「○○ファースト」という言葉をいくつか聞くことがある。
- レディファースト
- 都民ファースト
- ソフトウェア・ファースト
「○○ファースト」とは、
- 「○○を優先する」
- 「○○を重視する」
- 「○○を第一に考える」
といったニュアンスがある。
一方で、「自分ファースト」という言葉がある。
この記事では、「自分ファースト」に対する考え方と重要性について語りたいと思う。
1.相手に向かって「あなたは『自分ファースト』ですね」!これどういう意味?
職場等の組織でこれをいう人は、
- 「自分ファースト」をどのように理解しているのか
- 相手に何を求めているのか
が、疑問である。
「自分ファースト」をネガティブなことであると考えていて、
- 「もっと周囲のことを考えろ!」
- 「周囲ファーストだろ!」
- 「組織に合わせろ!」
という論調ではないかと疑ってしまう。断言できる決定的な要素はないにしても、少なくとも
「『自分ファースト』っていいね!」
ではないと思われる。
しかも不思議なのは、自分だけが得をする進め方ではなく、自分が被害・迷惑・不利益を受けることを避けるため、あるいは受けたことに声を挙げた人に対して「自分ファースト」が使われると、自分が被害・迷惑・不利益を受けることを、あまり大した問題ではないかのように考える傾向がある。また、困ったことがあっても声を挙げづらくなるのではないだろうか?
普通、相手に向かって「あなたは『自分ファースト』ですね」なんて言わないだろう。
このような人には注意が必要だ。
2.「自分ファースト」をネガティブな意味で使っている人は勘違いをしている
前章の内容からお察しの通り、「自分ファースト」をネガティブな意味で使っている人は、
- 自分勝手
- わがまま
- 自己中心的
といったイメージを持っている可能性が高い。
本来の「自分ファースト」とは、
「自分の価値観・情熱・本能を最優先にして生きること」
を指す。
これは「自分と他人、どちらを優先するか」ということである。普段は他人や周囲に協力する人でも、自分自身が限界に達する手前という限定的な場面で自分を優先するケースがこれにあてはまる。「自分さえ良ければ他人はどうでもいい」という思考の人や、「他人を犠牲にしてまで自分が得をする」という考え方とはまったく意味が異なるのだが、ここを勘違いしているのである。
- できないことは「できない」という
- ハラスメントを受けたら声を挙げ断固として屈しない
- 無理な要求に対して長時間労働で納期に間に合わせることに問題意識を持つ
- 困ったことがあれば改善を求める
これが自分勝手だろうか?
ネガティブなイメージに繋がる行動だろうか?
ネガティブなイメージを持たれることを避けるために、「自分ファースト」をネガティブな意味で使う人の感覚に合わせると、結局自分が被害・迷惑・不利益を受ける。そして、それに対して誰も責任を取らない。ハイリスク・ノーリターンだ!
類似の内容について述べている、下記記事も参考にしてもらいたい。
o08usyu7231.hatenablog.com
o08usyu7231.hatenablog.com
o08usyu7231.hatenablog.com
3.「自分ファースト」は自分を守るために必要だ!
自分の考えや価値観を大事にして、積極的に行動するのは決して悪いことではない。仕事や人間関係で悩んでいる人にとっては、むしろ「自分ファースト」の考え方は参考にすべき点が多いかも知れない。
なぜなら、それは「自分を守る」ためであるからだ。
- できないことは「できない」という
- ハラスメントを受けたら声を挙げ断固として屈しない
- 無理な要求に対して長時間労働で納期に間に合わせることに問題意識を持つ
- 困ったことがあれば改善を求める
これらのことは「自分を守る」ことだ。「相手や周囲を攻撃する」ことでも、「相手や周囲に迷惑をかける」でもない。
できないことを断るには勇気がいる。一方、必要なことでもある。断らないことで、自分に無理が祟り、自分もダメージを受け、周囲にも迷惑をかけてしまう。チームワークも大切だが、メンタルヘルス対策も重要だ。
行き過ぎた我慢は禁物だ。「粗悪さ」のことを「厳しさ」と勘違いしている組織から自分を守るために、是非とも身に付けてほしい考え方だ。
真面目さ、謙虚さ、優しさが行き過ぎて、周囲ばかり気にして、自分を失ってしまっては終わりだ。自分が犠牲にならないよう、自分を最優先で守ることと、周囲に迷惑をかけることを切り離して考えるようにしたい。
4.「自分ファースト」で自分も相手も周囲も快適に過ごせる環境に身を置くべきだ!
自分が犠牲になることはあってはならないし、「自分ファースト」でもちろん良いのだが、その上で周囲や他人に協力できることはするという姿勢や行動が必要だ。自分が犠牲になってまで、周囲や他人に尽くすことは避けるべきだ。自分も他人も快適に過ごせる環境がベストだ。
昔は滅私奉公が当たり前の頃があった。「自分ファースト」ではなく「会社ファースト」だ。しかし、今は違う。そもそも「会社ファースト」なんて言葉は聞いたことが無い。今、この文章を書いている私が思いついたから書いただけだ。
仕事に関しては、働く人の価値観が多様化し、職場もこれに対応しなければならなくなった。ダイバーシティも進んできた。
このようなことに巻き込まれて、「自分ファースト」に生きることができないなら、自分で抱え込まず、快適に過ごせる環境に身を置くために、ぜひ視野を広げていただき、行動を起こしてもらいたいものである。働き方に関しては、転職、副業、起業、フリーランス、選択肢は増えつつある。会社のために自分が犠牲になるのはやめよう。「自分ファースト」は極めて重要な考え方だ!