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パワハラ問題がなくならない日本の組織、それは病気

日本はハラスメント対策でも国際的に遅れているとの情報がある。ニュースで見るパワハラの数は計り知れない。しかも、ニュースで報道されているのは、氷山の一角であり、水面下には数知れない案件のパワハラが発生している。

この記事では、パワハラの根本的な原因や発生時におけるリスク、パワハラについてよくある甚だしい勘違い、パワハラを無くすための第一歩について記載しようと思う。

目次


1. パワハラが起きる原因は加害者が未熟だからである

現在日本では様々なところでパワハラが起きている。一般企業、ブラック企業、学校の教員、警察、消防、病院、アスリート、国会、官僚、・・・。どこでも起きているではないかと絶望的な気分になる。パワハラはなぜ起きるのか、一般的にありそうな原因を並べてみよう。

  • コミュニケーション不足
  • 職場、会社の体質
  • パワハラを容認してしまう風土の問題
  • 被害者にも原因がある
  • 失敗が許されない緊張感
  • 業績の低下や厳しい納期など、心理的な余裕のなさ
  • 複雑な社会事情
  • 指導・教育が熱血でそれが行き過ぎること
  • 相手の心境に対する想像力の低下
  • 職場や組織内の力関係

上述した中にはそれらしいものもあるだろう。私がこれまで見てきた職場、世間一般のニュース、専門家の見解、これらを総合的に見て、私が1つだけ挙げるとすればこれだ。

  • 加害者が未熟である

これだけだ!

そもそも加害者がいなければパワハラは発生しない。被害者がいくら気を付けても、被害者がいくら対策をしたところで、パワハラをするのは加害者である。諸悪の根源は加害者だ。加害者さえいなければパワハラはないのである。

世の中、無念にも被害者がいじめやパワハラを理由に自殺するケースがありニュースでも報道される。非常に痛ましい限りである。被害者が自殺してもパワハラが解決するわけではない。しかし、自殺してまでその場から逃れたいと思うのだから事態は大変深刻・・・、どころではない。それにもかかわらず、会社が責任逃れに走ることさえある。

稀に、パワハラ被害者が加害者を恨み、殺害するといったニュースがある。殺害することは決して推奨される行為ではないが、被害者が加害者を恨むことは当然であり、その部分に関してはある意味正常である。

しかし、日本企業のパワハラ相談窓口はほとんど正常に機能しないようだ。パワハラ加害者は組織内の重要なポジションにいることが多く、処分などすることでそのポジションに空きができることを痛手と考えているようである。そんな理由で、加害者を手厚く守り、処分が必要なケースでも口頭注意だけで終わらせてしまうことさえある。異常だ!

組織内の要職に居るということは、これまで一定の実績を挙げたことはその通りだろう。ところが、これが過大評価され、人間として未熟なまま影響力の大きいポジションへアサイされてしまったことが何よりの原因である。

そして2番目に挙げるとすれば、パワハラを容認している組織風土である。見て見ぬふりをする、あの人には逆らえないといった風潮がまかり通っている等、組織外から見れば考えられないことが組織内で平然と起きているのである。このことから、パワハラ体質は別名「組織の病気」と言われることもある。

一方、被害者に問題があると考える人がいる。これは全く違う。被害者が優秀な人材だろうがパワハラを受けることがある。優秀な人材だからと言って絶対にパワハラを受けないという保証はないパワハラを行うのは加害者だからだ。加害者が未熟だから行われるのであって、被害者は関係ない。被害者の捉え方という面はあるが、パワハラととらえている以上、パワハラではなくとも何らかの悪影響を及ぼしたり、被害者が不快な思いをしているのは確かだ。

2. パワハラによるリスクは誰でもわかる。わからない組織は異常だ!

