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企業も労働者も陥りやすい労働関係法令違反を厳選して紹介する!企業から言われるがままに洗脳されてはいけない!

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日本の企業は何かしらの労働関連法令に違反していることが少なからずあり、「グレーゾーン」などと称して罪悪感が低く、違法状態をやんわりした表現にとどめていることが多い。

しかも、企業側が「知らない」もしくは「知っていてやっている」ことに対して、労働者側も「知らない」ことで、違法状態が堂々とまかり通っている。

違法な長時間労働、ハラスメントの温床など、明らかな法律違反を繰り返している「ブラック企業」という言葉が、世の中に流通して久しいが、「ブラック企業」はなかなかなくならない。

更には「ブラック企業」でなくても、完璧に法律を守って運営している企業を探すことの方が難しいくらいだ。

この記事では、労働関連法令に違反しているあるあるの案件で、私でも知っているような内容を紹介し、皆さんのインプットにしていただきたい。


労働関連法令違反あるあるを厳選して紹介!最低これだけは覚えてほしい!

本来、労働関連法規は会社側が徹底して遵守すべきものである。努力目標ではない。最低限守られるべきものである。しかし、それすら守れない、守らない企業は少なくない。労働基準監督署の監督官も不足しており、国の予算も十分でない。よって、日本では違法行為に対しても罰則が緩く、全く抑止力になっていない。

このような場合の打開策の一つとして、理不尽ではあるが、労働者こそが声を挙げ動くことが最も有効だと言える。

労働者が、労働基準法を全てインプットするに越したことはないが、それは現実的でない。最低限の内容をインプットしていただき、以下に示すような事例があれば、思い出していただきたい。

1.管理職には残業代がつかない?

よく、


「管理職になったら、残業代なんかつかないよ!」

などといったことが、ビジネスの常識として語られることがある。

しかし、結論から言うとこれは違法である。

労働基準法41条によると、確かに残業代を支払わなくても良い人というのは存在する。しかし、これを満たすにはかなりハードルが高い。

我々一般の人や企業内で使われる「管理職」という言葉に法的な定義はなく、業務上メンバのマネジメントに携わり、経営陣との橋渡しをする人を指すことが多い。

残業代を支払わなくても良い人は、労働基準法では「管理監督者」と言うと言葉で定義された条件に当てはまる人が対象であり、「管理職」とイコールではないのだ。

主な条件として下記のようなものがある。

  • 経営に携わっている。経営会議に出席している。
  • 一般の従業員と比べて、(残業代などつかなくとも)十分給与が高い。
  • 採用、人材配置等、人事面での実質的な権限を有している。
  • 出社日、出社時間、退社時間、休憩時間が自由である。

これに当てはまらないならば、それは「名ばかり管理職」だ。しかも酷いのは、残業が常態化している一般従業員が管理職になると、増額される管理職手当よりも、減額される残業代のほうが多く、責任は重くなるにも関わらず給与は減るといった矛盾が起きる。

これは労働基準法41条の勘違い、もしくは悪用による、残業代未払いの違法行為である。

尚、前述した「名ばかり管理職」そのものが悪いわけではなく、業務の性質や労働実態は「名ばかり管理職」であっても、残業代を支払っていれば合法である。
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2.固定残業代より多くの残業代はつかない?

よく、


「毎月固定残業代として、□□時間分、◯◯万円支払っているんだから、これ以上残業しても残業代は出ないぞ!」

などといったことが、ビジネスの常識として語られることがある。

しかし、結論から言うとこれは違法である。

固定残業代は、「みなし残業」とも呼ばれ、月あたりの実残業時間が、あらかじめ決められた固定残業時間以下でも、固定残業時間に相当する残業代が貰える。効率良く仕事が行える人や環境であれば労働者側にメリットがある。また、企業側にとっても人件費の見通しが安定することや給与計算が簡素化される利点がある。

労働者にとっての問題は、月あたりの実残業時間が、あらかじめ決められた固定残業時間を上回った場合における超過分をどのように扱うかである。

「みなし残業」時間を超過した分の残業代は支払われなければならない。

しかし、ここを本章冒頭のようにうやむやにして、支払わないケースが多いのだ。

3.残業時間の計上単位は〇分毎?

よく、


「定時以降の残業時間の計上は、15分毎とする!」

などといったことが、就業規則に定められていたりすることがある。

しかし、結論から言うとこれは違法である。

残業時間の計上は1分単位で行われなければならない。

労働基準法24条に、


「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」

と定められている。(「賃金全額支払いの原則」

残業時間の計上を「15分毎」「30分毎」のように、労働時間を切り捨てることは、これに違反している。
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4.業務の準備・片付けは労働時間外?

