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現状の不満を言う暇があれば転職活動すべきだということを事例とともに語る!

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職場において現状の不満を、同期、同僚、身近な人に言う光景が時々見られる。これを見てどう思うかは人それぞれである。同調して盛り上がる人、冷たい目で見る人、同じような境遇に遭っている人からであれば共感もあるだろう。

しかし、ここで言いたいのはそのようなことではない。同期、同僚、身近な人に不満を言ったところで何も解決しない。その状況を解決するためには、上司やさらに権限を持つしかるべき人や組織に対して働きかけ、改善を要求するか、自分がその組織を去る覚悟を決めて転職活動等をするかのいずれかである。

この記事では、実在した【事例】に基づいて筆者が耳にした不満と、その解決方針を示していきたい。


【事例】
製造業の製品開発部門に所属するA氏は、新卒入社から20年を超えるベテランエンジニアである。転職は一度もしたことが無い。開発担当システムを熟知し、社内外のステークホルダーとの折衝を多くこなし、同僚・上司・ステークホルダーからの信頼が厚く、開発プロジェクト全体を取りまとめる立場にあった。大変な苦労が多いとともに、普段の残業時間も多かった。Aのこれまでの実績が高く評価され、ある時期からA氏は管理職に任命された。

A氏は普段の業務では遺憾なくリーダーシップを発揮してきたが、本音は違った。開発のリーダーではなく、研究開発の管理部門にて、開発者に対して「縁の下の力持ち」のような存在として活躍したいと、以前から考えていた。また、年一回社内で実施されるキャリアアンケートにて、その要望も毎年出していたが、全く見向きもされず実現には至らなかった。

また、A氏のこれまでの業務における実績から、今後は管理職としてマネジメントを中心としたキャリアを積みアクティブに活躍するイメージを、筆者は描いていた。しかし、A氏本人はワーク・ライフ・バランスを重視したいとの意向であった。

更に、A氏は管理職に昇進する前と後で、給料が減ってしまった。管理職手当がつく代わりに残業代がつかず、管理職手当が管理職になる前の頃の残業代を下回るという、いわゆる「名ばかり管理職」状態であった。

この【事例】をもとに、筆者ならばどのようにアクションしていくかを含めて、対応方法について解説する。

尚、管理職に残業代を支払わないことは、高い確率で違法となる。こちらについての詳細は別記事で紹介するので、リンクを参照いただきたい。
o08usyu7231.hatenablog.com
o08usyu7231.hatenablog.com


1.不満を言うだけならば「解決」ではなく「安心」であることが多い

不満を持つことは悪いことではない。不満を身近な人に聞いてもらうだけでも、心理的に楽になることはある。更には、不満を元に「解決」を目指せすことは素晴らしいことである。「解決」できればベストだが、「解決」でなくとも「回避」という方法もある。

一般的に、「他責思考」はネガティブなイメージを持たれてしまうが、これも同様に必ずしも悪いわけではない。自分の責任を棚に上げ、他人に責任を擦り付けるのは良くないが、「自責」「他責」を問わず、問題の核心を突き、根本的な原因を捉えた結果「他責」だったというのは全く問題ない。このあたりは、過去の記事でも解説している。
o08usyu7231.hatenablog.com

良くないのは「不満」や「文句」を言うだけで何も行動を起こさないことである。

更に危険なのは、周囲の人たちと「不満」を共有することで、


「それは自分だけではない」
「周囲も同様」

といったことがわかると、それまで問題視していた状況や、「不満」を持っていた状況に自分が馴染んでしまい、「安心」してしまうことである。「安心」するどころか「満足」してしまう。これが更に進むと同調圧力「洗脳」に見舞われ、自分自身が「思考停止」してしまう。行動を起こさないから、「解決」に繋がることはない。遠ざかることさえある。他人や組織に迷惑をかける自己中心的は良くないが、自分の感覚や価値観をもっと大切にしてほしい。

2.現状の問題点を整理し、社内で解決できるかを考える

前章の説明より、不満があれば、「解決」や「回避」に向けて何らかの行動を起こすのが筋である。そのためには、本当の問題点を整理しなければならない。

【事例】にあるA氏の場合は以下のようになる。

  • 管理職になりたくないが、管理職になってしまった。
  • これまでマネジメント経験はあるが、正直心身共にきつい。
  • 管理職になって残業代が出ず、給料が下がってしまった。
  • 研究開発職の管理部門で「縁の下の力持ち」ような存在を望んでいる。

A氏の場合は、改善に向けて社内で以下のように行動を起こしている。しかし、A氏の上司、A氏の所属組織等、外的要因によって、解決や回避をできていない。

  • 管理職になりたくない旨を伝えたが、聞き入れられなかった。
  • 以前から、管理部門への異動の希望を出しているが、何年も実現していない。

行動を起こし、解決できたならば良いのだが、そう簡単に解決する問題ばかりではない。また、A氏がどこまで解決に本気なのかにもよる。行動を起こすことによるリスクを懸念しているかもしれない。A氏が描いているキャリアに向かって本気で進むのなら、上司に対してもっと強く申し入れるかもしれない。

