎖になるであろうほどの勢いだ。

イメージで言うと、職場の半分くらいの人は、何らかの体調不良となっており、休暇、テレワークの人がほとんどであった。特に緊急案件もなく、優先度の低い業務は延期。予定していた会議などは次々に延期されていった。そして、上層部の判断により、一週間ほど、当該職場は一部の例外を除き、全員テレワークするよう指示があった。

私自身は幸い、PCを持ち帰っており、テレワーク出来る状態であったため、職場からの指示通り、その後も一週間テレワークを続けることにした。私の場合、職場からの指示が無くても自主的にしばらくの間はテレワークを続けていたかも知れない。理由の一つは、完治していないことによる周囲への感染リスクである。もう一つは、病み上がりでコンディションが万全でないことから、いざというときにいつでも横になれる自宅で業務ができることによる安心感である。夏の暑さもあり、無理をせず、スローペースで業務をすることで、徐々に元の生活を取り戻したいという思いがあった。スローペースで業務となると、生産性の面で問題視されそうだが、やはり身体が一番である。

4.普段は出社ベースでもテレワークへ切り替え可能としておくことが重要だ!

私の職場は、コロナ禍開始以降、感染対策を理由にテレワークを推奨してきたし、私自身もテレワークを比較的多く実施してきた方である。そして、2023年になってからは基本出社ベースとなった。そして、今回クラスター発生により、急遽テレワークに切り替えられた。

このテレワークへの切り替えの迅速さは良かったと感じている。業務を継続できるのも、2020年からテレワークを推奨し、環境を整え、各人がテレワークに慣れることができていたため、いざというときにこのように切り替えるうことができるのである。さすがである。

今回は発熱者やコロナ陽性者多数で、職場の該当部門全員が基本テレワークに切り替えられた。感染リスクを抑え、業務が継続できるメリットを大いに受けたと感じる他、一部のメンバは出社しなければ業務出来ない状況にあったそうだが、テレワーク出来る人がテレワークすることで、出社しなければならない人たちへの感染リスクも抑えられる。

更に少し前には、台風接近により、全員テレワークとなった日が存在する。こちらも同じである。テレワークを導入していなければ、休暇取得を推奨されていただろう。やはり、いざというときに在宅で業務ができる環境を整えておくことは重要だ。それに加え、個人個人の事情に合わせて働き方の選択肢を増やしておくことは、社員の定着率の面からも是非推奨されるべきと考えている。すべての職種、業種でテレワークができるわけではないが、テレワークが可能な業務は今後テレワークに移行していくことが求められるだろう。テレワークはコロナ禍の始まりと同時に多くの企業で一斉に導入していったが、今やコロナは関係ない。働き方の手段の一つにすぎない。

システム開発の委託先の現場がブラック労働なら発注側としても気を遣う!人間である限りそれが正常な感覚だ!

近年、製品・システム開発を1社のみで完結して行うケースは少なく、大規模なシステムとなると、必要な技術全てを自社が保有しているわけではないため、システムの一部をITベンダに発注することがある。このようなケースで残念なことは、プロジェクト全体の進捗、品質よりも、会社間の契約作業範囲、会社単位の売り上げ、受注活動のほうに着目しがちであり、これが原因で、プロジェクト全体に混乱が起きるということである。

自社の売り上げのため、無理な受注をして、システム開発現場がブラック労働になることはよくある。現場のエンジニアは、不安、不満の中、日々開発業務に尽力している。生活面を犠牲にし、健康面でリスクを負い、経済面でも十分かと言うとそうでない状況のなか、発注元はそんなこと関係なしに、高品質なシステムを短納期で要求してくる。

この記事では、上述のケースとは逆に発注先がブラック労働となってしまっているケースについて述べている。そのような状況下における筆者の心理面を述べるとともに、会社単位ではなく、会社間の垣根を超えたプロジェクト単位で、上位の視点から俯瞰して見ることの重要性について、特に『ブラック労働』の点に着目して述べたいと思う。決して他人事ではない。