よく、


「始業時間ギリギリではなく、余裕をもって出勤するように!」
「パソコンの起動時刻は、始業時間より前であるべきだ!始業時間から即業務を始められるようにすべきだ!」
「終業時刻と事業所の退門時刻が一致しているのはおかしい!作業服から通勤時の服への着替え時間は仕事をしていないだろ!」

などといったことが、ビジネスの常識として語られることがある。

しかし、結論から言うとこれは違法である。

業務の準備や後片付けも、「業務」であり、労働時間に含まれるからだ。

労働基準法では、「労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義されている。つまり、雇用主から直接的または黙示的な指示を受け、従業員が業務に従事する時間のことを労働時間という。例えば、作業服の着用を義務付けられている業務において、「作業服に着替える」という行為自体、業務に必要な準備として指揮命令下に置かれていると見なされる。

ひと昔前であれば、「新人は始業時間より30分早く出社すること!」のようかことがビジネスマナーとしてまかり通っていたこともあったが、現在は労働基準法における「労働時間」の定義が周知されており、賃金の発生しない始業時間より前に勤務を開始することを強制することは違法行為という考え方が定着しつつある。
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5.会社に勤務する以上、副業は禁止?

よく、


「当社は副業禁止!」
「許可なく社外の業務に従事することを禁止する。」

などといったことが、社内の就業規則で規定されることがある。

しかし、結論から言うとこれは違法である。

働き方改革の一環として、政府は2018年より「副業」を推奨するようになり、同年に提示されたモデル就業規則から、「許可なく社外の業務に従事することを禁止する。」といった文面が削除された。

しかし、現実としては「副業」を認める企業が増加傾向にあると言えども、依然として「副業禁止」の企業はまだまだ多い。

そもそも、働き方改革以前に「副業禁止」は憲法22条違反であり、職業選択の自由を侵害するものとされている。大原則として、企業は業務時間外の社員個人の行動まで制限することはできない。

「本業に支障が出る」「機密情報漏洩の危険性がある」ことを懸念するケースが多いが、これを理由に副業を禁止するのではなく、「本業に支障をきたさないこと」「機密情報の漏洩がないこと」のほうを就業規則で規定したり、何かしらの対策を打つべきであり、このような弊害が起きてしまうリスクは、副業のみならず社員のプライベート全般に言えることであるため、副業を禁止したり、制限したりするのはおかしな話なのである。企業は社員を私物化すべきではない。
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6.ハラスメントの発生は被害者側の問題?

よく、


「指導」「教育」「あなたのため!」

などと称して、ハラスメントが揉み消されたり、話を反らそうとすることがある。

しかし、結論から言うとこれは違法である。

現実には、ハラスメント被害についての相談をしても、被害者のせいにされるという、とんでもないことが起きるケースさえある。

なぜかというと、加害者の方が力関係が強いことが多く、加害者側を根本的に是正させるよりも、被害者側の粗を探し、被害者にも問題があることを認めさせ、被害者を是正させる形を取る方が、第三者としては、力関係の強い加害者側との関係性に波風を立てずに済むからである。つまり、解決よりも揉み消す方が楽であと考えられているからである。
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しかし、これにはそれ以上のリスクを有していることに気付いていない。

ハラスメント被害者に二次被害を加えることは、「セカンドハラスメント」といい、違法行為である。
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労働契約法第5条安全配慮義務というものがある。「安全配慮義務」と言えば、町工場や工事現場等で物理的安全面への配慮が必要とする作業に対して、安全帯を付ける等安全面に対して十分な配慮を義務付けるという状況をイメージされる方が多い。それ自体は間違いではない。

しかし、「安全配慮義務」とは上記以外にも、長時間労働、メンタル不調、ハラスメント被害を含め、フィジカル、メンタル両面から配慮することが求められる。これを抜きにして、円滑で生産性の高い業務は実現できないからだ。

更に、ハラスメントに関しては、セクハラは男女雇用機会均等法、マタハラは「育児介護休業法」で保護され、長らくの間法整備が不十分であったパワハラに対しては、2022年4月の時点でパワハラ防止法」によって職場で対策することが義務付けられた。パワハラを揉み消すとか、被害者側に問題があるかのようにマインドコントロールする、被害者側を潰して泣き寝入りさせる、社会とはこういうものと被害者を洗脳するなど、紛れもなく「パワハラ防止法」違反である。

正しい労務知識の定着と健全な人材の流動性が必要だ!