パワハラ加害者を要職のままに残しておくことは組織にとって非常にリスクが高い。未熟な人間が権限や影響力を持っているため、この権限や影響力によって間違った結果や悪い結果を導くことがあるためである。その結果様々な悪影響が起きる。

  • 職場のモチベーション低下
  • メンバーのパフォーマンスの低下
  • パワハラ相談窓口等による解決コスト発生
  • 優秀な人材の流出
  • 企業イメージ、社会的信用、ブランド・業績の悪化
  • 取引先からの取引見合せ
  • 新卒・中途採用者の採用困難
  • 被害者の心身不調、最悪の場合自殺
  • SNS等による告発
  • ニュース報道
  • 裁判、労働審判のリスク
  • 外部のユニオン(労働組合)からの団体交渉

コンプライアンス教育などで上記のような項目が挙げられる。どれも当たり前であり、わかっていない企業は異常だ!

でも、現実にいろいろな所でパワハラが発生している。

加害者にとっても被害者にとっても何一つ良いことはない。最近時々見るのは、警察や消防などでパワハラが起きたときは、組織内で加害者が処分されてもニュースになることである。公務員だからだろうか?一般企業でもそのようになるべきではないだろうか。

3. パワハラに関する代表的な勘違い、加害者も被害者も第三者も気を付けるべきだ!

影響力を持つ人は、特定の分野において何らかの実績を残してきた人であることが多い。しかし、この影響力が悪いほうに作用する一つがパワハラである。何かしらの優位性を背景としていることがパワハラの1つの条件となる。ここでは、パワハラに関する勘違いをいくつか挙げてみよう。加害者も、被害者も、第三者も知っておくべき内容である。

3-1. 仕事はできるがパワハラをする人?

『仕事はできるがパワハラをする人』があなたの職場にいないだろうか?

是正指導や処分を行いたいけど、この人が処分されると組織全体にとって痛手であるなどと感じていないだろうか?

「『仕事はできるがパワハラをする人』というのは存在しない」と複数のパワハラ専門家が指摘している。私も大いに共感している。

加害者は個人的に高い能力があったとしても、それは個人レベルである。個人の能力には限界がある。パワハラは組織に悪影響を与え、優秀な人材を台無しにする。加害者個人の高い能力によるプラス面と、組織に与えるマイナス面を比べると、比較にならないほどマイナス面が大きい。管理職等の上位者は組織全体のパフォーマンスを上げる役割があるのに、パワハラにより組織の生産性を下げることで、本来の役割と逆のことをしている。つまり、『仕事ができない』ということである。

3-2. 「指導」と「パワハラ」は同じ?

「指導」と「パワハラ」を混同する人は、指導力不足であると専門家が言っている。

「指導者」が「指導法」について一番勉強しなければならないのにこれを怠っている。「指導」について学んでいないから「パワハラ」をしてしまう。「指導」は相手の成長を促し導くもの、「パワハラ」は力関係を利用した嫌がらせである。即ち「指導」≠「パワハラである。

「指導」という名の「パワハラ」を行っても逆効果であり、優秀な人材を台無しにすることさえある。このような情報が色々なサイトやメディアを通して出回っていても、未だに様々な場所でパワハラが起きているので、多くの事例を勉強すべきである。

3-3. パワハラ被害者は無能?

パワハラの原因は被害者にあり、被害者の能力が不足しているからだと思っていないだろうか?

私の経験、インプットしたした情報では、優秀な人材がパワハラの被害を受けているのを目にする。あるパワハラ専門家は、「パワハラ相談に訪れてくる被害者は、優秀な方が多い」と言っている。なぜこのようなことが起きるのか最初は私もわからなかった。

「加害者が未熟である」ことは確実に言える。では、被害者はどうか?

被害者は「優秀」か「未熟」かは関係ないと思っているのだが、なぜ「被害者は優秀な方が多い」という情報があるのか考えてみた。優秀な人は何らかの実績を持っており、自己肯定感が高い。よって、パワハラを受けていると「こんなはずではない。何かおかしい。」と思うようになる。つまり、「(パワハラ被害に)気付く」ことができているのではないだろうか。
o08usyu7231.hatenablog.com

逆に、パワハラを受けていても

  • 「こんなことはよくあること」
  • 「日常茶飯事」
  • 「自分のためと思って耐える」
  • 「自分にも至らないところがある」

などと思い込み、パワハラによる被害だと気づかないことは危険だ

このように考えると、いち早く声を上げることができる人、いち早く助けを求めることができる人、いち早く解決・回避に向けて行動できる人のほうにアドバンテージがあることに頷ける。

4. パワハラを無くすには、まずパワハラを知りパワハラに気づくことだ!