1.システム開発経緯と開発委託先の選定

メーカーA社はある機器の開発、製造、販売を行っている。世間ではIoTの流れが加速しており、その機器に対してIoT対応として、スマホアプリと連携し、スマホアプリで機器の状態を確認したり、スマホアプリから機器の操作を可能としたりする大規模システム開発プロジェクトが立ち上がった。メーカーA社は、機器の開発経験は豊富であるものの、スマホアプリの開発経験がない。このため、スマホアプリの開発をITベンダーへ発注することにした。

ITベンダーを選定する段階において、3社が候補に挙がっていた。3社ともスマホアプリの開発経験はあるが、このうち2社はA社の予想を超える金額で見積りを出した。A社の提示する納期と開発規模が現実的でないとの判断であり、高額で受注するよりかは、受注を拒否したい意向であった。残りの1社であるX社は、受注に前向きであり、他の2社よりも安い見積りを出した。そしてA社は、大規模システムを予定通りにリリースするには、スマホアプリの開発委託先にX社を選定するしかなかった。そして、A社はスマホアプリの開発をX社に発注した。A社がX社に発注したのは、このプロジェクトが初めてである。

X社は、昔IT業界の中でもブラック企業と言われていた。ブラック企業ランキングというものがあるが、このランキングでも比較的上位に位置するベンダー企業である。ただ、昔と違って最近は良くなってきているとの情報もある。X社に発注したとき、A社内で委託先選定に直接関与しなかった人たちの間では、


「えっ!X社!」
「なぜ、X社なの!」

という声があったようだ。

2.開発委託先の成果物における品質問題

大規模プロダクト開発が開始し、A社はX社に全面的に協力した。仕様書(特にシステム構成図やデータフロー等、システムの振る舞いが視覚的にわかる資料)の提供と説明、定例打ち合わせによるプロジェクト進捗状況の共有、開発環境の貸出と説明等である。開発序盤からA社社員も多忙で、X社にとって開発が円滑に進捗するよう尽力した。

しかし、開発中盤から終盤にかけて、X社からのスマホアプリにおけるソフトウェアの品質が悪く、バグが多発している状況である。なかには、どう考えてもまともに動作していないだろうと思われる不具合も少なくない。例えば、動作が重い、明らかに表示がおかしい、普通に使っていて違和感があるといった感じである。

A社内でバグが発生しても、X社内ではバグか再現しないものもあった。X社のバグの原因究明に調査には、A社も全面的に協力した。例えば、A社で異常な動作が発生したときの通信ログを取って、X社に送付するといった感じである。このようなことから、A社の開発進捗にも大きく影響を与えており、プロジェクト全体の混乱にも繋がっている。

また、X社は徹夜で動作確認をしているという情報もA社に入ってきた。このような状況で良いプロダクトを作れるわけがない。

3.開発終了時点における開発委託元の見解

開発を完了して、A社のプロジェクト責任者は次のようにコメントしている。


「X社の開発力が低い。」
「当社はX社に対して、かなり協力した。無理な要求などはしていない。それどころかX社に対する工数がかなり裂かれている。」
「X社のプロジェクトマネージャが、システムの規模や難度をわかっておらず、今後のためにも無理して受注した感じがある。X社のプロジェクトマネージャや上層部の責任。」
「X社以外のベンダーは、見積り金額やスケジュールが現実的でない。受注を拒否するかのような見積りだ。」
「やはり、ブラックと言われていただけあって『安かろう悪かろう』だ。」
「他の2社の高すぎる見積りのほうが、実はまともだったのかも知れない。」

ここまでを振り返る。

A社にとって新たな技術領域であるIoTを構築するために、これまで経験のないスマホアプリの開発を新規にベンダーへ依頼する状況で、3社中2社からはA社にとって高すぎる見積りを提示され、残り1社は安い見積りを出してきたため、元々ブラック企業と言われてきたことを知りながらもこの1社に発注するしかないという状況だ。さらに、X社も「今後のために、何としてでも受注する」という前向きな姿勢であり、X社のプロジェクトマネージャが上層部から圧力を受けていたのか、悲惨な開発になることを予見できていながらも、開発を進めなければならなかったという状況だ。そして、A社はX社に全面的に協力はしたものの、やはりX社プロジェクトマネージャの力及ばずだったのかも知れない。

4.やはりブラック労働をなくすことが最優先だ!