この記事に挙げた内容は、私でも知る程度の違法行為であるにも関わらず、実際に企業が堂々とやっていることである。そして声を挙げなければ、組織内部で自浄作用が働くことはない。

このような問題を解決するには、まずは労働者が正しい労務知識を付けることだ。そして、違法行為をするような企業に対しては、

  • 堂々と声を挙げる
  • 労働基準監督署・労働局・弁護士の力を借りる
  • まともな人材から流出して違法企業を立ち行かなくする

のように、世間から圧力をかける方法が有効だと言わざるを得ないくらい、組織内部で解決に至ることの方が珍しい。だから、私自身もこのような記事を書いているのだ。
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労働関係法令を全部丸暗記する必要はない。学校の試験に出るわけではないし、労働関係法令の条文など丸暗記などしようとすると、多くの人にとって眠くなってしまうような内容だろう。

労務関連の知識におけるお勧めのインプット方法は、まず自分の身の回りに起きそうな問題、起きてしまった問題、自分自身が不利益を受けてしまった労働問題に対して、「世間一般はどのように捉えるか」を調べることだ。世の中、類似する問題が様々な箇所で発生している可能性が高い。弁護士事務所や労働局のホームページに、法律そのものやその解説、過去の判例と合わせて紹介されているので、そのようなページにたどり着けばインプットしやすい。特に、法律では明確な表現が無くとも、過去の判例はそれをカバーする強力なヒントだと言っても過言ではない。

よく、


「法的にグレーな部分があればまずは会社の直属の上司に相談しましょう。」

といったことが言われている。

私はこれを100%否定するつもりはないが、最低限の労務知識がないまま、いきなり会社の上司に相談してしまうと、場合によっては解決ではなく、会社にとって都合の良いように言いくるめるという対応をされてしまうことがある。即ち、上司のモラル・コンプライアンス・労働リテラシーに依存する形となり、相談者がリスクを抱えざるを得ない。

なので、まずはこの記事で紹介した最低限のことは覚えていただいた上で、法律を知ることがビジネスパーソンとしてのスキルになり、企業にとって都合良く洗脳されないための武器になることを感じ取っていただきたい。そして、更に労務知識について学びたい方は、資格取得を目指し、自身の知識・スキルを目に見える形で証明すると良い。

労働トラブルにフォーカスを当てた資格は、私自身これまでにあまり見たことがありません。「労働トラブル相談士」資格は、経営者、管理職、人事担当者、コンプライアンス研修担当者に限らず、全労働者が知っておいた方が良い知識であり、また現在ブラック労働環境に在職している方には必須の内容と言えます。

この資格を取得するためには、認定講座を受講していただく必要があります。受講後の試験に合格した方が資格を取得できます。講座は全てオンラインで受講できます。資格の内容は、人事や労働に関する知識です。就職、労働条件、退職、残業、休職、解雇などの法律や決まり、トラブルに関する知識を得ることができます。

ブラック企業対策のノウハウを知りたい」

このような方は是非、「労働トラブル相談士」資格取得をご検討されてみてはいかがでしょうか?

また、1社のみに属していると、どうしてもその企業の常識が社会の常識であるかのように植え付けられ、思考停止に陥ることがある。是非とも最低限の法律はマスターし、企業から言われるがままに洗脳されてはいけない。これを回避する手段の一つとして、転職サイトに登録することをお勧めする。今すぐ転職する予定が無くてもである。世間を知り、市場を知り、自身のキャリアの健康診断も兼ねる。「転職活動」は今後全てのビジネスパーソンがすべきであり、「転職」するかどうかはその先の話である。

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そしていざ企業を退職するとき、企業の違法行為によって受けた不利益、例えば未払い残業代、ハラスメントの損害賠償を取り返したい場合は、証拠を揃えたうえで、弁護士や労働組合が運営する「退職代行」の利用がお勧めである。健全で優秀な人材は、違法企業に居留まらず、健全に流動すべきであると断言する。

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そのような方にお薦めするのは、労働問題専門の弁護士法人が運営する安心・確実な退職代行サービスです。社会労務士および弁護士資格、様々な労働問題に関する知見・ノウハウを有し、法律上のトラブル、未払い金請求、慰謝料請求など、各種請求・交渉に完全対応いただけます!

「退職代行ガーディアン」は、東京都労働委員会認証の法適合の法人格を有する合同労働組合です。退職代行という労働問題において一般法人(株式会社など)と弁護士の強みを持つ存在で、【簡単/低価格/確実】を合法的に可能としてます。

一般法人の退職代行による企業との代理交渉は、弁護士法72条違反となるため、実現できません。企業側も違法退職代行対策が進んでおり、大手退職代行でも実は危ないと言わざるを得ません。弁護士に依頼する場合は、法適合の面では優位性はあるものの、一般的に高額で手続きが面倒です。

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