根本的には加害者のへの是正、教育、処分である。被害者にパワハラ対策を求めるのは理不尽であることがわかっている。しかし、現実的には、被害者への要求となってしまい大変不本意ではあるのだが、まず被害者が「自分は被害者だ」と気づくこと、声を上げることだ。パワハラが放置される理由は大きく3つある。

(1) 被害者が被害を受けていることに気づかず、そのような状況が当たり前だと思うようになること。
(2) 加害者のほうが地位が高く、今後への影響を考えると、被害を受けていることに気づいても声を挙げることができない。
(3) 被害者にも悪いところがあると考えており、声を挙げづらい。

どれもよくわかる理由だ。

(1)は、だからこそ被害者もパワハラの定義や事例を調べてほしい。私も調べたことがある。私もパワハラらしきものを受けた当時は、パワハラの定義が曖昧であり、「パワハラだ」と言い切ってよいものか躊躇していた。しかし、2020年6月から「パワハラ防止法」が大手企業を対象に適用開始となり(中小企業は2022年4月より適用開始)、同時に厚生労働省が出しているパワハラの定義を確認すると、「あのときのあの出来事はパワハラだった」ということがある。よって理不尽ではあるが被害者にも知識が必要である。劣悪な組織や加害者の言い分に洗脳されてはいけない、企業にはパワハラ防止の義務がある。被害者だけでなく、第三者であっても気付いてほしい。
o08usyu7231.hatenablog.com

(2)は、報復行為や今後の業務への悪影響が予想され声を挙げることができない状況を企業が放置してはならない。声を上げやすい体制や体質にするよう、相談窓口の整備や教育を怠ってはいけない。ものごとの正しさではなく加害者が力関係でコントロールするような企業はブラックであると言って良い。
o08usyu7231.hatenablog.com

(3)は被害者に悪いところがあるなら是正するのは素晴らしいことである。被害者側に全く非が無いわけではないにしても、パワハラ被害に対する責任を負うのは被害者ではなく加害者である。被害者が悪いと言って被害者をさらに追い詰めることは「セカンンドハラスメント」というハラスメントにあたり、違法行為もしくは損害賠償請求の対象になる。
o08usyu7231.hatenablog.com

パワハラの定義や事例については厚生労働省が管轄している「あかるい職場応援団」というサイト、および別記事でも紹介しているのでを参考にしてほしい。
www.no-harassment.mhlw.go.jp

最後に、パワハラの加害者を絶対に昇格させてはいけない。降格するくらいを当たり前にしてほしい。

パワハラ加害者となる可能性が高いリーダー、管理職には、パワハラの重大さを知ったうえで、チーム・組織で成果を最大化するために必要なことを学んでほしい。私は様々なリーダー、管理職を見てきた。技術や能力が高いベテラン社員はある程度いる。しかし、いくら能力が高くてもパワハラ気質なベテラン社員は、管理職にふさわしくないと判断している。組織のメンバーのパフォーマンスの最大化の妨げとなっているからである。チーム・組織で成果を最大化するためにパワハラはいらない。

そして被害者はパワハラを受けた状況にもかかわらず業務において一定のアウトプットを出しているなら、被害者は優秀な人材であると考えて良さそうだ。
さらには、本来被害者側に要求しなければならないことは社会的に非常に残念ではあるが、パワハラ被害に遭う前から、転職、起業、フリーランス、副業など準備を進めておく必要がありそうだ。それくらい日本のハラスメント対策は国際的に見ても遅れている。そして、パワハラ加害者は重い軽いいずれにしてもそれなりの処分と教育を受け、更正してほしい。