まず認識しておかなければならないのは、ブラック労働で良いプロダクトはできないということだ。「そんなことはわかっている」、「世間では当たり前のこと」と知りながらも、いざ当事者になると、「そのようなことを言っている場合ではない」などと、目の前のことしか見えず、「ブラック労働問題」という社会目線を失う。ブラック労働に巻き込まれた人達は、純粋に気の毒である。まれに


「発注先のこと(労働環境等)はウチの知ったことではない」
「委託先企業は、納期・品質・コストさえ守ってくれたら、あとは何でも良い」

という、非常識なことを言う人間もいるが、私はこれに全く賛同できない。社内の人間であれ、取引先の人間であれ、同じ人間だし、取引先は同じプロジェクトに取り組んでいる協力者だ。そう考えるのが正常な人間だ。特にコンプライアンスが厳しくなっている現代においてはなおさらである。

ブラック労働が社会でここまで問題とされているにも関わらず、長時間労働をはじめとするブラック労働はなくならない。個人やイチ現場、イチ企業の頑張りだけでは簡単に実現できるものではなく、多岐にわたる要因が複雑に絡み合っていることは容易に予測がつく。

A社のプロジェクト責任者は前章に記載の通り、X社の問題点を述べている。しかし、このようなブラック労働を起こさないためにはどうすれば良かったのか? X社にも、A社にも反省点はある。

X社の反省点については、概ねA社のプロジェクト責任者がコメントしている通りである。プロジェクトの円滑な進捗よりも、受注のほうに力を入れている感じであり、これが結果的にX社社内のエンジニアにとって圧力となり、力技や犠牲の上に成り立つ形となってしまった。非常にお気の毒である。

続いてA社である。X社に全面的に協力したことについては良好である。「無理な要求をしていない」というのは本当かどうか疑ってしまう。個々の作業のタスクレベルでは、無理な要求をしていないのだろうが、やはりX社以外の2社が高額な見積りを出したところを考慮すると、大元の開発スケジュールに無理があったのではないかと思われる。

A社としては、3社中2社が高額見積りを提示し、残りの1社がブラック企業と言われていたところを見ると、ベンダー選定の段階で「実は高額見積りを提示した2社のほうが現実的ではないか!」ということに気付くことができたのではないかと考える。更に、見積りを依頼する発注先候補を増やして同じ結果になれば、前述の内容がなおさら当てはまるのではないかと考える。仮にX社が受注しなかったら、A社は必然的に発注先候補を増やさざるを得なかったか、A社が当初想定しているスケジュール感が全く現実的ではなかったことに開発前から気付くこととなったかも知れない。

あと、このプロジェクトにスマホアプリの対応が困難とわかれば、その次の製品への搭載をターゲットとすることも視野に入れるべきではなかっただろうか?

取引先をブラック労働にする要因は、発注者側にもある。A社のようにプロダクトを世に出すメーカーとしては、機器、スマホアプリ含めた、プロダクト全体において、A社のブランドとなり、問題が起きれば市場に対してはA社の責任と公表する立場にある。X社は受託開発であるが、A社は自社プロダクトの開発であることを重々認識しなければならない。

私は、ある企業で自動車のECU(電子制御ユニット)の開発に携わったことがあるが、お客様である自動車メーカから、


「〇〇のプロジェクトと、△△のプロジェクトとどちらもピークを迎えお忙しい中ではありますが、作業負荷は大丈夫ですか?」

と心配の声をいただいたことがある。人間としての心遣いがGOODであると感じたのを今でも覚えている。
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管理職はコンプライアンス意識が低下しやすい!その理由とあるべき姿について語る!

