仕事などにおいて、何かしらの業務、活動、行いに対して、悪い噂や評判が発生し、ある特定の人が対象者に対して、
「みんな言っている」
と言うことがある。
対象者は、何か自分の行いについて思い当たることがあればそこを是正すれば良いのだが、そうでもなければ、なぜ自分が良かれと思っている行いについて悪い噂や評判が発生しているのか、不安に感じることがある。
この記事では、あなたがこのようなことを言われたときの対処法について、自分の経験を踏まえて語りたいと思う。
1.まずは謙虚に自分の行いを振り返る
これは基本である。まず、あなたが謙虚になって自分自身の行いを振り返ることだ。
自分自身に是正できること、気を付けるべきことがあれば気を付ければいい。一方、あなたにも考えがあって行っている行動で、譲れない部分もあるだろう。どの部分に食い違いがあるのかはっきりさせるアクションが必要だ。
しかし、この先が重要だ。必ずしもあなたに原因があるとは限らない。冷静に真の原因を突き止めることだ。
「自責思考」「他責思考」関係ない。根本の問題を突き止めるのみである。「他責思考」を非難している人ほど「他責思考」であるどころか、被害者もしくは叩きやすい人に責任を擦り付ける傾向がある。見抜くべきところは正しく見抜くべきだ。
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あなたの行いを振り返った結果、あなたの行いに問題はなく、価値観の違いであったり、他者の原因であったりすることは十分ある。
「みんな言っている」と言っている人は、あなたに原因があるという結論を出し、責任を認める、あなたが変わってくれることを期待している。
期待しているだけであって、それ自体が正しいかどうかは別の話だ。
「みんな言っている」と言っている人にとって都合よくあなたの責任にしたい、あなたに責任を擦り付けたいという可能性は少なからずあるのだ。
「みんな言っている」という言葉を、あなたが真面目に受け取り、真の原因がわからないまま余計なことに神経を消耗し、悪い評判を恐れて何もできなくなることが、本末転倒である。
2.実はあまり大したことが無くて、不安を煽らせたいだけの行為
あなたの悪い噂や評判に関して「みんな言っている」と言っている人は、あなたに
- 「そうなのかな」
- 「みんな言っているということは、その可能性が高いのかな」
と不安を煽らせ、あなたをマインドコントロールしただけなのである。
特に、「みんな」の部分を強調し、数で勝負し、あなたを従えさせようとするやり方に、あまり効果は無い。「大人数がやることが正しい」と思考停止しており、その中身を考えることを放棄し、あなたに同調圧力をチラつかせる、陰湿なやり方だ。
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そうではなく、
「あなたの行いが、どのような場面で、どのような人たちが、どのように困っているのか」
と中身を分かりやすく伝える方が効果的であることは間違いない。
そして、後になって分かるのは、実はあまり大したことはなく、「みんな言っている」と言っている人が拡大解釈していたり、周囲の人からすると、あなたほど気にしていなかった程度のものであるということが少なからずある。
3.「みんな言っている」と言う人が責任を持ちたくないだけ
そもそも「みんな」というのは、どの範囲の「みんな」なのか?
全社員なのか、特定事業部の全社員なのか、部門内の全社員なのか、チーム内の全社員なのか、チーム内の一部社員+部門内の一部社員なのか・・・?
一人ひとり、全員に聞いたのか?
このことからわかるように、大変曖昧であり、前述した通り不安を煽らせてコントロールしたい意図が見え見えなのである。肝心の中身を問うと、かなり曖昧にぼかすことが多い。
「みんな言っている」と言う人は、あなたに何か言いたい、指摘したい、自分の主張を正当化したいと思っているものの、その人が発言に対して責任を持ちたくない意向から、発言元を不特定に分散させたいだけなのである。
本当にあなたに伝えたい困りごとがあれば、「みんな言っている」ではなく、しかるべき人が責任をもって言うべきだ。ただ、立場や力関係を気にして言いづらいこともあるだろう。しかし、そのしかるべき人が責任を持って言えないということは、責任を持って言うほどの内容ではない可能性もある。もしそうでないならば、「みんな言っている」とか数を持って圧力をかけるのではなく、責任を持って内容を丁寧に伝えるべきだ。
4.管理職が人事評価面談の場面でこれを言うと、そもそも管理職としての適性が無いと断言する
「みんな言っている」
「〇〇の部門も、△△の部門も、・・・」
このようなことを、管理職が評価者として、人事評価面談の場面で被評価者に言うとなると、これまでとは桁違いに問題である。
人事評価面談は被評価者の行動事実に基づいてその結果をフィードバックするものであり、公平性の確保と、説明責任を必要とする。
しかし、行動事実よりも風評被害を元に、低い評価を付けるとなると、信頼関係が崩れ、心理的安全性を壊し、最悪退職を招き、組織にとってダメージが大きくなる。
さらに酷い場合、被評価者が評価者に対して具体的な内容を問うと、
- 「具体的なことは言えない」
- 「自分で考えろ」
- 「言われなければ気づかないのか」
- 「いつも伝えている」(伝えているつもりで実際は伝わっていない)
- 「〇〇の立場で、1から10まで言わないといけないのか」
- 「(被評価者)のことについて相談やクレームがあった」
- 「証拠は持っているが開示できない。上層部や人事部には必要に応じて開示する」
などと、評価結果のフィードバックが不十分であるどころか、一部脅迫めいた発言が見られた事例もある。伝える内容が抽象的、感覚的で伝わらない、なぜ低評価となっているのか理由が分からない、被評価者が容認できる程度を超えたものであれば、最悪の場合、パワハラと認識されてしまう傾向がある。
内容にもよるが被評価者に納得してもらう、もしくは事実の誤認識、価値観の違いがあれば明確にするなど、評価結果のフィードバック面談の目的を達成できておらず、被評価者に不安と不満を与えるこのようなケースでは、管理職が管理職として機能しておらず、適性が無いと断言できる。
人事評価一般の話であるが、低評価をする際はトラブルになりやすいので慎重を要する。上記のようなクレームを受けたとしても、事実関係を明確にし、双方からの言い分をヒアリングし、総合的に判断すべきである。片方の言い分のみを聞いて、一方的に低評価を行うことは、人事権の濫用にあたるリスクもあるので注意が必要だ。よって、「みんな言っている」と数や規模で脅し、同調圧力をチラつかせるのではなく、できるだけ中身にフォーカスし、お互いの言い分について対話を重ねることが重要であることをお伝えしたい。そうすれば、実は「低評価にする必要がなかった」ということも十分ありうる。
このように、管理職として機能していない管理職の管轄にあるメンバにとっては、とてつもないストレスになる。そのようなメンバが、ストレスや心理的負担を軽減するためにまず最初に行動してほしいことの1つは、「転職サイトに登録する」ことである。転職エージェントは、転職サポートの他、数多くのキャリア相談に携わっており、社内の上司、同僚よりも、より客観的にあなたを評価してくれる可能性が高い。閉鎖的な組織の中で「みんな言っている」といった内容を信用するよりかは、別の角度からあなたの可能性を見出し、キャリア面における選択肢を提供してくれる可能性がある。あなたの可能性を知ることで、「みんな言っている」などと言う言葉に流されず、閉鎖的な組織からの洗脳を防ぐことができる。あなたにとってより良い可能性を見出し、より良いキャリアを歩んで欲しい。