また、管理職になることで、管理職に残業代が支払われず、仕事の質とその対価が見合っていない問題も抱えている。別記事で紹介している通り、本来違法性があるのだが、会社に直接交渉するとか、労働基準監督署に相談するとかは、後々会社内に居づらくなるであろうリスクを考えると、行動を起こすのに勇気がいる。しかも、コンプライアンス意識が低い組織であれば、行動を起こすことで不利益を受けるリスクもある。

長年解決していないということは、これからも解決する見込みが薄いと考えるのが自然だろう。時間の経過により解決するものではないため、次の手を検討する必要がある。

3.社内で解決できないなら転職で解決できないかを考える

社内で解決できないのであれば、社外へ目を向けて解決を試みるよう、次のステップへ進む必要がある。【事例】の場合であれば、転職を視野に入れるというのが一つの方法だ。

A氏は新卒入社から20年以上同一会社に勤務しており、転職経験がないことから、転職に対しても躊躇している可能性がある。

【事例】のA氏の場合、研究開発の管理部門にて、開発者に対して「縁の下の力持ち」のような存在として活躍したい意向があるため、筆者がA氏の立場であれば、「社内SE」がどのようなものかを調査し、「社内SE」の求人を閲覧し、知識インプットするところから始める。

「社内SE」について筆者が調査した限りでは、A氏がイメージしている通り研究開発部門の管理部門として「縁の下の力持ち」のような携わり方をするケースもあると思われるが、社内システムの構築、社内インフラの整備、社内のITとりまとめ、社内の情報システム部という説明もよくある。

製品やシステム開発のエンジニアならば、顧客等社外のステークホルダーを相手に調整を重ね、理不尽なことも受け、逼迫したスケジュールを押し付けられ、その中で開発業務をこなすタフなイメージが持たれることがある。一方、「社内SE」というと開発エンジニアと異なり、人間関係が社内にクローズされ、社内のシステムに熟知すれば仕事がしやすくなるため、「楽」なイメージを持たれることがある。しかし、そのようなイメージを持っていざ「社内SE」になると、業務が多忙だったという落とし穴に陥る。そのようなことが発生する理由は、「社内SE」という言葉の意味が広く、企業によっても業務内容が異なることで、自分がイメージしていた「社内SE」とのミスマッチによるもの、「社内SE」は企業によっては業務範囲が広く、それを少人数で賄っていくため一人当たりの業務量が増えることによるものと考えられている。

この【事例】では「社内SE」の転職を解決手段の一つとしたが、転職にはリスクがつきものであり、転職先の企業に入社してからミスマッチが発覚することは、転職した側、中途採用を受け入れた側の企業双方にとって残念なことである。このようなミスマッチを防ぐためにも、事前に入念な準備が必要である。

4.転職エージェントに登録しセーフティネットを整えるべきだ!

転職を検討する場合、転職を検討しなくても自分の市場価値を知りたい場合は、まず転職エージェントに登録することである。

例えば、転職サイトである「ビズリーチ」は、


「必ずしも転職を前提としない」
「市場価値を知るための、キャリアの健康診断」

という言葉を謳って、テレビCMやWebサイト・広告で宣伝している。

まずは、転職サイトや転職エージェントに登録するところから始める。これだけでも立派な「行動」である。冒頭に記述した、不満を言うだけの時点と比べて、ここまで辿り着いただけでも大きな進展である。不満を言うだけで行動を起こさないよりも、その分のエネルギーを転職活動に費やし、自分にとってのセーフティネットを整える方に注力する方がお勧めなのである。

筆者が【事例】のA氏であれば、次のような転職活動開始動機にて、転職に向けた筋の通ったストーリーを作り上げていく。そのための準備や調査も進める。

  • 研究開発職の管理部門で「縁の下の力持ち」ような存在を望んでいるが、希望が通らない。これまで研究開発職としての経験があるため、これらの経験を活かした管理部門の業務において開発者のサポート役として貢献したい。
  • 不本意ながら管理職になり、管理職になる前と比べて給料が減少した。「名ばかり管理職」という違法状態を放置している企業ではなく、コンプライアンスを重視する企業で働きたい。

転職エージェントのキャリアアドバイザーと面談を重ね、転職する/しないに関わらず、理想の姿に近づけることは、全サラリーマンが行ってほしいことである。最後に「社内SE」を含め、エンジニア向けの転職エージェントを紹介するので、興味のある方はご登録いただきたい。そして、自身のセーフティネットを整え、あなたの人生が豊かになることを願っている。

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