本来、管理職こそが高いコンプライアンス意識を持たなければならない。しかし、管理職による不祥事が後をたたず、筆者も目の当たりにしたことがある。

恐ろしいのは、管理職という立場上の力関係で、おかしなことに声を挙げたメンバが不利益を受けやすく、段々と周囲が声を挙げなくなり、コンプライアンスの是正から遠ざかることである。そして、メンバが去っていき、組織力がダウンするか、大きな問題が顕在化してニュース報道の対象になるかのいずれかである。

この記事では、管理職におけるコンプライアンス意識の低下のしやすさについて、そして当たり前ではあるものの意外に出来ていない本来あるべき姿について述べる。


1.管理職によるコンプライアンスの不正が起きやすい領域とは?

世間一般では、長時間労働、ハラスメントをはじめとする労働問題、法令違反、不正行為、不祥事が後を断たない。コンプライアンス面が正常な組織であれば、管理職でなくともいけないこととわかっている。しかし、なぜかコンプライアンスの不正は起きてしまう。

管理職によるコンプライアンスの不正が起きやすい領域とはどのような領域か?

例えば、経費の不正といったことは、純粋に企業にとって都合が悪い。私利私欲を満たすために、組織を犠牲にしているのだ。管理職か一般社員か経営陣かに関わらず、モラルの低い人が起こすことであり、管理職が特別起こしやすいとは考えにくい。

管理職が起こしやすい不正は、大きなイメージで言うと、以下のような感じである。

  • 自分および自分の組織を守るために、他の個人を犠牲にすること
  • 上層部や取引先を守るために、社会面への関心が薄れること

具体的な事例で言えば、納期を守ることを優先して長時間労働に文句を言わないメンバーを重宝する体質、他組織(取引先を含む)からの評価の低下を恐れるあまりメンバーへの指導と称するパワハラが代表的なものである。しかし、このような長時間労働パワハラについては、世間、社員、取引先からの目が厳しくなる一方である。でも、無くならない。

更に、世間や他人の目に触れることのない陰湿な不正がある。人事評価である。管理職の権限の範囲内なら、極端な話、好き勝手できてしまう。不正な低評価も根拠を捏造してできてしまう。不正な低評価は他者の目が入ろうとも、直属の上司が一番評価対象者のことを良く知るとして、不正を不正として検知しにくい。そこを利用して、被評価者が評価する側の不正を訴えても正当化されてしまい、社内にはそれが正しいもの扱われるどころか、被評価者が注意を受ける対象となり、根本的な問題解決よりも組織にとって無難な結果となるよう落としどころを決める。その結果、被対象者に与える影響は、賃金、キャリア、モチベーションの面において大きい。結局、どのような人事制度にしても、評価者のモラルに左右され、被評価者がコントロールできない部分となる人事評価こそ、最も不正が起きやすいと考えれる。実際、人事評価でのトラブルは多い。

2.管理職は組織内での責任範囲が広く自己保身に走りやすい

管理職は一般社員と比べて、仕事の質が変わり、仕事の量が増え、責任範囲が拡大し、報酬も上がる。目の前の業績、自部門のパフォーマンス、ステークホルダーとの関係性等、気にかけなければならない箇所が多くある。別の表現をすると、『範囲が広い目の前のこと』を気にかけなければいけない。よって、段々と心理的余裕がなくなり、それ以外のことが疎かになる。組織のメンバーのことよりも、更なる上位者や、他部門等のステークホルダー、顧客企業の顔色を伺う。

何か問題があれば管理職が責任を取るのが当たり前だが、潔く責任を取る管理職がどれほどいるだろうか?

実態はのらりくらりと責任上逃れをし、自己保身に走る。自分や組織の利益を優先し、メンバーの犠牲の上に成り立つ組織は珍しくない。ニュース等で不祥事に関する報道がされるのを見るが、あれは氷山の一角である。水面下には多くの不祥事が潜んでいる。

上述の人事評価のケースでいえば、

といった問題に対して、迷惑や被害を受け、かつコンプライアンス意識の高い人間が、勇気を持って是正が必要である旨の声を挙げた結果、

「自己中心的な発言」
ステークホルダーからの信頼を失った」

などとして、声を挙げたメンバーに対して不正な低評価を行い、「声を挙げる場や相手を考えるように」と注意したりするようであれば、その組織の感覚は異常だ。コンプラ意識が完全に欠如している。
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管理職は組織内における責任範囲が広くなるため、自分や組織、会社を守る「会社目線」となり、個人の人権、世間一般からのイメージにも繋がる「社会目線」を忘れがちである。これこそがコンプライアンス問題発生への発端である。一般社員やメンバーが「社会目線」であるのに対して、管理職や経営陣が「会社目線」となる構図は、よくあることだ。
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管理職は会社全体のために責任を持って、時には理不尽なこともしなければならないなどと語られる場面をたまに見るが、これも正当化と管理職の自己保身が目的だ。

3.組織内での力関係の優位性が仇になる!周囲や組織へ与える影響を考えるべき!

管理職と一般社員の違いは、昔は

「上下関係」
「管理職は命令、一般社員は実行」

などと言われていた。

最近では「役割の違い」という説明がなされる。「上」や「下」という概念はない。これ自体はその通りだ。管理職と一般社員、どちらが欠けても業務が成り立たなくなるからだ。

しかし、管理職は一般社員と比べて協力な権限を持つため、いまだに

「力関係では管理職の方が上」
「管理職が偉い」

などと勘違いされていることが少なくない。そしてこれが仇になる。

管理職が判断や行いを誤れば、そのしわ寄せや迷惑が一般社員に押し寄せる。力を持っている分、管理職の日々の行動やマインドは、管理職自身が思っている以上に、他のメンバーへ与える影響が大きい。

周囲から声を挙げにくいのも事実だ。何かおかしいことがあって、声を挙げた人に対して叱責したり、注意したりする。人間対人間、同じ労働者(「管理職」=「管理監督者」ではない)として、力関係とは関係ないところにまで力関係でねじ伏せようとする。

このような組織では、メンバーからコンプライアンスに関する問題点や指摘が挙がってくることはなくなってくるだろう。管理職にとっては、それが心地よく快適なのだろうが、問題に気付くチャンスを失い、エンゲージメントが低下し、組織は崩壊に向かっていくことに気付かなければならない。

4.管理職が力関係を使う場面を間違えるとメンバーからの信頼を失う!未然防止のためにすべきたった一つのことを伝授する!

管理職は「権限」が一般社員よりも強い。言葉に違和感があるかもしれないが、「力関係」とも言える。残念な管理職はこの「力関係」の使い方を間違える。そして、その被害を受けた社員からの信頼を一瞬にして失う。残念ながら、世の中にはそのような管理職がいる。

上述の人事評価のケースでいえば、事実と異なる理由、捏造した理由をつけて、一方的に不正な低評価をする。管理職自身にとって都合が悪いという表向きにできない理由があっても、被評価者の粗を探し、低評価できてしまう。組織の自浄作用がないから、間違ったことでもそれが正しい前提で進められてしまう。

最初は、おかしなことに声を挙げる社員もいるだろう。しかし、これが放置されるとそのうち声を挙げなくなる。何も言われなくなったら終わりだ。声を挙げなくなったことは、改善されたという意味ではない。見切りを付けられたということだ。

モラルがない、コンプライアンス意識が低い、不正行為をやってしまう管理職を見てきた。そのような人に限って心の底では自分は悪くないと思っている。コンプライアンス上問題があるという自覚がない。

犠牲になったメンバーは、退職するか、メンタルトラブルに見舞われるかである。ここまで陥っても、勘違いしている管理職は、「素直さがない」「打たれ弱い」などと、更に勘違いが増して、犠牲になったメンバーのせいにするケースが少なくない。自己保身に走るために力関係を使うのである。当然、間違った使い方である。

メンバーを含めて信頼失墜を防ぐために管理職がすべき唯一のことは、至ってシンプルである。コンプライアンスを最優先することである。組織の利益や経営効率、コスト削減や納期を最優先する人はよく居そうだが、これが行き過ぎて肝心なことを見失ってはいけない。コンプライアンスを最優先してやっていけなくなる会社なら、潰れた方が良い。管理職、一般社員とも共通して言えるが、コンプライアンスを最優先する姿勢を貫いて居心地が悪くなるような企業には、居る価値がない。コンプライアンスはそれくらい重要で、管理職がそのことを認識しなければならないのだ。

現状の不満を言う暇があれば転職活動すべきだということを事例とともに語る!

職場において現状の不満を、同期、同僚、身近な人に言う光景が時々見られる。これを見てどう思うかは人それぞれである。同調して盛り上がる人、冷たい目で見る人、同じような境遇に遭っている人からであれば共感もあるだろう。

しかし、ここで言いたいのはそのようなことではない。同期、同僚、身近な人に不満を言ったところで何も解決しない。その状況を解決するためには、上司やさらに権限を持つしかるべき人や組織に対して働きかけ、改善を要求するか、自分がその組織を去る覚悟を決めて転職活動等をするかのいずれかである。

この記事では、実在した【事例】に基づいて筆者が耳にした不満と、その解決方針を示していきたい。


【事例】
製造業の製品開発部門に所属するA氏は、新卒入社から20年を超えるベテランエンジニアである。転職は一度もしたことが無い。開発担当システムを熟知し、社内外のステークホルダーとの折衝を多くこなし、同僚・上司・ステークホルダーからの信頼が厚く、開発プロジェクト全体を取りまとめる立場にあった。大変な苦労が多いとともに、普段の残業時間も多かった。Aのこれまでの実績が高く評価され、ある時期からA氏は管理職に任命された。

A氏は普段の業務では遺憾なくリーダーシップを発揮してきたが、本音は違った。開発のリーダーではなく、研究開発の管理部門にて、開発者に対して「縁の下の力持ち」のような存在として活躍したいと、以前から考えていた。また、年一回社内で実施されるキャリアアンケートにて、その要望も毎年出していたが、全く見向きもされず実現には至らなかった。

また、A氏のこれまでの業務における実績から、今後は管理職としてマネジメントを中心としたキャリアを積みアクティブに活躍するイメージを、筆者は描いていた。しかし、A氏本人はワーク・ライフ・バランスを重視したいとの意向であった。

更に、A氏は管理職に昇進する前と後で、給料が減ってしまった。管理職手当がつく代わりに残業代がつかず、管理職手当が管理職になる前の頃の残業代を下回るという、いわゆる「名ばかり管理職」状態であった。

この【事例】をもとに、筆者ならばどのようにアクションしていくかを含めて、対応方法について解説する。

尚、管理職に残業代を支払わないことは、高い確率で違法となる。こちらについての詳細は別記事で紹介するので、リンクを参照いただきたい。
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1.不満を言うだけならば「解決」ではなく「安心」であることが多い

不満を持つことは悪いことではない。不満を身近な人に聞いてもらうだけでも、心理的に楽になることはある。更には、不満を元に「解決」を目指せすことは素晴らしいことである。「解決」できればベストだが、「解決」でなくとも「回避」という方法もある。

一般的に、「他責思考」はネガティブなイメージを持たれてしまうが、これも同様に必ずしも悪いわけではない。自分の責任を棚に上げ、他人に責任を擦り付けるのは良くないが、「自責」「他責」を問わず、問題の核心を突き、根本的な原因を捉えた結果「他責」だったというのは全く問題ない。このあたりは、過去の記事でも解説している。
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良くないのは「不満」や「文句」を言うだけで何も行動を起こさないことである。

更に危険なのは、周囲の人たちと「不満」を共有することで、


「それは自分だけではない」
「周囲も同様」

といったことがわかると、それまで問題視していた状況や、「不満」を持っていた状況に自分が馴染んでしまい、「安心」してしまうことである。「安心」するどころか「満足」してしまう。これが更に進むと同調圧力「洗脳」に見舞われ、自分自身が「思考停止」してしまう。行動を起こさないから、「解決」に繋がることはない。遠ざかることさえある。他人や組織に迷惑をかける自己中心的は良くないが、自分の感覚や価値観をもっと大切にしてほしい。

2.現状の問題点を整理し、社内で解決できるかを考える

前章の説明より、不満があれば、「解決」や「回避」に向けて何らかの行動を起こすのが筋である。そのためには、本当の問題点を整理しなければならない。

【事例】にあるA氏の場合は以下のようになる。

  • 管理職になりたくないが、管理職になってしまった。
  • これまでマネジメント経験はあるが、正直心身共にきつい。
  • 管理職になって残業代が出ず、給料が下がってしまった。
  • 研究開発職の管理部門で「縁の下の力持ち」ような存在を望んでいる。

A氏の場合は、改善に向けて社内で以下のように行動を起こしている。しかし、A氏の上司、A氏の所属組織等、外的要因によって、解決や回避をできていない。

  • 管理職になりたくない旨を伝えたが、聞き入れられなかった。
  • 以前から、管理部門への異動の希望を出しているが、何年も実現していない。

行動を起こし、解決できたならば良いのだが、そう簡単に解決する問題ばかりではない。また、A氏がどこまで解決に本気なのかにもよる。行動を起こすことによるリスクを懸念しているかもしれない。A氏が描いているキャリアに向かって本気で進むのなら、上司に対してもっと強く申し入れるかもしれない。

また、管理職になることで、管理職に残業代が支払われず、仕事の質とその対価が見合っていない問題も抱えている。別記事で紹介している通り、本来違法性があるのだが、会社に直接交渉するとか、労働基準監督署に相談するとかは、後々会社内に居づらくなるであろうリスクを考えると、行動を起こすのに勇気がいる。しかも、コンプライアンス意識が低い組織であれば、行動を起こすことで不利益を受けるリスクもある。

長年解決していないということは、これからも解決する見込みが薄いと考えるのが自然だろう。時間の経過により解決するものではないため、次の手を検討する必要がある。

3.社内で解決できないなら転職で解決できないかを考える

社内で解決できないのであれば、社外へ目を向けて解決を試みるよう、次のステップへ進む必要がある。【事例】の場合であれば、転職を視野に入れるというのが一つの方法だ。

A氏は新卒入社から20年以上同一会社に勤務しており、転職経験がないことから、転職に対しても躊躇している可能性がある。

【事例】のA氏の場合、研究開発の管理部門にて、開発者に対して「縁の下の力持ち」のような存在として活躍したい意向があるため、筆者がA氏の立場であれば、「社内SE」がどのようなものかを調査し、「社内SE」の求人を閲覧し、知識インプットするところから始める。

「社内SE」について筆者が調査した限りでは、A氏がイメージしている通り研究開発部門の管理部門として「縁の下の力持ち」のような携わり方をするケースもあると思われるが、社内システムの構築、社内インフラの整備、社内のITとりまとめ、社内の情報システム部という説明もよくある。

製品やシステム開発のエンジニアならば、顧客等社外のステークホルダーを相手に調整を重ね、理不尽なことも受け、逼迫したスケジュールを押し付けられ、その中で開発業務をこなすタフなイメージが持たれることがある。一方、「社内SE」というと開発エンジニアと異なり、人間関係が社内にクローズされ、社内のシステムに熟知すれば仕事がしやすくなるため、「楽」なイメージを持たれることがある。しかし、そのようなイメージを持っていざ「社内SE」になると、業務が多忙だったという落とし穴に陥る。そのようなことが発生する理由は、「社内SE」という言葉の意味が広く、企業によっても業務内容が異なることで、自分がイメージしていた「社内SE」とのミスマッチによるもの、「社内SE」は企業によっては業務範囲が広く、それを少人数で賄っていくため一人当たりの業務量が増えることによるものと考えられている。

この【事例】では「社内SE」の転職を解決手段の一つとしたが、転職にはリスクがつきものであり、転職先の企業に入社してからミスマッチが発覚することは、転職した側、中途採用を受け入れた側の企業双方にとって残念なことである。このようなミスマッチを防ぐためにも、事前に入念な準備が必要である。

4.転職エージェントに登録しセーフティネットを整えるべきだ!

転職を検討する場合、転職を検討しなくても自分の市場価値を知りたい場合は、まず転職エージェントに登録することである。

例えば、転職サイトである「ビズリーチ」は、


「必ずしも転職を前提としない」
「市場価値を知るための、キャリアの健康診断」

という言葉を謳って、テレビCMやWebサイト・広告で宣伝している。

まずは、転職サイトや転職エージェントに登録するところから始める。これだけでも立派な「行動」である。冒頭に記述した、不満を言うだけの時点と比べて、ここまで辿り着いただけでも大きな進展である。不満を言うだけで行動を起こさないよりも、その分のエネルギーを転職活動に費やし、自分にとってのセーフティネットを整える方に注力する方がお勧めなのである。

筆者が【事例】のA氏であれば、次のような転職活動開始動機にて、転職に向けた筋の通ったストーリーを作り上げていく。そのための準備や調査も進める。

  • 研究開発職の管理部門で「縁の下の力持ち」ような存在を望んでいるが、希望が通らない。これまで研究開発職としての経験があるため、これらの経験を活かした管理部門の業務において開発者のサポート役として貢献したい。
  • 不本意ながら管理職になり、管理職になる前と比べて給料が減少した。「名ばかり管理職」という違法状態を放置している企業ではなく、コンプライアンスを重視する企業で働きたい。

転職エージェントのキャリアアドバイザーと面談を重ね、転職する/しないに関わらず、理想の姿に近づけることは、全サラリーマンが行ってほしいことである。最後に「社内SE」を含め、エンジニア向けの転職エージェントを紹介するので、興味のある方はご登録いただきたい。そして、自身のセーフティネットを整え、あなたの人生が豊かになることを願っている。

複業/副業/転職/独立のキャリアコーチング【RYOMEI】は、30~40代に特化した、キャリア版ライザップのようなパーソナルトレーニングサービスです。今後のキャリアの展望が描けなくなっている30代・40代に向けて、自分が最も価値を発揮できる仕事(天職)に出会い、生きがい・働きがいのあるキャリアを一緒に描いていくサポートを行います。

30代後半〜40代前半は、キャリアチェンジも容易ではなく、かつ家庭がある方が多く、自由度が低い、リスクが取りにくい、といったキャリアを築く上では、あまりに大きな課題を抱えています。RYOMEIのトレーナーも同じ世代であり、自身も子育てと仕事の両立に試行錯誤していたり、順風満帆にキャリアを築いているわけではないからこそ、受講者の痛みに共感しながら、一緒に考えていくことができます。

困難な状況にある方こそ、お勧めできるサービスです。是非、一歩踏み出し、人生を変えてみませんか?


IT・Web系を専門とする『レバテックキャリア』は、2021年1月時点でサービス利用者数20万人突破し、年収アップ率7割を超える実績を持つ、「ITエンジニアが利用したい転職エージェント」として知られるエージェントです。高い専門性を持つアドバイザーがキャリアの選択肢を洗い出し、5000件以上のハイクラス求人の中からご登録者様のパーソナリティや志向性に沿い、まだ出会えていない理想の求人のご提案が受けられます。取り扱い企業も、大手IT企業からWeb系企業、スタートアップまでを幅広く網羅しております。IT/Web系エンジニアの経験者の方にとっては、是非登録しておきたいエージェントです。